JPH022088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、内燃機関における主軸受の防振装
置に関するものである。

従来の技術 内燃機関における振動及び騒音の原因の１つと
して、シリンダブロツクより発生するものがあ
る。このようなシリンダブロツクの振動は、該シ
リンダブロツクのスカート部が横方向に振動し、
これによつて騒音を発するものである。かかるス
カート部の振動はクランク軸のたわみに伴う主軸
受部分の振動と密接に関連しており、該主軸受部
分の振動を抑制することによつて、シリンダブロ
ツク自身の振動も低減できることが知られてお
り、主軸受キヤツプをビームで連結することによ
つて一体化することが考えられている。

考案が解決しようとする問題点 上記の如くビームによつて主軸受を一体化させ
るものにおいては、ビームという部品が必要にな
る欠点がある。この考案はこのような欠点を解消
してかかるビームのような特別の部品が不要で、
しかも、主軸受部分の剛性を増大させるとともに
振動を抑制できるようにした防振装置を提供する
ことを目的としている。

問題点を解決するための手段 このような目的を達成するため、この考案で
は、シリンダブロツク１下部にバランサ取付台５
を備えた内燃機関において、該バランサ取付台５
より主軸受部１３へ向けて突出部１０を形成し、
この突出部へ挿込んだボルト６にて前記主軸受部
１３と取付台５とを相互に締付け保持してなるこ
とを特徴とするものである。

作 用 この考案では、主軸受部分がバランサ取付台と
一体化されるので、これによつて該主軸受部分の
振動が抑制されることとなる。

実施例 以下、この考案の構成を図示の実施例に基づい
て説明すると、第１図及び第２図において１はシ
リンダブロツク、２は、該シリンダブロツク１内
に配置されたクランク軸であり、このクランク軸
２は、シリンダブロツク１の主軸受１３と主軸受
キヤツプ４によつて支持されるが、該主軸受キヤ
ツプ４はボルト６，６にてシリンダブロツク１へ
固着されている。

他方、５は、上記クランク軸２の下方に配置さ
れるバランサ取付台であつて、このバランサ取付
台５は、ボルト１５によつてシリンダブロツク１
の下面に締付け固定されている。７，７は、この
バランサ取付台５によつて支持されたバランサを
示している。また、このバランサ７は、取付台５
の一方の端部側において、ギヤ８，８を介し、ク
ランク軸２上のギヤ９によつて駆動される。

このような構成において、バランサ取付台５に
は、前記主軸受キヤツプ４，４…の位置に対応し
て上方へ突出する突出部１０，１０…が一体に形
成され、その上端が、該主軸受キヤツプ４の下面
に当接している。この突出部１０を貫通して１つ
のボルト挿入穴１１が上下方向に形成されてい
る。そして、このボルト挿入穴１１へ下方より挿
込んだボルト１２の先端を、主軸受キヤツプ４へ
ねじ込み、これによつて、主軸受キヤツプ４とバ
ランサ取付台５とを相互に一体化するよう締付け
保持し、主軸受１３部分の振動を抑制するもので
ある。なお、図中１４，１４…は、クランク軸２
に連結された連接棒小端部を示す。

考案の効果 従つて、本考案によれば、バランサ取付台と主
軸受部分とが相互に一体化されているため、該主
軸受部分の剛性が増大するとともに振動が抑制さ
れ、シリンダブロツク部分より発生する振動及び
騒音を低減できるという効果が得られる。そし
て、この考案では、バランサ取付台に突出部を形
成して、この突出部へ挿込んだボルトにて該バラ
ンサ取付台と主軸受部分とを締付け保持させるも
のであるから、該バランサ取付台に突出部を形成
するのみで済み、ビームのような特別の部品が不
要となり、部品点数が少なくて済むという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はシリンダブロツク下部の構造をクラン
ク軸方向の面で切断して示す縦断面図、第２図は
クランク軸と直角な方向で切断して示す縦断面図
である。 １……シリンダブロツク、４……主軸受キヤツ
プ、５……バランサ取付台、１０……突出部、１
２……ボルト、１３……主軸受。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダブロツク下部にバランサ取付台を備え
   た内燃機関において、該バランサ取付台より主軸
   受部へ向けて突出部を形成し、この突出部へ挿込
   んだボルトにて前記主軸受部と取付台とを相互に
   締付け保持してなる内燃機関における主軸受の防
   振装置。