JPH0219077Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は羽毛ふとんに関する。

羽毛ふとんには、表地と裏地との間に適宜巾の
襠布を格子状に組んで小区画を構成し、その内部
に羽毛を充填しているものがあるが、羽毛の充填
を行なうのに種々の方法があつた。即ち、襠布を
表裏地に縫着し小区画を構成する際に、羽毛を所
望量ずつ小区画に入れて後小区画を密封縫製する
方法、小区画を襠布により構成する際に、小区画
の襠布に羽毛送り込み用ホースの通路を構成して
おき、表地と裏地をふとん周縁で縫製する際に一
部開いておき、該開口より羽毛送り込み用ホース
を前記ホース通路を経て小区画内に挿入し、羽毛
を小区画内に送り込む方法等種々がある。

しかし、上記襠布を格子状に組んで小区画室を
構成したふとんにあつては、縫製の途中で羽毛を
小区画に入れつつ縫製を進行することになり縫製
の手間が極めて大であり、小区画を構成する襠布
に、ホースを挿し込むホース通路を設けたものに
あつては、ホースを引き抜いた後ホース通路を完
全に閉鎖できず、ややもするとホース通路から隣
接する小区画内に羽毛が移動する等の欠点が生じ
た。

これに対処し、本考案羽毛ふとんでは、従来の
小区画室を作りつつ羽毛を封入するものと異な
り、予め作られた小区画室に容易に羽毛を封入す
ることができ、かつ、小区画室に封入した羽毛が
小区画室より脱出するのを防止する構成とするこ
とにより縫製の手間の省略、羽毛充填の作業性能
の向上、小区画室内に封入した羽毛の脱出の完全
な防止を計ることを目的として、表地と裏地と
を、格子状に組んだ適宜高さの襠布を介在させる
ことにより一体にして、表地と裏地と襠布とによ
り複数の互に隣接する小区画室を構成し、該小区
画室内に羽毛を封入してなる羽根ふとんにおい
て、隣接した小区画室を形成する少なくとも一辺
の襠布を、小間隔を有した２枚の平行したものと
し、該２枚の平行した襠布間を羽毛給送パイプ挿
入室とし、該羽毛給送パイプ挿入室の開口端をふ
とん周縁に開口し、前記平行した襠布にはパイプ
挿入孔を各小区画室ごとに、２以上のパイプ挿入
孔が互に対面しないようにしたものである。

本考案羽毛ふとんの実施の一例を図面と共に次
に説明する。

１は表地、２は裏地で、表地１と裏地２とを重
ね合わせ、該表地１と裏地２の外周縁を適宜巾の
縁布３によつて綴じ合わせ、表地１と裏地２との
間には襠布４を適宜間隔で経緯に格子状に組み、
小区画室５を構成する。上記縁布３による綴じ合
わせは、羽毛を封入するまでは後述する給送パイ
プ挿入室８の開口端１１の部分は開口しておく。
襠布４と表裏地１，２とを接続する一例をあげる
と、襠布４の上下端に折り返し部６を設け、折り
返し部６と表裏地１，２とを縫合することにより
両者を一体化している。前記小区画室５の少なく
とも一辺は後述する給送パイプ７が挿入されるパ
イプ挿入室８と接している。

第１図に示す例では、襠布４のうち経方向（長
手方向）の裏地４ａ，４ｂを端部から端部まで連
続貫通した２枚並行のものとしている。並行した
２枚の襠布４ａ，４ｂの間隙は、後述する羽毛給
送パイプ７の挿入が可能な程度のものとし、羽毛
給送パイプ挿入室８とする。そして、襠布４ａの
各小区画室５に対応する位置に羽毛給送パイプ７
を挿入できる羽毛給送パイプ挿入孔９を設ける。

上記羽毛給送パイプ挿入孔９は第２図に示す如
く、襠布４に上下方向に設けたスリツト１５とし
ても、第３図に示す如く、小孔１６を穿設しても
良く、該小孔１６を塞じることのできる大きさの
覆い片１７を設けても良い。覆い片１７は弁の役
目をし、小孔１６から小区画室５外に羽毛が出る
のを一層防止している。該羽毛給送パイプ挿入孔
９は、対面する小区画室５に設けた羽毛給送パイ
プ９が互に対向することがないようにその位置を
ずらせてある。

今、小区画室５ａに羽毛１０を封入しようとす
る場合につき説明すると、羽毛給送パイプ挿入室
８の開口端１１より羽毛給送パイプ挿入室８に羽
毛給送パイプ７を挿入し、羽毛給送パイプの先端
を小区画室５ａの位置にある襠布４ａの羽毛給送
パイプ挿入孔９を通して小区画室５ａ内に挿入す
る。そして、図示しない供給源からの所定量の羽
毛を気送し、小区画室５ａ内に充填封入した後羽
毛給送パイプ７を羽毛給送パイプ挿入孔９より抜
き去る。羽毛が充填された小区画室５ａは、羽毛
により膨大化するために、襠布４ａ，４ｂは互に
密接することになる。そして、互に密接した襠布
４ａ，４ｂは当然にそれぞれに設けられた羽毛給
送パイプ挿入孔９も隣接している小区画室５ｂの
襠布４ａ，４ｂに隣接することになり、襠布４ａ
に設けられた羽毛給送パイプ挿入孔９はその開口
を対面している小区画室５ｂの襠布４ｂによつて
閉塞されることになる。このために、羽毛給送パ
イプ挿入孔９を閉塞した小区画室５ａ内の羽毛
は、小区画室５ａから外部に散逸することはな
い。

このようにして、各小区画室５，５，…に羽毛
を封入し終ると、羽毛給送パイプ７を羽毛給送パ
イプ挿入室８より引き出し開口端１１を縫製等適
宜手段にて閉じる。

上述の実施例では、パイプ挿入室８はふとんの
長手方向に延びているが、これと交差して緯方向
に延びるように構成しても良いことは勿論である
が、小区画室５は必ず一側でパイプ挿入室８と接
していなければならない。また、羽毛給送パイプ
挿入室８の開口端１１は該室８の両端に設けても
良いことは勿論である。

本考案ふとんは上記した如く、表地と裏地とを
格子状に組んだ適宜高さの襠布により一体にし
て、表地と裏地と襠布とにより複数の小区画室を
構成し、該小区画室内に羽毛を封してなる羽毛ふ
とんにおいて、小区画室の少なくとも一辺の襠布
を２枚の平行したものとし、２枚の平行した襠布
間を羽毛給送パイプ挿入室とし、前記平行した襠
布には羽毛給送パイプ挿入孔を設け、羽毛給送パ
イプ挿入室と小区画室とを連通させたため、羽毛
給送パイプ挿入室開口端より挿入した羽毛給送パ
イプを、羽毛給送パイプ挿入室、襠布に設けたパ
イプ挿入孔を通して小区画室内に挿入し、小区画
室内に羽毛を送り込むことを可能にし、小区画室
内に羽毛を充満し羽毛給送パイプを抜き去つたと
きは、小区画室内の羽毛の圧力で小区画室は膨張
し、羽毛給送パイプ挿入室は押しつぶされ、並行
した２枚の襠布は圧接することとなり、前記襠布
に各小区画ごとに設けたパイプ挿入孔がそれぞれ
互に対面しないように設けられているため、パイ
プ挿入孔部分は、対面する襠布に密接し弁の閉鎖
作用をなし、閉塞され小区画室内の羽毛が外部に
飛び出すことをなくすることができる。このため
に、羽毛の圧力による襠布の弁作用により小区画
室を閉塞する極めて簡易な構造で羽毛の脱出を防
止することができるという効果を有する。

また、羽毛の封入も、羽毛給送パイプを羽毛給
送パイプ挿入室に挿入し、各小区画室に先端を挿
入するだけで容易に行なえるので、作業能率を高
めることができる。更に、本考案羽毛ふとんにあ
つては、各小区画室羽毛給送パイプ挿入室等すべ
ての部分が羽毛封入前に予め縫製されており、羽
毛を封入しつつ縫製工程を実施することは全くな
いためにこの点からの羽毛の飛散脱落を生ぜず、
作業能率も高めることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切除した状態の平面図、第２図は
羽毛給送パイプ挿入孔をスリツトとした状態の拡
大斜視図、第３図は羽毛給送パイプ挿通孔を小孔
とした状態の拡大斜視図である。 １……表地、２……裏地、４……襠布、５，５
ａ，５ｂ……小区画室、８……羽毛給送パイプ挿
入室、９……羽毛給送パイプ挿入孔、１０……羽
毛。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表地と裏地とを、格子状に組んだ適宜高さの襠
   布を介在させることにより一体にして、表地と裏
   地と襠布とにより複数の互に隣接する小区画室を
   構成し、該小区画室内に羽毛を封入してなる羽根
   ふとんにおいて、隣接した小区画室を形成する少
   なくとも一辺の襠布を、小間隔を有した２枚の平
   行したものとし、該２枚の平行した襠布間を羽毛
   給送パイプ挿入室とし、該羽毛給送パイプ挿入室
   の開口端をふとん周縁に開口し、前記平行した襠
   布にはパイプ挿入孔を各小区画室ごとに、２以上
   のパイプ挿入孔が互に対面しないように設けてな
   る羽根ふとん。