JPS6035757Y2 - 防犯扉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は防犯扉、とくにガラス窓を有する扉の防犯構造
に関するものである。

従来、ビル内の医院や事務所等において、採光上或は美
観上有利なガラス窓を有する扉が広く用いられているが
、この種の扉は防犯上からみれば極めて不利であり、盗
難事件が多発している。

これは、上記扉がガラス窓を有するために、このガラス
を破って賊が直接浸入したり、手を差し入れれば扉の鍵
を内側から容易に外すことができるからである。

このような不具合を解消するために、扉の外側にシャッ
ターを設けたものもあるが、これではシャッターの開閉
装置等大きな設備を必要とするため、外観が審美的に損
われることや費用が嵩むことなど問題が多い。

本考案は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、ガラス窓を有する扉を簡単に防犯構造とする
ことができる防犯扉を提供することにある。

以下、本考案を実施例にしたがって説明する。

第１図、第２図は本考案にかかる防犯扉の第１実施例を
示し、１は家屋の出入り口に設けられた門型の外枠、２
は外枠１の一方の縦枠部１ａに回動自在に支承された扉
である。

扉２にはロックボタン４を有する把手３が設けられてお
り、その上部にはガラス窓５が設けられている。

ガラス窓５の屋内側の外周には、スライド溝７を有する
コ字形の案内部６が設けられており、この案内部の開放
した左端部は扉２の左側端面近傍まで延在している。

８は例えば板厚が２ＷＩＩｔの鉄板からなる硬板で、そ
の一側面には把手９，９が固定されている。

この硬板８は上記案内部６のスライド溝７に挿入され、
硬板８がスライド溝７の末端まで挿入された状態におい
て、案内部６の開放端側に位置する硬板８の左側部８ａ
は扉２の側端面とほぼ同一に位置している。

上記のごとく硬板８を案内部６に挿入した後、扉２を閉
鎖すると硬板８の左側部８ａは外枠１の縦枠部１ｂに近
接し、硬板８はこの縦枠部１ｂによって案内部６からの
脱落が規制される。

したがって、外部からガラス窓５が破られても硬板８に
よって諦め切っているため、賊が侵入したり、手を差し
入れることができず、内側から把手３のロックボタン４
を外すことは不可能である。

しかも、硬板８の動きは外枠１の縦枠部１ｂで規制され
ているため、扉２を開かない限り硬板８を取外すことが
できず、かつ硬板８の固定手段（例えばねじ止め）は全
く不要である。

第３図は本考案の第２実施例を示す。

この実施例では、扉２の側面に上方が開放したし形状の
案内部６を設けたもので、硬板８を案内部６の上方開放
端よりスライドさせるようになっている。

この場合には、硬板８の上端部が外枠１の鴨居部ＩＣ（
第１図参照）によって位置規制される。

第４図は第３実施例を示し、扉２の下部の側面にスライ
ド溝１１を有する収納部１０を設け、この収納部１０に
硬板８を挿入して保管しておくことができるようになっ
ている。

第５図は第４実施例を示し、上記第１〜第３実施例のご
とく扉２の側面に突出した案内部６又は収納部１０を設
ける代わりに、扉２の左側端面に開口した案内部および
収納部であるスライド孔１２．１３を上部と下部とに各
−個ずつ設けたもので、上方のスライド孔１２は防犯用
として使用するために、下方のスライド孔１３は硬板８
を保管しておくために使用される。

この実施例ではスライド孔１２．１３が第１〜第３実施
例のごとく側面に露出しないので、美観を損う心配がな
い。

なお、硬板８の把手９は不要である。

上記第１〜第４実施例に示すごとく、スライド方向には
上下方向と左右方向とが考えられるが、硬板８が重量の
大なるものでは左右方向のスライドの方が容易である。

ただ、上下方向の場合には、硬板８自身の重量によって
硬板８が自動的に案内部へ完全に装着され、硬板８の一
部が案内部からはみ出ることがなく、風の影響等で急に
扉が閉った場合でも硬板８あるいは外枠１の損傷等がな
い。

また、ガラス窓５を防護する案内部のほかに、硬板８を
保管しておく案内部あるいは収納部を設けておくことに
より、硬板８の保守管理が容易になるという効果がある
。

なお、上記第１〜第４実施例では、案内部を一側方が開
放したコ字形又はし形状のものとしたが、これらに限ら
ず左右両側方が開放した案内部であってもよい。

この場合には、硬板の両側端部が外枠の両縦枠部によっ
て位置規制される。

また、扉としては一側が回動自在に支承された回転式扉
に限らず、引き戸であってもよい。

以上の説明で明らかなように、本考案によれば、扉にガ
ラス窓を包囲するように設けた案内部に硬板をスライド
自在に設け、硬板の移動を外枠で規制するようにしたの
で、たとえガラス窓が破られても硬板があるために室内
側に賊が侵入したり手を差し入れて施錠を外すことがで
きず、盗難事件を未然に防止することができる。

しかも、硬板は単に外枠により位置規制するのみで固定
されるため、硬板は扉を開かない限り外すことができず
、ねじ止め等の固定を行なう必要が全くない。

また、本考案の防犯扉は、既設のドアに案内部を設ける
だけで構成することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案にかかる防犯扉の第１実施例の
斜視図および正面図、第３図は第２実施例の正面図、第
４図は第３実施例の正面図、第５図は第４実施例の斜視
図である。 １・・・・・・外枠、２・・・・・・扉、３・・・・・
・把手、５・・・・・・ガラス窓、６・・・・・・案内
部、７・・・・・・スライド溝、訃・・・・・硬板、１
０・・・・・・収納部、１１・・・・・・スライド溝。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）外枠に対して開閉自在に設けられ、一部にガラス
   窓を有する扉において、扉の室内側側面又は内部に上記
   ガラス窓のまわりを包囲するように設けられ、かつ少な
   くとも一方が開放した案内部と、上記案内部にスライド
   自在に装着され、案内部の開放側に位置する少なくとも
   一端部が外枠によって位置規制される硬板とを備えてな
   る防犯扉。
2. （２）上記案内部は一側方が開放したコ字形の案内部で
   あることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の防犯扉。
3. （３）扉のガラス窓以外の部分に、硬板収納用のスライ
   ド部を設けたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項又は第２項記載の防犯扉。