JPH0220640B2 - - Google Patents

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JPH0220640B2
JPH0220640B2 JP13997781A JP13997781A JPH0220640B2 JP H0220640 B2 JPH0220640 B2 JP H0220640B2 JP 13997781 A JP13997781 A JP 13997781A JP 13997781 A JP13997781 A JP 13997781A JP H0220640 B2 JPH0220640 B2 JP H0220640B2
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JP
Japan
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triaza
alkali metal
aqueous solution
dissolved
thia
Prior art date
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JP13997781A
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English (en)
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JPS5839693A (ja
Inventor
Daisuke Suzuki
Hiroshi Akagi
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5839693A publication Critical patent/JPS5839693A/ja
Publication of JPH0220640B2 publication Critical patent/JPH0220640B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、1,3,3,5,5−ペンタハロ−
1−チア−2,4,6−トリアザ−3,5−ジス
ホスホリン−1−オキシド(以下、S1という)と
1,3,5,5−テトラハロ−1,3−ジチア−
2,4,6−トリアザ−5−ホスホリン−1,3
−ジオキシド(以下、S2という)とを含有するホ
スフアチアゼンハライド混合物からS1を選択的に
取り出す新規なS1の製造法に関する。 S1の有利な合成方法として、ハロゲン化リン、
塩化アンモニウムおよびスルフアミン酸を原料と
するグランベルらの方法が有利であることが知ら
れている(H.H.Baalmann and Vande
Grampel、Recl.Trav.Chim.、91、935〜941
(1972)参照)。しかし該方法によれば、S1のほか
にS2がつねにS1と同量または同量以上副生するの
が普通であり、S1とS2とを分別することが必要で
ある。その分別方法としては、一般的には分別再
結晶、蒸留または昇華によるが、いずれも分別効
率はよくなく、とくに大量の分別を行なうには不
適当である。いずれにしても、S1およびS2は実際
的な面での利用価値がまつたくみられなかつたた
め、学問的な興味でのみ研究が行なわれていた。
そのため、S1のみを選択的に合成する方法やS1
S2を効率よく分離する方法の研究は行なわれてい
なかつた。1979年にいたり、S1のハロゲン原子を
エチレンイミンで置換した1,3,3,5,5−
ペンタアジリジノ−1−チア−2,4,6−トリ
アザ−3,5−ジホスホリン−1−オキシドが制
ガン剤としてきわめて高い効能を有することが発
見された(J.F.Labarre、Eur.J.Cancer、15、637
〜643(1979)参照)。その結果S1は前記制ガン物
質合成のための前駆体として注目を集めるように
なり、同時にその製造方法についても改めて検討
が加えられるようになつてきている。しかしなが
ら、S1のみを選択的に合成する方法は末だ見出さ
れておらず、現在までのS1合成技術ではS1以外の
副生成物が多量に混入してくる。したがつて反応
生成物からS1をいかにして効率よく取り出すかが
当面の重要な課題となつている。従来法ではS1
分離する方法として、n−ヘキサンまたはn−ヘ
プタンおよびエチルエーテルから分別結晶を行な
い、さらに昇華によつて精製する方法が採用され
ている。 つぎに従来法の一実施態様についてのべる。 まずS1とS2とを含有するホスフアチアゼンハラ
イド混合物の粗結晶1gあたり20mlのn−ヘキサ
ンまたはn−ヘプタンを加えて30分間還流後、常
圧下で熱時過し、液と残渣に分ける。残渣に
ついて同じ操作を再度行ない、えられる液を最
初の液と合わせる。該液をその溶積が60〜80
%程度になるまで濃縮したのち、2〜3時間冷凍
庫中で−20℃に放置冷却してS1の結晶を析出させ
る。ついでこれを過し、液の溶媒を留去した
のち、残渣を100〜200mlのエーテルに溶解させ、
冷凍庫中で−20℃に放置冷却して結晶を析出させ
る。この結晶はさらに昇華によつて精製し、純粋
なS1をうることができる。 かかる従来法によればS1およびS2の両者とも
種々の有機溶媒にほぼ同程度溶解するため、溶媒
の組み合せを変えてもS1のみを選択的に混合物か
ら取り出すことは困難であり、さらに昇華法によ
る精製を行なわなければならず、操作がきわめて
煩雑であり、しかも昇華のための特別な装置を必
要とするため、工業上きわめて不利な方法といわ
ざるをえない。 S1制ガン剤の前駆体として脚光を浴びるにつれ
て、効率的なS1の製造法を発見すべく多くの研究
が進められているにもかかわらず、未だ満足しう
る報告がなされていないのが現状である。 本発明は叙上の現状に鑑みなされたものであ
り、S1とS2とを含有するホスフアチアゼンハライ
ド混合物からS1のみを選択に効率よく取り出す方
法を提供することを目的とする。 本発明者らは、まずS1およびS2のそれぞれの性
質について詳細に検討したところ、S1は塩基に対
して安定であるのにくらべてS2は非常に不安定で
あり、微量の塩基の存在下で容易に分解して水力
性の無機塩となることを見出した。そこで本発明
者らはS1およびS2を含有するホスフアゼンハライ
ド混合物を水と混合しない有機溶媒に溶解させ、
これに塩基性水溶液を加え、2層系にて撹拌した
ところ、S2が分解されて水層に移動し、有機層に
は純粋なS1のみが残留するという新事実を見出
し、本発明を完成するにいたつた。 すなわち本発明は、 S1とS2とを含有するホスフアチアゼンハライド
混合物を水と混合しない有機溶媒に溶解させ、つ
いで塩基性水溶液の1種または2種以上を添加し
てえられる2層系を撹拌し、さらに有機層を分離
し濃縮することを特徴とするS1の製造法に関す
る。 本発明に用いるS1およびS2としてはそのハロゲ
ン原子がフツ素原子、塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子のものがあげられるが、なかんづく塩
素原子のものが好ましい。 S1およびS2が安定に溶解し、かつ水と混合しな
い溶媒としては、たとえばクロロホルム、塩化メ
チレン、四塩化炭素などの塩素系有機溶媒、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなど
の鎖状もしくは環状炭化水素系溶媒、ベンゼン、
クロルベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素系有機溶媒またはジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
系溶媒などがあげられる。 塩基性水溶液はとくに限定されないが、たとえ
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアル
カリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムなどの炭酸アルカリ金属塩、重炭酸ナトリウ
ム、重炭酸カリウムなどの重炭酸アルカリ金属塩
またはトリエチルベンジルアンモニウムハイドロ
オキサイド、トリブチルメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド、トリブチルアンモニウムハイド
ロオキサイドなどの水酸化第四級アンモニウムを
水に溶かしてえられる水溶液が好ましい。 2層系の撹拌は室温ないし約100℃で行なわれ
うるが、通常室温下で充分な効果がえられる。2
層系を撹拌したのち、静置して2層が充分に上層
と下層に分離したことを確認し、有機層を分取す
る。分取した有機層はさらに無水硫酸ナトリウム
または無水硫酸マグネシウムなどの乾燥剤で乾燥
し、最後に溶媒を留去する。以上の操作によつ
て、高純度のS1がほぼ100%近い回収率でS1とS2
との混合物から回収することができる。 つぎに実施例をあげて本発明をより詳細に説明
するが、本発明はそれらの実施例のみに限定され
るものではない。 実施例 1 グランペルらの合成法(Recl.Trav.Chim.、
91、935〜941(1972)参照)にしたがつて、五塩
化リンと塩化アンモニウムをテトラクロルエタン
とニトロベンゼンの混合溶媒中で加熱して反応さ
せ、生成物をスルフアミン酸と加熱溶融して反応
させたのち、熱分解することによつて閉環させ、
蒸留後加水分解してハロゲン原子が塩素原子であ
るS1を70%(重量%、以下同様)およびS2を30%
含有するホスフアチアゼンクロライド混合物をえ
た。この混合物1.30Kgを5の三ツ口フラスコに
採り、塩化メチレン2.5を加えて溶解させたの
ち、20%炭酸ナトリウム水溶液2.5を加えて2
層系とし、室温下で24時間撹拌した。撹拌終了
後、反応液を分液ロートに移し、少量の塩化メチ
レンと水を加えて振とうしたのち、有機層を分取
した。えられた有機層を無水硫酸ナトリウム上で
乾燥し、Na2SO4を除いたのちロータリーエバポ
レーターで濃縮してS1の白色結晶0.90Kgをえた。 えられた結晶をガスクロマトグラフによつて分
析したところ、S1の純度は99.8%であつた。 これらの結果から、回収率98.7%が算出され
た。 実施例 2〜6 ホスフアチアゼンクロライド混合物、有機溶媒
ならびに塩基性水溶液の種類と使用量および撹拌
条件を第1表に示すものに代えたほかは実施例1
と同様にして実験を行ない、ハロゲンが塩素原子
であるS1を白色結晶としてえた。 えられたS1の回収量、ガスクロマトグラフによ
つて分析した純度およびそれらによつて算出され
るS1の回収率を第1表に示す。 【表】 【表】 以上述べたように本発明によれば、S1を高純度
かつ高収率で製造できることがわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 1,3,3,5,5−ペンタハロ−1−チア
    −2,4,6−トリアザ−3,5−ジホスホリン
    −1−オキシドと1,3,5,5−テトラハロ−
    1,3−ジチア−2,4,6−トリアザ−5−ホ
    スホリン−1,3−ジオキシドとを含有するホス
    フアチアゼンハライド混合物を水と混合しない有
    機溶媒に溶解させ、ついで塩基性水溶液の1種ま
    たは2種以上を添加してえられる2層系を撹拌
    し、さらに有機層を分離し濃縮することを特徴と
    する1,3,3,5,5−ペンタハロ−1−チア
    −2,4,6−トリアザ−3,5−ジホスホリン
    −1−オキシドの製造法。 2 塩基性水溶液がアルカリ金属水酸化物、炭酸
    アルカリ金属塩、重炭酸アルカリ金属塩または水
    酸化第四級アンモニウムの水溶液である特許請求
    の範囲第1項記載の製造法。
JP13997781A 1981-09-04 1981-09-04 1,3,3,5,5−ペンタハロ−1−チア−2,4,6−トリアザ−3,5−ジホスホリン−1−オキシドの製造法 Granted JPS5839693A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13997781A JPS5839693A (ja) 1981-09-04 1981-09-04 1,3,3,5,5−ペンタハロ−1−チア−2,4,6−トリアザ−3,5−ジホスホリン−1−オキシドの製造法

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JPS5839693A JPS5839693A (ja) 1983-03-08
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