JPH0219549Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、水冷式自動二輪車における、冷却水
の水路構造に関する。

近年、エンジンの高出力化、および騒音の低減
化等の要求により、水冷エンジンを塔載した自動
二輪車が数多く製品化されている。

第１図ａ，ｂは、水冷エンジン１を塔載した自
動二輪車の車体フレーム２を示す要部側面図、お
よびその上面図で、車体フレーム２のダウンチユ
ーブ２ａには、ラジエータ３が取付けられてい
る。

このラジエータ３の上部と下部には、それぞれ
インレツトポート３ａとアウトレツトポート３ｂ
が取付けられている。一方、水冷エンジン１のシ
リンダブロツク１ａ、およびシリンダヘツド１ｂ
内に形成されたウオータジヤケツト（図示せず）
内を通過して高温化した冷却水（矢印Ａ）は、前
記シリンダヘツド１ｂ頭部に取付けられたアウト
レツトポート１b′よりゴム等の弾性体チユーブ４
を介して、ラジエータ３のインレツトポート３ａ
に送給される。ラジエータ３のインレツトポート
３ａに送給された高温の冷却水は、ラジエータ３
によつて、冷却された後矢印Ｂに示すように該ラ
ジエータ３のアウトレツトポート３ｂよりゴム等
の弾性体チユーブ５を介して、クランクケース１
ｃの一側面内に収容されたウオータポンプ（図示
せず）のインレツトポート６に送給される。な
お、第１図ａ，ｂで符号７は、シリンダブロツク
１ａの排気ポート１a′に連結された、ダウンタイ
プの排気管である。

ところで、従来、オフロード用自動二輪車にお
いては、通常アツプタイプと称される排気管が配
設されている。特に、水冷化した２サイクルエン
ジンを塔載したオフロード用自動二輪車では、第
１図ａ，ｂと同一部分を同一符号で示す第２図
ａ，ｂの側面図、および上面図のようにアツプタ
イプである排気管１０の立上つた部分に掃気効率
を高めるチヤンバー１０ａが形成されているた
め、ラジエータ３を車体フレーム２の一方の側に
偏移させて、取付けるようにしていた。このた
め、ラジエータ３のアウトレツトポート３ｂとク
ランクケース１ｃの一側側面に配設した、ウオー
タポンプのインレツトポート６とを連通させる弾
性体チユーブ１１は、第１図に示すようにラジエ
ータ３を車体フレーム２のダウンチユーブ２ａ中
央に配設した場合と比べて、長くなり、しかもシ
リンダブロツク１ａの排気ポート１a′および排気
管１０と接近して配設されるので、前記弾性体チ
ユーブ１１および、該弾性体チユーブ１１内に流
れる冷却水は、前記排気管１０から熱の影響を受
けやすい欠点があつた。

本願考案は上述した事情に鑑み、ラジエータの
アウトレツトポートとウオータポンプのインレツ
トポートとの間を接続する冷却水の水路が、排気
管及び排気ポート等の高温部から受ける熱の影響
を可及的に除去するようにした自動二輪車におけ
る冷却水の水路構造を提供することを目的とす
る。

上述した目的を達成するため、この考案の水冷
式自動二輪車における冷却水の水路構造では、エ
ンジンの排気ポートに連通する排気管が折曲げら
れて前記排気ポートよりも上方に配設されるアツ
プタイプ排気管を有する自動二輪車において、前
記アツプタイプ排気管が配設される側のクランク
ケース一側側面にウオータポンプを配設するとと
もに、前記アツプタイプ排気管が配設される側と
反対側に位置するダウンチユーブにラジエータを
配設し、かつクランクケースの前方でダウンチユ
ーブを臨む面のクランクケース幅方向に沿つて該
クランクケースと一体に水路を形成し、該水路の
一端をウオータポンプのインレツト側に、他端を
弾性体のチユープを介してラジエータのアウトレ
ツトポートに接続させるようにしている。

以下、本考案に係る水冷式自動二輪車における
冷却水の水路構造の一実施例を詳述する。

第３図ａ，ｂは本考案に係る水冷式自動二輪車
における冷却水の水路構造を示す要部側面図、お
よびその上面図で、第１図および第２図と同一部
分を同一符号で示す。

第３図ａ，ｂに示すように、水冷エンジン１の
クランクケース１ｃの前方で、車体フレーム２の
ダウンチユーブ２ａに臨む面１c′には、該クラン
クケース１ｃと一体で、しかもその幅Ｗ方向に沿
つて、水路１２の一端１２ａは、クランクケース
１ｃの一側側面に収納されたウオータポンプ（図
示せず）に連通しており、他端１２ｂには、該水
路１２に連通するインレツトパイプ１３と、ダウ
ンチユーブ２ａの一方の側に偏移して配設したラ
ジエータ３のアウトレツトポート３ｂとは、ゴム
等の弾性体チユーブ１４によつて、連結されてい
る。したがつて、ラジエータ３のアウトレツトポ
ート３ｂから吐出した冷却水（矢印Ｃ）は、前記
弾性体チユーブ１４、および水路１２を介して、
ウオータポンプに案内される。

なお、上記実施例において、ラジエータ３のア
ウトレツトポート３ｂから吐出される冷却水をク
ランクケースの一側側面に収容したウオータポン
プに案内する水路１２を該クランクケース１ｃの
前面１c′に形成するようにしたが、勿論本考案は
上記実施例に限定されることなく、ラジエータ３
の取付位置および該ラジエータ３に取付けられた
アウトレツトポート３ｂの取付位置に対応した位
置からウオータポンプ近傍までのクランクケース
に形成するようにしても良い。

本考案は、上述した構成としたため、ラジエー
タの取付位置が偏移した際にも、長い弾性体チユ
ーブを用いず、しかも排気管等の高熱源から離れ
て、冷却水の通路が形成出来、このため、ラジエ
ータと、ウオータポンプとを連通する弾性体チユ
ーブ、および該チユーブ内を流れる冷却水が受け
る熱的な影響をを可及的に除去し、冷却効率の高
いエンジンを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは、従来の水冷式自動二輪車にお
ける冷却水の水路構造を示す水冷エンジンの要部
側面図、およびその上面図、第２図ａ，ｂはラジ
エータを偏移させた際の冷却水の水路構造を示す
水冷エンジンの要部側面図、およびその上面図、
第３図ａ，ｂは、本考案に係る水冷式自動二輪車
における冷却水の水路構造を示す水冷エンジンの
要部側面図、およびその上面図である。 １……水冷エンジン、１ｃ……クランクケー
ス、３……ラジエータ、３ｂ……アウトレツトポ
ート、１２……水路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジンの排気ポートに連通する排気管が折曲
   げられて前記排気ポートよりも上方に配設される
   アツプタイプ排気管を有する自動二輪車におい
   て、 前記アツプタイプ排気管が配設される側のクラ
   ンクケース一側側面にウオータポンプを配設する
   とともに、前記アツプタイプ排気管が配設される
   側と反対側に位置するダウンチユーブにラジエー
   タを配設し、 かつ前記クランクケースの前方でダウンチユー
   ブを臨む面のクランクケース幅方向に沿つて該ク
   ランクケースと一体に水路を形成し、該水路の一
   端を前記ウオータポンプのインレツト側に、他端
   を弾性体のチユーブを介して前記ラジエータのア
   ウトレツトポートに接続させるようにしたことを
   特徴とする水冷式自動二輪車における冷却水の水
   路構造。