JP4321283B2 - ナノポーラスファイバーを用いた機能性繊維構造物 - Google Patents
ナノポーラスファイバーを用いた機能性繊維構造物 Download PDFInfo
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Description
[測定方法]
A.ポリマーの溶融粘度
東洋精機製キャピログラフ1Bにより、ポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
0.01g/mlの98%硫酸溶液を調製し、25℃で測定した。
オルソクロロフェノール中25℃で測定した。
Perkin Elmaer DSC−7を用いて、2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
室温(25℃)で、引っ張り速度=100%/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り伸度として強伸度曲線を求めた。
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
熱収縮率(%)=[(L0−L1)/L0)]×100(%)
L0:延伸糸をかせ取りし初荷重0.09cN/dtexで測定したかせの原長
L1:L0を測定したかせを実質的に荷重フリーの状態で沸騰水中で15分間処理し、風乾後初荷重0.09cN/dtex下でのかせ長
H.TEMによる繊維横断面観察
繊維の横断面方向または縦断面方向に超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)で繊維横断面を観察した。また、必要に応じて金属染色を施した。
I.細孔直径または島ポリマー直径
細孔直径は以下のようにして求めた。すなわち、TEMによる繊維横断面写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて島の円換算による直径を求めた。また、微細過ぎたり、形状が複雑でWINROOFでの解析が難しい場合は、目視と手作業により解析を行った。平均直径は、それらの単純な数平均値から求めた。この時、平均に用いる細孔は同一横断面内で無作為抽出した300以上の細孔を用いた。ただし、TEM観察用のサンプルは超薄切片とするため、サンプルに破れや穴あきが発生しやすい。このため、直径解析時にはサンプルの状況と照らし合わせながら慎重に行った。また、無機微粒子やこれの周りのホイドは、ここでは細孔に含めなかった。島ポリマー直径は細孔直径解析に準じた。
加工前の布帛を110℃で2時間乾燥させ、重量を測定した(W1)。機能加工後の布帛を110℃で2時間乾燥させ、重量を測定した(W2)。加工前と加工後の重量から、次式により求めた。
K.発色性評価
得られたサンプルを常法にしたがい染色し、同条件で染色した比較サンプルとの発色性を比較した。比較サンプルはナノポーラスファイバーを構成するポリマーを常法により製糸したものを用いた。より具体的には以下の方法を用いた。
サンプルを秤量瓶に1〜2g程度はかり取り、110℃に2時間保ち乾燥させ重量を測定し(W0)、次に対象物質を20℃、相対湿度65%に24時間保持した後重量を測定する(W65)。そして、これを30℃、相対湿度90%に24時間保持した後重量を測定する(W90)。そして、以下の式にしたがい計算を行った。
MR90=[(W90−W0)/W0]×100% ・・・・・ (2)
ΔMR=MR90−MR65 ・・・・・・・・・・・ (3)
CR(%)=[(L’0−L’1)/L’0]×100(%)
なお、吸湿加工前よりも加工後の基布のほうがΔMRで2%以上向上した場合に吸湿性が良好であると評価した。
JIS L1091 “繊維製品の燃焼性試験方法”のD法(接炎試験)に準拠して行った。接炎回数については5回のテストの平均値とした。尚、接炎回数が5回以上で難燃性が良好であると評価した。
繊維製品新機能評価評議会が制定した、繊維製品の定量的抗菌性試験方法マニュアルに準拠した。すなわち、減菌した1/20濃度のニュートリエントブロスに試験菌(黄色ぶどう状球菌)1±0.3×105個/mlを0.4gの試料に対して均一に接種し、37℃で18時間培養した。培養終了後、試験菌を洗い出し、その液で混釈平板寒天培地を作製し、37℃で24〜48時間培養することによって、接種した生菌数を測定する。抗菌性は下記式による静菌活性値で評価した。静菌活性値の高いものほど抗菌性に優れており、4.0以上で抗菌性良好であると評価した。
但し、試験成立条件:log(B)−log(A)>1.5を満たすこと。
A:未加工品の接種直後に回収した菌数の平均値
B:未加工品の18時間培養回収した菌数の平均値
C:加工品の18時間培養回収した菌数の平均値
O.制電性の評価
JIS L1094 “織物及び編物の帯電性試験法方法”の摩擦耐電圧測定法に準拠して行った。摩擦耐電圧が300V以下で制電性が良好であると評価した。
温度20℃、湿度65%RHの調湿された環境下で、布帛1gを5Lのテトラバッグに入れておき、テトラバッグ内に所定濃度の対象臭気あるいは有害ガスを3L注入して、ガス検知管(ガステック社製)を用いて10分後のテトラバッグ内のガス濃度を測定した。尚、初期濃度の1/10以下の濃度になった場合に消臭性および有害物質除去性能が良好であると評価した。
布帛を腕に巻き、ヒトスジシマカが約1200匹入ったケージに2分間腕を入れ、15分から20分後の発赤数を数えた。尚、発赤数が10箇所以下の場合に防虫性能が良好であると評価した。
測定試料を分光光度計にて波長290nm〜400nm域の紫外線透過度を測定し、測定試料なし(ブランク)との面積差を算出し、紫外線カット性とした。尚、紫外線カット率が80%以上で紫外線カットの性能が良好であると評価した。
試料をソース、コーヒー、マヨネーズ、及びビールの混合物で汚染し、10分間放置後、JIS L−1045と同様の方法で洗浄し、汚染の除去度合いから、目視判定に
より防汚性を○(良好)、△(やや良好)、×(不良)の3段階で評価した。
加工後の基布を洗濯(15分)→脱水(1分)→すすぎ(6分)→脱水(1分)→乾燥の順で25サイクル行った。洗濯条件は、水温40℃、浴比が1:30、洗剤は“トップ”(ライオン(株)製)0.5g/lを用いた。すすぎ条件は水温20℃、浴比はオーバーフローとした。
[基布の作製]
参考例1(基布A)
相対粘度2.15、溶融粘度31Pa・s(275℃、剪断速度1216sec-1)、融点220℃のN6(80重量%)と極限粘度0.60、溶融粘度200Pa・s(275℃、剪断速度1216sec-1)、融点250℃の5−ナトリウムスルホイソフタル酸5mol%共重合した共重合PET(20重量%)を以下の条件で二軸押出混練機で260℃で溶融混練してポリマーアロイチップを得た。なお、共重合PETは0.05重量%の酸化チタンを含有していた。
スクリュー: 直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1
混練部長さはスクリュー有効長さの28%
混練部はスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置
途中3個所のバックフロー部有り
ポリマー供給: N6と共重合PETを別々に計量し、別々に混練機に供給
温度: 260℃
ベント: 2個所
そして、このポリマーアロイチップを270℃の溶融部2で溶融し、紡糸温度275℃のスピンブロックに導いた。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、溶融紡糸した(図8)。この時、溶融部2から吐出までの滞留時間は10分間であった。口金としては図9に示すように吐出孔上部に直径0.2mmの計量部11を備えた、吐出孔径13が0.5mm、吐出孔長12が1.25mmのものを用いた。そして、この時の単孔あたりの吐出量は2.1g/分とし、ポリマーアロイの口金吐出線速度は10m/分であった。また、口金下面から冷却開始点(チムニー5の上端部)までの距離は9cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、口金4から1.8m下方に設置した給油ガイド7で給油された後、非加熱の第1引き取りローラー8および第2引き取りローラー9を介して3800m/分で巻き取られた。この時の紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。また、ナイロンで問題となる巻き取りパッケージの経時膨潤によるパッケージ崩れも無く、優れた取り扱い性であった。そして、これに図11の装置を用い延伸仮撚り加工を施した。この時、延伸倍率は1.3倍、ヒーター23の温度は165℃、回転子25としてはウレタンディスクの3軸ツイスターを用い、D/Y比は1.65とした。得られた50dtex、12フィラメントの仮撚り加工糸は強度3.5cN/dtex、伸度29%、熱収縮率8%、CR38%の優れた物性を示した(表1)。また、得られたポリマーアロイ捲縮糸の横断面をTEMで観察したところ、N6が海(濃い部分)、共重合PETが島(薄い部分)の海島構造を示し(図2)、島の平均直径は25nmであり、共重合PETが超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。直径が200nm以上の島の島全体に対する面積比は0.1%以下、直径100nm以上の面積比も0.9%であった。ここで、島全体に対する面積比とは島成分の面積の総和に対する比率のことを言い、粗大な凝集ポリマーの目安となるものである。また、繊維縦断面TEM観察から島は筋状構造を形成していることがわかった(図3)。
参考例1で得たポリマーアロイチップを用い、吐出量と口金孔数を変更し、紡糸速度を900m/分として参考例1と同様に溶融紡糸を行った。この時の溶融部2から吐出までの滞留時間は12分間であった。紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。また、ナイロンで問題となる巻き取りパッケージの経時膨潤によるパッケージ崩れも無く、優れた取り扱い性であった。そして、これを第1ホットローラー16の温度を70℃、第2ホットローラー17の温度を130℃として延伸熱処理した(図10)。この時、第1ホットローラー16と第2ホットローラー17間の延伸倍率を3.2倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は70dtex、34フィラメント、強度3.7cN/dtex、伸度47%、U%=1.2%、熱収縮率11%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、N6が海(濃い部分)、共重合PETが島(薄い部分)の海島構造を示し(図4)、島の平均直径は38nmであり、共重合PETが超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。また、直径200nm以上の島は島全体に対して面積比で1.2%であった。なお、溶融混練したポリマーアロイチップの断面TEM写真を図5に示すが、島ポリマーが粒径20〜30nmまで超微分散化しており、繊維横断面での島ポリマー直径(図4)の同等以下であった。口金吐出から延伸を通じてポリマーは500倍程度に引き延ばされ、本来、繊維横断面中では島ポリマー直径はポリマーアロイ中に比べ1/22以下にならなければならいにもかかわらず、繊維横断面での島ポリマー直径の方が大きいということは、ポリマーアロイの溶融から口金吐出されるまでに島ポリマーが再凝集したことを示しており、これを抑制しながら島ポリマーを超微分散させるためには本参考例のように紡糸条件を適切に選ぶことが重要であることがわかる。ポリマーアロイ繊維の物性は表1に示した。また、繊維縦断面TEM観察から島は筋状構造をしていることがわかった。
参考例1と同様に溶融紡糸を行い、図12の装置を用いて紡糸直接延伸を行った。この時、単孔あたりの吐出量と口金孔数を変更し、第1ホットローラー27の周速2000m/分、温度40℃、第2ホットローラー28の周速4500m/分、温度150℃として55dtex、12フィラメント、強度4.4cN/dtex、伸度37%、U%1.2%、熱収縮率12%のポリマーアロイ繊維を得た。紡糸性は良好であり、24時間の紡糸で糸切れはゼロであった。得られたポリマーアロイ繊維は、いずれも粗大な凝集ポリマー粒子を含まず、直径200nm以上の島は島全体に対し面積比で0.1%以下、直径100nm以上の島も面積比で1.0%であった。また、繊維縦断面TEM観察から島は筋状構造をしていることがわかった。また、糸物性は表1に示すとおり優れたものであった。
N6ナノポーラスファイバーは表2に示すように優れた物性であった。
融点255℃、極限粘度0.63、溶融粘度105Pa・s(280℃、1216sec-1)のホモPETを80重量%、ポリアルキレンオキサイド誘導体の熱水可溶性ポリマーである第一工業製薬株式会社製“パオゲンPP−15”を20重量%として275℃で参考例1と同様に二軸押出混練機を用いて溶融混練を行った。なお、この熱水可溶性ポリマーの溶融粘度は128Pa・s(280℃、1216sec-1)であった。これを溶融部2の温度を280℃、紡糸温度を280℃とし、単孔吐出量と口金孔数を変更して参考例2と同様に溶融紡糸を行ったところ、紡糸性は良好で24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。そして、第1ホットローラー温度16を90℃として、参考例2と同様に延伸・熱処理を行い、90dtex、36フラメント、強度3.3cN/dtex、伸度40%、U%1.5%、熱収縮率7%のポリマーアロイ繊維を得た。得られたポリマーアロイ繊維の繊維横断面をTEMで観察した結果(図6)、粗大な凝集ポリマー粒子を含まず、直径が200nm以上の島の島全体に対する面積比は0.1%以下、直径100nm以上の面積比も0.1%以下であった。ここで、濃い部分がPET、薄い部分が熱水可溶性ポリマーである。また、繊維縦断面TEM観察から島は筋状構造をしていることがわかった。また、糸物性は表1に示すとおり優れたものであった。
PETの代わりに数平均分子量が7万、融点170℃、溶融粘度83Pa・s(220℃、1216sec-1)のポリ乳酸(PLA)とし、溶融温度を220℃として参考例4と同様に溶融混練を行った。なお、この熱水可溶性ポリマーの溶融粘度は270Pa・s(220℃、1216sec-1)であった。これを溶融部2の温度を220℃、紡糸温度を220℃として参考例4と同様に溶融紡糸を行ったところ、紡糸性は良好で24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。そして、第1ホットローラー温度16を90℃として、参考例4と同様に延伸・熱処理を行った。得られたポリマーアロイ繊維の繊維横断面をTEMで観察した結果、粗大な凝集ポリマー粒子を含まず、直径が200nm以上の島の島全体に対する面積比は0.1%以下、直径100nm以上の面積比も0.1%以下であった。また、繊維縦断面TEM観察から島は筋状構造をしていることがわかった。また、糸物性は表1に示すとおり優れたものであった。
PLAの代わりにMFR(メルトフローレート)が15g/10minである三井住友ポリオレフィン社製のポリプロピレン(PP)を用い、参考例5と同様に紡糸を行い、エアーサッカーにより糸条を引き取り、開繊させてネットに捕集した後、カレンダーロールを掛けポリマーアロイ繊維からなる目付100g/m2の不織布を得た。なお、エアーサッカーで引き取った繊維の単糸繊度は2dtexであり、繊度から求めた紡糸速度は4500m/分相当であった。この不織布からポリマーアロイ繊維を抜き取り繊維横断面をTEMで観察した結果、粗大な凝集ポリマー粒子を含まず、直径が200nm以上の島の島全体に対する面積比は0.1%以下、直径100nmの島の面積比も0.1%以下であった。また島の平均直径は30nmであった。
参考例1に用いたN6のみを用い、参考例1と同一製糸条件にてN6の100%丸編みを得た。
参考例4に用いたホモPETのみを用い、参考例4と同一製糸条件にてPETの100%丸編みを得た。
参考例5に用いたPLAのみを用い、参考例5と同一製糸条件にてPLAの100%丸編みを得た。
参考例6に用いたPPのみを用い、参考例6と同一製糸条件にてPPの100%不織布を得た。
特開2001−172859号公報の実施例1にしたがい、アルキルスルホン酸ソーダを含むPTT繊維をからなる編物を得た。そしてこれを0.5%水酸化ナトリウム水溶液で100℃、3時間処理し、微多孔を多数有するPTT多孔繊維からなる編物を得た。これの発色性評価を行ったが、多孔繊維中で直径200nm以上の粗大細孔の面積比が5%と大きいため、散乱光が多く白っぽいものであり、発色性に劣るものであった。
相対粘度2.62のN6を70重量%、極限粘度0.60の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を4.5mol%、分子量4000のポリエチレングリコールを8.5重量%共重合したポリエチレンテレフタレートを30重量%を単純にチップブレンドして280℃で溶融し、孔径0.6mmの丸孔口金から吐出し、図8の装置を用い、紡糸速度1000m/分で溶融紡糸を行った。しかし、紡糸中のポリマーの吐出が安定せず、紡糸性は劣悪であり紡糸中に糸切れが頻発し、安定して糸を巻き取ることができなかった。わずかに得た未延伸糸を用いて延伸倍率3.35倍、第1ホットローラー16温度90℃、第2ホットローラー17温度130℃で延伸・熱処理した。これにより、85dtex、24フィラメントのポリマーアロイ繊維を得た。これを丸編みし、アルカリ処理により、これから共重合PETの90%以上を溶解除去した。これの発色性評価を行ったが、多孔繊維中で直径200nm以上の粗大細孔の面積比が2.4%と大きいため、散乱光が多く白っぽいものであり、発色性に劣るものであった。
実施例1〜2および比較例1〜3においては表3に示した基布を用い、染色および以下に示す吸湿加工を別浴中で行った。比較例4および5については染色のみを施し、吸湿加工を行わなかった。それぞれの基布を吸湿剤である高松油脂(株)製商品名“SR1000”(10%水分散品)に浸漬して薬剤を吸尽させた。このときの、加工条件は吸湿剤については固形分として20%owf、浴比1:20、処理温度130℃、処理時間1時間とした。加工後、水洗および乾燥して吸湿剤の含有率を測定したところ表3の通りであり、実施例1および2のN6およびPETのナノポーラスファイバーを用いた場合には、ナノ細孔の高い細孔体積を有効利用することによって、比較例1および2の通常のN6やPET繊維を用いた場合に比べて吸湿剤の吸尽量が著しく多くなった。 それぞれの基布のΔMRを評価したところ、N6を用いた実施例1では6.0%、比較例1では2.8%となり、比較例4の未加工のN6に比べて、実施例1では4.0%の吸湿性能の向上が見られた。同様にして、PETを用いた実施例2では3.4%、比較例2では0.4%となり、比較例5の未加工のPETに比べて、実施例2では3.2%の吸湿性能の向上が見られた。一方、比較例3のポリエステル微多孔繊維においては微多孔への薬剤の吸尽によって、通常のPETを用いた比較例2に比べると吸湿性能は向上するものの、未だ不十分なレベルであった。さらに、発色性の評価を行ったところ、PETナノポーラスファイバーを用いた実施例2の場合には、繊維内部に存在する微細孔がナノオーダーであるために、可視光の散乱がほとんど起こらずに発色性が良好であったが、比較例3では、微細孔がサブミクロンオーダーのために可視光の散乱が起こり、発色性は不良であった。
実施例3,4および比較例6,7においては表4に示した基布を用い、定法により染色を施した後に、以下に示す吸湿加工を行った。これらの基布を下記組成のパッド液に浸漬し、マングル圧20Kg/cm2で絞り、ロール状に巻き上げ、ポリプロピレンフィルムでシールを行い、100℃の飽和スチーム導入中でマイクロ波を照射し、60分間加熱処理した。
メタクリル酸 35%
ベンゾイルパーオキサイド 2%
オクチルピリジニュームクロライド 20%
水 43%
実施例および比較例の基布へのモノマーの含有率は表4に示した通りであり、ナノポーラスファイバーを用いた実施例においては、メタクリル酸モノマーがナノ細孔内に多量に吸尽された後にグラフト反応することによって、含有率が著しく高くなった。上記基布を通常のソーピング、乾燥後、炭酸ナトリウム8g/L水溶液で浴比1:20の条件で60℃、30分間加熱処理を行い、モノマーのカルボキシル末端基をナトリウム置換処理した。その後、水洗および乾燥を行い、これらのΔMRを測定したところ表3のように、N6を用いた実施例3では8.2%、比較例6では2.8%、PETを用いた実施例4では4.4%、比較例7では1.4%となり、N6あるいはPETナノポーラスファイバーを用いた場合には良好な吸湿性能を示すことがわかった。また、実施例においては発色性につても優れていることがわかった。
実施例5および比較例8においては表5に示した基布を用い、難燃剤であるトリメチルホスフェートのエマルジョン水溶液(有効濃度3%)に浸漬して、浴比1:20、温度98℃で30分間処理を行った。加工後、水洗および乾燥して難燃剤の含有率を測定したところ表5の通りであった。それぞれの基布について難燃性を評価したところ、比較例8においては接炎回数が2回で全焼してしまった。一方、実施例5においては接炎回数が5回でもほとんど基布が燃焼することはなかった。N6ナノポーラスファイバーを用いた実施例5では、難燃剤がナノ細孔に多量に吸尽されており、さらに繊維内部の細孔にまで難燃剤が存在しているため、非常に難燃性に優れたものであった。
実施例6および比較例9においては表6に示した基布を用い、難燃剤である明成化学工業社製、商品名“K−19A(環式ホスホン酸エステル)”の希釈水溶液(有効濃度10%)に浸漬し余剰液をマングルで取り除いた。ピックアップは80%であった。この試料を温度190℃で2分間乾熱処理を行った。加工後、水洗および乾燥して難燃剤の含有率を測定したところ表6のとおりであった。それぞれの難燃性を評価したところ、比較例5においては接炎回数が2回で試料が全焼したが、実施例5においては接炎回数が6回でもほとんど燃焼せずに優れた難燃性を有していた。
実施例7,8および比較例10〜12においては表7に示した基布を用い、白癬菌(水虫)に効果のある硝酸ミコナゾール10%水溶液をそれぞれの基布に含浸させた後、50℃で乾燥した。基布への硝酸ミコナゾールの含有率を測定したところ、表7の通りであった。このようにして、汗によって水虫薬を溶出させることができる基布を得た。得られたそれぞれの基布を任意の水虫患者50人の患部に貼付し、1日ごとに新品に取り返させた。これを1ヶ月続けたところ、実施例7および8ではそれぞれ45人、35人の症状が改善されたが、比較例10および11では1人も症状が改善されることはなかった。また、比較例12ではアクリル微多孔繊維を用いているので、サブミクロンオーダーの微多孔によって水虫薬の含有率も若干向上し、5人の症状が改善されたために水虫薬の徐放性もある程度はあるものの、未だ不十分なレベルであった。以上のことから、実施例においては薬剤の吸尽だけでなく、徐放性に優れたものを得ることができた。
実施例9,10および比較例13,14においては表8に示した基布を用い、プロビタミンC(アスコルビン酸のリン酸エステル)の20%水溶液を基布に含浸させた後、室温で乾燥した。基布へのプロビタミンCの含有率を測定したところ、表8の通りであった。このようにして、美白や美肌、皮膚の老化防止に効果のある成分を徐放する基布を得た。得られた基布を女性10人に対して、顔の黒ずみやくすみが気になるところに貼付する1ヶ月間のモニターを実施した。効果の有無をアンケート調査したところ実施例9および10の基布を使用した場合にはは顔の黒ずみやくすみが減ったと回答した人がそれぞれ5人、6人であったが、比較例13および14を使用した場合にはそれぞれ1人の人からしか効果があったとの回答が得られなかった。
実施例11および比較例15においては表9に示した基布を用い、それぞれの基布をアルギニンの10%水溶液に含浸させた後、室温で乾燥した。基布へのアルギニンの含有率を測定したところ、表9の通りであった。このようにして、肌の保湿に効果のある成分を徐放する基布を得た。得られた基布を女性10人に対して、顔のしわや体の乾燥肌の部分に貼付する1ヶ月間のモニターを実施した。効果の有無をアンケート調査したところ実施例11の基布を使用した場合には、顔のしわや乾燥肌に効果があると回答した人が7人であったのに対し、比較例15の基布を使用した場合には1人からしか効果があったとの回答が得られなかった。
実施例12および比較例16,17においては表10に示した基布を用いた。実施例12および比較例16については以下に示す制電加工を行った。尚、比較例17については加工を行わなかった。制電剤として三洋化成社製、商品名“サンスタットES−15(アニオン活性剤)”の20%水溶液を用い、pHコントロールによって酸性条件下で基布に含浸させ、98℃で1時間処理を行った後、50℃で基布を乾燥した。基布への制電剤の含有率は表10の通りであった。得られた基布の摩擦耐電圧を測定したところ、実施例12では55V、比較例16では1500Vであった。以上のように、実施例12ではナノ細孔への制電剤の吸尽量が著しく高くなり、繊維構造体を形成するナノポーラスファイバー内部に制電剤がナノオーダーで多数分散している状態となるため、制電性能に優れるものであった。
実施例13および比較例18,19においては表11に示した基布を用いた。実施例13および比較例18については以下に示す制電加工を行った。尚、比較例19については加工を行わなかった。制電剤として三洋化成社製、商品名“サンスタットKT−305C(カチオン活性剤)”の20%水溶液に基布を含浸させ、130℃で1時間処理を行った後、50℃で基布を乾燥した。基布への制電剤の含有率を測定したところ、表11の通りであった。得られた基布の摩擦耐電圧を測定したところ、実施例13では180V、比較例18では2200Vであり、実施例13では良好な制電性能を有することがわかった。
実施例14および比較例20、21においては表12に示した基布を用いた。実施例14および20については以下に示す機能加工を行った。尚、比較例21については加工を行わなかった。アセトアルデヒドに対して吸着能のあるドデカン二酸ジヒドラジドの10%水溶液を用い、固形分として20%owf、浴比1:20、処理温度130℃、処理時間1時間でそれぞれの基布の処理を行った。ドデカン二酸ジヒドラジドの含有率を測定したところ、表12の通りであった。これらのアセトアルデヒド除去能力を評価したところ、実施例14においては10分間で初期濃度30ppmから1ppmまで濃度が低下した。一方、比較例20においては初期濃度30ppmから20ppmまでしか濃度が低下しなかった。実施例14では、アセトアルデヒドの初期濃度に対して1/10以下の濃度となり、アセトアルデヒドに対して優れた除去能力を示すことがわかった。
実施例15,16、比較例22,23においては表13に示した基布を用いた。これらの基布を抗菌剤である大和化学社製、商品名“ニッカノンRB(第4級アンモニウム塩)”の10%水溶液に浸漬し、実施例15および比較例22においては98℃で1時間処理し、実施例16および比較例23では130℃で1時間処理を行った。その後、50℃で基布を乾燥した。それぞれの基布における抗菌剤の含有率を測定したところ、表13のとおりであった。これらの基布の静菌活性値を評価したところ、N6を用いた実施例15では6.0、比較例22では1.5、PETを用いた実施例16では4.5、比較例23では0.9となり、実施例15および16のように、ナノポーラスファイバーを用いた繊維構造物では優れた抗菌性能を示すことがわかった。
実施例17および比較例24においては表14に示した基布を用いた。防虫剤である大阪化成社製、商品名“マルタキノンB−EC”の10%エタノール溶液に浸漬し、40℃で30分間処理した後、室温で乾燥した。それぞれの基布における防虫剤の含有率を測定したところ、表14の通りであった。これらの防虫性能を評価したところ実施例17では発赤数が3箇所であったが、比較例24では30箇所であった。さらに、上記加工後の基布を80℃、500時間熱風乾燥機に放置した後に同様にして防虫性能を評価したところ、実施例17では発赤数は6箇所、比較例24では発赤数が80箇所であり、実施例17では防虫剤のナノ細孔への保持性と徐放性により、防虫性能の持続性を有していることがわかった。
実施例18では基布Dを、比較例25では基布Hを用いた。これらの基布をラベンダー抽出液に浸漬し、室温で乾燥させた。含有率を測定したところ、実施例18では4.0%であり、比較例25では0.2%であった。これらの基布の香りの持続時間を調べたところ、比較例25では1日後には香りが基布からほとんど感じられなくなっていたが、実施例18では香りが1週間後にも感じられ、実施例では香料の保持性と徐放性が優れていることがわかった。
実施例19および比較例26においては、表15に示した基布を用いた。これらの基布をベンゾフェノンの20%エマルジョン溶液に浸漬し、98℃で30分間乾燥させた。それぞれの基布におけるベンゾフェノンの含有率を測定したところ、表15の通りであった。紫外線カットの性能を評価したところ、実施例19では98%の紫外線をカットするのに対し、比較例26では8%の紫外線しかカットすることができなかった。以上のように、実施例19では紫外線カット性能が高い繊維構造物を得ることができた。
実施例20,21および比較例27〜30においては表16に示した基布を用いた。実施例20,21および比較例27,28については以下に示す防汚加工を施した。尚、比較例29,30については加工を行わなかった。日華化学社製、商品名“NKガードFGN−860”の20%水溶液に浸漬し、実施例20および比較例27では98℃で30分間、実施例21および比較例28では130℃で30分間処理を行った後、50℃で乾燥させた。含有率を測定したところ、表13の通りであった。これらの基布の防汚性を評価したところ、実施例20および21においては○(良好)、比較例27および28においては△(やや良好)、比較例29,30では×(不良)であった。さらに実施例20,21および比較例27,28の基布を一般洗濯(25回)を行った後に、再度防汚性を評価したところ、実施例20,21では○(良好)、実施例20では×(不良)となり、実施例においてはナノサイズの微細孔による防汚加工剤のアンカー効果によって、洗濯耐久性が良好な防汚加工が可能であった。
参考例3で作製したポリマーアロイ繊維と70dtex、96フィラメントの通常のN6繊維をインターレースノズルを用いてエア混繊した。これを経糸および緯糸に用いて目付150g/m2の平織りを作製し、参考例3と同様にアルカリ処理を施すことによりN6ナノポーラスファイバーと通常N6からなる布帛を得た。このN6ナノポーラスファイバーをTEM観察したところ、直径が50nm以上の粗大細孔は皆無であり、細孔の平均直径は20nm以下、糸強度は3.4cN/dtexであった。また、細孔は独立孔であった。この布帛に実施例5と同様の難燃加工を施し、難燃性を評価したところ、接炎回数5回でもほとんど基布が燃焼することはなかった。また、上記基布は通常のN6繊維単独の場合と同様にソフトで繊細なタッチの優れた風合いであった。
参考例2で得たポリマーアロイ繊維を経糸に、72dtex、27フィラメントのビスコースレーヨンを緯糸に用い、目付が150g/m2となるように2/2ツイル織物を作製した。これを参考例2と同様にアルカリ処理を施した。得られた布帛からN6ナノポーラスファイバーを抜き出しTEM観察したところ、直径が50nm以上の粗大細孔は皆無であり、細孔の平均直径は20nm以下、糸強度は2.0cN/dtexであった。また、細孔は独立孔であった。この布帛に実施例1と同様にして染色および吸湿加工を施し、吸湿性を評価したところ、ΔMRは7%と充分な吸湿性を示した。また、発色性も良好であり、さらに上記基布はソフトで繊細なタッチの優れた風合いであった。
基布A(ナイロンナノポーラス)およびD(PETナノポーラス)に鮫の肝臓から抽出した天然油成分であり、保湿によるスキンケア効果のあるスクワランを吸尽させた。この時の処理条件は、スクワラン60%と乳化分散剤40%を混合した物を水に濃度7.5g/リットルで分散させ、浴比1:40、温度130℃、処理時間60分間である。処理後80℃で2時間洗浄を行い、この時のスクワランの付着量は布帛に対して6重量%、21重量%であった。その後、洗濯試験を施した後のスクワランの付着量は、それぞれ布帛に対して3重量%、12重量%であり、充分な洗濯耐久性を示した。また、これよりスクワランのような疎水性物質に対してはPETのような疎水性ポリマーからなるナノポーラスファイバーを用いる方が効果的であることがわかった。
基布H(通常PET)に実施例25と同様にスクワランの吸尽加工を施したところ、洗浄後の付着量は布帛に対して21重量%であったが、洗濯試験後の付着量は0重量%であり、まったく洗濯耐久性が無かった。
基布Aを5重量%の硝酸銀水溶液に1分間浸漬した後、4重量%のKCl水溶液を滴下し、イオン交換を行い銀イオンを繊維中に固着させた。その後、流水で15分間洗浄した後、洗濯テストを行った。この時のAgClの布帛重量に対する付着量は4重量%であった。
基布Gを用い、実施例26と同様に銀イオンの加工を行ったが、洗濯テスト後の付着量は0.2重量%であり、多量に付着させることはできなかった。
基布Aを0.5Mの塩化白金水溶液に浸漬し、布帛に塩化白金を十分含浸させた。その後、これを一旦取り出し、イオン交換水で布帛表面を洗浄、乾燥した後、ヒドラジン処理により還元を行い、ナノポーラスファイバー/白金複合体の布帛形状の材料が得られた。これはフレキシビリティーに富み、扱いやすい材料であった。さらに、これの洗濯試験を行った。この時の白金付着量は、布帛重量に対し3重量%であった。
基布Gを用い、実施例27と同様に白金付着加工を行い、洗濯試験を行った。この時の白金付着量は0.1重量%であった。
ジメチルジメトキシシラン10ml、水10ml、エタノール30ml、10%希塩酸0.1mlを混合し、室温で攪拌して加工液を調整した。この加工液中に基布Aを2時間浸漬し、取り上げた流水で1分間洗浄した。この後、布帛を140℃、3分間熱処理してシリコーンモノマーの重合を進め、ジメチルシリコーン化した。そして、流水で40分間洗浄後、さらに洗濯試験を行った。この時のジメチルシリコーン坦持量は布帛の重量に対して9重量%であった。
基布Gを用い、実施例29と同様にシリコーン加工を行った。洗濯テスト後のジメチルシリコーン坦持量は0%であった。
モノトリフルオロプロパントリメトキシシランを用いて実施例28と同様に加工を行い、有機化シリカとナイロンからなる複合体を得た。洗濯テスト後の有機化シリカの布帛重量に対する付着率は12重量%であった。
基布Gを用いて実施例29と同様に加工を行った。洗濯テスト後の有機化シリカの布帛重量に対する付着率は4重量%と少ないものであった。
基布Dに難燃剤であるトリフェニルリン酸(味の素ファインテクノ(株)“レオフォスTPP”)を20%owf、浴比1:40、処理温度130℃、処理時間1時間で吸尽させた。そして、これを水洗後、炭酸ナトリウム水溶液(80℃)でソーピングした。さらに、洗濯テストを施した。このときの付着量は布帛重量に対して7重量%であり、燃焼評価を行ったところ良好な自己消火性を示した。
基布Hに実施例26と同様にトリフェニルリン酸を加工したが、洗濯テスト後の付着量は1重量%であり、自己消火性は示さなかった。
2:溶融部
3:紡糸パック
4:口金
5:チムニー
6:糸条
7:集束給油ガイド
8:第1引き取りローラー
9:第2引き取りローラー
10:巻き取り糸
11:計量部
12:吐出孔長
13:吐出孔径
14:未延伸糸
15:フィードローラー
16:第1ホットローラー
17:第2ホットローラー
18:デリバリーローラー(室温)
19:延伸糸
20:未延伸糸
21:フィードローラー
22:ヒーター
23:冷却板
24:回転子
25:デリバリーローラー
26:仮撚加工糸
27:第1ホットローラー
28:第2ホットローラー
Claims (8)
- ポリマーアロイ繊維に由来する独立孔の細孔を有し、繊維横断面全体に占める直径200nm以上の粗大細孔の面積比が1.5%以下であるナノポーラスファイバーを含む繊維構造物において、機能性物質が含まれていることを特徴とする機能性繊維構造物。
- ナノポーラスファイバーの繊維横断面全体に占める直径50nm以上の細孔の面積比が1.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の機能性繊維構造物。
- ナノポーラスファイバーの細孔の平均直径が0.1〜50nmであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の機能性繊維構造物。
- ナノポーラスファイバーの強度が1.5cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性繊維構造物。
- ナノポーラスファイバーを構成する成分の80重量%以上がポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンの群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性繊維構造物。
- ナノポーラスファイバーを構成するポリマーがポリエステルまたはポリオレフィンであり、機能性物質が疎水性であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の機能性繊維構造物。
- ポリマーアロイ繊維に由来する独立孔の細孔を有し、繊維横断面全体に占める直径200nm以上の粗大細孔の面積比が1.5%以下であるナノポーラスファイバーに、易溶解性機能物質を含浸させ、その後、化学反応あるいは対イオン交換により難溶解性機能物質として固着させるナノポーラスファイバーの機能加工方法。
- ポリマーアロイ繊維に由来する独立孔の細孔を有し、繊維横断面全体に占める直径200nm以上の粗大細孔の面積比が1.5%以下であるナノポーラスファイバーに、モノマーを含浸させ、その後、重合あるいは架橋することにより難溶解性機能物質として固着させるナノポーラスファイバーの機能加工方法。
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