JPH0214763Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、根巻きミシンにおけるボタンを供
給するためのボタン保持手段に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

衣服等にボタン（例えばシヤンク付きボタン
（メタルボタン）あるいは４穴／２穴のフラツト
ボタン等）を縫付けるのに使用する自動ボタン付
け機、特に自動根巻きボタン付けミシンのボタン
つかみ爪（ボタンチヤツク）まで前記ボタンを１
個づつ移送供給するためのボタンホルダは、従
来、オペレータが手動でボタンを１個づつシヤン
ク（フツク）またはボタン穴を上記ホルダに挿入
するよう構成されており、これらの作業をワンタ
ツチで行うための種々の形状のボタンホルダが提
案されている。

第３図および第４図に、従来のこの種のボタン
ホルダ機構の２提案例の要部斜視図（第４図は分
解斜視図）を示す。

第３図に示す第１例は、ボス４３を備えた円板
状ブラケツト４２の一面円周上に、曲げ弾性を有
する複数（図例は４）の板ばね製のボタンホルダ
部材４１を立設したもので、オペレータは、所定
寸法のボタンを開放端部からばね弾性に抗して押
し込み、各ホルダ部材４１のクリツプ部分４１ａ
へスナツプ的に拘束保持させるよう構成されてい
る。

また、第５図に示す第２例は、ボス５３を備え
たブラケツト円筒状のブラケツト５２の円筒面上
に直径対向的に立設したピン５２ａをガイドとし
て一対の弧状のボタンホルダ部材５１を対向的に
挿入し、両ホルダ部材の円周みぞ５１ａ部にリン
グ状の引張りコイルばねより成るガータスプリン
グ５４を巻付けて弾性的に保持したものであり、
オペレータは、方向規制した各所定寸法ボタン
を、各ホルダ部材５１の開放端をガータスプリン
グの弾性に抗して押し開き、ボタンを各ホルダ５
１のみぞ部５１ｂに拘束保持させるよう構成され
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、以上のような従来例にあつて
は、いずれも、所定直径寸法のボタンを、ばねに
より外周を保持するよう構成されていたため、対
象ボタンの外径が限定され、その寸法変化がある
範囲を越えると、一種類のボタンホルダでは対応
することができなくなり、ボタン外径種類に応じ
て数種類のボタンホルダを作成する必要があり、
外径の異なるボタン付けを行う度にボタンを組換
えなければならないため、特に多品種少ロツト生
産の工場においては、生産性が低下し、また、数
種類のボタンホルダを製造するためコスト上も不
利であつた。

一方、これらの欠点を補うため、シヤンクボタ
ンの上面を真空吸着によつて保持する方法も提案
されているが、真空システムは極めて複雑／高価
であるのみならず、穴付きのフラツトボタン等へ
の適用が困難であり、また、シヤンクボタンであ
つても、表面に種々の装飾用の凹凸模様等がある
場合には適用が困難であるという問題点があつ
た。

この考案は、以上のような従来例の問題点にか
んがみてなされたもので、簡単な構造でコストも
安く、かつ、広範囲のボタンサイズに適応し得る
ボタンホルダ機構の提供を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、この考案においては、ボタンホルダ
の、ブラケツト本体に対する各ボルダ部材の相対
半径位置を容易に調節可能に構成することにより
前記目的を達成しようとするものである。

〔作用〕

以上のような構成により、各ブラケツト部材の
半径位置調節を簡単に行うことにより、対象ボタ
ンサイズの広範な変化にも容易に対応し得る。

〔実施例〕

以下に、この考案を実施例に基づいて説明す
る。第１図に、この考案によるボタンホルダの一
実施例の分解斜視図を示す。

（構成） 第１図において、２は本体ブラケツトで、一側
面にはボス３が固設され、ボス３の軸方向中心穴
には、ガイド軸６が貫通している。

ガイド軸６は、一端には、対向する一対の傾斜
カム平面４ａを有する調節ブロツク４がねじ止め
され、また、他端にはおねじが形成されていて、
ボス３の中心穴の一部分のめねじ部分とねじ係合
しており、またロツクナツト５が設けられてい
る。

ブラケツト２には、円周面に直径対向的に図示
のような一対の変形Ｔ形みぞ２ａが刻設されてお
り、それぞれ上記Ｔ形みぞ２ａ対応Ｔ形ピン１
ａ、前記調節ブロツク４の傾斜平面４ａに対応す
る内面傾斜カム平面１ｂ、ガータスプリング８用
みぞ１ｃおよびボタン係合内周みぞ１ｄを有する
一対のボタンホルダー部材１が、Ｔ形みぞ２ａに
嵌合し、ガータスプリング８により、一対の両傾
斜カム平面１ｂ，４ａが弾性的に当接した状態で
保持されている。７は、ボス３とガイド軸６固定
用の止めねじである。

（動作） 以上のような構成により明らかなように、各ホ
ルダ１の傾斜カム平面１ｂと調節ブロツク４の傾
斜カム平面４ａとの当接相対位置は、調節ブロツ
ク４をボス３に対して回転調節することにより、
矢印軸方向に変更して、各ホルダ部材１の開き具
合を所定範囲内に調節が可能であり、広範囲のボ
タンの外径サイズに対応することができる。この
調節は、調節ブロツク４、ロツクナツト５、止め
ねじ７の操作のみで簡単に行うことができる。ま
た、ボタン係合内周みぞ１ｄの形状は、広範囲の
ボタン円周形状にも対応するような形状を選択す
ることができる。

（他の実施例） 第２図に、この考案による他の実施例の分解斜
視図を示す。１２は本体ブラケツトで、ボス１３
を備え、ブラケツト１２上には一対の対向みぞ１
２ａが、またボス１３の端部には、円周方向に複
数のみぞ１３ａが刻設されている。ボス３の中心
穴には、両端にそれぞれトラツク形状の回転カム
部１４ａおよびおねじを有するガイド軸１４が貫
通し、圧縮コイルばね１５を介して調節ナツト１
６、ロツクナツト１７により、カム部１４ａの回
転位置を調節可能に固定することができる。ボス
１３のみぞ１３ａには、調節ナツト１６上の一面
上に凸設された突起１６ａが係合する。一対のホ
ルダ部材は、それぞれ、ブラケツト１２のみぞ１
２ａに対応する挿入部１１ａ、カム１４ａ、当接
円周面１１ｂ、ガータスプリング８内みぞ１１ｃ
およびボタン係合内周みぞ１１ｄを備え、ガータ
スプリング８により、カム１４ａ、カム当接円周
面１１ｂが弾性的に当接した状態で保持されてい
る。

対象ボタンサイズに対応するための、各ホルダ
部材１１の開き具合の調節は、ガイド軸１４のカ
ム面１４ａの回転、調節ナツト１６、の操作のみ
で容易に行うことができるのは、前記第１実施例
第１図の場合と同様にあり、同様の効果が得られ
る。

以上、２つの実施例においては、ねじ調節によ
る傾斜カム平面の当接位置もしくは回転カム面と
円周面との等接位置変更を利用したが、このほか
の変形カム機構であつてもよいことはもちろんで
ある。

〔考案の効果〕 以上、説明したように、この考案によれば、ボ
タンホルダの本体ブラケツトに対する各ボタンホ
ルダ部材の相対半径位置を調節可能に構成したた
め、１個のボタンホルダで、容易に広範囲のボタ
ンサイズに対応することが可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係るボタンホルダの一実
施例の分解斜視図、第２図は、他の実施例の分解
斜視図、第３図および第４図は、それぞれ従来例
の斜視図である。 １，１１……各ボタンホルダ部材、２，１２…
…本体ブラケツト、｛１ｂ，４ａ……傾斜カム平
面、１１ｂ／１４ａ……カム当接円周／回転カム
部｝（カム手段）、６，１４……ガイド軸（ねじ駆
動手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 協同して１個のボタンを把持すべき複数のボタ
   ンホルダ部材を、本体ブラケツトに対してそれぞ
   れ半径方向位置を相対的に変位し得るよう構成す
   るとともに、ねじ駆動手段によるカム手段により
   前記各ボタンホルダ部材の前記半径方向変位を行
   わせるよう構成したことを特徴とする根巻きミシ
   ンにおけるボタンホルダ。