JPH0223355B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、入力した印字情報に基づいて文字な
どを印字する装置、更に詳しくは印字情報を熱転
写式にカラー印字するカラーサーマルプリンタに
関する。

〔技術の背景〕

情報処理装置において、入力した情報を印字す
るプリンタは、活字式の印刷装置に代つて、ドツ
トの集合で文字などを構成する画素式（ドツト
式）のものが普及してきている。画素式は印字動
作が速く、且つドツトの組合せで印字できるの
で、表現が自由自在で任意の文字やパターンを印
字することができる。

このようなドツト式のプリンタは、画素を印字
するためのエネルギーの形態によつて、ワイヤド
ツト式プリンタに代表される機械（力）式、静電
式プリンタに代表される電気式、電子写真式プリ
ンタに代表される光学式、感熱式および熱転写式
プリンタに代表される熱式などが知られている。
また熱転写式プリンタは、カラー印字フイルムを
併用して、カラー印字フイルム上のカラーインク
を印字用紙に溶融転写することにより、多色のカ
ラー印字も容易に行なうことができる。

〔従来技術とその問題点〕

第１図はカラーサーマルプリンタの概要を示す
側面図である。１はサーマルヘツドで、プラテン
２との接触面に、紙面と垂直方向に多数の発熱用
抵抗体が配設されている。このサーマルヘツド１
とプラテン２との間を、印字フイルム３と印字用
紙（印字媒体）４を重ねて通過させ、前記発熱用
抵抗体を選択的に発熱させることで、印字フイル
ム３が選択的に加熱され、溶融したインクが印字
用紙４に転写される。従つて印字フイルム３およ
び印字用紙４を移送しながら、発熱用抵抗体を選
択的に発熱させることで、ドツトの集合による文
字や図形などが連続的に印字される。５は印字用
紙４を巻回したロール、６は印字フイルム３を巻
回したロール、７は使用済の印字フイルムを巻取
つて巻回したロールで、それぞれ図示されていな
いモータで駆動される。即ちプラテン２の回転と
同期して、印字用紙のロール５および印字フイル
ムの巻取り側のロール７を回転させ、印字用紙４
および印字フイルム３を重ねた状態で、プラテン
２とサーマルヘツド１間を移送する。

熱転写式にカラー印字を行なう場合には、第２
図のようなカラー印字フイルム３を使用する。こ
のカラー印字フイルム３は、黄色のインク面３
１、青色のインク面３２、赤色のインク面３３な
どが一定の順序で繰り返し配設されている。カラ
ー印字に際しては、始めに黄色のインク面３１が
印字用紙４と重なつた状態で、カラー印字フイル
ム３と印字用紙４を一定速度で矢印a₁方向に移送
しながら、黄色を印字すべき情報に基づいて、サ
ーマルヘツド１で黄色が印字される。次に青色を
印字する際は、青色のインク面３２がサーマルヘ
ツド１の位置へ送られるが、それに先立つて印字
用紙４は一旦元の黄色を印字した際の印字開始位
置まで戻され、先に黄色を印字した紙面にカラー
印字フイルムの青色のインク面３２を重ねた状態
で、印字用紙４およびカラー印字フイルム３が一
定速度で送られ、青色の印字情報に基づいて青色
が印字される。次の赤色を印字する際も同様に、
印字用紙４は再度元の印字開始位置まで戻され、
赤色のインク面３３と重なつた状態で赤色の情報
が印字される。

このようにカラー印字する際は、モータでプラ
テン２およびカラー印字フイルムのロール７を回
転させて、印字用紙４およびカラー印字フイルム
３を一定量移送してある色を印字した後、カラー
印字フイルム３は停止させて、プラテン２と印字
用紙のロール５を逆転させて印字用紙４を後退さ
せる、という動作を繰り返す。

ところでこのような動作を行なう場合、プラテ
ン２およびフイルム巻取り側のロール７を別々の
モータで駆動し、独立して制御することが一般に
行なわれている。これに対し、複数のモータを使
用し、別々に制御することによるコスト高を解消
するために、モータの使用個数を削減することが
提案されているが、モータを共用すると印字用紙
を後退させる際に、カラー印字フイルムも摩擦力
で後退方向の力を受けて後退するなどの新な問題
が発生する。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、従来のカラーサーマルプリン
タにおけるこのような問題を解消し、プラテンの
回転とカラー印字フイルムの移送を同一駆動源で
行なうものにおいて、各部の動作が確実に行なわ
れるようにすることにある。

〔発明の構成〕

この目的を達成するために講じた本発明による
技術的手段は、異なる色のインク面が一定の順序
で配設された熱転写用のカラー印字フイルムと印
字媒体を重ねて、サーマルヘツドとプラテンとの
間を前進させながらある色のカラー印字を行な
い、次いで印字媒体のみ所定量後退させて、異な
る色のインク面に重ねて再び前進させることでカ
ラー印字を行なうカラーサーマルプリンタにおい
て、 一つの駆動手段に、前記のプラテンとカラー印
字フイルムの巻取りロールを連結して、同一駆動
手段でプラテンおよびカラー印字フイルムの巻取
りロールを駆動するようにしたこと、 カラー印字フイルムを停止した状態で、前記の
駆動手段でプラテンを逆回転して印字媒体を後退
させるに際して、前記のカラー印字フイルムの巻
取りロールないしその駆動系の回転を停止させる
制動手段を設けたこと、 プラテンの駆動系とカラー印字フイルム巻取り
ロールの駆動系との間に、カラー印字フイルムを
停止した状態でプラテンを逆回転して印字媒体を
後退させるときに開離するクラツチ手段を介在さ
せたこと、 前記クラツチ手段の開離動作に連動して前記の
制動手段を作動させる連動手段を設けたこと、 を特徴とする構成を採つている。

〔発明の実施例〕

次に本発明によるカラーサーマルプリンタが実
際上どのように具体化されるかを実施例で説明す
る。第３図は本発明によるサーマルプリンタの実
施例を示す側面図である。７は巻取り側のフイル
ムロールで、その外周にエンドレスのベルト８が
押し付けられている。該ベルト８は、３つのプー
リ９，１０，１１に掛けられている。プーリ１１
は駆動用プーリで、後述するようにプラテン２の
駆動モータに連結される。プーリ１０は、ロール
７に対し、プーリ９と反対側に配設されており、
ロール７の外径が変化しても常に、ベルト８がロ
ール７の外周に当接するように保証される。そし
てベルト８の外面に、ピンチローラ１２をバネ力
で押し付ける構成になつている。即ち実線で示す
ように、ロール７の外径が小さい場合でも、ピン
チローラ１２が矢印a₂方向に移動して、ベルト８
に充分な張力を与える。鎖線で示すようにロール
７の外径が大きくなると、ピンチローラ１２は矢
印a₂と反対方向に次第に押し戻される。

このようにベルト８に常時張力を発生させてい
るので、ロール７の外径が変化しても常時ベルト
８はロール７の外周に圧接する。そしてプーリ１
１をモータで駆動し、ベルト８とロール７間の摩
擦力でロール７に回転力を発生させる。ベルト駆
動用プーリ１１は、プラテン２と同じ駆動モータ
で駆動されるので、ベルト８の回転速度はプラテ
ン２の回転速度と等しい。そしてロール７は、こ
のベルト８と圧接して駆動されるので、ロール７
の外周の速度は常にベルト８の速度と等しくな
る。従つて実線で示すように、ロール７の外径が
小さい間は、該ロール７の回転数が多く、破線で
示すようにロール７の外径が大きくなると、回転
数は少なくなるが、ロール７の外周の回転速度は
常に一定になる。その結果、印字フイルム３の移
送速度は、プラテン２の回転速度と常に等しく、
且つ一定になる。

プラテン２とベルト１３で連結されたピニオン
１４には、図示されていない駆動用のモータが連
結される。またこのピニオン１４には、ギヤ１５
が噛み合つており、このギヤ１５と固定されたピ
ニオン１６がギヤ１７と噛み合つている。そして
このギヤ１７は、前記プーリ１１に固定されてい
る。従つてモータによつてピニオン１４が印字用
紙４の前進方向に回転すると、ベルト１３を介し
てプラテン２が駆動され、且つピニオン１４→ギ
ヤ１５→ピニオン１６→ギヤ１７→プーリ１１の
順に回転力が伝達され、このプーリ１１の回転
で、前記のようにベルト８が回転して、ロール７
に巻取り方向の回転力が加わる。こうして印字用
紙４およびカラー印字フイルム３が所定量前進
し、次に別の色で印字するために、印字用紙４の
後退が行なわれる。この後退が円滑に行なわれる
ように、ギヤ１５をピニオン１４から外すと共
に、制動用のゴムローラ１８がギヤ１７を押圧し
てロツクする。即ちサーマルヘツド１が支持され
た軸１９にレバー２０が固定され、このレバー２
０に前記のギヤ１５およびピニオン１６が回動可
能に支持されている。またこのレバー２０の先端
には、リンク２１を介して、ゴムローラ１８の支
軸が連結されている。ゴムローラ１８は、支軸２
２を中心に回動するレバー２３に取付けられてい
る。一方サーマルヘツド１と同様に支軸１９に支
持されたレバー２４には、サーマルヘツド１をプ
ラテン２に押圧するためのコイルバネ２５が取付
けられ、またレバー２４をコイルバネ２５に抗し
て矢印a₃方向に駆動するためのソレノイド２６を
備えている。

プラテン２を逆転させる直前に、ソレノイド２
６を通電して、レバー２４を矢印a₃方向に上昇さ
せる。するとサーマルヘツド１が支軸１９を中心
に回動してプラテン２から離れると共に、レバー
２０が回動して下降することにより、ギヤ１５が
ピニオン１４から離れて、クラツチの開離が行な
われる。同時にレバー２０の下降で、リンク２１
を介してゴムローラ１８が引下げられ、支軸２２
を中心に回転下降して、ギヤ１７に押圧される。

前記のようにギヤ１５がピニオン１４から外れ
ることで、モータが逆転しても、巻取り側のロー
ル７にその回転力が伝達されず、しかもゴムロー
ラ１８がギヤ１７に押圧されることで、ギヤ１７
およびプーリ１１に制動力が加わり、ロール７の
逆転が確実に阻止される。こうして巻取り側のロ
ール７が逆転しないようにしてから、モータが逆
転してプラテン２を逆回転させると共に、印字用
紙のロール５を逆転させて、印字用紙４のみを所
定量後退させ、印字位置にセツトする。またゴム
ローラ１８が下降する際に、ギヤ１７がその逆転
方向にわずかに押し戻される。その結果、カラー
印字フイルム３がわずかに後退して張力がなくな
り、印字用紙４をプラテン２に押圧していた力が
解除されるので、印字用紙４の後退が円滑に行な
われる。

なおサーマルヘツド１をプラテン２側に圧接さ
せたままで印字用紙４を後退させる場合は、サー
マルヘツド１はレバー２０と連動しないようにす
る。また巻取り側のロール７に対し直接・間接に
制動を加えるだけなら、ゴムローラ１８をギヤ１
７に押し付ける手段以外でも可能である。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、カラー印字フイ
ルムを巻取つて巻回して成るロールないしその駆
動系の回転を停止させる制動手段を設け、かつプ
ラテンの駆動手段と巻取り側ロールの駆動系との
間にクラツチ手段を介在させている。そして該ク
ラツチ手段が開離して、印字用紙を後退させる際
に、前記の制動手段が作動する。そのため、プラ
テンの駆動も巻取り側ロールの駆動も同一モータ
で行なうにも拘わらず、巻取り側ロールの逆転を
確実に防止して、印字用紙とカラー印字フイルム
との位置ずれを確実に防止し、印字品質を向上さ
せることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカラーサーマルプリンタの概要を示す
側面図、第２図はカラー印字フイルムの平面図、
第３図は本発明によるカラーサーマルプリンタの
実施例を示す側面図である。 図において、１はサーマルヘツド、２はプラテ
ン、３はカラー印字フイルム、４は印字用紙、７
はカラー印字フイルムの巻取り側のロール、８は
ベルト、１４，１６はピニオン、１５，１７はギ
ヤ、１８はゴムローラ、２０，２４はレバー、２
６はソレノイドをそれぞれ示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 異なる色のインク面が一定の順序で配設され
   た熱転写用のカラー印字フイルムと印字媒体を重
   ねて、サーマルヘツドとプラテンとの間を前進さ
   せながらある色のカラー印字を行ない、次いで印
   字媒体のみ所定量後退させて、異なる色のインク
   面に重ねて再び前進させることでカラー印字を行
   なうカラーサーマルプリンタにおいて、 一つの駆動手段に、前記のプラテンとカラー印
   字フイルムの巻取りロールを連結して、同一駆動
   手段でプラテンおよびカラー印字フイルムの巻取
   りロールを駆動するようにしたこと、 カラー印字フイルムを停止した状態で、前記の
   駆動手段でプラテンを逆回転して印字媒体を後退
   させるに際して、前記のカラー印字フイルムの巻
   取りロールないしその駆動系の回転を停止させる
   制動手段を設けたこと、 プラテンの駆動系とカラー印字フイルム巻取り
   ロールの駆動系との間に、カラー印字フイルムを
   停止した状態でプラテンを逆回転して印字媒体を
   後退させるときに開離するクラツチ手段を介在さ
   せたこと、 前記クラツチ手段の開離動作に連動して前記の
   制動手段を作動させる連動手段を設けたこと、 を特徴とするカラーサーマルプリンタ。