JPH0216375B2 - - Google Patents

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JPH0216375B2
JPH0216375B2 JP25510785A JP25510785A JPH0216375B2 JP H0216375 B2 JPH0216375 B2 JP H0216375B2 JP 25510785 A JP25510785 A JP 25510785A JP 25510785 A JP25510785 A JP 25510785A JP H0216375 B2 JPH0216375 B2 JP H0216375B2
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JP
Japan
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strip
cooling
roll
presser
nozzle
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JP25510785A
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JPS62116724A (ja
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Tadashige Nanba
Yasuo Tokita
Tetsuo Fukuzawa
Toshinori Yoshida
Mitsushige Shioda
Masato Yokota
Kozaburo Ichida
Norimoto Nagira
Yoshitaka Yamamoto
Masashi Mitsuzuka
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Control Of Heat Treatment Processes (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は連続焼鈍炉におけるストリツプ冷却装
置、詳しくは気体により高冷却能でストリツプを
冷却する装置に関する。 (従来技術) 連続焼鈍炉は、公知のように鋼ストリツプを加
熱し、短時間均熱し、冷却し、次いで必要に応じ
て過時効処理する。 ところで、ストリツプの材質特性を所望のもの
にするためには、加熱温度(焼鈍温度)や均熱時
間の他に、その冷却をいかにするかが重要であ
る。例えば、時効性や耐フルーテイング性などを
良好とするには、冷却速度を高め、次いで過時効
処理を施すのがよいといわれている。加熱、均熱
を行なつた後のストリツプを冷却する方法として
現状各種の冷却媒体が採用されており、この冷却
媒体の選択によつてストリツプを冷却する速度も
異なつてくる。 このうち、水を冷媒として用いる場合は、かな
り高い冷却速度が得られ、いわゆる超急冷域まで
の冷却が可能であるが、焼入歪によつてストリツ
プ形状のくずれが生じることが難点である。ま
た、水との接触でストリツプ表面に酸化膜が生
じ、これを除去するための別の設備が必要とな
り、従つて、経済的に有利とはいえない。 他方、前述のような問題を解消する方法として
ロール内部に水、その他の冷媒を通し、この冷却
されたロール表面にストリツプを接触させて冷却
する、いわゆるロール冷却方法が開発され実用化
されているが、この方法は次のような問題点が内
包されている。すなわち、連続焼鈍炉を通過する
ストリツプは全て平坦度を保つているとは限ら
ず、従つて、冷却ロールに接触する際に、局部的
に非接触となる場合(不均一冷却)があり、これ
がストリツプの形状をくずす原因となる。そのた
め、冷却ロール接触前にストリツプの平坦化を行
なう手段が必要となり、これが設備費負坦とな
る。 別は冷却手段としてガスを冷媒とする方法が実
用化され、多くの実績をあげている。この方法は
前述した水冷却やロール冷却に比べて冷却速度が
遅いが、比較的均一な冷却が可能である。このよ
うな冷却装置として、たとえば米国特許3068586
で開示された装置が知られている。 竪型連続焼鈍炉におけるガス冷却手段は、通常
炉の上部および下部に設けた回転搬送ロール間に
ストリツプを懸け回し、この搬送ロール間に複数
の冷却ガス室を設置し、この冷却ガス室に付設し
たノズルより冷却ガスをストリツプに直接吹き付
けて冷却する。冷却に際し、前述のように例えば
ストリツプの耐フルーテイング性を良好とするた
めには、冷却速度をさらに増加する必要がある。 (発明が解決しようとする問題点) 上記のように冷却速度をさらに増加するそのた
めに、ストリツプのガス吹付け量を多くすること
が考えられる。この場合、ストリツプとノズル先
端との距離が大きければストリツプへ到達するガ
ス流速が噴出時に比較し著しく減衰して目的が達
成できない。あえて冷速目標を達成しようとすれ
ば過大の風量が必要となり設備費・設備スペー
ス・ランニングコストの面で有利とはいえない。
したがつて、ノズル先端とストリツプとの距離を
相対的に小さくし、かつ効率のよい冷却を可能と
する必要がある。 前述の通り、ストリツプは上下の搬送ロール間
(装置にもよるがほぼ20mの距離がある)に支持
されながら、ほぼ200〜1000m/minで通過する
ので、搬送ロールの変形(偏心)によるストリプ
の共振や、ストリツプへのガスの吹付けによるフ
ラツタリングと称される振動が発生する。ノズル
先端とストリツプとの距離を小さくしたり、吹付
けガス量を増すと、ストリツプ表面により高速の
ガスが吹き付けられることになり、このフラツタ
リングはさらに増大される。ストリツプは過大な
フラツタリングが発生すると、気体噴出装置など
に接触して、装置を損傷したり、ストリツプ自身
に傷が生じたり、また軸方向に不均一に冷却さ
れ、形状不良を招きやすく、著しい場合にはヒー
トバツクルと称する悪性の形状欠陥を呈する。 本発明の目的は冷媒としてガスを用い、しかも
高速度でストリツプを冷却することができる連続
焼鈍炉の冷却装置を提供することである。 本発明の他の目的はストリツプのフラツタリン
グを完全に防止し、ストリツプ幅方向の均一冷却
を効率良く実現することができる連続焼鈍炉の冷
却装置を提供することである。 (問題点を解決するための手段) 本発明の冷却装置では、冷却ガス室の前面にス
トリツプ面に向う複数の円孔ノズルが取り付けら
れており、ストリツプとノズル先端との距離Zは
70mm以下であり、冷却ガス室前面からのノズルの
突出長さは(100−Z)mm以上である。また、本
発明の冷却装置は、ストリツプを挟んで斜向いに
配置され、ストリツプ面をこれの直角方向に押す
ように進退自在にして炉壁より取り付けられた回
転自在な押えロールの対を備えている。 また、本発明では最も効率の良いノズルの開口
面積比率および開口径を見出したものである。す
なわち、ノズル群の開口面積比率を2〜4%と
し、かつノズルの開口径を冷却ガスの吹付け距離
の1/5より小さいくしている。 本願の第2の発明の冷却装置は、さらに前記搬
送ロールの周速度を検出する装置と、搬送ロール
と押えロールの配設距離と前記検出値とに基づい
て押えロールを通過するストリツプの速度を演算
する装置と、前記演算により求めたストリツプの
速度となるように押えロールの周速度を制御する
装置とを備えている。 (作用) ノズル高さを(100−吹付け距離Z)mm以上と
すると、ジエツトの横流れ流速が低下し、ストリ
ツプは幅方向に均一に冷却される。また、ノズル
を突出させることによつて、ストリツプ表面に吹
付けられたガスは、ストリツプとノズル先端の間
の間隙から炉内の自由空間、すなわちストリツプ
とノズル群の先端面との間を除いた炉内空間に逃
げることができ、他吹付けガス流の邪魔をしない
ので効率の良い冷却が可能となる。 冷却ガス室の前面の面積に対するノズル群全体
の開口面積の比率が2〜4%であると、循環フア
ンは最も効率良く駆動される。開口面積比率が大
き過ぎると、同一風量に対しノズル流速が低下
し、ジエツトの横流れの影響でストリツプに到達
するジエツトの流速がさらに低くなる。逆に、開
口面積比率が小さ過ぎると、同一風量で流速が高
くなりすぎるため、ノズルにおける圧力損失が増
大し、動力が多く必要となる。また、ノズル径を
ストリツプとノズル先端との距離すなわち吹付け
距離zの1/5より小さくすると、冷却ガスの個々
のジエツトの最も冷却能力の高い部分が、冷却面
に密にかつ一様に分布することになる。ノズル径
は小さい程所要循環フアン動力の観点から見て有
利であるが、同一開口面積比の条件の下でノズル
径を小さくすると、ノズルの個数が増加する。 第2の発明において、搬送ロールの周速度を検
出し、搬送ロールと押えロールの配設距離と前記
検出値とに基づいて押えロールを通過するストリ
ツプの速度を演算する。そして、前記演算により
求めたストリツプの速度となるように押えロール
の周速度を制御する。ストリツプの速度は押えロ
ールの周速度と等しくなり、移動するストリツプ
と押えロールとの間にスリツプは生じない。 (実施例) 以下に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 第1図において、連続焼鈍炉1は竪型であり、
加熱帯2、均熱帯3、一次冷却体4、過時効帯
5、および二次冷却帯6よりなつている。連続焼
鈍炉1内には多数の搬送ロール7が上下に配置さ
れており、これら搬送ロール7はモータ、減速機
などからなる駆動装置(図示しない)により回転
駆動される。ストリツプSはこれら搬送ロール7
に掛け渡され、炉1内を昇降するようにして搬送
される。連続焼鈍炉1の前後には通常の設備、す
なわちペイオフロール、ピンチロール、入側ルー
パー、出側ルーパー、テンシヨンリールその他の
設備(いずれも図示しない)が配置されている。 この実施例では本発明の冷却装置は一次冷却帯
4内に設けられている。第2図は一次冷却帯の部
分を拡大して示している。 一次冷却帯4内には、気体噴出装置15がスト
リツプSの通板ラインに沿つて3基配置されてい
る。気体噴出装置15はそのノズルから冷却ガス
を噴出してストリツプSを冷却するものである。 第3図は気体噴出装置15の構成図を示す。 気体噴出装置15は、主として冷却ガス室1
6、循環フアン21、および冷却用熱交換器26
とからなつている。冷却ガス室16は箱形をして
おり、前面17がストリツプS面に向い、ストリ
ツプSを挟んで相対するようにして対をなしてい
る。そして、冷却ガス室16は炉室11内あつ
て、炉壁12に取り付けられている。冷却ガス室
16のストリツプSに対向する面すなわち前面1
7には多数のノズル18が設けられている。循環
フアン21は炉室11外に配置され、電動機22
によつて駆動される。循環フアン21の吹込み管
23の端部は炉室11内に開口しており、吐出し
管24には冷却ガス室16が接続されている。ま
た、吹込み管23の途中に上記冷却用熱交換器2
6が設けられている。熱交換器26はチヤンバ2
7内には多数のフインチユーブ29が横断してい
る。フインチユーブ29の両端は、チヤンバ27
の両側壁に取り付けられたヘツダ28にそれぞれ
固定されており、ヘツダ28には冷却水管30に
より冷却水が供給される。吹込み管23に取り入
れられた炉内雰囲気ガスは冷却用熱交換器26に
おいてフインチユーブ29に接触して冷却され、
循環フアン22により昇圧される。昇圧された冷
却ガスはジエツトaとなつて冷却ガス室16のノ
ズル18群からストリツプS面に向つた噴出さ
れ、ストリツプSを冷却する。 第4図は冷却ガス室16の前面17に設けたノ
ズル18群を示している。上記ノズル18は突起
型の円孔ノズルであつて、冷却ガス室16の前面
17に千鳥形に配列されている。ストリツプSと
ノズル18先端との距離すなわち吹付け距離zは
70mm以下である。第5図に吹付け距離zと冷却能
力(板厚1mmの場合の冷却速度)の関係を示す。
治金的な見地からみると冷延薄板鋼板(板厚1mm
程度)の場合、約50℃/s程度以上の冷却速度を
得ればハイテンシヨン材の合金節減に効果がある
こと、さらにはブリキ用鋼板(板厚0.5mm程度)
の場合約100℃/s(50℃/s1mm厚板換算)で耐フ
ルーテイング性に効果があることが知られてい
る。第5図から吹付け距離zを50mm程度とすれば
この冷却速度を実現できることがわかる。またガ
ス吹付量を少しだけ増加すれば吹付け距離zを70
mm程度としてもこの冷却速度を実現できることが
推定される。この吹付け距離zは従来では少なく
とも100mmはあり、一般的には、竪型炉ではフラ
ツタリングによるストリツプの冷却ガス室への接
触を避けるため150〜200mmとしている。本発明の
装置の吹付け距離zは従来のものに比べて著しく
小さくなつている。吹付け距離zの最小値は、耳
波などストリツプの形状を左右されるが、一般に
20mm程度である。 高冷却速度を実現するには気体噴出装置の風量
を大とする必要がある。一方、ストリツプ幅方向
温度分布を良好にするには、ジエツトの横流れの
影響を出来るだけ排除させる必要がある。このた
めにノズル18を第4図に示すように、(100−吹
付け距離z)mm以上の高さhの突起状としてスト
リツプSとノズル18の間隙を確保している。第
6図はノズル高さをパラメータとして、冷却後の
ストリツプ幅方向の温度分布を示している。ま
た、第7図は高さと相対熱伝達係数(ストリツプ
中央部の熱伝達係数を1.0とした場合のストリツ
プエツジ部における熱伝達係数)との関係を示し
ている。これらの線図から明らかなように、ノズ
ル高さを(100−吹付け距離z)mm以上とすると、
ジエツトの横流れ流速を低下させて幅方向均一冷
却を得ることができる。また、ノズル18を突出
させることによつて、ストリツプ表面に吹付けら
れたガスは、第4図に示す流れbとなつてストリ
ツプSとノズル先端の間の間隙zから炉内の自由
空間、すなわちストリツプSとノズル18群の先
端面との間を除いた炉内空間13に逃げることが
でき、他の吹付けガス流の邪魔をしないので効率
の良い冷却が可能となる。 冷却ガス室16の前面17の面積に対するノズ
ル18群全体の開口面積の比率は2〜4%である
ことが望ましい。第8図は開口面積比率と所要循
環フアン動力との関係を示している。第8図によ
れば、2〜4%が最も効率が良いことが確認され
る。開口面積比率が大きいと、同一風量に対しノ
ズル流速が低下し、ジエツトの横流れの影響でス
トリツプに到達するジエツトの流速がさらに低く
なる。逆に、開口面積比率が小さ過ぎると、同一
風量で流速が高くなりすぎるため、ノズルにおけ
る圧力損失が増大し、動力を多く必要とする。 ノズル径はストリツプSとノズル先端との距離
すなわち吹付け距離zの1/5より小さくすること
が望ましい。第9図は吹付け距離zに対するノズ
ル口径と所要循環フアン動力比との関係を示して
いる。気体噴出装置15により高冷却能力を実現
するためには、ノズル18を密に配置し、冷却ガ
スの個々のジエツトの最も冷却能力の高い部分
が、冷却面に密にかつ一様に分布するようにする
ことが有利であるからである。また、ノズル径は
小さい程所要循環フアン動力の観点から見て有利
であるが、同一開口面積比の条件の下でノズル径
を小さくすると、ノズルの個数が増加し、ノズル
設備の高騰につながるという不利な面もある。こ
の両者を考慮すると、1/5z程度以下が実用面で
は径済的である。 第1表に本発明と従来技術の冷却能力の対比を
示す。
【表】
【表】 本発明の装置の諸元の一例を示す。 ストリツプのサイズ:板厚 0.3〜1.6mm 板幅 600〜1600mm ストリツプの温度:650〜400℃ ストリツプの速度:0.6mm厚×1600mm×200mpm 冷却風量:3500m3/min(100℃) 循環フアン圧力:700mmAq ノズル径:9.2mmφ ノズル先端とストリツプ間の距離:50mm ノズル突起高さ:100mm 開口面積比:2.7% 気体の吹付けおよびストリツプSの通板に基づ
いてストリツプSはフラツタリングするので、こ
れを防止することが急速冷却を図るには重要であ
る。また、ヒートバツクル発生時には板破断を招
くことなくストリツプSを通板させることが重要
である。 このために、本発明では第2図に示すように気
体噴出装置15の間に、駆動押えロール31を通
板ラインに入り込み自在でかつ非対向にしてその
通板ライン方向すなわち上下に間隔をおいて設け
ている。押えロール31には駆動装置33が連結
されている。第10図は押えロール31の駆動装
置33の詳細を示している。押えロール31の両
端は炉室11の外で軸受箱34により回転自在に
支持されており、押えロール31の一端はロール
回転用電動機35に連結されている。軸受箱34
はストリツプS面に対して直角方向に変位可能で
あつて、軸受箱34と炉壁12との間は気密を保
つようにして蛇腹36で接続されている。一方、
炉室11外に押えロール進退用電動機38が配置
されている。押えロール進退用電動機38は、分
配器39および伝動軸40を介して上記軸受箱3
4に作動連結している。伝動軸40の回転により
軸受箱34はこれに設けられたねじ機構(図示し
ない)により進退する。駆動装置33によりスト
リツプSを通板ラインにより押し出すように押え
ロール31を送り出す。押えロール31の押出し
量すなわち通板ラインへの入込み量は、押えロー
ル31のロール径及び連続焼鈍設備の通板板厚範
囲などにもよるが、たとえば0〜100mm程度(ラ
ツプ量として)であり、最小限5mmは必要であ
る。また、押えロール31の通板ライン方向の配
設間隔は300〜800mm程度である。 第2図では押えロール31は間隔をおいて2個
設けているが、第11図に示すように押えロール
45を通板ラインに3個入り込み自在に設けるこ
ともできる。この場合は中間の押えロール45に
進退駆動装置47を連結するのが設備的に好まし
い。この例では通板ラインを押えロール45の入
込み量に応じて調整する必要がない。 このように押えロール31,45非対向で、且
つ通板ライン方向に間隔をおいて設けることによ
り、ストリツプSはその一面をロール31,45
で押えられ、次いで、非対向に配設された他方の
押えロール31,45で反対側の面を押えられ
る、といつた通板ラインにラツプして入り込み、
且つその入込み量が自在な押え込みを受けること
により、どのような板厚の、また、共振発生時の
フラツタリングも完全に防止される。さらにスト
リツプSが押えロール31,45に接触する前の
反対側は何物にも接触していない、即ち、挟持さ
れていないので、ヒートバツクル発生時にも板破
断を招くことなく通板される。 なお、押えロールとストリツプSとの間でスリ
ツプ傷が発生する場合には、押えロールの速度制
御(周速制御)を行なうことが望ましい。又、押
えロールの表面に、ビルドアツプ防止の目的で、
溶射等の表面処理を施してもよい。 押えロール周速制御を行なうには、押えロール
に近くに配設した搬送ロールの周速を検知し、検
出値と搬送ロールと押えロールの配置距離に基づ
いて、押えロールを通過する通板材の速度を求
め、押えロールの周速を制御することが行なわれ
る。押えロール位置における通板材の正確な速度
を検出し、この通板材速度に基づいて押えロール
周速を制御するため、押えロール位置ではストリ
ツプ表面欠陥は生ぜず、円滑に押えロールの本来
の機能発揮せしめ得ることになる。 第12図に示すように、押えロール31には分
配機51を介して回転駆動電動機52が接続され
ている。回転駆動電動機52として直流電動機ま
たは交流電動機を用いられる。回転駆動電動機5
2には押えロール速度制御装置54および速度基
準演算装置55が接続されている。上下の搬送ロ
ール7にはそれぞれ回転数検出器57を介して搬
送ロール周速演算装置58が接続されている。 ストリツプSは矢印の方向に搬送ロール7によ
り搬送される。この際、下、上側の搬送ロール7
の回転数をそれぞれロール回転数検出器57で検
出する。検出した回転数信号をロール周速演算装
置58に入力し、ロール周速度を演算する。演算
結果は速度基準演算装置55に出力される。速度
基準演算装置55は、前記上、下の搬送ロール7
の周速度と、押えロール31と搬送ロール7の配
置距離から、押えロール31と接触しているスト
リツプ部分の速度を計算し、その計算値を押えロ
ール31の周速度基準信号として押えロール速度
制御装置41に出力する。押えロール速度制御装
置54は押えロール31を通過するストリツプS
の速度に等しい押えロール周速度基準信号に基づ
いて押えロール31の速度を制御する。なお、押
えロール速度制御装置54としては、たとえば押
えロール回転駆動電動機52が直流電動機の場合
は電機子電圧可変制御と、界磁可変制御とがあ
り、また交流電動機の場合は可変電圧可変周波数
制御がある。 したがつて、押えロール31はストリツプSの
通過時の速度と同じ周速度で回転されるので、ス
トリツプSにはスリ傷、カキ傷、マーク等の表面
欠陥を生じることなく、バタツキの発生が防止さ
れる。このため通板速度も高めることができる。 この実施例では上側と下側の搬送ロール7の周
速度を求めて、それらにより押えロール31の周
速度を制御する場合を述べた。これに代えて、上
下いずれか一方の搬送ロール7の周速度を求め、
搬送ロール7と押えロール31の配置距離に基づ
いてストリツプSが押えロール31を通過する時
の速度を求めて、押えロール31の周速度を制御
することもできる。 以上実施例として竪型連続焼鈍炉について説明
したが、本発明は横型連続焼鈍炉にも応用可能で
ある。また、気体噴射装置、ノズルおよび押えロ
ールの数も上記実施例に限られるものではない。 (発明の効果) 本発明では、押えロールを通板ラインに対し入
り込ませ、その入込み量を調節することにより、
ストリツプのフラツタリング等を防止し、ストリ
ツプに傷が入ることなくノズルをストリツプに可
及的に近接できる。また、冷却ガスの吹付け距離
およびノズル突出長さを規定したため、高い冷却
効率が得られると共にストリツプ幅方向の均一冷
却も達成される。ストリツプ幅方向の均一冷却に
よりヒートバツクルは発生しない。 また、従来の冷却装置に比較し、本発明の冷却
装置は比較的小容量のブロワーで、高い冷却能力
を達成できる。 以上のことから、過大なブロワーやダクトを設
置することなく、冶金的にみて好ましい冷却速度
を容易に確保でき、スペースおよび設備費が小さ
くなるのみならず、ブロワー電力は非常な低下と
なる。一方、製品品質の面からみると、従来の装
置では、設備コスト上達成し得なかつた高い冷却
速度が比較的容易に得られる。例えば、テンパー
度の低いブリキにとつて好ましい100℃/S以上
の冷却速度が得られるため、過時効が促進され、
テンパー度の低いブリキが容易に生産できる。ま
た、一般冷延薄板においても、特に加工度を要求
される板厚1mm以下の製品においては50℃/S以
上の冷却速度が得られるため加工度の良好な製品
が容易にできる。ハイテンシヨン材においても添
加合金元素の量を節減できる。 さらに、搬送ロールの周速度を検出し、検出値
に基づき押えロールの周速度を制御するので、移
動するストリツプと押えロールとの間にストリツ
プは生ぜず、ストリツプにスリツプ傷のない良好
な表面の製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例において連続焼鈍炉
の概要を示す図、第2図は本発明の一実施例にお
いて冷却装置を拡大して示す図、第3図は気体噴
射装置の斜視図、第4図a,bはそれぞれ突起ノ
ズルを備えた冷却ガス室の断面図とその正面図、
第5図は吹付け距離と冷却能力の関係を示すグラ
フ、第6図はノズル突出長さと冷却後のストリツ
プ幅方向温度分布の関係を示すグラフ、第7図は
ノズル突出長さと相対熱伝達係数との関係を示す
グラフ、第8図は開口面積比率と所要循環フアン
動力の関係を示すグラフ、第9図はノズル径と吹
付け距離の比と所要循環フアン動力の関係を示す
グラフ、第10図は押えロールの駆動装置の構成
を示す平面図、第11図は押えロールの他の実施
態様を示す図面および第12図は押えロール周速
制御のシステム構成図である。 1……連続焼鈍炉、4……冷却帯、7……搬送
ロール、11……炉室、12……炉壁、15……
気体噴出装置、16……冷却ガス室、17……ガ
ス室前面、18……ノズル、21……循環フア
ン、26……冷却用熱交換器、31……押えロー
ル、33……押えロール駆動装置、38……押え
ロール進退用電動機、54……押えロール速度制
御装置、55……速度基準演算装置、57……回
転数検出器、58……搬送ロール周速演算装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ストリツプの通路を形成する炉室、炉室内に
    回転自在に支持され、ストリツプが巻き掛けられ
    た搬送ロール、前面がストリツプ面に向い、スト
    リツプを挟んで相対するようにして炉壁に取り付
    けられた冷却ガス室の対、各冷却ガス室の前面に
    取り付けられ、移動しているストリツプに加圧ガ
    スを吹き付けてストリツプを冷却する複数の円孔
    ノズル、吹込み管を介して炉室内に連通し、吐出
    し管を介して前記冷却ガス室に連通するガス強制
    循環装置、および前記吸込み管の途中に設けられ
    たガス冷却装置を備えた装置において、ストリツ
    プとノズル先端との距離Zが70mm以下であり、冷
    却ガス室前面からのノズルの突出長さが(100−
    Z)mm以上であること、およびストリツプを挟ん
    で斜向いに配置され、ストリツプ面をこれの直角
    方向に押すように進退自在にして炉壁に取り付け
    られた回転自在な押えロールの対と、押えロール
    を所定の位置にセツトする押えロール進退装置を
    備えたことを特徴とする連続焼鈍炉におけるスト
    リツプ冷却装置。 2 前記冷却ガス室の前面の面積に対するノズル
    群全体の開口面積の比率が2〜4%であり、前記
    ノズルの開口径がストリツプとノズル先端との距
    離Zの1/5以下である特許請求の範囲第1項記載
    の連続焼鈍炉におけるストリツプ冷却装置。 3 ストリツプの通路を形成する炉室、炉室内に
    回転自在に支持され、ストリツプが巻き掛けられ
    た搬送ロール、前面がストリツプ面に向い、スト
    リツプを挟んで相対するようにして炉壁に取り付
    けられた冷却ガス室の対、各冷却ガス室の前面に
    取り付けられ、移動しているストリツプに加圧ガ
    スを吹き付けてストリツプを冷却する複数の円孔
    ノズル、吸込み管を介して炉室内に連通し、吐出
    し管を介して前記冷却ガス室に連通するガス強制
    循環装置、および前記吸込み管の途中に設けられ
    たガス冷却装置を備えた装置において、ストリツ
    プとノズル先端との距離Zが70mm以下であり、冷
    却ガス室前面からのノズルの突出長さが(100−
    Z)mm以上であること、およびストリツプを挟ん
    で斜向いに配置され、ストリツプ面をこれの直角
    方向に押すように進退自在にして炉壁に取り付け
    られた回転自在な押えロールの対と、押えロール
    を所定の位置にセツトする押えロール進退装置
    と、前記搬送ロールの周速度を検出する装置と、
    搬送ロールと押えロールの配設距離と前記検出値
    とに基づいて押えロールを通過するストリツプの
    速度を演算する装置と、前記演算により求めたス
    トリツプの速度となるように押えロールの周速度
    を制御する装置とを備えたことを特徴とする連続
    焼鈍炉におけるストリツプ冷却装置。
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