JPH0223498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は泥避カバーと足掛具を一体に形成し
た走行運転型のクローラ運搬車（以下、単に運搬
車という。）に関する。

〔従来の技術〕

この種の従来の運搬車は、２つの無端クローラ
からなる走行部により歩行しながら運転する操作
者及び車体に設けたエンジン部に泥水等が跳上が
らないように、樹脂等で形成した泥避カバーが２
つの無端クローラの一端側の上方部分に別々に取
り付けられている。又、これとは別に２つの無端
クローラの一端側である運搬車の後側の下部中央
には、田畑のあぜ等の凸部を越えるために足を掛
けることで車体を浮かせたり、狭い場所等で足を
掛けることで車体の方向転換等が容易にできる足
掛具が運搬車に固定して設けられている。このよ
うに足掛具に足を掛けることにより運搬車の後側
を押えて前方を持ち上げたり、足掛具の端に足を
掛けて人の力で方向転換できるのは、この種の運
搬車が小型のもので、小さい荷物を運搬する時に
使用するものであるからである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記従来の運搬車では、泥避カバーと
足掛具は別々に運搬車に取り付けられているの
で、泥避カバーと足掛具の隙間から泥水等が跳上
がり、操作者が汚れることがある。又、接続の困
難な運搬車に泥避カバー及び足掛具の両方を接続
しなければならないので接合の手間がかかる。更
に又、泥避カバーは２つの無端クローラの一端側
の上方部分に別々にしかも単に泥避けのためにの
みの目的で柔軟材質でできているので、足を掛け
ることができない。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上記事情を鑑みてなされたもので、
その具体的手段とするところは、エンジン部から
の動力により走行する２つの無端クローラからな
る走行部の上方に設けた荷台及びこの荷台と隣接
して前記２つの無端クローラの間の一端側の上方
に操作部を具備してなる走行運転型のクローラ運
搬車において、前記操作部の下方と２つの無端ク
ローラの一端側の上方部分の間に位置する足掛具
を車体に固定して取付けると共に、この足掛具に
一方の無端クローラの一端側の上方部から他方の
無端クローラの一端側の上方部にわたつて泥避カ
バーを固定したところにある。

〔作用〕

上記手段によると、泥避カバーと足掛具は一体
となつて運搬車の操作部を設けた後側が隙間なく
形成されるので、操作者への泥水等の跳上がりを
確実に防止することができる。又、泥避カバーは
足掛具に一体となつて支えられるので、運搬車の
車体へは足掛具をのみを接合すればよく接合の手
間が省かれる。

〔実施例〕

この考案の実施例を以下図面に基づいて説明す
る。

この考案の実施例の運搬車１は、第１図に示す
ように、無端クローラ２によつて走行を行う走行
部３、該走行部３に動力を与えるエンジン部４、
車体の動きを操作する操作部５及び荷物を積載す
る荷台６から形成されていて、エンジン部４を駆
動させて動力を走行部３に与えて無端クローラ２
を回転させると共に、操作部５を操作して荷台６
に積載した荷物を目的の場所に運搬するものであ
る。

運搬車１の後側で、かつ、一方の無端クローラ
２から他方の無端クローラ２にかけての一端側の
上方部分には、第１図乃至第３図に示すように、
泥水等の跳上がりを防止するためのＬ字を倒した
ような形状をした泥避カバー７が設けられてい
る。又、運搬車１の後側の下部中央には、足を掛
けるのに十分な大きさを有する金属パイプなどか
らなる足掛具８が設けられていて、運搬車１に固
定されると共に、泥避カバー７と足掛具８は接合
されて一体となつている。泥避カバー７及び足掛
具８の運搬車１への取り付けは、泥避カバー７と
足掛具８を先に一体に形成しておき、運搬車に嵌
合させて足掛具８のみを運搬車１と固定すればよ
く簡単に行うことができる。上記の泥避カバー７
と足掛具８の接合だけでは、泥避カバー７が振動
等を起し不安定な場合には、泥避カバー７を支え
る程度に運搬車１に取り付ければよい。又、足掛
具８を運搬車１に固定するのではなく泥避カバー
７を運搬車１に固程するようにしてもよい。更
に、泥避カバー７と足掛具８は溶接、その他で接
合して一体に形成してもよく、又泥避カバー７及
び足掛具８を一体成形して形成してもよい。

上記運搬車１によると、ぬかるみ等を走行する
場合には無端クローラ２によつて後方に跳上げら
れる泥水等は２つの無端クローラ２の一端側の上
方部分とその間隙を塞ぐようにして設けた泥避カ
バー７で確実に防止することができる。又、あぜ
等の凸起越え又は狭い場所での運搬車１の方向転
換等の場合には、運搬車１に堅固に固定された足
掛具８に足を掛けて押えるようにすれば行うこと
ができる。尚、泥避カバー７及び足掛具８の材質
は金属であつてもあるいは非金属であつても十分
な強度のあるものであればよい。

〔考案の効果〕

以上の説明より明らかなように、左右の泥避カ
バーを一体に形成し、かつ、泥避カバーと足掛具
も一体に形成したので、２つの無端クローラの間
に間隙が生ぜず泥水等の跳上げが確実に防止でき
る。又、泥避カバーと足掛具を一体に形成したも
のを運搬車に取り付けるだけでよいので運搬車へ
の泥避カバー及び足掛具の位置合せが簡単にな
る。更に、泥避カバーと足掛具を一体に形成した
ことにより運搬車への取付けは足掛具のみで行う
こともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの考案の実施例を示し、
第１図は全体斜視図、第２図は正面図、第３図は
側面図。 １……歩行運転型のクローラ運搬車、２……無
端クローラ、３……走行部、４……エンジン部、
５……操作部、６……荷台、７……泥避カバー、
８……足掛具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジン部からの動力により走行する２つの無
   端クローラからなる走行部の上方に設けた荷台及
   びこの荷台と隣接して前記２つの無端クローラの
   間の一端側の上方に操作部を具備してなる走行運
   転型のクローラ運搬車において、 前記操作部の下方と２つの無端クローラの一端
   側の上方部分の間に位置する足掛具を車体に固定
   して取付けると共に、この足掛具に一方の無端ク
   ローラの一端側の上方部から他方の無端クローラ
   の一端側の上方部にわたつて泥避カバーを固定し
   たことを特徴とする走行運転型のクローラ運搬
   車。