JPH05163676A - 芳香性布帛 - Google Patents

芳香性布帛

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JPH05163676A
JPH05163676A JP3330959A JP33095991A JPH05163676A JP H05163676 A JPH05163676 A JP H05163676A JP 3330959 A JP3330959 A JP 3330959A JP 33095991 A JP33095991 A JP 33095991A JP H05163676 A JPH05163676 A JP H05163676A
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cloth
fine powder
aromatic
cellulose fine
fiber
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JP3330959A
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English (en)
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Koji Tanaka
広司 田中
Koji Ezaki
孝二 江崎
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】人体に対する毒性や皮膚のカブレなどの問題が
なく、安全性が極めて高く、優れた芳香性と親水性を有
する芳香性布帛を提供する。 【構成】熱可塑性重合体繊維からなる布帛であって、芳
香剤を含有させてなるセラミック微多孔体をセルロース
微粉体に担持させ、前記セラミック微多孔体を前記セル
ロース微粉体を媒体として布帛に固着してなる芳香性布
帛、また熱可塑性重合体繊維からなる布帛であって、芳
香剤を内包してなる合成樹脂製マイクロカプセルをセル
ロース微粉体に担持させ、前記マイクロカプセルを前記
セルロース微粉体を媒体として布帛に固着してなる芳香
性布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた芳香性を有する芳
香性布帛に関し、一般衣料材、生活関連材、医療衛生
材、寝装材、インテリア材および産業材用素材として好
適に使用することができ、特に、子供用おむつ、大人用
おむつ、失禁パットなどの紙おむつ用分野、ナプキンな
どの生理用品分野、メディカルアンダーパッド、ガーゼ
基布などのホスピタル分野およびパップ材基布分野など
の衛材用素材として、また布団カバー、シーツなどの寝
装材用素材、カーテン、カーペット、壁材などのインテ
リア用素材として好適に使用することができる親水性を
有する芳香性布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、健康的で快適な生活環境作りの必
要性から、繊維製品への芳香加工法が多く提案されてお
り、例えば、香料などの芳香物質を熱可塑性ポリマーに
練り込んだ混合紡糸法(特開昭61−63716号公
報、特開平2−234917号公報)や芳香物質を高分
子樹脂バインダーにより繊維に固着させた塗付加工法
(特開平1−272875号公報、特開平2−2008
76号公報)などが知られている。前者の混合紡糸法で
は、芳香物質は通常150℃以上の温度で揮発変質する
ため、溶融紡糸に耐え得る芳香物質は限定されてしまう
という問題があった。また、芳香機能は、主として繊維
ポリマー表面部からの香料の徐放により発現する。した
がって、繊維ポリマー内部に混合紡糸された芳香物質
は、製品の使用温度では放出されず、機能発現に対する
作用効率が低いものである。さらに、後処理工程におい
て繊維製品を構成する繊維表面が処理剤で被覆される場
合には、芳香性が著しく低下する。一方、後者の塗付加
工法では、塗付された芳香物質の表面が高分子樹脂バイ
ンダーなどフイルム形成性樹脂により覆われる結果、芳
香性が低下する傾向がある。また、樹脂バインダーの種
類によっては人体に対し、毒性や皮膚のカブレなどの問
題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人体に対す
る毒性や皮膚のカブレなどの問題がなく、安全性が極め
て高く、優れた芳香性と親水性を有し、一般衣料材、生
活関連材、医療衛生材および寝装材用素材として好適に
使用することができ、特に、子供用おむつ、大人用おむ
つ、失禁パットなどの紙おむつ用分野、ナプキンなどの
生理用品分野、メディカルアンダーパッド、ガーゼ基布
などのホスピタル分野およびパップ材基布分野などの衛
材用素材として、また布団カバー、シーツなどの寝装材
用素材、カーテン、カーペット、壁材などインテリア用
素材、空気浄化フィルター用素材として好適に使用する
ことができる親水性を有する芳香性布帛を提供しようと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。すな
わち本発明は、熱可塑性重合体繊維からなる布帛であっ
て、芳香剤を含有させてなるセラミック微多孔体をセル
ロース微粉体に担持させ、前記セラミック微多孔体を前
記セルロース微粉体を媒体として布帛に固着してなる芳
香性布帛、また熱可塑性重合体繊維からなる布帛であっ
て、芳香剤を内包してなる合成樹脂製マイクロカプセル
をセルロース微粉体に担持させ、前記マイクロカプセル
を前記セルロース微粉体を媒体として布帛に固着してな
る芳香性布帛を要旨とするものである。
【0005】本発明で言う布帛とは、不織布または織編
物のことであり、多孔質なセルロース微粉体に担持され
芳香剤を含有させてなるセラミック微多孔体、芳香剤を
内包してなる合成樹脂製マイクロカプセル(以下これら
を芳香体と称す)が固着されている。本発明の布帛を構
成する繊維は、長繊維または短繊維などの繊維形成性を
有する熱可塑性重合体からなるものであって、単一重合
体からなるもの、または2種以上の重合体が芯鞘型ある
いはサイドバイサイド型などに複合されたものである。
熱可塑性重合体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル
などのポリエステル、線状低密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフィンあるいはナイロン6、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン46などのポリアミドが挙げら
れ、複合繊維の場合には、ポリエチレンテレフタレート
と高密度ポリエチレンとの組み合わせやポリプロピレン
と線状低密度ポリエチレンとの組み合わせ、ポリプロピ
レンのホモポリマーとエチレンがランダムに共重合され
たポリプロピレン系共重合体との組み合わせなどが挙げ
られる。
【0006】次に、本発明の芳香性布帛が不織布の場合
について詳細に説明する。不織布は、前記熱化塑性共重
合体からなる長繊維または短繊維から構成され、目付け
が5g/m2 以上200g/m2 以下のものであり、目
付けが5g/m2 未満であると、目付けが低すぎて均一
な不織布を製造することが困難であるばかりでなく、不
織布としての利用価値が乏しい。一方、目付けが200
g/m2 を超えると、目付けが高すぎて不織布が厚くな
るとともに硬くなり、医療衛生材用や寝装材用の素材と
して使用する上で好ましくない。これら繊維の単糸繊度
は特に限定されないが、特に医療衛生材や寝装材などの
用途において柔軟性が要求される場合には、5デニール
以下、好ましくは2デニール以下とするのがよい。繊維
の断面形状としては丸型あるいは三角型などの異型であ
っても、また中空断面型であってもよい。
【0007】本発明の親水性を有する芳香性布帛は、前
述したように、セルロース微粉体に担持され芳香剤を含
有させてなるセラミック微多孔体、芳香剤を内包してな
る合成樹脂製マイクロカプセルなどの芳香体が固着され
ているものである。前記セラミック微多孔体は、セラミ
ックシリカを主成分とし、通常、ゾルゲル法などの公知
の方法により製造される。さらに合成樹脂製マイクロカ
プセルは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアク
リル酸、ポリアミド、尿素ホルマリン系樹脂などからな
り、コアセルベーション、相分離法、重合法、気中懸濁
法などの方法により製造される。
【0008】前記セラミック微多孔体や合成樹脂製マイ
クロカプセルに内包される芳香剤としては、レモンオイ
ル、ローズ、グリーンフローラル、フローラルブーケ、
ヒノキオイル、ラベンダー、ジャスミン、ストロベリ
ー、グリーンアップルなどの芳香を発する合成系あるい
は天然系の芳香剤があり、特に限定されるものではな
く、マイクロカプセル化可能な芳香剤であればよい。ま
た、前記芳香剤を単独で用いても、2種以上組み合わせ
て用いてもよい。
【0009】また、前記セルロース微粉体とは、セルロ
ースパルプをディスクリファイナーなどで破砕して微細
化した微粉体であり、直径約0.1μm、長さ数百μm
程度の微細な短繊維状セルロースからなるものである。
なお、このセルロース微粉体は、特に高純度である必要
はなく、水に対して懸濁可能なものであればよい。
【0010】次に、本発明の芳香性布帛において、芳香
性不織布を製造する方法について説明する。芳香性不織
布が長繊維から構成される場合には、まず通常の溶融紡
糸装置を用いて前記重合体からなる長繊維を紡出し、エ
アーサッカなどの引き取り手段で引き取り、開繊後、ウ
エブコンベアなどの捕集面上に堆積させてウエブとする
か、あるいは引き取りローラーで引き取りながら連続し
て引き取りローラーと延伸ローラー間で延伸した後、開
繊してウエブとする。引き取り速度は単糸繊度や重合体
の種類にもよるが、通常、エアーサッカなどの引き取り
手段を用いる場合には2500〜5000m/分程度、
引き取りローラーを用いる場合には100〜500m/
分程度とするのがよい。次いで、得られたウエブに、エ
ンボスローラーを用いてエンボス処理を施して不織布と
する。エンボス処理条件は、エンボスローラーの線圧を
通常30〜100kg/cmとし、エンボスローラー温
度を、熱可塑性重合体の種類により異なるが、繊維を構
成する熱可塑性重合体の融点より5〜30℃程度低い温
度とする。複合繊維の場合には、繊維を構成する重合体
のうち低融点成分の融点より5〜30℃程度低い温度と
するのがよい。
【0011】次に、芳香性不織布が短繊維から構成され
る場合について説明する。通常の溶融紡糸装置を用いて
前記重合体からなる長繊維を紡出し、紡出糸を一旦巻き
取り、得られた未延伸糸パッケージを複数個集めてトウ
とした状態で延伸する。紡糸に際し、引き取り速度は通
常100〜1500m/分程度とするのがよい。集束し
たトウの延伸は2段以上の多段延伸とする。延伸に際
し、延伸倍率は繊維を構成する重合体の種類や短繊維に
要求される強力レベルによるが、通常1.5〜6.0倍
程度とするのがよい。次いで、延伸処理トウにスタッフ
ァー型捲縮付与装置などを用いて機械捲縮を施した後、
所定長さに切断して短繊維とする。捲縮数は、不織布と
したときに要求される嵩高さなどにもよるが通常8〜2
0個/インチ程度とする。
【0012】次いで、上記のようにして得られた短繊維
を用いてウエブを作成する。ウエブ化は、カード機を用
いて、あるいは抄紙法により作成することができる。次
いで、得られたウエブに例えばエンボスローラーを用い
てエンボス処理を施して不織布とする。エンボス処理条
件は、エンボスローラーの線圧を通常30〜100kg
/cmとし、エンボスローラーの温度を、熱可塑性重合
体の種類により異なるが、繊維を構成する熱可塑性重合
体の融点より5〜30℃程度低い温度とする。前記繊維
が融点を異にする2種以上の重合体成分からなる複合繊
維の場合は、繊維を構成する低融点成分の融点より5〜
30℃程度低い温度とするのがよい。また、熱カレンダ
ーローラーをなどを用いて熱融着処理することにより不
織布を作成する場合には、処理温度は繊維を構成する重
合体の融点より5〜30℃程度低い温度とする。前記繊
維が融点を異にする2種以上の重合体成分からなる複合
繊維の場合には、繊維を構成する重合体のうち低融点成
分の融点より5〜30℃程度低い温度とするのがよい。
また、熱風循環型乾燥機などを用いて熱融着処理するこ
とにより不織布を作成する場合には、処理温度は繊維を
構成する重合体の融点より30℃程度高い温度とし、処
理時間を5〜120秒とするのがよい。
【0013】次に、セルロース微粉体の水懸濁液に前記
芳香体を加え、均一に攪拌した混合処理液を不織布に塗
布する。塗付の方法としては浸漬法、噴霧法、パットド
ライ法あるいはプリント法などいずれの方法であっても
よい。塗付は、繊維紡出後から不織布巻き取り間のいず
れで行なってもよいが、通常ウエブ形成後から不織布巻
き取り間に設けた別途塗付工程において塗付するのがよ
い。
【0014】前記処理液の調整は次の方法により行な
う。まず、セルロース微粉体にイオン交換水を加えて、
攪拌することによりセルロース微粉体の水懸濁液を作成
する。次いで、前記セルロース微粉体の水懸濁液に芳香
体を加えて均一に攪拌することにより、芳香体はセルロ
ース微粉体の水懸濁液中に分散され、静置しても沈澱を
生じることのない処理液を調整することができる。特
に、高比重のセラミック微多孔体に対しても、長期に亘
り沈降することのない安定な処理液を調整することがで
きる。
【0015】次いで、前記セルロース微粉体の水懸濁液
に芳香体を加えて均一に攪拌することにより得られた処
理液を前記不織布に塗付した後、乾燥、熱処理を施す。
乾燥および熱処理は、通常の熱風循環型乾燥機を用い、
水分を蒸発させるとともに熱処理を施すことにより、不
織布の構成繊維表面上にセルロース微粉体に担持させた
芳香体が固着される。熱処理温度は通常前記不織布を構
成する熱可塑性重合体の融点より5℃以上低い温度とす
る。乾燥および熱処理は熱カレンダーロールにより行な
ってもよい。塗付速度は不織布の生産速度でよく、通常
2〜50m/分であり、何ら生産速度を制限するもので
はない。塗付方法、塗付速度、処理液粘度などの違いに
よる不織布への塗付量の調節は、処理液濃度を変更する
ことにより行なう。また、不織布への芳香体の付着量
は、芳香効果、不織布素材の風合い、柔軟性に与える影
響、経済性から考慮して不織布重量に対し、0.05〜
10重量%が好ましい。また、セルロース微粉体の付着
量は塗付する芳香体の量、処理液中の芳香体の懸濁分散
性、芳香性不織布に要求される親水性との関係において
適宜調整すればよい。以上述べたごとく、処理液の塗付
は、不織布製造工程上オンラインであっても、一旦巻き
取った不織布に塗付するオフラインであってもよい。ま
た、布帛が長繊維あるいは紡績糸から構成される織物や
編物であっても前記不織布と同様に加工処理を行なうこ
とにより優れた芳香性布帛を得ることができる。
【0016】
【作用】本発明の親水性を有する芳香性布帛は前述した
ように、熱可塑性重合体繊維からなる布帛に、セルロー
ス微粉体に担持され芳香剤を含有させてなるセラミック
微多孔体、芳香剤を内包してなる合成樹脂製マイクロカ
プセルなどの芳香体が固着されているので、優れた芳香
体が発現されるのみならず、親水性も発現される。 本
発明の芳香体は、芳香剤が内包され、優れた徐放性を有
する。また、本発明では、芳香体が多孔質なセルロース
微粉体により繊維表面に担持されているので、芳香体の
芳香機能が低下することがなく、芳香の持続性に優れて
いる。また、セルロース微粉体は、直径約0.1μm、
長さ数百μmの微細な短繊維からなるため、相互に絡み
合い交絡した状態で芳香体を担持して繊維表面に固着さ
れる。その結果、温水によっても容易に膨潤することが
なく、また、後加工や製品として使用したときの物理的
摩擦、あるいは衝撃に対し、高度の耐剥離性、耐脱落性
を有するものである。したがって、後加工時や製品とし
ての使用時に容易に脱落することはない。
【0017】本発明の布帛では、芳香体がセルロース微
粉体に担持された状態で布帛に固着されているものであ
り、特に、毒性や皮膚のカブレなど、人体への影響を生
じることもなく安全性が極めて高い。さらに本発明の芳
香性布帛はセルロース微粉体が固着されている結果、親
水性を有し、おむつ素材など人体に触れる一般衣料材や
医療衛生材などの素材として好適に使用することができ
る他、生活関連材、寝装材、インテリア材、産業材用の
素材としても好適に使用することができる。
【0018】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。実施例中のセルロース微粉体としては、商品名
セリッシュKY−100S(ダイセル化学工業(株)製
α−セルロース、水に対する固形分25重量%)を用い
た。なお、このセルロース微粉体2重量部に対して96
部のイオン交換水を加えた後、家庭用ミキサーで5分間
攪拌することにより、均一な水懸濁液を作成した。次
に、芳香体を2重量部加えて均一に混合し、不織布の処
理液とした。なお、混合処理液中の芳香体の懸濁分散性
は極めて良好であり、長期の静置に対しても、高比重の
セラミック微多孔体は凝集沈降することもなく安定であ
った。
【0019】なお、セルロース微粉体と芳香体の混合重
量比は、それぞれの添加重量比を変更することにより調
整でき、また、不織布に塗付する付着量の調節は、イオ
ン交換水を加え処理液濃度を変更することにより可能で
ある。
【0020】芳香性の評価は、芳香性の強さを5段階に
表示した。布帛重量に対して0.5重量%の芳香体を
0.125重量%のセルロース微粉体にて固着した芳香
性布帛の加工処理直後の芳香性を5とし、未処理の布帛
の芳香性を0とし、芳香性の強さに応じて5段階に表示
した。
【0021】親水性は、ろ紙上に重ねて水平に静置した
不織布面上1cmの高さから滴下した10滴のイオン交
換水のうち、吸水した滴数を百分率で求めて評価した。
なお、イオン交換水は50mlのビュレットから1秒間
に1滴の割合で滴下した。
【0022】不織布の引張り強力は、JIS−L−10
96に記載のストリップ法に準じ、長繊維不織布につい
ては幅25mm、短繊維不織布については幅30mm、
長さはいずれも100mmの試験片から最大引張り強力
を測定して求めた。
【0023】(実施例1)融点が128℃、メルトイン
デックス値が80g/10分のポリエチレン重合体A
と、融点が258℃、固有粘度が0.70のポリエステ
ル重合体Bを200口の複合紡糸孔を有する紡糸口金4
錘から紡出し、重合体Aを鞘成分、重合体Bを芯成分と
する芯鞘複合型長繊維を紡出した。単孔吐出量は、重合
体A、Bともに0.3g/分(成分Aと成分Bの重量比
は1:1)とした。紡出された長繊維糸条を冷却した
後、紡糸口金下120cmの位置に配置された8個のエ
アーサッカに通して吸引、延伸し、3000m/分の速
度で引き取り、帯電装置により強制的に帯電させて繊維
を開繊し、30m/分の速度で移動するウエブコンベア
面上に堆積させてウエブを得た。この得られたウエブに
圧接面積率15%、表面加熱温度123℃のエンボスロ
ーラーを使用し、線圧力30kg/cmで熱接着処理を
施して不織布とし、この不織布をロール状に巻き取っ
た。得られた不織布は、目付けが30g/m2 、経方向
の引張り強力が4.5kg/3cm、緯方向の引張り強
力が3.4kg/3cmであった。
【0024】次に、前記ロール状に巻き取った複合型長
繊維不織布に、芳香体とセルロース微粉体水懸濁液との
混合処理液を塗付した。芳香体としてレモン臭を有する
平均粒径10μmの中空多孔性セラミック(三粧化研
(株)製)を用い、セルロース微粉体は、前記ダイセル
化学工業(株)製セリッシュKY−100Sを用いた。
塗付は、ウエブ作成工程とは別工程で噴霧器を設置した
パットドライ機を用い、所定濃度に調製した混合処理液
を不織布に噴霧した後、温度90℃の熱風循環乾燥機に
て乾燥熱処理した後、ロール状に巻き取った。処理速度
は10m/分であった。なお、処理液を噴霧塗付するに
際しては、前記処理液にイオン交換水を加えて濃度を変
更し、芳香体とセルロース微粉体の付着量の異なる長繊
維不織布(実施例1−1〜実施例1−6)を採集した。
【0025】(比較例1)芳香体とセルロース微粉体の
水懸濁液との混合処理液の代りに、イオン交換水を噴霧
塗付した以外は、実施例1と全く同様な方法で処理し
た。
【0026】実施例1−1〜1−6で得た長繊維不織布
の芳香体とセルロース微粉体の混合重量比、芳香体とセ
ルロース微粉体の付着量、処理液中の芳香体の長期懸濁
分散性、実施例1−1〜1−6および比較例1で得た長
繊維不織布の芳香性および親水性(%)の結果を表1に
示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、実施例1−1、
1−3〜1−6の芳香体が一定量以上付着した不織布
は、芳香性が極めて高いものであり、特に芳香体の付着
量が0.5%以上の不織布(実施例1−4〜1−6)は
6カ月後においても芳香性が初期と同程度に保持され
た。また、セルロース微粉体の塗布された不織布は良好
な親水性を有するものであった。また、実施例1−2〜
1−6のセルロース微粉体が一定量以上添加された処理
液中の芳香体の懸濁分散性は良好であった。
【0029】(実施例2)融点が128℃、メルトイン
デックス値が80g/10分のポリエチレン重合体成分
Aと、融点が258℃、固有粘度が0.70のポリエス
テル重合体成分Bを200口の複合紡糸孔を有する紡糸
口金から芯鞘複合型長繊維を紡出した。単孔吐出量は重
合体A、Bともに0.3g/分(成分Aと成分Bの重量
比は1:1)とした。紡出された長繊維糸条を冷却した
後、巻き取って芯鞘複合型未延伸糸のパッケージを得
た。得られたパッケージを複合個集めて延伸倍率2.1
5倍で2段延伸した。次いで、得られた延伸処理トウに
スタッファー型捲縮付与装置を用いて機械捲縮を施した
後、所定長さに切断して短繊維を得た。この短繊維の捲
縮数は14個/インチであり、繊維長さは51mm、単
糸繊度は約2デニールであった。
【0030】この短繊維を用いて、池上機械(株)製の
ローラーカード機M32型タイプ60−M32によりウ
エブを作成した。次に、得られたウエブを温度135℃
の熱風循環型乾燥機を使用して、処理時間60秒でウエ
ブを熱接着して不織布とし、この不織布をロール状に巻
き取った。得られた不織布は目付けが50g/m2 、機
械の進行方向の引張り強力が9.8kg/25mm、横
方向の引張り強力が1.71kg/25mmであった。
【0031】次に、前記ロール状に巻き取った複合型短
繊維不織布に実施例1と同様の芳香体とセルロース微粉
体水懸濁液との混合処理液を塗付した。塗付は別途塗布
部に噴霧器を設置したパットドライ機を用い、所定濃度
に調製した前記混合処理液を噴霧した後、温度90℃の
熱風循環乾燥機にて乾燥熱処理した後、ロール状に巻き
取った。処理速度は10m/分であり、芳香体を担持さ
せたセルロース微粉体を固着した短繊維不織布を採集し
た。
【0032】(比較例2)芳香体とセルロース微粉体水
懸濁液との混合処理液の代りに、イオン交換水を噴霧塗
付した以外は実施例2と全く同様な方法で処理した。
【0033】実施例2で得た短繊維不織布の芳香体とセ
ルロース微粉体の混合重量比、消臭体とセルロース微粉
体の付着量、処理液中の芳香体の長期懸濁分散性、実施
例2および比較例2で得た短繊維不織布の芳香性および
親水性(%)の結果を表1に示した。
【0034】(実施例3)平均繊度2デニール、繊維長
さ51mmのポリエステル短繊維を公知の方法により梳
綿機によりカーディングし、練条機でスライバーにした
後、粗糸を作成し、リングツイスターを用いて精紡する
ことにより30番手の紡績糸を作成した。次いで、この
糸を用いて縦方向の織密度:85本/インチ、緯方向の
織密度:50本/インチで製織し、ポリエステル織物を
得た。そして、このポリエステル織物をロール状に巻き
取った。
【0035】次に、前記ロール状に巻き取ったポリエス
テル織物に、実施例1と同様の芳香体とセルロース微粉
体水懸濁液との混合処理液を塗付した。塗付は別途塗布
部に噴霧器を設置したパットドライ機を用い、所定濃度
に調製した混合処理液を噴霧した後、温度90℃の熱風
循環乾燥機にて乾燥熱処理した後、ロール状に巻き取っ
た。処理速度は10m/分であり、芳香体を担持させた
セルロース微粉体を塗付したポリエステル織物を採取し
た。
【0036】(比較例3)芳香体とセルロース微粉体水
懸濁液との混合処理液の代りに、イオン交換水を噴霧塗
付した以外は実施例3と全く同様な方法で処理した。
【0037】実施例3で得たポリエステル織物の芳香体
とセルロース微粉体の混合重量比、芳香体とセルロース
微粉体の付着量、処理液中の芳香体の長期懸濁分散性、
実施例3および比較例3で得たポリエステル織物の芳香
性および親水性(%)の結果を表1に示した。
【0038】表1から明らかなように、実施例2、3の
不織布は、芳香性が極めて高いものであり、かつ親水性
を有するものであった。また、処理液中の芳香体の懸濁
分散性も良好であった。
【0039】(実施例4)中空多孔性セラミックの代り
に、芳香体として天然油性芳香剤を内包した合成樹脂製
マイクロカプセル(商品名マツモトマイクロスフェアー
K−1004 松本樹脂製薬(株)製)を用いた他は実
施例1と同様の処理を行ない、長繊維不織布(実施例4
−1〜4−5)を得た。
【0040】(比較例4)比較例1と同様にイオン交換
水を噴霧塗付して長繊維不織布を得た。実施例4−1〜
4−5で得た長繊維不織布の芳香体とセルロース微粉体
の混合重量比、芳香体とセルロース微粉体の付着量、処
理液中の芳香体の長期懸濁分散性、実施例4−1〜4−
6および比較例4で得た長繊維不織布の芳香性および親
水性(%)の結果を表1に示した。
【0041】表1から明らかなように、実施例4−3〜
4−5の芳香体が一定量以上付着された不織布は、芳香
性が極めて高いものであり、かつ親水性を有するもので
あった。また、全ての処理液の懸濁分散性は良好であっ
た。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、優れた芳
香性と親水性を有する布帛を提供でき、しかも、前述の
ような芳香体とセルロース微粉体を用いているので、無
毒性であるとともに、使用に際して皮膚のカブレなど人
体への影響を生じることもなく、安全性が極めて高い。
したがって、本発明の親水性を有する芳香性布帛は、一
般衣料材、医療衛生材、寝装材用の素材として好適に使
用することができ、特に、子供用おむつ、大人用おむ
つ、失禁パットなどの紙おむつ用分野、ナプキンなどの
生理用品分野、メディカルアンダーパッド、ガーゼ基布
などのホスピタル分野およびパップ材基布分野などの衛
材用素材の他、布団カバー、シーツなどの寝装材用素
材、カーテン、カーペット、壁材などのインテリア用素
材、空気浄化フィルター用素材として好適に使用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 8/06 Z 7199−3B 8/14 Z 7199−3B D03D 15/00 E 7199−3B D06M 11/00 // D06M 23/08 23/12 7199−3B D06M 21/00 F 7199−3B 21/04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性重合体繊維からなる布帛であっ
    て、芳香剤を含有させてなるセラミック微多孔体をセル
    ロース微粉体に担持させ、前記セラミック微多孔体を前
    記セルロース微粉体を媒体として布帛に固着してなるこ
    とを特徴とする芳香性布帛。
  2. 【請求項2】 熱可塑性重合体繊維からなる布帛であっ
    て、芳香剤を内包してなる合成樹脂製マイクロカプセル
    をセルロース微粉体に担持させ、前記マイクロカプセル
    を前記セルロース微粉体を媒体として布帛に固着してな
    ることを特徴とする芳香性布帛。
JP3330959A 1991-12-16 1991-12-16 芳香性布帛 Pending JPH05163676A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5767189A (en) * 1996-05-31 1998-06-16 E. I. Dupont De Nemours And Company Durable hydrophilic polymer coatings
KR20020039195A (ko) * 2000-11-20 2002-05-25 룡 정 무기금속 원적외선 방사체와 천연향기를 병행가공한기능성 건강직물의 제조방법.
JP2013189604A (ja) * 2012-03-15 2013-09-26 Dainippon Printing Co Ltd 臭気成分の担体

Cited By (4)

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US5976995A (en) * 1996-05-31 1999-11-02 Stepan Company Durable hydrophilic polymer coatings
KR20020039195A (ko) * 2000-11-20 2002-05-25 룡 정 무기금속 원적외선 방사체와 천연향기를 병행가공한기능성 건강직물의 제조방법.
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