JPH0220367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、玄関サツシに組み込まれた網戸の引
手に関するものである。

一般に、玄関の網戸１は第１図に示されるよう
に、引違い状引戸２，３の室内側に組み込まれ
る。

ところが、玄関の施錠金具４は各引戸２，３の
召合せ框５，６に設けられており、その施錠金具
４の施錠解錠用操作部７は、内側引戸２の召合せ
框５の室内面に臨んでいる。

従つて、網戸１の召合せ框８が上記召合せ框５
の室内側に重合していると、上記操作部７の操作
を行なうことができないので、第１図のように、
網戸１の幅を小さくして召合せ框５，８が重合し
ないようにしている。

しかし、このようにすると、通風のための有効
面積が小さくなる欠点を有しているとともに、玄
関の外観意匠を損ねる不都合があつた。

これに対して、第２図に示すように、召合せ部
分に施錠金具を設けず、代りに引戸２，３の戸当
り框１９，２０に施錠金具４′，４′を設けて、上
記欠点の解消を図つたものもあるが、この場合召
合せ框５，６同士の引寄せができないため、召合
せ部分の気密が充分に成されない不都合があると
ともに、防犯上の不安感が残る欠点があつた。

その他、網戸１の召合せ框８に開閉可能な部分
を設けて、引戸召合せ框５の室内面に位置する施
錠金具４の操作を行なうようにしたものもある
が、召合せ框８に部分的であるけれども開閉機構
を設けるものであるため、煩雑な構造となり組立
ての煩雑さやコスト高の問題を有しているととも
に、外観が重視される玄関の意匠を著しく損ねる
欠点があつた。

そこで、本考案は、このような問題点に鑑み
て、引戸の召合せ框と網戸の召合せ框が互いに重
合していても、簡単な構造で確実に施錠金具を操
作できるとともに、玄関の外観意匠を損ねること
のない網戸付き玄関サツシを提供することを目的
とするものであり、特に、本考案は網戸の開閉に
際して用いられる引手に着目して、この引手を巧
みに利用するべく創意工夫を凝らしたものであ
る。

即ち、本考案は、網戸の両竪框に引手取付け用
の通孔を設けて、室内外方向の貫通部を有する引
手と貫通部を具備しない引手を、上記通孔のいず
れかに選択的に取付け可能とし、上記貫通部を有
する引手を、施錠金具を設けた引戸召合せ框の室
内側に重合する網戸竪框の通孔に取付けるととも
に、当該引手の貫通部に上記施錠金具の操作部を
臨ませて成ることを特徴とするものである。

以下、本考案を図示した実施例に従つて説明す
る。

第３図において、網戸１と各引戸２，３の幅寸
法は同一となつており、網戸１の召合せ框１０は
内側引戸２の召合せ框５と重合状態となつてい
る。

この召合せ框１０には引手取付け用通孔１１が
室内外方向に貫通状態で設けられており、戸当り
框１２にも引手取付け用通孔１３が室内外方向に
貫通状態で設けられているが、いずれの通孔１
１，１３も引戸２の施錠金具４の取付け位置と同
じ高さに設けられており、各通孔１１，１３は左
右勝手に応じた引戸２の召合せ框５との重合状態
で、施錠金具４と対向する。

各通孔１１，１３には引手Ａ，Ｂが取付けられ
るが、召合せ框１０に取付けられる引手Ａには貫
通部イが形成されており、他方、戸当り框１２に
取付けられる引戸Ｂは貫通部を有していない。

貫通部イを有する引手Ａは第３図及び第４図に
示すように、室内側部材１４と室外側部材１４ａ
との２つの部材から成つており、ともに、陥凹部
１６，１６ａ周囲に竪框係合用鍔部１７，１７ａ
を備え、且つ陥凹部１６，１６ａの底が無く、相
互にネジ止めして召合せ框１０に取付けた状態で
室内外に抜ける貫通部イが形成される。

又、貫通部を持たない引手Ｂも同様に２つの部
材から成つており、室内側に取付けられる部分は
引手Ａと全く同じ底の無い部材１４を使用する
が、室外側に取付けられる部分は底１８を備えた
部材１５を使用しているので、両者をネジ止めし
て戸当り框１２に取付けた状態で非貫通状態とな
るのである。

この引手用部材１４，１４ａ，１５は…、網戸
１の召合せ及び戸当りの両竪框１０，１２の取付
け用通孔１１，１３のいずれにも取付け可能とな
つており、特に、室外側の部材１４ａ，１５を互
いに入れ替えることによつて、貫通部イを左右竪
框１０，１２のいずれかに選択的に設けることが
できるようになつている。

而して、第３図に示すように、網戸１を組み込
んで引戸２，３を閉鎖した状態において、召合せ
框５に取付けられた施錠金具４の操作部７は、貫
通部イを有する引手Ａと対向状態となり、操作部
７は上記貫通部イを通して室内側に見えることに
なる。

従つて、この貫通部イに指を入れて第３図及び
第４図のように、施錠金具４の操作部７を操作す
ることができるのである。

又、上述のように、引手Ａ，Ｂを左右竪框１
０，１２のいずれにも取付けることができるの
で、第６図及び第７図に示されるように、玄関出
入口の左右勝手に対応して網戸１の位置を変えて
も、常に貫通部イを有する引手を召合せ框５の施
錠金具４に対向させることができるのである。

尚、図中９は引手Ａの貫通部イからの虫の侵入
を防止するために網戸竪框１０，１２に取付けら
れたタイト材である。

以上のように、本願考案は、網戸に取付けられ
る引手に着目し、引戸の召合せ框とその室内側に
重合する網戸竪框の引手に貫通部を設けて、この
貫通部に施錠金具の操作部を臨ませたものであ
り、貫通部を介して操作部の操作を行なうことが
できるので、引戸の召合せ框と網戸の召合せ框と
が相互に重合状態であつても、簡単、容易且つ確
実に施錠解錠操作を行なうことができる効果を有
している。

又、網戸の竪框に取付けられる引手を利用し
て、このに貫通部を設けたものであるから、網戸
の竪框に複雑な加工や構造上の工夫は全く必要が
なく、竪框には単なる引手取付け用の通孔を設け
るだけでよいので、何ら網戸の外観を損ねること
はなく、良好な外観意匠の玄関サツシを提供する
ことのできる利点を有している。

加えて、引手は網戸の左右竪框のいずれにも取
付け可能となつており、単に引手の位置を変える
だけで、玄関出入口の左右勝手に即応させること
ができるものであるから、左右勝手に対応した網
戸を夫々準備する必要はなく、極めて経済的に網
戸付き玄関サツシを提供することができるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の網戸付き玄関サツシを
示す概略図、第３図は一実施例を示す横断面図、
第４図は貫通部を有する引手の取付け状態図、第
５図は貫通部を具備しない引手の取付け状態図、
第６図、第７図は左右勝手に対応させた引手を示
す玄関サツシの概略図である。 符号、Ａ……貫通部を有する引手、Ｂ……貫通
部を具備しない引手、１……網戸、２，３……引
戸、４……施錠金具、５，６……召合せ框、７…
…操作部、１０……網戸召合せ框、１１，１３…
…通孔、１２……網戸戸当り框、イ……貫通部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引違い状に組み込んだ引戸の召合せ框に施錠金
   具を設け、当該施錠金具の操作部を内側引戸の召
   合せ框室内面に臨ませ、上記引戸の室内側に網戸
   を組み込んだ玄関サツシにおいて、上記網戸の両
   竪框に引手取付け用の通孔を設けて、室内外方向
   の貫通部を有する引手と貫通部を具備しない引手
   を、上記通孔のいずれかに選択的に取付け可能と
   し、上記貫通部を有する引手を、上記施錠金具を
   設けた召合せ框の室内側に重合する網戸竪框の通
   孔に取付けるとともに、当該引手の貫通部に上記
   施錠金具の操作部を臨ませて成ることを特徴とす
   る玄関サツシ用網戸の引手装置。