JPH022140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、管継ぎ手に関し、更に詳しくは、
接続される２つの流体管の管端に跨いで密着され
るパツキング、及び該パツキングを包み込み周方
向に二つ割以上に構成されたハウジングからなる
いわゆるビクトリツク管継ぎ手の改良に関する。

従来のビクトリツク管継ぎ手は、接続される流
体管の管端に作り出しのフランジが形成され、ハ
ウジングは該フランジを乗り越えて嵌合されるも
のであるが、この構造によれば、管端にフランジ
加工を施す加工上の手間があるうえ、伸縮性がな
く可撓性にも乏しく流体管の変形に追従できない
などの難点を有する。

そこで、その難点を除去すべく実開昭56−
70280号公報（以下先行技術という。）において、
「両端部に内向きのリツプを形成したパツキンを
接続すべく対向させた２本の管に跨がつて装着
し、上記各管に上記パツキンに続いて外周テーパ
面および内周食込み刃を形成した円周上の１ケ所
を切欠いた食込みリングを装着し、内部中央に上
記パツキンを収容し両端に上記食込みリングの各
周テーパ面に係合する端面に向つて径が縮小され
る内周テーパ面を形成した径方向に分割した一対
のハウジングにより結合することを特徴とする管
継ぎ手」なる構成を有するビクトリツク型継ぎ手
が提案されている。

該先行技術によれば、管端にフランジを形成す
る必要がなく加工上の手間が省ける長所を有する
が、その反面、楔リング（食込みリング）をハ
ウジングに装着する手間が加わる、楔リングは
管外周に均等に締め付けられず、接続管の抜出し
阻止力が弱い、等の欠点がある。

本考案は上記実情に鑑みなされたものであつ
て、該先行技術の有する欠点を解消することを技
術的課題とする。

本考案の管継ぎ手は上記技術的課題を達成する
ため次の構成（技術的手段）を採る。複数に分
割された締具により径方向に締め付けられる円環
状のハウジングと該ハウジング内に装着される係
止片付きパツキングとからなる継ぎ手であつて、
前記ハウジングはその内面に、中央部にはパツ
キング止水部収容空間を、両端部には該パツキン
グ止水部収容空間と隔壁を存してその天井面が端
部に向つて縮径するパツキング係止部収容空間を
有し、前記係止片付きパツキングは、中央部に
リツプ片を有する止水部及び該止水部の軸方向両
側に係止部が形成され、該係止部には周方向に複
数個の係止片が埋め込まれるとともに、該止水部
と係止部との境の外周に前記ハウジングの隔壁が
嵌合される凹溝が形成されてなり、前記係止片
は少なくともその外面の一部が前記ハウジングの
係止部収容空間の天井面に合致する傾斜面を有す
るとともに、その内面には刃先部を有する、こと
を特徴とする。

本管継ぎ手は接続される２つの流体管を跨いで
配されて使用される。

本考案の管継ぎ手は上記構成よりなるので、以
下の特有の作用効果を有する。

係止片はパツキングと一体になつているので
それらが別体に構成された従来のものと比べ、
接続管への装着操作が容易である。

個々の係止片はパツキングのゴム本体に弾性
をもつて保持されるので、すべての係止片は管
外周に均等に押圧され、接続管の離脱阻止力は
大きい。

係止片は実質的にパツキングのゴム本体に埋
め込まれているので、該係止片の刃先部への外
部からの水の侵入が可及的阻止され、該刃先部
での腐食がない。すなわち、刃先部が腐食を受
けると接続管の離脱阻止力は低下するが、本管
継ぎ手では長期にわたつて刃先部の機能が持続
する。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図ないし第４図は本考案の管継ぎ手の一実
施例を示す。

ここに、Ｐは互いに接続される流体管であつ
て、適宜の間隔を存して管端部を対向させて配さ
れる。

１は円環状のハウジングである。該ハウジング
１は円環の径方向に二つ割１Ａ，１Ｂにされ、互
いに対向するフランジ１１，１２に穿設されたボ
ルト孔１１ａ，１２ａに挿通されたボルト・ナツ
ト２の締付けにより径方向に締め付けられるもの
である。

該ハウジング１の内面には中央より離れた位置
に隔壁１３が周方向に相対して形成されることに
より、中央部分にはパツキング止水部収容空間１
４が、また、両端部分にはパツキング係止部収容
空間１５が、それぞれ周方向に形成されることに
なる。そして、該ハウジング１の両端部の内面に
形成されたパツキング係止部収容空間１５の天井
面は端部に至るにつれ径を縮少する傾斜面（テー
パー面）に形成される。１６はハウジング１の両
端部に内方に突出して形成された鍔状縁部であ
る。パツキング係止部収容空間１５は、換言すれ
ば、隔壁１３、テーパー面及び鍔状縁部１６で囲
まれるハウジング１の内面に形成された空間でも
ある。

３は環状の係止片付きパツキングであつて、ゴ
ムを素材とする。該パツキング３は管軸方向中央
の止水部（バルブ部ともいう）３１と該止水部の
管軸方向両側の係止部（ヒール部ともいう）３２
とからなる。

該止水部３１はハウジング１の止水部収容空間
１４に適合する外形をなすとともに管軸中心に向
つて開口する断面を有する。該止水部３１のリツ
プ片３１ａは流体管内の流体圧を受けて管外周面
に密着することにより良好な止水作用を奏する。
該係止部３２は後記する係止片と一体となつて前
記ハウジング１の係止部収容空間１５に嵌装され
る断面形状を有する。止水部３１と係止部３２と
のパツキング３の外周には前記ハウジング１の隔
壁１３が嵌合される凹溝３３が周方向に形成され
ている。

４は係止片であつて、鋳物により形成され、パ
ツキング３の係止部３２にその周方向にわたつて
一体的に適宜数埋め込まれている（第３図参照）。
該係止片４は楔状の断面を有し、外面４１には少
くともその一部がハウジング１の係止部収容空間
１５の天井面の傾斜に合致するテーパー面４１Ａ
に形成され、また、内面４２には刃先部４２Ａが
形成される。そして、該係止片４の前面部４３は
露出してパツキング３の凹溝３３の一部を形成す
るものである。

次に、上記実施例の管継ぎ手の装着手順並びに
その作用について述べる。

接続される２つの流体管Ｐの一方の端部に係
止片付きパツキング３を預け入れる。

２つの流体管Ｐを対向させた後、前記パツキ
ング３を他方の管端にも被冠させ、該パツキン
グ３を両管Ｐを跨いで装着する。

次いで、二つ割りのハウジング１を該パツキ
ング３の外方から装着し、該ハウジング１の対
向するフランジ１１，１２相互をボルト・ナツ
ト２により締め付ける。これにより、パツキン
グ１の係止部３２は縮径され、該係止部３２の
係止片４の刃先部４２Ａが流体管Ｐの外面に食
い込み状に係合することになる。

本管継ぎ手が装着された後、流体管Ｐの流体
圧はパツキング３の止水部３１のリツプ片３１
ａに作用し、そのセルフシーリング作用により
良好な止水性を発揮する。

流体管Ｐが離脱方向に移動するとき、係止片
４の外面４１のテーパー面４１Ａはハウジング
１のパツキング係止部収容空間１５の天井面に
衝接し、楔効果を発揮して該係止片４の刃先部
４２Ａは更に強力に流体管Ｐの外面に食い込
み、該流体管Ｐの離脱を阻止する。

本考案は上記実施例に限定されるものではな
く、本考案の基本的技術思想の範囲内で種々設計
変更が可能である。すなわち、以下の態様は本考
案の技術的範囲の包含される。

ハウジングは二つ割に限定されず、管径に応
じて適宜数に分割される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案
の管継ぎ手の一実施例の一部分切欠き側面図、第
２図はその要部の拡大断面図、第３図は第１図の
Ｘ−Ｘ線断面図、第４図は本管継ぎ手に使用され
る係止片の斜視図である。 Ｐ……流体管、１……ハウジング、１３……隔
壁、１４……パツキング止水部収容空間、１５…
…パツキング係止部収容空間、２……締具、３…
…係止片付きパツキング、３１……止水部、３１
ａ……リツプ片、３２……係止部、３３……凹
溝、４……楔片、４１……外面、４１Ａ……テー
パー面、４２……内面、４２Ａ……刃先部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数に分割され、締具２により径方向に締め付
   けられる円環状のハウジング１と、該ハウジング
   １内に装着される係止片付きパツキング３とから
   なる継ぎ手であつて、 前記ハウジング１はその内面に、中央部にはパ
   ツキング止水部収容空間１４を、両端部には該パ
   ツキング止水部収容空間１４と隔壁１３を存して
   その天井面が端部に向かつて縮径するパツキング
   係止部収容空間１５を有し、 前記係止片付きパツキング３は、中央部にリツ
   プ片３１ａを有する前記パツキング止水部収容空
   間１４内に収容される止水部３１及び該止水部の
   軸方向両側に前記パツキング係止部収容空間１５
   内に収容される係止部３２が形成され、該係止部
   ３２には周方向に複数個の係止片４が前面部４３
   を露出して埋め込まれるとともに、該止水部３１
   と係止部３２との境の外周に前記ハウジング１の
   隔壁１３が嵌合される凹溝３３が形成されてな
   り、 前記係止片４は少なくともその外面４１の一部
   が前記ハウジング１の係止部収容空間１５の天井
   面に合致する傾斜面４１Ａを有するとともに、そ
   の内面４２には刃先部４２Ａを有する、 ことを特徴とする管継ぎ手。