JP3040280U - レンチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、ナット締付作業を能率よく行
えるレンチを提供する。 【解決手段】 柄３の付いたレンチ本体１の先端が上ア
ゴ２になっている。ガイドフレーム４はレンチ本体１に
対し、ピン５を支点として回動自在で、両者間に押バネ
６が介されている。下アゴ８はガイドフレーム４に摺動
自在に付いていて、ウォーム１０を回すと下アゴ８が移
動する。ガイドフレーム４に下アゴ８の位置決め用の目
盛１３が付いている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は主として、水道の配管工事に使用し、ポリエチレン水道管用の金属 継ぎ手のナット締め付けなどに用いるレンチに関する。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

従来の水道配管工事用のレンチは、下アゴをウォームによって摺動させて、上 下両アゴの間隔を調節するようになっているだけである。この為、ナットのサイ ズに合わせてアゴ間を調節することは可能であるが、アゴは全体として固定であ るから、締め付け作業時にはレンチ１回動ごとにナットに対しての差し替えが必 要である。従って、狭いスペースで締め付け作業する際には、頻繁な差し替えが 必要で、作業性が悪い。また、ラチェット機構を利用して、差し替えを不要にし たレンチも一部で提案されているが、構造が複雑で、高価なため、水道配管工事 用としてはほとんど用いられていない。

【０００３】 本考案は以上の点に鑑み、構造が簡単で、水道配管工事用としての使用に適し 、ナットに１度結合させれば、差し替えせずに、反復回動操作で、能率よく締め 付け作業ができるレンチを提供せんとするものである。更に本考案は下アゴの位 置決めが簡単で、各ナットに対するサイズ合わせを素早く行うことのできるレン チを提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のレンチの技術的手段は、柄に固着されたレンチ本体と、レンチ本体の 先端に形成された上アゴと、レンチ本体に回動自在に取付けられたガイドフレー ムと、ガイドフレームに摺動自在に取付けられた下アゴと、下アゴを移動させる 為にガイドフレームに設けられたウォームとからなり、レンチ本体とガイドフレ ームとの間に、ガイドフレームを回動付勢する為の押バネが介装されていること にある。

【０００５】 また、ガイドフレームの外表面に、下アゴ位置決め用の目盛りを付しておいて もよい。更に、位置保持の為に、押バネを溝に嵌め込んで支持してもよい。また 、ウォームを押バネで、軸方向の一方に付勢するようにしてもよい。更に、レン チ本体の表裏両面に当り突起を設けてもよい。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案のレンチの実施の形態を、図面の実施例に基ずいて説明する。レンチ本 体１の先端に上アゴ２が形成されていて、レンチ本体１と上アゴ２とは一体であ る。レンチ本体１の後端には柄３が連設されている。４はガイドフレームで、レ ンチ本体１にピン５によって回動自在に取付けられている。レンチ本体１とガイ ドフレーム４との間には押バネ６が介装され、回動付勢されている。また、位置 ずれの防止の為、押バネ６は溝７に嵌めて固定支持されている。

【０００７】 ８は下アゴで、ガイドフレーム４に摺動自在に取付けられている。図４に示さ れるように、下アゴ８の基部にはラック９が形成されていて、ウォーム１０と噛 合している。ウォーム１０はピン１１によってガイドフレーム４に回動自在に取 付けられていて、指で自由に回動させることができる。１２はウォーム用押バネ で、ウォーム１０を軸方向の一方に付勢することにより、ウォーム取付部の遊び を無くし、位置決め時の精度向上を図っている。１３は目盛で、これに合わせて 下アゴ１３を位置決めすることにより、ナットとのサイズ合わせを簡単かつ迅速 に行える。

【０００８】 １４はレンチ本体１に形成された段部で、ガイドフレーム４の一方の回動スト ッパーとなる。他方のストッパーは、実施例では上アゴ２の後端１５が担当して いる。従って、ガイドフレーム４はこれらの両ストッパーの間で回動可能であり 、通常は押バネ６で付勢されているので、図２の実線で示すように、上アゴ後端 １５に衝突した位置を保持する。そして、ナット締付操作時に、柄３を反締付方 向に戻すと、ガイドフレーム４の全体が押バネ６の力に抗してピン５を支点とし て回動し、両アゴ２、８間が開いて、ナットの山を滑り移動させることができる ようになる。なお、図３に示されるように、レンチ本体１の表裏両壁面には当り 突起１６が形成されている。この為、レンチ本体１とガイドフレーム４との接合 関係が良くなり、ガタが無くなって、ガイドフレーム４がスムーズに回動するよ うになる。

【０００９】 なお、本考案は前記の実施例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の 範囲の記載の範囲内で自由に変形実施可能である。

【００１０】

【考案の効果】

本考案のレンチでは、下アゴの付いたガイドフレームが、上アゴの付いたレン チ本体に対して回動自在で、柄を締付方向に移動させた時には、上下両アゴは固 定で、ナットは締め付けられ、また、柄を反締付方向に移動させた時には上下ア ゴ間が開いて、ナットとの間に滑りが生ずる。これにより、レンチをナットに１ 度結合させれば、後は差し替えることなく、柄を反復移動させるだけで、簡単か つ能率よく、ナットの締付作業を行うことができる。従って、水道配管工事など のように狭いスペースで、締付作業を行うのに極めて便利である。

【００１１】 請求項２のものでは、目盛が付いているので、下アゴの位置決めを素早く、か つ正確に行うことができ、作業性の向上を図れる。

【００１２】 請求項３のものでは、押バネがしっかりと位置保持されていて、横ずれするこ とがないので、ガイドフレームがスムーズに戻り回動する。

【００１３】 請求項４のものでは、ウォームが押バネで付勢されていて、ウォーム取付部に ガタが無いので、下アゴの位置を正確に定めることができる。

【００１４】 請求項５のものでは、当り突起の為に、レンチ本体とガイドフレームとの隙間 が適正に保持され、ガイドフレームの回動がスムーズになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のレンチの正面図。

【図２】アゴ部の拡大図。

【図３】アゴ部の断面図。

【図４】ウォームの部分の拡大断面図。

【符号の説明】

１ レンチ本体 ２ 上アゴ ３ 柄 ４ ガイドフレーム ５ ピン ６ 押バネ ７ 溝 ８ 下アゴ ９ ラック １０ ウォーム １１ ピン １２ 押バネ １３ 目盛 １６ 当り突起

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 柄３に固着されたレンチ本体１と、レン
   チ本体１の先端に形成された上アゴ２と、レンチ本体１
   に回動自在に取付けられたガイドフレーム４と、ガイド
   フレーム４に摺動自在に取付けられた下アゴ８と、下ア
   ゴ８を移動させる為にガイドフレーム４に設けられたウ
   ォーム１０とからなり、レンチ本体１とガイドフレーム
   ４との間に、ガイドフレーム４を回動付勢する為の押バ
   ネ６が介装されているレンチ。
2. 【請求項２】 ガイドフレーム４の外表面に、下アゴ８
   の位置決め用の目盛１３が付されている請求項１記載の
   レンチ。
3. 【請求項３】 押バネ６が溝７に嵌め込まれて、位置保
   持されている請求項１記載のレンチ。
4. 【請求項４】 ウォーム１０が押バネ１２によって軸方
   向の一方に付勢されている請求項１記載のレンチ。
5. 【請求項５】 レンチ本体１の表裏両面に当り突起１６
   が設けられている請求項１記載のレンチ。