JPH02154007A - 香りを有する再生セルロース繊維 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、織物、編物からの製品である肌着、服裏地等
、および不織布からの製品である化粧パフ、ハンカチ、
ワイパー等の製品に持続性のある芳香を付与することが
可能な、香りを有する再生セルロース繊維に関する。

〔従来の技術〕

従来、繊維に芳香を付与する方法として、繊維の最終加
工にて、香料を吸着或いは付着させる方法があるが、こ
のようにして得られた製品は、水洗い、洗濯等で香料が
脱落し易く、また香料の揮散により芳香が長持ちしない
等という問題があった。

このような問題を解決するために、例えば、特開昭６１
−６３７１６号公報には、芯部に中空部を有する鞘芯型
複合繊維の芯部を構成する熱可塑性重合体に香料を混合
してなる芳香繊維が開示されている。

しかしながら鞘芯型の太さ数μｍ〜数十μｍの再生セル
ロース繊維を製造するのは工業的に極めて難しい。

（発明が解決しようとする問題点〕 本発明は、上記従来法の欠点を解消した、耐洗濯性に優
れ、かつ芳香を持続する再生セルロース繊維を提供する
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、繊維に対して０．１〜１０重景％重量イクロ
カプセル化された香料を含有してなることを特徴とする
香りを有する再往セルロース繊維である。

以下、本発明の詳細な説明する。

本発明の香りを有する再生セルロース繊維（以下、本発
明の繊維という）が耐洗濯性に優れ、かつ長持ちする芳
香を有するのは、香料を内包するマイクロカプセルが繊
維の中に包含されており、そのために洗濯によっても香
料成分の脱落が少なく、また香料成分が繊維の微細な網
目構造を通して徐々に揮散するからである。

本発明の繊維の具体例として、第１図（イ）（ロ）（ハ
）に繊維の横断面拡大模式図および第２図に繊維軸方向
拡大側面模式図を示す。この例は、後記、実施例の第１
表に示すマイクロカプセル（以下、ＭＣという）添加量
３重量％の例である。

図において、１は本発明の繊維であり、２はＭＣの中に
包含される香料である。３はＭＣを示す。ビは本発明の
繊維の外壁であり、ＭＣ３は第１図（イ）に示すように
多数のＭＣの大部分が繊維の外壁よりも中に包含されて
いる。その中でも第１図（ロ）、第２図の４で示すよう
に凸状部で、繊維の外壁１′により包含されているもの
も多数みられる。また、第１図（ハ）、第２図の３′で
示すように繊維の外壁の外にＭＣ３の一部が露出してい
る３′が散見される。

本発明の繊維は、このような形態を存しているがマイク
ロカプセル化された香料は繊維に対して、０．１〜１０
重量％含有されている。織物、編物および不織布を構成
する繊維として一般的な繊維の太さ、数μｍ〜数十μＩ
の繊維の場合、０．１重量％以下では芳香が弱く、１０
重量％以上では繊維より露出するマイクロカプセルが多
くなり繊維の引張り強度が低下する。より好ましい範囲
は０．５〜７重量％である。

さらにまた、マイクロカプセルの粒径は５０μｍ以下が
好ましい。５０μｍ以上では前記繊維としての一般的な
太さよりも大きくなり、繊維より露出してしまう。より
好ましくは４０μｍ以下である。

また、マイクロカプセル化される香料は、天然の抽出香
料、人工の合成香料、またそれらをブレンドしたもの等
が用いられる。実施例では、オレンジ芳香のものを用い
たが、その他、レモン、ストロベリー、パイナツプル等
果物の芳香をもつもの、花の芳香をもつもの、針葉樹の
芳香をもつもの等が用いられる。

マイクロカプセルには、内容物を保護する機能と、さら
に加えて内容物の徐放機能を持つものがあるが、本発明
では両者共用いられる。前者を用いた場合は、前記した
本発明の繊維を用いた最終製品が用いられる時に、被服
或いは本体との摩擦、或いは折り曲げ等によってマイク
ロカプセルが破れて芳香が放出される。後者を用いた場
合は芳香が徐々に放出される。

本発明において、香りを有する再生セルロース繊維は、
再生セルロース繊維として、ビスコースレーヨン繊維お
よびキュプロアンモニウムセルロース繊維がある。本発
明者等の研究によれば後者の方が前者よりもより多くの
マイクロカプセルを繊維の中に包含するという知見が得
られている。

その理由は、紡糸に際しての紡糸口金に設けられた紡糸
原液吐出孔の大きさと、紡糸延伸作用の差に起因するも
のと考えられる。前者の場合は吐出孔は０，０５〜０．
５１１ｎであり、紡糸延伸倍率は数十倍である。それに
対して後者の場合は吐出孔０．６〜１、０　ｍｍと大き
く、また紡糸延伸倍率は数百倍である。このようにマイ
クロカプセルをブレンドした紡糸原液を大きな吐出孔か
ら吐出して、数百倍に延伸して本発明の繊維を製造する
のが有利である。

本発明の繊維の製造方法は、再生セルロース繊維を紡糸
する紡糸原液に、香料を内包するマイクロカプセル（粒
径５０μｍ以下）を、繊維（紡糸原液に含まれるセルロ
ース）に対して０．１〜１０重量％の範囲内で添加混練
した後、通常の湿式紡糸方法にしたがって紡糸し、精練
工程、乾燥工程を通して製造する方法が適当である。

また、紡糸に際して多数の紡糸口金を通して多数のフィ
ラメントを紡糸して、これを捕集部材上に堆積して、そ
の後、精練工程、乾燥工程等を通して不織布を製造する
こともできる。

［実施例］ 公知の方法に従って調整したキュプロアンモニウムセル
ロース溶液（セルロース濃度１０．０％、アンモニア濃
度７．０％、銅濃度３．６％、いずれも重量％）に、マ
イクロカプセルＬｅｍｏｎ　ＢＧＭ−２２５４、粒径１
０〜５０μｍ　（日本カプセルプロダクツ社製）をセル
ロースに対して０．０５〜１２重量％の範囲で数条性を
選び、添加して混練した後、特公昭５２−６３８１号公
報に開示の不織布の製造方法に従って不織布を製造した
。すなわち、口径０．８　ｍｍの吐出孔を多数設けた紡
糸口金板を組合せた長方形の紡糸漏斗を用いて、凝固液
を満した紡糸漏斗に前記吐出孔を通して紡糸原液を押し
出し凝固液浴中に流下させて延伸し、紡糸漏斗の下方ス
リットより液膜として流下して下方の移動しているネッ
トコンベア上に堆積させた。その際、ネットコンベアは
横方向に振動しているので、繊維はサインカーブを描い
て重なり合い堆積される。その後、酸洗、水洗工程、高
圧水ジェットによる交絡処理工程、乾燥工程を通して不
織布（単糸径１０〜３０μｍ１坪量３６ｇ／ｒｒｆ）を
得た。得られた不織布の特性を第１表に示す・　　　　
　　　　　　　　　　　　　以下余白筒　　１　　表 ｍｌ　ＭＣ；マイクロカプセル 傘２　ＭＣ包含率、　　　　　Ｘ１００（％）Ａ・・・
繊維重量（ｇ）当りのＭＣ添加重量（ｇ）＊３　引張り
強度、　ＪＬＳ−１０６８に準じて測定した。

第１表から判るように、ＭＣ添加量は０．１重量％以下
では芳香が弱く、１０Ｆ！量％以上では、この場合は不
織布であるが、引張り強度が弱くなり実用に耐えないも
のであった。

また、ＭＣ包含率５０％以下では引張り強度が弱くなる
ためか洗濯後の芳香が弱くなるのが早い。

好ましいのは５０％以上である。

〔発明の効果］ 本発明によれば、耐洗濯性に優れ、かつ芳香が持続する
再生セルロース繊維が得られる。

特に、再生セルロース繊維織編物から得られた芳香を有
するスリップ、アンダーウェア或いは再生セルロース繊
維不織布から得られた芳香を有するハンカチ、家庭用ワ
イパー、カウンタークロス、化粧パフにおいて顕著な効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）（ロ）（ハ）は、本発明の繊維の具体例を
示す繊維横断面拡大模式図であり、第２図は同じく、繊
維軸方向拡大側面模式図である。 １・・・本発明の繊維、２・・・香料、３・・・マイク
ロカプセル、４・・・凸状部。 第１図 （イ） （口］ （ハ） 第２図 特許出願人　　旭化成工業株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 繊維に対して０．１〜１０重量％のマイクロカプセル化
   された香料を含有してなることを特徴とする香りを有す
   る再生セルロース繊維