JPH02167232A - ウイルス除去方法 - Google Patents

ウイルス除去方法

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JPH02167232A
JPH02167232A JP63320349A JP32034988A JPH02167232A JP H02167232 A JPH02167232 A JP H02167232A JP 63320349 A JP63320349 A JP 63320349A JP 32034988 A JP32034988 A JP 32034988A JP H02167232 A JPH02167232 A JP H02167232A
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Naoki Osawa
直樹 大澤
Tomoko Hirasaki
平崎 智子
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、感染性ウィルス粒子による感染のおそれのな
い(ウィルスフリー)血液凝固第八因子製剤を取得する
ために血液凝固第八因子製剤中からエイズウィルス(H
rV)、B型肝炎ウィルス(HBV)、等の感染性ウィ
ルスを除去する方法に関する。本発明の方法は、血液凝
固第八因子製剤を製造する血漿製剤分画工程の最終的段
階で実施することも、また病院において血友病患者に血
液凝固第八因子製剤を輸注する直前に実施することも可
能である。
(従来技術) 血液凝固第八因子製剤は血友病Aの患者の治療のために
開発され、近年大量に利用されるようになったが198
5年以来エイズウィルス(以下単にl]I■と称す)の
キャリア数の増加に伴って血液凝固第八因子製剤へHI
Vが混入しHIVで汚染された血液凝固第八因子製剤を
用いた血友病の患者にHIVが感染するという事故が多
発した。この感染を防ぐため抗原抗体反応を利用した試
薬による採血漿のスクリーニングおよび血液凝固第八因
子製剤の凍結粉末の加熱処理が義務づけられるようにな
った。これらの安全対策の実施により感染事故数は大幅
に低下したがまだ依然として感染事故が発生している。
また最近では熱処理された血液凝固第八因子製剤による
B型肝炎、Non A NonB型肝炎の感染が問題に
なっている。このため加熱によるウィルス除去効果を高
めるために粉末状態での加熱ではなく、水溶液状態で加
熱(液状加熱)を行なう方法が奨励されている。液状加
熱の導入により感染率はさらに低下するものと期待され
ている。しかしながら血液凝固第八因子製剤を加熱する
と血液凝固活性そのものも低下し、その低下率は粉末加
熱の場合より液状加熱の方が大きく、条件によっては歩
留まりが40〜50%であると言われている。血液凝固
第八因子製剤の製造は大量の原料血漿を必要とすること
から加熱処理による歩留まりの低下は原料血漿の手当て
の面からも血液凝固第八因子製剤のコストの面からも大
きな問題である。
(本発明が解決しようとする課題) 本発明はHIVはもちろんのことHBVあるいはNon
 A N0II B型肝炎ウィルスを確実に除去しなが
ら高い収率で血液凝固第八因子製剤を得ることのできる
ウィルス除去方法を提供するためになされたものである
(課題を解決するための手段) 本発明者等が鋭意研究を進めたところ、血液凝固第八因
子製剤を濾過するに際し、銅アンモニア法再生セルロー
ス製多孔膜中空糸を用いたフィルターを使用することに
よって、血液凝固第八因子製剤中のウィルスを除去する
ことが可能になることを見いだし、この知見に基づいて
本発明をなすに至った。
本発明は、血液凝固第八因子製剤を銅アンモニア法再生
セルロース製多孔膜中空糸を用いたフィルターで濾過し
て血液凝固第八因子製剤中に含まれるウィルスを除去す
るウィルス除去方法である。
本発明に用いる銅アンモニア法再生セルロース製多孔膜
中空糸は銅アンモニアセルロース溶液から製造される。
再生セルロースにはビスコース法、セルロースエステル
のケン化法、銅アンモニア法など、種々のものがあるが
、その中でも銅アンモニア法は、その独自の凝固、再生
方法のため、他の再生セルロースとは異なる優れた性質
を有する。
その特徴のひとつは親水性でかつ蛋白質の吸着性が小さ
い点にある。本発明方法に用いられる銅アンモニア法再
生セルロースからなる多孔膜中空糸が既存の中空糸の中
で一番吸着性が小さい。
本発明に用いる銅アンモニア法再生セルロース製多孔膜
中空糸は水流速法で測定した平均孔径が通常人工腎臓用
途に用いられる銅アンモニア法再生セルロース製中空糸
と異なり、110−1O0nの範囲にあり、しかも壁厚
全層においてスキン構造を有さない。
また、本発明に用いる銅アンモニア法再生セルロース製
多孔膜中空糸は該中空糸の内壁面から外壁面への膜厚方
向に層状構造を有している。このため高い蛋白質の透過
性と高いウィルスの阻止性能を併せ持っている。
本発明に用いる銅アンモニア法再生セルロース製多孔膜
中空糸の膜厚は薄ければ薄いほど濾過速度が大きくなる
ので好ましい。しかしながら、膜厚が10μm未満にな
ると、中空糸にはピンホールが多発し、ウィルス粒子が
濾液中に洩れ出てくる。また膜厚が100 gra以上
になると濾過速度が大きく低下する。
また本発明は、血液凝固第八因子製剤を濾過するに際し
、好ましくは銅アンモニア法再生セルロース製多孔膜中
空糸を用いたフィルターを多段に使用しかつ前段のフィ
ルターに使用する中空系の平均孔径がその次に使用する
フィルターのそれよりも小さくない様に配置するもので
ある。
血液凝固第八因子製剤は、コーンのエタノール分画法に
よりクリオプレシピテート分画から得られる。クリオプ
レシピテートは血液凝固第八因子の他にフィブリノーゲ
ン等の夾雑タンパクを含んでいる。その後の処理により
血液凝固第八因子以外の成分の除去が行われ、血液凝固
第八因子の濃縮が進行するが、最終製品中にはなおフィ
ブリノケンをはしめとする血’t& ’11固第八因子
以外のタンパク成分が多量に含まれる。このような血液
凝固第八因子製剤を濾過するにあたり、銅アンモニア法
再生セルロース製多孔膜中空糸を用いたフィルターを多
段に使用しかつ前段のフィルターに使用する中空糸の平
均孔径がその次に使用するフィルターのそれよりも小さ
くないように配置することによって高い血液凝固第八因
子回収率と高いウィルス阻止率の両者が満足される。
前段に使用するフィルターの平均孔径は小さすぎるとタ
ンパクの回収率が下がるため50nn+以上が望ましく
、さらに高い回収率を得るためには60nm以上が望ま
しい。さらに、ウィルスの除去率は、フィルターの段数
を増やすことによって向上するので段数を増やすことを
前提とするならば血液凝固第八因子の回収率を高めるた
めに80nm以上の平均孔径のフィルターを使用するこ
とも可能である。後段に使用するフィルターの平均孔径
は前段と同じか小さいものであることが要求される。小
さいものであるほどウィルスの阻止率が大きくなるが一
方で血液凝固第八因子の回収率が低下してしまう。その
ため30nn+以上であることが望ましい。
フィルターの段数はフィルターの平均孔径の組み合わせ
との関係で適宜選択すればよい。血液凝固第八因子製剤
は前述のようにフィブリノーゲン等の夾雑タンパクを多
量に含んでおり、しかもその含有量は製剤の製造条件に
よって大きく異なる。
したがってフィルターの平均孔径、段数等の適正な条件
はそれぞれの製剤について実験にもとづいて定めること
が必要である。
本発明方法による実施例を説明するに先立ち、本明細書
中に用いられた各種物性値の測定方法を以下に示す。
〔水流速平均孔径〕
銅アンモニア法再生セルロースからなる多孔膜中空糸の
モジュールを作製し、そのモジュール状態で中空糸の水
の流出量を測定し、(1)式から水流速平均孔径(D)
を求めた。
■ = 流出! (rn1/+1n) T : 膜厚(μm) P : 圧力差(閣Hg) A : 膜面積(ポ) Pr : 空孔率 μ : 水の粘性率(cp) 空孔率Prは水膨潤時の見かけ密度ρa++、ポリマー
の密度ρpより(2)式で求めた。セルロースの場合、
ρp =1.561を用いた。
Pr(X)=(1−ρaW/ρp)X100   (2
)〔ウィルスの阻止係数の測定〕 本発明におけるウィルス除去に関する効果の判定は大腸
菌ファージ−の一種であるファイエックス174(以下
φ×174と称す)の対数減少率(1og reduc
tion  va j2 ue  又はLRV)で表わ
された阻止係数を測定することによっておこなった。φ
×174は直径約25nmであるため、直径42nmを
有する)(BVはφ×174より高い阻止係数で除去さ
れると考えることができる。φ×174のLRVの測定
はフィルターの膜面積1 c4あたり108個のウィル
スを含む培地溶液を濾過し、濾液中のウィルス濃度を測
定することによって下記の式によりLRVを求める。
(実施例) 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1〜4) セルロースリンターを公知の方法で調製した銅アンモニ
ア溶液中に8れ%の濃度で溶解し、濾過脱泡を行ない、
紡糸原液とした。その紡糸原液を環状紡糸口の外側紡出
口(外径2IIIIlφ)から、方中空剤として、アセ
トン50−L%/アンモニア0.6 wt%/水49.
4 wt%の混合?g液を中央紡出口(外径0.6mm
φ)からそれぞれアセトン40wt%/アンモニア0.
6wt%/、水59.4 wt%(凝固剤)中に直接吐
出しl Om /minの速度で巻き取った。
その後、真空乾燥した(25°C11,5hr)。この
様にして得られた銅アンモニア法再生セルロース製多孔
膜中空糸の内径は250.0μm、膜厚は25.0μm
1水流速平均孔径は30nm、空孔率は39%であった
以下セルロース濃度6.8%、5.7%、5.4%の紡
糸原液を調製し、同様の条件で紡糸・乾燥を行い、表1
記載の中空糸を得た。
これらの中空糸500本をたばね有効膜面積0.03n
−rのモジュールに成型したものを実施例1〜4とした
次にA社の加熱処理血液凝固第八因子製剤を2500単
位/ allの溶液に調製し、かつこの溶液に別途培養
したφ×174の培養液を3 xlO” pFU/m1
の濃度になるように添加し該溶液100mAを上記の各
種モジュールで1rnll/minの流速で濾過した。
結果を表2に示す。
表2より、この方法では、高い血液凝固第八因子回収率
と高い阻止率の両者を満足することはむずかしいが、一
応可能である。
(実施例5〜10) 上記方法によって得られた平均孔径の異なる中空糸によ
るモジュールを表3に示す様に組み合わせ、実施例1〜
4と同様の濾過実験を行った。結果を表3に示す。
表3゛より、フィルターを多段で用いることにより、高
い血液凝固第八因子回収率及び高いウィルス阻止係数の
両者を満足することは明らかである。
(発明の効果) 本発明により、多孔膜を用いて、血液凝固第八因子製剤
より、その活性を低下させることなくウィルス(特に)
(BV)を除去できる様になり、フィルターを多段にす
ることにより、血液凝固第八因子の回収率とウィルスの
阻止係数の両者を満足させる濾過ができる様になった。
以下余白 表 以下余白

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)血液凝固第八因子製剤からウィルスを除去する方
    法において、血液凝固第八因子製剤を銅アンモニア法再
    生セルロース製多孔膜中空糸を用いたフィルターで濾過
    することを特徴とする血液凝固第八因子製剤からのウィ
    ルス除去方法
  2. (2)血液凝固第八因子製剤からウィルスを除去する方
    法において、血液凝固第八因子製剤を銅アンモニア法再
    生セルロース製多孔膜中空糸を用いて多段に濾過し、そ
    の際前段のフィルターに使用する中空糸の平均孔径がそ
    の次に使用するフィルターのそれよりも小さくないよう
    に配置することを特徴とする血液凝固第八因子製剤から
    のウィルス除去方法
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