JPH0218113B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は縦振り複数針二重環縫いミシンに於け
る、縫作業が生地の中途で終了した場合でも、機
械的自動的に下糸を切断することの出来る方法並
びに装置に係るものである。

「従来の技術」 従来、縦振り多数針二重環縫いミシンにおいて
は、生地の端部でミシン糸を切断する糸切断装置
は種々公知のものがある。然し縫合作業を生地の
中間部で終了した場合には、縫合作業者が通常の
ミシン運転方向と逆方向にハンドル車を回転さ
せ、針の糸輪をルーパーから外し、次に生地押え
の脚部を持ち上げながら生地を縫台から引張り出
してミシン糸を鋏等にて手動的に切断するの他な
く、機械的実動的に糸を切断することが出来ず、
縫い作業が生地の中途で終了した場合は実に困難
で時間を狼費すると共に、比較的多量の糸を無駄
にする等の欠点を存した次第である。

「発明が解決しようとする問題点」 縦振り複数針二重環縫いミシンの、縫作業が生
地の中途で終了した場合に於いても、機械的自動
的に容易に且つ糸の無駄なく糸切断可能の方法並
びに装置を得んとするものである。

「問題点を解決するための手段」 本発明では、夫々下糸を引掛けた複数の可動刃
をＬ字状方向に弯曲移動せしめ、単一の固定刃に
順次接触させ、糸切断を機械的自動的になさしめ
ることにより、縦振り複数針二重環縫いミシンに
於ける作業が生地の中途で終了した場合に於いて
も、下糸を容易に且つ糸の無駄部分を最少とし
て、高能率に切断することが出来るに至つた。

「実施例並びに作用」 添付図面は本発明実施の一例を示すもので、１
はミシンのフレーム、２は該フレームに固定状に
取付けた糸切装置取付板である。７は可動刃作動
板で、直角状に弯曲する二条の案内溝３，４を相
互平行状に該可動刃作動板に穿設する。５，６は
案内ピンネジで、前記糸切装置取付板２の表面に
固定状に突設し、前記両案内溝３，４中に摺動可
能に夫々嵌挿する。８はシリンダー９のピストン
にして、該ピストン８の先端を前記刃作動板７の
基部に軸着１０する。１１はシリンダーの基部
で、シリンダー揺動ピンネジ１２をもつて、フレ
ーム１に基端を取付けたシリンダー支持腕１３の
先端に軸着する。１４は可動刃取付片で、可動刃
取付片止めネジ１５をもつて可動刃取付板７の先
端に固定状に取付けられる。１６は可動刃で、前
記可動刃取付片１４に任意数（ミシン針数に応じ
て）水平直角方向に並列設備されるものである。
１７は固定刃で、前記糸切装置取付板２に前記可
動刃１６に対峙して固定状に取付けられ、固定刃
押え板１８によつて上方より支持されるものであ
る。１９は可動刃前進ストツパーで糸切装置取付
板２の上面に可動刃作動板７に対峙して突設され
る。２０は可動刃後退のストツパーで、糸切装置
取付板２の上面に可動刃作動板７に対峙して突設
される。２１は針止め、２２は任意数の針で、該
針止め２１に公知の如く取付けられる。２３は針
板、２４は布押え、２５はリテーナー、２６はル
ーパーで、是等の機械部分も亦公知である。

本発明は以上の如き構成で、その糸切断作動状
態を詳説するのに、先ずミシンフレーム１に基端
を軸着したシリンダー支持腕１３の先端に、基端
１１を軸着したシリンダー９のピストン８が押し
出されると、該ピストン８の先端に軸着された可
動刃作動板７の軸着部１０が押圧される。茲に於
いて該可動刃作動板７は此の押圧により移動しな
ければならないこととなる。ピストン８が最もシ
リンダー９中に引込まれた状態にある場合（第３
図実線の如く）案内溝３，４の横方向最左端に案
内ピンネジ５，６は夫々位置しており、可動刃１
６は第２図仮線で示す位置にあるものである。次
にピストンが押し出されると可動刃作動板７が移
動し、その移動は案内ピンネジ５，６と案内溝
３，４との夫々の嵌挿入位置の移動に制御される
もので、該可動刃作動板７が左方向に直線状に移
動し、（第２図矢印ａの如く）更にＬ字状方向に
弯曲した案内溝３，４に導かれて前記左行の極点
ｂよりも縦方向に押圧移行するもので、此のため
可動刃作動板７並びに可動刃１６は矢印ｃの方向
に移動し、可動刃１６は第２図実線に示す位置に
達するもので、可動刃作動板７は第３図７ａで示
す位置にあるものである。茲に於いて、ピストン
８はシリンダーへの引込まれ方向に変ずるもので
ある。そうすると前記と逆に第３図７ａの位置に
あつた可動刃作動板７並びに１６ａの位置にあつ
た可動刃１６は、第２図矢印ｃ部を逆行移動する
こととなり、其処にある針糸２７、ルーパー糸２
８等を引掛け把握して縦方向に移動し、更に方向
転換して第２図矢印ａの如く横方向に移動し、遂
に第２図仮線の位置まで可動刃は移動し、茲に於
いて固定刃１７に接触して複数針の夫々の糸を順
次に切断するものである。

「発明の効果」 本発明に於いては縦振り多数針二重環縫いミシ
ンにて縫製時縫い合わせ作業を、生地の中間部で
終了した場合に於いても、手動的に種々複雑な操
作を用いることをせず、簡易な機械的装置をミシ
ンに装備することにより、自動的機械的に縫糸の
切断を容易にすることが出来、而かもその場合、
糸に多量の無駄をさせることがないと共に、高能
率に操作することが出来るもので、効果誠に大で
ある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明実施の１例を示すもので、第
１図は本装置の要部斜視図、第２図は固定刃との
関係を示す斜視図、第３図は可動刃作動板とシリ
ンダーとの関係を示す要部平面図である。 １……ミシンフレーム、２……糸切装置取付
板、３，４……案内溝、５，６……案内ピンネ
ジ、７……可動刃作動板、８……ピストン、９…
…シリンダー、１０……軸着、１１……シリンダ
ーの基部、１２……揺動ピンネジ、１３……シリ
ンダー支持腕、１４……可動刃取付片、１５……
止めネジ、１６……可動刃、１７……固定刃、１
８……固定刃押え板、１９……可動刃前進ストツ
パー、２０……可動刃後退ストツパー、２１……
針止め、２２……針、２３……針板、２４……布
押え、２５……リテーナー、２６……ルーパー、
ａ，ｂ，ｃ……矢印。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数針の夫々の糸を引掛けた複数の可動刃を
   Ｌ字状方向に転換移動させ、一個の固定メスに順
   次接触切断させることを特徴とする縦振り複数針
   二重環縫いミシン糸切断方法。 ２ Ｌ字状に弯曲する二条の案内溝を相互平行状
   に穿設した可動刃作動板を設け、案内ピンネジを
   固定状に穿設して該案内溝の夫々に摺動可能に嵌
   挿し、該可動刃作動板の基部に進退用動力装置端
   を軸着し、該可動刃作動板の先端部に複数の可動
   刃を並設し、該可動刃に対峙して一個の固定刃を
   定置したことを特徴とする縦振り複数針二重環縫
   いミシンの糸切断装置。 ３ ミシンのフレームに糸切装置取付板を固定状
   に取付け、Ｌ字状方向に弯曲する二条の案内溝を
   相互平行状に穿設した可動刃作動板を、前記糸切
   装置取付板に穿設した案内ピンネジを前記両案内
   溝に夫々摺動可能に嵌挿し、ミシンフレームに基
   端を軸着したシリンダーのピストンの先端を前記
   可動刃作動板の基部２ａに軸着し、前記可動刃作
   動板の先端に可動刃取付片の基部を固定し、該可
   動刃取付片に任意数の可動刃を並設し、前記糸切
   装置取付板に固定刃を前記可動刃に対峙する位置
   に定置したことを特徴とする縦振り複数針二重環
   縫いミシンの糸切断装置。 ４ Ｌ字状方向に弯曲する二条の案内溝を相互平
   行状に穿設した可動刃作動板を固定案内ピンネジ
   を以つて、前記案内溝の夫々に摺動可能に取付
   け、該可動刃作動板の基部に進退用動力装置端を
   軸着し、可動刃作動板の先端部に複数の可動刃を
   並設し、該可動刃作動板に対峙して可動刃前進ス
   トツパーを定置し、可動刃作動板に対峙して作動
   刃後退ストツパーを定置し、前記可動刃に対峙し
   て一個の固定刃を定置し、該固定刃に対して固定
   刃押え板を設備したことを特徴とする縦振り複数
   針二重環縫いミシンの糸切断装置。