JPH0217851Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、射出成形機やダイカスト鋳造機など
の横型成形機の金型交換装置の分野に属する。

本考案は、その基本構造として、横型成形機の
固定側金型固定盤と可動側金型固定盤の間の金型
装着空間に左右一対の金型を搬出入する為の各搬
送ローラ手段を少なくとも下部タイバー同士間で
固定側金型固定盤と可動側金型固定盤とに各々付
設して、金型を両搬送ローラ手段上で前後方向に
搬送可能にしたものに関する。

〔従来技術及び考案が解決しようとする課題〕

従来装置は、第６図に示すように、遊転ローラ
９′を枠に付設した搬送ローラ装置R′を下側タイ
バー２間で金型固定盤１ａ，１ｂに付設した構造
であつた。

この構造では、装置が複雑にして大形で、高価
になるだけでなく、下側タイバー２間にクランプ
装置Ｃを付設しにくくなるため、クランプ装置Ｃ
を上下タイバー２間に固定しなければならないの
で、金型搬出入の作業が面倒になる。しかも、盤
面３に付属機器が突出している場合には、搬送ロ
ーラ装置R′を付設することが難しくなる。

更に、従来装置では、搬送ローラ装置R′の搬
送面の高さを調節し得る構造になつていないの
で、搬送ローラ装置R′を高精度に組付ける必要
があつた。

本考案の目的は、小形・軽量・安価であつて搬
送面の高さレベルを自由に調節し得るような横型
成形機の金型交換装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る横型成形機の金型交換装置は、横
型成形機の固定側金型固定盤と可動側金型固定盤
の間の金型装着空間に左右一対の金型を搬出入す
る為の搬送ローラ手段を少なくとも下部タイバー
同士間で固定側金型固定盤と可動側金型固定盤と
に各々付設し、金型を両搬送ローラ手段上で前後
方向に搬送可能にした横型成形機の金型交換装置
において、各搬送ローラ手段は金型固定盤に複数
のローラ装置を前後方向に適当間隔おきに付設し
てなり、各ローラ装置は、金型固定盤の盤面外へ
垂直に所定長さ突出するように金型固定盤に植設
された固定ボルトと、固定ボルトに偏心状に且つ
回動可能に外嵌されるとともに固定ボルトで金型
固定盤に固定解除可能に固定された偏心スリーブ
と、偏心スリーブに回転自在に外嵌されたローラ
と、偏心スリーブの外端部にローラの外端面を係
止するように鍔状に一体形成された操作部であつ
て、偏心スリーブを回動操作する為の操作部とを
備えているものである。

〔作用〕

本考案に係る横型成形機の金型交換装置におい
ては、金型を搬出入するときには、固定側金型固
定盤の搬送ローラ手段と可動側金型固定盤の搬送
ローラ手段で金型の左右の両端下面を支持した状
態で前後方向に搬送することが出来る。

各ローラ装置を組付けたときに、固定ボルトで
偏心スリーブを完全には固定しない状態で、操作
部を工具等で回動させると偏心スリーブが固定ボ
ルトに偏心状に外嵌しているのでローラの高さレ
ベルを簡単に調節することが出来る。次に、複数
のローラ装置のローラの搬送面を合致させた状態
で固定ボルトを十分に締結して偏心スリーブを固
定すればよい。

〔考案の効果〕

本考案に係る横型成形機の金型交換装置によれ
ば、 (1) 金型交換装置の各搬送ローラ手段を複数のロ
ーラ装置で構成するので、金型交換装置が構造
簡単にして小形・軽量・安価なものとなるう
え、各ローラ装置を付設する為の大きいスペー
スを特に必要とせず、盤面に付設のクランプ装
置やその他の付属機器を避けて小スペースに適
宜付設することが出来る。特に、既存の成形機
の金型固定盤にボルト穴などを穿設するだけ
で、周辺の付属機器に何らの変更を加えること
なく、金型交換装置を付設することが出来る。

(2) 各ローラ装置は偏心スリーブを介してローラ
の高さ位置つまりローラの搬送面の高さレベル
を調節可能になつているので、全部のローラの
搬送面の高さレベルを簡単に精度よく合致させ
ることが出来る。これにより、搬送ローラ手段
を複数の独立のローラ装置で構成することが可
能となつたのであるが、これと同時に、ローラ
装置の盤面への組付けの精度を高くしなくても
よいので、その作業が簡単になる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について図面を参照しな
がら説明する。

第１図〜第４図に示すように、射出成形機Ｍの
前側に自走式の金型搬送台車Ｔが設けられ、左右
一対の金型Ｄが、この台車Ｔから、固定側金型固
定盤１ａと可動側金型固定盤１ｂとの間の金型装
着空間Ｓへ搬送ローラ手段Ｒによつて搬出入され
る。各搬送ローラ手段Ｒは金型固定盤１ａ，１ｂ
の下部の下側タイバー２同士間に各々付設されて
いて、金型Ｄを両搬送ローラ手段Ｒに跨つた状態
に搬入後、位置決めし、上下各２組のクランプ装
置Ｃで左右の各金型Ｄを各盤面３に固定して、射
出成形に供する。

各搬送ローラ手段Ｒは各金型固定盤１ａ，１ｂ
の下部に下側タイバー２間で前後方向適当間隔お
きに盤面３に付設された複数のローラ装置４から
なり、各ローラ装置４は第２図〜第４図に示す構
造である。

即ち、ローラ装置４の偏心スリーブ５の基端部
５ｂを金型固定盤１ａ・１ｂの嵌合穴６に回動自
在に挿嵌するとともに、偏心スリーブ５の枢支部
５ａを盤面３外へ垂直に所定長さ突出させ、この
枢支部５ａにローラベアリング７及びリテーナ８
を介してローラ９を外嵌枢支し、この枢支部５ａ
の外周面を規定する軸心に対して偏心した軸心を
有するボルト孔１０に固定ボルト１１を挿通さ
せ、この固定ボルト１１の脚部を金型固定盤１
ａ，１ｂの螺孔に螺着するとともに、固定ボルト
１１の頭部１１ａで偏心スリーブ５の外端部に鍔
状に形成した回動用の操作部１２を締付けること
により、偏心スリーブ５の基端面を嵌合穴６の奥
端面に押圧して偏心スリーブ５を固定解除可能に
固定するとともに支持する。尚、偏心スリーブ５
の基端部５ｂの外周面は固定ボルト１１と同心状
に形成されている。

上記ローラ９の外端面は操作部１２で係止され
るので、ローラ９が偏心スリーブ５から外れるこ
とはない。

上記のように、固定ボルト１１に、それと偏心
した枢支部５ａを有する偏心スリーブ５を回転可
能に外嵌し、偏心スリーブ５を固定ボルト１１で
金型固定盤１ａ，１ｂに固定解除可能に固定して
あるので、ローラ搬送面９ａの高さを調節する場
合には、固定ボルト１１を多少緩めてから操作部
１２をスパナで回動させると、偏心スリーブ５の
枢支部５ａが固定ボルト１１に対して偏心してい
るので、ローラ９の高さが調節され、この調節後
固定ボルト１１を締付けて偏心スリーブ５を金型
固定盤１ａ，１ｂに固定する。

尚、上記実施例を部分的に変更して次のように
構成してもよい。

第５図に示すように、固定ボルト１１の嵌合部
１１ａを嵌合穴６ａに嵌合して位置決めの基準に
するとともに、偏心スリーブ５の端面を盤面３に
接当させる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は、本考案の実施例を示すもの
で、第１図は金型交換装置を設けた射出成形機の
要部斜視図、第２図はローラ装置の縦断正面図、
第３図は第２図の−線断面図、第４図は第２
図矢視図、第５図は変形例の第２図相当図、第
６図は従来装置の要部縦断側面図である。 １ａ……固定側金型固定盤、１ｂ……可動側金
型固定盤、２……下側タイバー、３……盤面、４
……ローラ装置、５……偏心スリーブ、５ａ……
枢支部、９……ローラ、１１……固定ボルト、１
２……操作部、Ｍ……横型成形機、Ｄ……金型、
Ｒ……搬送ローラ手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 横型成形機Ｍの固定側金型固定盤１ａと可動側
   金型固定盤１ｂの間の金型装着空間Ｓに左右一対
   の金型Ｄを搬出入する為の搬送ローラ手段Ｒを少
   なくとも下部タイバー２同士間で固定側金型固定
   盤１ａと可動側金型固定盤１ｂとに各々付設し、
   金型Ｄを両搬送ローラ手段Ｒ上で前後方向に搬送
   可能にした横型成形機の金型交換装置において、 各搬送ローラ手段Ｒは金型固定盤１ａ，１ｂに
   複数のローラ装置４を前後方向に適当間隔おきに
   付設してなり、 各ローラ装置４は、 金型固定盤１ａ，１ｂの盤面外へ垂直に所定長
   さ突出するように金型固定盤１ａ，１ｂに植設さ
   れた固定ボルト１１と、 固定ボルト１１に偏心状に且つ回動可能に外嵌
   されるとともに固定ボルト１１で金型固定盤１
   ａ，１ｂに固定解除可能に固定された偏心スリー
   ブ５と、 偏心スリーブ５に回転自在に外嵌されたローラ
   ９と、 偏心スリーブ５の外端部にローラ９の外端面を
   係止するように鍔状に一体形成された操作部１２
   であつて、偏心スリーブ５を回動操作する為の操
   作部１２とを備えている、ことを特徴とする横型
   成形機の金型交換装置。