JPH0221323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のインストウルメントパネ
ル内に装着される自動車用グラブボツクスに関す
る。

自動車のインストウルメントパネル内の助手席
側に装着されるグラブボツクスには、自動車の車
検証、取扱い説明書、整備手帳などを上板との間
に挟持しておくために、帯状のゴムバンド２が装
着されることがある。このゴムバンド２は、第１
図〜第３図に示すように、グラブボツクス１の両
側壁の上部に設けた長孔３に挿通されてグラブボ
ツクス１内の上部に水平横方向に張設され、その
両端部が合成樹脂の固定板４と側壁との間に挟ま
れ、固定板４を側壁にステツプル５で止めるよう
に装着される。

しかしながら、このようなゴムバンドを引張し
た状態でステツプルを使つて装着する際には、ゴ
ムバンドを引張りながら固定板を押し付けた状態
でステツプルを打たなくてはならず、組付けの作
業性が悪いと共に、ステツプルや固定板を必要と
し、ステツプルによつてゴムバンドが傷つきその
耐久性が劣化するなどの問題があつた。

この考案は、上記の点にかんがみなされたもの
で、グラブボツクス内の上部水平横方向に書類等
挟持用のゴムバンドを他の取付部材等を使用せず
簡単に装着することができる自動車用グラブボツ
クスを提供することを目的とする。

このために、本考案は、合成樹脂により一体成
形される自動車用グラブボツクスにおいて、グラ
ブボツクス本体の両側壁の上部に長孔が設けら
れ、その本体の上板上または両側壁における長孔
の上方位置に支柱を立設すると共に、支柱には横
棒が長孔から離れた位置で横方向に突き出すよう
に突設され、両端に輪状端部を形成したゴムバン
ドが両側壁の長孔に挿通された状態で輪状端部を
両側の横棒に掛けて装着され、ゴムバンドの引張
力によつて横棒が変形した際、横棒の先端を係合
支持する係合部が上板上または両側壁に設けられ
て構成したものである。

以下、この考案の実施例を第４図乃至第６図の
図面に基づいて説明する。

第４図はグラブボツクスの背面斜視図を示し、
グラブボツクス本体１０は合成樹脂により箱形に
一体成形され、その両側壁１１の上部には後述す
るゴムバンド１７を通すための長孔１２が穿設さ
れる。また、両側の長孔１２の上方に位置する上
板１３上には支柱１４が立設されると共に、その
支柱１４には横棒１５が横方向に突き出すように
一体成形される。横棒１５は上板１３から離れた
位置に上板１３と平行に配設され、後述するゴム
バンド１７の輪状端部を掛止し得る構造となつて
いる。また、横棒１５の位置は長孔１から離れた
位置となつている。１６は、横棒１５の先端部が
ゴムバンド１７の引張力で外側へたわむとき、こ
の先端部に係合して横棒を支持する係合部で、上
板１３上の両端部に一体的に突設され、ゴムバン
ド１７を横棒１５に掛けない状態では横棒１５の
先端と係合部１６とは離れている。

このように構成されたグラブボツクスは、スラ
イドコアなどを設けた金型を用いて、グラブボツ
クス本体１０、支柱１４、横棒１５、係合部１６
が合成樹脂により一体成形されて製造される。

そして、両端に輪状端部をミシン縫いや接着剤
により形成したゴムバンド１７を装着する場合に
は、先ずゴムバンド１７の一方の輪状端部をグラ
ブボツクス本体１０の内側から長孔１２に通し、
この輪状端部を横棒１５に横から通して引掛け
る。次に、このゴムバンド１７の他方の輪状端部
を反対側の側壁１１に設けた長孔１２に挿通し、
この輪状端部を引つぱりながら上方の上板１３上
に設けた横棒１５に横から通して引掛ける。ゴム
バンド１７の装着状態においてゴムの引張力によ
り両方の横棒１５は外側にたわみ、係合部１６に
当接して支持され、ゴムバンド１７の抜けが防止
される。また、第６図のように、ゴムバンド１７
の輪状端部が長孔１２から外に完全に出され、ボ
ツクス内で輪状端部ぎ見えないため、縫製部分等
が露出して見栄えを悪くすることはない。

なお、支柱１４と横棒１５を上板上に設けたこ
とにより、ゴムバンドの張力が側壁に直接かから
ずその変形を防止できるが、側壁が充分に堅固で
あれば、側壁に支柱と横棒を設けることもでき
る。

以上説明したように、この考案の自動車用グラ
ブボツクスによれば、従来のように固定板やステ
ツプル等の取付部材を使用せず、一体成形のグラ
ブボツクスだけで、書類等挟持用のゴムバンドを
グラブボツクス内に容易に装着することができ、
ゴムバンドの交換も容易となる。さらに、ゴムバ
ンドがステツプル等により傷つかず、組付けの作
業性も良好となり、製造コストの低減を図ること
ができる。また、ゴムバンドの引張力によつて横
棒が変形した際、横棒の先端を係合支持する係合
部が上板上または両側壁に設けられているため、
ゴムバンドの引張力により横棒がたわみ変形した
際、係合部が横棒の先端に当接して支持するた
め、それ以上は変形せず、また、横棒の先端が係
合部により閉じられるため、ゴムバンドが横棒か
ら外れる恐れは全くなくなる。さらに、横棒の位
置が長孔から離れているため、ゴムバンドの輪状
端部が長孔から外に完全に出され、ボツクス内で
は輪状端部が見えず、その縫製部分等が露出して
見栄えを悪くすることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のグラブボツクスの斜視図、第２
図は同部分拡大図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面
図、第４図乃至第６図は本考案の実施例を示し、
第４図はグラブボツクスの背面斜視図、第５図は
同部分拡大図、第６図は第５図のＢ−Ｂ断面図で
ある。 １０……グラブボツクス本体、１１……側壁、
１２……長孔、１３……上板、１４……支柱、１
５……横棒、１６……係合部、１７……ゴムバン
ド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂により一体成形される自動車用グラブ
   ボツクスにおいて、グラブボツクス本体の両側壁
   の上部に長孔が設けられ、該本体の上板上または
   両側壁における該長孔の上方位置に支柱を立設す
   ると共に、該支柱には横棒が該長孔から離れた位
   置で横方向に突き出すように突設され、両端に輪
   状端部を形成したゴムバンドが両側壁の該長孔に
   挿通された状態で該輪状端部を両側の該横棒に掛
   けて装着され、該ゴムバンドの引張力によつて該
   横棒が変形した際、該横棒の先端を係合支持する
   係合部が上板上または両側壁に設けられているこ
   とを特徴とする自動車用グラブボツクス。