JPH0217514Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、医療用電子機器や放電加工装置な
どを収納するための組立電波遮断室に関する。

この明細書において、「表」とは電波遮断室の
室外側を、「裏」とは同室内側の方向をいうもの
とする。

従来の技術と考案の課題 組立電波遮断室は、通常断熱材製芯材と、芯材
の表裏両面を覆う表裏皮材とよりなる複数の壁パ
ネルにより組立てられた周壁と、壁パネルと同様
な構成の複数の天井パネルにより組立てられた天
井とを備えており、周壁は、複数の床パネルで形
成された床の上に複数の縦長方形の壁パネルが横
方向に連続状に並べられることにより形成され
る。そして、電波遮断室内において放電加工など
の作業を行う場合、パネルどうしの目地部から電
波が室外に洩れると、テレビ等に電波障害もたら
す。このような電波障害を防止するためには、壁
パネルおよび天井パネルの目地部において、電波
の洩れを防止するために相隣り合う壁パネルおよ
び天井パネルの表裏皮材の少なくとも一方を通電
しうる状態に保ち、目地部で電気の流れがとだえ
ないようにすればよいことはすでに知られてお
り、従来から相隣り合う壁パネルの皮材どうしお
よび相隣り合う天井パネルの皮材どうしを通電し
うる状態とするために種々の方法が考えられてい
る。

ところで、通常壁パネルの下端は床パネルにね
じ止めされるようになつているが、壁パネルの高
さはかなり高いので壁を組立てるさいに隣接する
壁パネルの目地部の上端において隙間が発生する
おそれがある。とくに、相隣う合う壁パネル間に
ガスケツトが配置される場合には、上記隙間は発
生しやすい。このような隙間が存在すると、上記
のように種々の方法で隣り合う壁パネルの皮材ど
うしを通電しうる状態にしようとしても、欠陥が
発生するのを避け得ず、その欠陥部から電波が洩
れるという問題がある。また、周壁を構成する壁
パネルと、天井を構成する天井パネルの皮材どう
しを通電状態にするための見栄えのよい装置は存
在しないのが現状である。

この考案の目的は、上記問題を解決した組立電
波遮断室を提供することにある。

課題を解決するための手段 この考案による組立電波遮断室は、芯材と、芯
材の表裏両面を覆う表裏皮材とよりなる複数の壁
パネルにより周壁が組立てられ、壁パネルと同様
な構成の複数の天井パネルにより天井が組立てら
れ、相隣り合う壁パネルの皮材どうしおよび相隣
り合う天井パネルの皮材どうしが通電しうる状態
となされている組立電波遮断室において、壁パネ
ルの上端面両側に上方突出状連結壁が具備せしめ
られ、隣り合う壁パネル相互の対向連結壁がボル
トで締止められ、隣り合う壁パネルにまたがりか
つ連結壁を覆うように被覆部材が配置され、被覆
部材の両側面に沿つて壁パネルの皮材と通電しう
る状態となされている導電ガスケツトが配置さ
れ、天井パネルの下面における天井の周縁部に位
置する部分に、被覆部材を嵌入しうる凹溝を有す
る嵌合部材が配置され、天井パネルの皮材の縁部
が嵌合部材の凹溝の内側面に沿うように折り返さ
れて掛止められ、被覆部材を嵌合部材の凹部内に
嵌め入れたさいに天井パネルの折り返し縁部が導
電ガスケツトに密接するようになされているもの
である。

上記において、ボルトでの対向連結壁の締止め
は、両連結壁を貫通したボルトの先端にナツトを
ねじ嵌めることにより行なつてもよいし、または
いずれか一方の連結壁に雌ねじ孔を形成してお
き、他方の連結壁を貫通したボルトの先端を雌ね
じ孔にねじ嵌めることにより行なつてもよい。

実施例 この考案の実施例を、以下図面を参照しながら
説明する。以下の説明において、「左右」とは図
面の左右を基準とする。

第１図には、電波遮断室を構成する全パネルの
うちの１組の相隣り合う左右の壁パネル１，２
と、１枚の天井パネル３とが示されている。左右
の壁パネル１，２および天井パネル３は、第２図
および第３図に示すように、いずれも断熱材製芯
材４，５，６と、芯材４，５，６の表裏両面を覆
つている金属製表裏皮材７，８，９とよりなるサ
ンドイツチ構造のものである。

左右壁パネル１，２の接続すべき面には、互い
に相手の壁パネル２，１の方を向いて開口しかつ
壁パネル１，２の全高にわたる略Ｕ形の凹溝１２
を有する合成樹脂押出型材製の嵌合部材１１が配
置されている。凹溝１２の底壁１２ａにおける両
側壁１２ｂ寄りの位置には、それぞれ相手の壁パ
ネル１，２の方に開口しかつ長手方向に伸びる小
さな溝１３が設けられている。そして、左右壁パ
ネル１，２の表裏皮材７，８の縁部７ａ，８ａは
凹溝１２の側壁１２ｂ内面に沿うように折込まれ
ている。

左右壁パネル１，２の凹溝１２間に合成樹脂押
出型材製のやといざね１４が配置され、やといざ
ね１４の表裏両側面に沿つて導電ガスケツト１５
が配置されている。やといざね１４は横断面略コ
字形で、表側壁１４ａと、裏側壁１４ｂと、表裏
両側壁１４ａ，１４ｂの右縁どうしを連結する連
結壁１４ｃとよりなり、表側壁１４ａの表側面お
よび裏側壁１４ｂの裏側面にガスケツト嵌合溝１
６が設けられている。そして、やといざね１４
は、表裏両側壁１４ａ，１４ｂの左側縁部を右壁
パネル１の嵌合部材１１の溝１３に嵌合させるこ
とにより左壁パネル１に取付けられかつ右壁パネ
ル２の凹溝１２内にも入り込んでいる。導電ガス
ケツト１５は、絶縁ゴム製ガスケツト本体１５ａ
と、その外周面を覆つているシート状導電部材１
５ｂとよりなり、やといざね１４のガスケツト嵌
合溝１６にきつく嵌合させられ、左右壁パネル
１，２の皮材７，８の折込み縁部７ａ，８ａに密
接させられている。導電ガスケツト１５の大きさ
は、導電ガスケツト１５が溝１６と縁部７ａ，８
ａとで挾まれて圧縮されるような大きさとされて
いる。こうして、左右壁パネル１，２の表裏皮材
７，８が導電ガスケツト１５を介して電気的に接
続されている。

左右壁パネル１，２の上面、すなわち天井パネ
ル３との接続部分にも凹溝１２を有する嵌合部材
１１が、凹溝１２を上方に向けて配置され、表裏
皮材７，８の縁部７ａ，８ａが凹溝１２の側壁１
２ｂ内面に沿つて折込まれている。左壁パネル１
上面の嵌合部材１１の右端部および右壁パネル２
上面の嵌合部材１１の左端部には、それぞれ上方
突出状連結壁１７ａを有するＬ形連結金具１７が
ねじ止めされ、その連結壁１７ａが互いに対向す
るようになつている。そして、連結壁１７ａにあ
けられた孔１８を貫通したボルト１９の先端にナ
ツト２３をねじ嵌めることにより左右壁パネル
１，２が上端で連結され、左右壁パネル１，２間
に隙間が生じるのが防止されている。左右壁パネ
ル１，２上面の嵌合部材１１にまたがつて、被覆
部材２０が配置され、この被覆部材２０により連
結金具１７が覆われている。被覆部材２０は、や
といざね１４と同一横断面形状で表裏両側壁２０
ａ，２０ｂ、連結壁２０ｃおよびガスケツト嵌合
溝２１を備えており、左右壁パネル１，２と天井
パネル３とを接続するさいにやといざねの役割を
果たす。そして、そのガスケツト嵌合溝２１に左
右壁パネル１，２にまたがる導電ガスケツト１５
がきつく嵌合され、壁パネル１，２の皮材７，８
の折込み縁部７ａ，８ｂに密接している。天井パ
ネル３下面の周縁、すなわち左右壁パネル１，２
との接続部分にもその全長にわたる凹溝１２を有
する嵌合部材１１が配置され、表裏皮材９の縁部
９ａが凹溝１２の側壁１２ｂ内面に沿つて折込ま
れている。そして、導電ガスケツト１５が折込み
縁部９ａに密接している。こうして、左右壁パネ
ル１，２の表裏皮材７，８が導電ガスケツト１５
を介して天井パネル３の表裏皮材９に電気的に接
続されている。

上記実施例においては、隣接するパネルの表皮
材どうしおよび裏皮材どうしがそれぞれ導電ガス
ケツトを介して電気的に接続されているが、どち
らか一方だけを電気的に接続しておいてもよい。

考案の効果 この考案の連結装置は上述のように構成されて
いるので、壁パネル目地部上端に隙間が生じるこ
とはない。したがつて、壁パネル目地部からの電
波の洩れを完全に防止することができる。しか
も、連結壁は被覆部材により被覆されるので、機
能的にも美観的にも不都合が生じることはない。
また、被覆部材の両側面に沿つて壁パネルの皮材
と通電しうる状態となされている導電ガスケツト
が配置され、天井パネルの下面における天井の周
縁部に位置する部分に、被覆部材を嵌入しうる凹
溝を有する嵌合部材が配置され、天井パネルの皮
材の縁部が嵌合部材の凹溝の内側面に沿うように
折り返されて掛止められ、被覆部材を嵌合部材の
凹溝内に嵌め入れたさいに天井パネルの折り返し
縁部が導電ガスケツトに密接するようになされて
いるので、被覆部材を利用して周壁と天井とを通
電しうる状態とすることができる。しかも、被覆
部材は天井パネルの凹溝内に嵌め入れられるの
で、これが外部から見えることはなく、見栄えが
よい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は接続
後の状態における部分正面図、第２図は第１図の
−線にそう拡大断面図、第３図は第１図の
−線にそう拡大断面図、第４図は分解部分斜視
図である。 １，２……壁パネル、３……天井パネル、４，
５，６……芯材、７，８，９……皮材、９ａ……
折り返し縁部、１１……嵌合部材、１２……凹
溝、１５……導電ガスケツト、１７ａ……連結
壁、１９……ボルト、２０……被覆部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芯材と、芯材の表裏両面を覆う表裏皮材とより
   なる複数の壁パネルにより周壁が組立てられ、壁
   パネルと同様な構成の複数の天井パネルにより天
   井が組立てられ、相隣り合う壁パネルの皮材どう
   しおよび相隣り合う天井パネルの皮材どうしが通
   電しうる状態となされている組立電波遮断室にお
   いて、壁パネルの上端面両側に上方突出状連結壁
   が具備せしめられ、隣り合う壁パネル相互の対向
   連結壁がボルトで締止められ、隣り合う壁パネル
   にまたがりかつ連結壁を覆うように被覆部材が配
   置され、被覆部材の両側面に沿つて壁パネルの皮
   材と通電しうる状態となされている導電ガスケツ
   トが配置され、天井パネルの下面における天井の
   周縁部に位置する部分に、被覆部材を嵌入しうる
   凹溝を有する嵌合部材が配置され、天井パネルの
   皮材の縁部が嵌合部材の凹溝の内側面に沿うよう
   に折り返されて掛止められ、被覆部材を嵌合部材
   の凹溝内に嵌め入れたさいに天井パネルの折り返
   し縁部が導電ガスケツトに密接するようになされ
   ている組立電波遮断室。