JPH0214885Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は工具の位置決めを良好ならしめた工具
位置決め装置に関するものである。

（従来技術とその課題） ロボツトのツールに取付けられたチヤツクで作
業に応じて工具を繰り返して使用したり、他の工
具を併用したりして作業を行なう場合、ロボツト
による作業精度を確実となすには、チヤツクに対
する工具の高さ方向の位置決めを正確に行なう必
要がある。この問題にたいしては、チヤツクとチ
ヤツクに保持される工具の接触部分の形状等を精
度良く仕上げることで解決策としているのが現状
であるが、実際問題として工具を常に一定位置で
保持することは困難であるし、とりわけ工具を繰
返し使用したり、他の工具を併用して作業を行な
う場合にはチヤツクとチヤツクに保持される工具
との寸法精度のみのアプローチでは限界がある。

（課題を解決するための手段） 本考案は、チヤツクの爪と工具のケーシングの
対抗面の何れか一方に案内部を、他方に摺動部を
設けると共に、前記爪に段部を設け、該段部と嵌
脱可能な段部を工具ケーシングに設け、爪の閉鎖
で工具を移動可能となし、爪でケーシングを保持
すると同時に爪の段部と工具ケーシングの段部を
当接させ工具の高さ方向の位置決めを行なうよう
なした工具位置決め装置を提供せんとするもので
ある。

（実施例） 第１図、第２図は、工具がチヤツクに保持され
た状態を示すもので、参照符号１はロボツト（図
示せず）のツール軸２の先端部に取付けられたチ
ヤツクであり、このチヤツク１はエアー等により
開閉する２本の爪３を有している。４は、前記爪
３によりケーシング５外周を保持された工具であ
り、図示した例では工具４として液体供給用チユ
ーブ６を介して圧送される液体をデイスペンサ７
を介してニードル８より吐出せる液体塗布用のも
のをもつて示してある。ケーシング５は、前期せ
る爪３の下端と当接せる段部９と、第３図に示す
ごとく爪３の内面で回転不能に支持される断面角
形の胴部と、その上方外面に下方に傾斜せる案内
部１１を有している。尚、工具４の横振れを防止
するために、爪３内面にリブ等を設け、このリブ
で胴部１０上方を３点で支持するようにしても良
い。１２は、前期せる爪３の上部に適宜形態をも
つて回転自在に配置されたローラー、ボール等の
転動体であつて、この転動体１２は前記案内面に
圧接している。

（作用） チヤツク１の爪３による工具４の保持は、第４
図に示すごとく、ホルダー１３等に載置される工
具４の両側に爪３を位置させこの爪３を内方に閉
鎖すると、まず転動体１２が案内部１１に当接
し、工具４全体が爪３の閉鎖に従つて案内部１１
の傾斜に添つて上方に移動し、次いで爪３の下端
が段部９に当接することで高さ方向の位置決めを
行なう。チヤツク１の爪３による工具４の保持は
ここで終了する。（第２図参照）このように爪３
の下端を段部９に当接させて高さ方向の位置決め
を行なう場合は、爪３内面は胴部１０に当接して
いなくてわずかな隙間をもつて対向していても良
く、逆に爪３内面を胴部１０に当接させて工具４
を保持し高さ方向の位置決めを行なう場合には、
爪３の下端を段部９に当接させなくても良く、作
業圧力が必要で、ずれの危険性がある場合は、段
部９と爪３下端との間に作業圧力に勝さる弾性体
を介在させると良い。

尚、図示した例ではチヤツク１の爪３の上部に
転動体１２を回転自在に配置し、工具４のケーシ
ング５の外面に下方に傾斜する案内部１１を設け
たものをもつて示したが、第５図の如くチヤツク
１の爪３の内面に下方に傾斜する案内部１１ａを
設け、工具４のケーシング５外面で、前記案内部
１１ａと対向する面に凹部を形成し、該凹部に円
筒状あるいは球状の転動体１２ａを回転自在に配
置するようにしても良い。また、転動体１２，１
２ａの代わりとして単なる突部を採用しても良い
が、この場合は案内部１１，１１ａとの摺動が滑
り摩擦となるため、転動体１２，１２ａの様に転
がり摩擦を利用できるものと比べ摩擦抵抗が大き
く、若干損傷し易いきらいがある。尚、本考案で
は、案内部１１を直線上の傾斜面１１ａとした
が、円弧状（湾曲した面）としてもよい。

（効果） 以上の如く本考案では、チヤツクと爪と工具の
ケーシングの対抗面の何れか一方に案内部を、他
方に摺動部を設けると共に、前記爪に段部を設
け、該段部と嵌脱可能な段部を工具ケーシングに
設け、爪の閉鎖で工具を移動可能となし、爪でケ
ーシングを保持すると同時に爪の段部と工具ケー
シングの段部とを当接させ工具の高さ方向の位置
決めを行なうようにしたので、作業に応じて工具
を繰返し使用したりする場合でもチヤツクに対す
る工具の高さ方向の位置決めを容易かつ正確に行
なえるものであり、他の工具を併用する場合でも
同様のケーシング形状をとれば全ての工具を同一
高さで保持することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
側面図、第２図は縦断面図、第３図は第２図のＡ
−Ａ線断面図、第４図は動作説明図、第５図は他
の実施例を示す要部縦断面図である。 １……チヤツク、３……爪、４……工具、５…
…ケーシング、９……段部、１１……案内部、１
２……転動体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 相対する方向に開閉可能なチヤツクの爪とチ
   ヤツクの爪によつて緊締される工具のケーシン
   グの対向面の何れか一方に傾斜面を有する案内
   部を、他方に摺動部を設けると共に、前記爪の
   開閉により爪の端部と嵌脱可能な段部を工具ケ
   ーシングに設け、爪の閉鎖で工具のケーシング
   を緊締するとともに、案内部と摺動部のそれぞ
   れの圧接により工具のケーシングを爪に対し、
   爪の長手方向で工具の高さ方向の位置決めを行
   なう工具位置決め装置。 前記摺動部が転動体である実用新案登録請求
   の範囲第一項記載の工具位置決め装置。