JPH0220285Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本案は衛生洗浄器の洗浄ノズルに関するもので
ある。

（従来技術） 一般に、衛生洗浄器は所定温度の温水を洗浄ノ
ズルより勢いよく噴出させることにより肛門部等
の洗浄を行なうものであるが、従来この種の洗浄
ノズルは洗浄器より圧送されてくる温水の温度に
関係なく常に勢いよく噴出する構成である為、例
えば未だ充分に加熱昇温されておらず温度が低い
場合でも勢いよく噴出して肛門部等に作用させる
ことになり、使用者に不快感を与えるものであつ
た。

（目的） 本案はかかる点に鑑みてなされたもので、洗浄
水が所定温度にある時のみ勢いよく噴出できるよ
うに構成することにより、従来のような不都合を
解消できるようにしたものである。

（実施例） 以下図面に示した本案の実施例について詳細に
説明する。

先ず、第１図において、１は便座２を有する水
洗式の便器で、衛生洗浄器（図示せず）を一体的
に組込んである。３は便器１の所定温度に設けら
れた出没自在な洗浄ノズルで、洗浄水供給源であ
る衛生洗浄器より圧送されてくる洗浄水を噴出さ
せるものであり、第２図示の如く構成される。

次に、第２図において、洗浄ノズル３は吐出口
５を有するノズル本体４と、該本体４に軸方向に
移動自在に内装され該移動により吐出口５の開口
面積を可変する調節口７をもつた調節部材である
調節リング６と、ノズル本体４内にあつて調節リ
ング６の両側に位置する第１及び第２のばね８，
９とにより構成され、上記両ばね８，９は共に形
状記憶合金により形成されている。而して、上記
第１のばね８には第３図に実線イで示すような温
度−変形力特性を、第２のばね９には第３図に実
線ロで示すような温度−変形力特性をもたせるこ
とにより、洗浄水が肛門部等の洗浄に適した所定
温度（例えば35〜40℃）にある時に調節リング６
により吐出口５の開口面積を縮小して洗浄水が勢
いよく噴出するように構成してある。

また、図中１０は調節リング６の端部と当接し
て当該調節リング６の移動を規制し、上記吐出口
５の開口面積を縮小させる第１のストツパー、１
１は調節リング６の端部と当接して当該調節リン
グ６の移動を規制し、上記吐出口５の開口面積を
全開にする第２のストツパーである。

上記構成において、衛生洗浄器より圧送されて
くる洗浄水の温度が35℃以下の場合には第１及び
第２のばね８，９の変形応力が均等であるため、
調節リング６が第２のストツパー１１に当接した
状態にあり、上記吐出口５は第２図ａに示すよう
に調節リング６により縮小されず全開している
為、洗浄水は噴出するも勢いが弱く肛門部まで達
することができず、従つて低温の洗浄水が肛門部
に作用して不快感を与えることがない。

次に、洗浄水の温度が35〜40℃の範囲内にある
場合、第１のばね８の変形応力が第２のばね９の
変形応力より大きくなつて調節リング６を第２図
ａの位置から右方向へ移動させる。そして、該調
節リング６が第２図ｂに示すように第１のストツ
パー１０と当接して該調節リング６の移動を規制
し、該調節リング６により吐出口５の開口面積を
縮小する。すると、吐出口５より噴出する洗浄水
はその勢いを増して第１図ｂに示すように肛門部
まで達し、その洗浄に有効に作用する。

又、洗浄水の温度が40℃以上の場合には、第２
のばね９の変形応力が第１のばね８の変形応力よ
りも大きくなつて調節リング６を第２図ｂの位置
から左方向に押し返し、該調節リング６が第２図
ａに示すように第２のストツパー１１と当接して
該調節リング６の移動を規制し、ノズル本体４の
吐出口５を第２図ａに示すように全開状態とす
る。従つて、高温の洗浄水は低温の時と同様に作
用せず使用者に不快感を与えることがない。

（効果） 本案の衛生洗浄器の洗浄ノズルは上記のような
構成であるから、洗浄水の温度が第１の所定温度
と第２の所定温度との間にあるときのみ、洗浄水
を使用者に達するように噴出するので、安全かつ
快適な温度による洗浄を行うことができる。

また、洗浄水の温度が第１の所定温度がより低
い温度若しくは第２の所定温度より高い温度か
ら、第１の所定温度と第２の所定温度との間の温
度へ変化すると、第１及び第２のばねの付勢力が
変化し、調節部材が移動して吐出口の開口面積が
徐々に変化するので、洗浄水が突然使用者に対し
て噴出するということがなく、使用者に対して優
しくかつ柔らかく作用し、非常に快適な洗浄を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本案洗浄ノズルを便器に配設し
た状態を示す図で、ａはノズル収納時、ｂはノズ
ル使用時を示す。第２図ａ，ｂは同洗浄ノズルの
異なる状態を示す断面図、第３図はばねの温度−
変形力特性図である。 ３……洗浄ノズル、４……ノズル本体、５……
吐出口、６……調節リング、８，９……ばね、１
０，１１……ストツパー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 洗浄水供給源より圧送された洗浄水を噴出させ
   る衛生洗浄器の洗浄ノズルにおいて、 洗浄水を噴出する吐出口を形成したノズル本体
   と、 該本体に移動自在に内装され該移動により吐出
   口の開口面積を可変する調節部材と、 上記ノズル本体内に設けられ、上記調節部材と
   当接して当該調節部材の移動を規制し、上記吐出
   口の開口面積を縮小する第１のストツパーと、 上記ノズル本体内に設けられ、該調節部材と当
   接して当該調節部材の移動を規制し、上記吐出口
   の開口面積を全開する第２のストツパーと、 上記ノズル本体内で上記調節部材を挾持する位
   置にあり、洗浄水の温度が第１の所定温度と第２
   の所定温度との間にあるとき、上記調節部材を上
   記第１のストツパー側へ移動させ、洗浄水の温度
   が第１の所定温度より低いとき若しくは第２の所
   定温度より高いとき、上記調節部材を上記第２の
   ストツパー側へ移動させる形状記憶合金で形成し
   た第１のばねと第２のばねとを備えてなる衛生洗
   浄器の洗浄ノズル。