JPH0214689B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関するも
のであり、更に詳しくは帯電防止性および耐接着
性の改善されたハロゲン化銀写真感光材料に関す
るものである。 ハロゲン化銀写真感光材料は一般にポリエチレ
ン等のポリオレフイン、ポリエチレンテレフタレ
ート等のポリエステル、セルローズトリアセテー
ト等のセルローズエステル等からなるフイルム、
合成紙、または前記ポリマー物質で紙を被覆した
紙を支持体とし、該支持体面にハロゲン化銀写真
乳剤層をはじめ下引層、中間層、フイルター層、
保護膜層、アンチハレーシヨン層、バツキング層
等を適宜組合せた写真層が塗設されている。 前記支持体のうち、伸縮性が小さく、かつ非吸
湿性の支持体たとえばポリカーボネート、ポリエ
チレンテレフタレートおよびポリスチレンは特に
高い電気絶縁性を有するため、ハロゲン化銀写真
感光材料の製造工程中、並びに使用時に同種また
は異種物質との接触、摩擦もしくは剥離を受ける
ことにより、静電気が蓄積されることが多い。 この蓄積された静電気は多くの障害を引起す。
例えば、Ｘ線フイルムのような高感度を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料では、静電気の放電によ
り発生する光もしくは荷電粒子によりハロゲン化
銀乳剤層が感光し、現像処理により点状、雲状等
の黒化斑、いわゆるスタチツクマークが生ずる。 また、大版のハロゲン化銀感光材料を取扱う場
合、該材料を分離剥離する際に作業者が電気衝撃
を受けることがある。あるいは環境に浮遊する塵
挨を表面に付着することによるスポツトの発生、
および写真層を塗設する製造工程において不均一
塗布を招いたりする等の多くの問題点があり、帯
電を防止することが要求されている。 帯電防止の手段として、従来、帯電放止剤をハ
ロゲン化銀写真感光材料の表面に被着させるか、
あるいはゼラチン、ポリビニルアルコール等のバ
インダーと共に写真層中に含有させることより写
真感光材料の導電性を高める方法が知られてい
る。有用な帯電防止剤として、ポリオキシエチレ
ン化合物（たとえばポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンアリールエーテル等）、
フツ素系活性剤、イリド化合物、有機硼素系化合
物等が知られているが、これらは全て吸湿性を有
するため、耐接着性即ち写真感光材料が高湿、特
に高温高湿下で他物とあるいは相互に接触してお
かれた場合等に接着する性質を悪化させる欠点が
ある。特に帯電防止効果を十分に高める程度に多
量の帯電防止剤を用いると、実用上十分に良好な
耐接着性を得難く、更にハロゲン化銀写真感光材
料の感度かぶり、保存性等の写真性能にも悪影響
を生ずる。 更に、多くの帯電防止剤は、ハロゲン化銀写真
感光材料の製造における塗布特性に影響を与え、
ハロゲン化銀写真感光材料に縞、コメツト、スジ
故障を発生させやすい。これは帯電防止剤がゼラ
チン含有溶液の表面張力および粘度に大きな影響
を与えるためである。 塗布特性を向上するために塗布助剤として種々
の界面活性剤を用いることが知られている。たと
えば、サポニン、アルキルサルフエート、アルキ
ルスルホネート、アルキルカルボキシレート等ま
たはこれらのポリアルキレンオキサイドが付加縮
合した活性剤が知られている。しかしらがら、こ
れらの塗布助剤は帯電防止剤の効果を減少させる
ことが多く、塗布助剤を帯電防止剤に併用しても
塗布性と帯電防止性とを同時に満足することは困
難であつた。 一方、耐接着性を改善する手段として、写真構
成層の表面をマツト化（粗面化）する手段が知ら
れている。マツト化には通常写真層の最上層中に
マツト剤と呼ばれる直径0.1〜10μ程度の固体微粒
子、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化マ
グネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなど
の無機化合物や澱粉、セルロースエステル、ポリ
メチルメタクリレート、アクリル酸およびメタク
リル酸の共重合エステル、ポリビニルアセテー
ト、ポリカーボネート、ポリスチレン等の有機化
合物の微粒子を含有させる手段が採られている。
そして、このようなマツト化により、耐接着性を
改善でき、また帯電防止効果も僅か向上すること
が知られている。 然しながら、帯電防止剤および塗布助剤にマツ
ト剤等を組合せる公知の手段によつては写真性
能、塗布性、耐接着性および帯電防止性の全てに
ついての要求を十分に満足することはできず、更
にこれらの要求を高度に充足する写真感光材料が
要求されている。 本発明の目的は、写真性能、塗布特性、耐接着
性が損われずに優れた帯電防止性を有するハロゲ
ン化銀写真感光材料を提供することである。 本発明の目的は、支持体、および支持体上に少
なくとも一層の写真層を有するハロゲン化銀写真
感光材料において、該写真層の最大層の少なくと
も１層中に水溶性無機塩化物を８〜70mg／m²およ
びマツト剤を含有させ、かつこの水溶性無機塩化
物を８〜70mg／m²及びマツト剤を含有する層には
非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤を含有
させないことによつて達成される。 本発明は、それ自体では殆ど帯電防止性に寄与
しないマツト剤を、通常必要とされる帯電防止性
を与えるに必要な量（200mg／m²〜２ｇ／m²）以
下の微量の無機塩化物と組み合わせて写真層の最
上層中に含有させ、かつ該層には非イオン性ポリ
オキシエチレン界面活性剤を含有させないことに
より、接着性、写真性及び塗布性に悪影響を与え
ることなくハロゲン化銀写真感光材料に対し優れ
た帯電防止性を与えるものである。 本発明に用いられる水溶性無機塩化物として
は、例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等
が挙げられる。これらのうち、工業原料として品
質が高く安定していること、安価なこと、塗布特
性に影響のないこと、BOD負荷がないこと、毒
性がないこと等の点から塩化ナトリウムおよび塩
化カリウムが特に好ましい。 水溶性無機塩化物を写真層用塗布液に添加する
には水に溶解して添加すればよい。添加量は最上
層中の含有量が８mg／m²〜70mg／m²の範囲になる
ことが必要で、これより少いときは帯電防止効果
が不十分であり、またこれより大きいと耐接着性
に問題を生ずる。水溶性無機塩化物は、ゼラチン
水溶液中の拡散速度が大きいことから、必ずしも
最外層に添加する必要はなく、これらに隣接する
層に添加してもよい。通常は、写真構成層を形成
するための塗布液中に直接添加するのが便利であ
るが、表面に噴霧塗布又はその溶液中に浸漬した
後乾燥してもよい。 本発明において用いるマツト剤は、前述のごと
く化学組成が無機及び有機のものを包含する。ま
た、２種のマツト剤、たとえば硬度及び粒径の異
る組合せとして、一種が平均粒径5μで非較的軟
質のポリメチルメタクリルレート、他の一種が平
均粒径１〜3μで硬質の二酸化ケイ素を組合せて
用いてもよい。マツト剤の含有量は支持体の一方
の側について10〜100mg／m²がよく、粒径は約１
〜10μ、平均粒径は３〜6μが好ましい。 なお、マツト剤の含有量は写真感光材料の構
成、各写真層の組成、塗布方式、乾燥条件、包装
形態および使用目的により異なることは勿論であ
る。 本発明によると、次のような優れた効果を奏す
る。 (1) 帯電防止効果が大きいため写真感光材料の高
速搬送が可能となり大判もしくはロール状の写
真感光材料の取扱いが容易となり、作業者に電
気衝撃を与えることがない。しかもスタチツク
マークの発生もなく、また静電気により誘引さ
れた塵埃の付着がなくなり、ピンホール状の欠
陥がなくなる。 (2) 耐接着性が増し、高湿時における接着の故障
もなくなり、これにより写真感光材料の包装形
態を簡易化できる。 (3) 現像液、定着液等の処理液中に帯電防止剤が
流出しても起泡をおこすことがなく、また油状
のスラツヂを生ずることもない。 (4) 水溶性無機塩化物は共に塗布液の延展性を妨
害しないため、写真感光材料の製造時における
塗布故障が少なく、特にスジ、コメツト等が少
ない。従つて製造収率が高い。 (5) 水溶性無機塩化物にマツト剤を併用すること
により、水溶性無機塩化物単独使用の場合に比
較して少量の使用ですむ。 本発明を適用し得るハロゲン化銀写真感光材料
としては、たとえば白黒写真感光材料、カラー写
真感光材料、偽カラー写真感光材料のいずれの型
でもよく、また一般用、印刷用、Ｘ線用、放射線
用等の種々の用途に供せられる写真感光材料をは
じめ、機構的にはネガ型、ポジ型、拡散転写型等
の全ゆる写真感光材料を挙げることができる。 これらのハロゲン化銀写真感光材料に用いられ
るハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、沃化銀、臭化
銀、沃臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀等の通常用
いられるハロゲン化銀を感光成分として使用する
ことができる。 ハロゲン化銀乳剤のバインダーとしてはゼラチ
ンを始め、通常用いられる親水性コロイドが用い
られ、これらの親水性コロイドはハロゲン化銀写
真乳剤層以外の他の写真層、たとえば中間層、保
護膜層、フイルター層およびパツキング層等を作
成する場合にも用いられる。 ハロゲン化銀写真乳剤は貴金属増感、硫黄増
感、還元増感、あるいはさらにポリアルキレンオ
キサイド系化合物による増感等の通常用いられる
化学増感を行なうことができ、また、シアニン色
素、メロシアニン色素、複合シアニン色素等で光
学増感をすることができ、さらに無色カプラー、
カラードカプラー、現像抑制剤放出カプラー等の
種々のカプラーをはじめ、たとえば水銀化合物、
トリアゾール系化合物、アザインデン系化合物、
ベンツチアゾリウム系化合物、亜鉛化合物等の安
定剤、たとえばムコハロゲン酸、ビニルスルホン
化合物等の硬膜剤、たとえばアルキルアクリレー
トもしくはアルキルメタクリレートとアクリル酸
もしくはメタクリル酸との共重合体、スチレン―
マレイン酸共重合体、スチレン―無水マレイン酸
ハーフアルキルエステル共重合体等の乳化重合に
よつて得られる水分散性の微粒子状高分子物質か
らなる膜物性改良剤、たとえばサポニン、ポリエ
チレングリコールラウリルエーテル等の塗布助
剤、たとえば米国特許第2960404号明細書、特公
昭47―5316号公報、特公昭43―4939号公報等に記
載されている如き化合物からなる湿潤剤、その他
通常用いられる写真用添加剤を添加することがで
きる。 また本発明のハロゲン化銀写真感光材料をいわ
ゆるリス用に適用する際には伝染現像特性を改良
し、感度を上昇せしめるため現像促進剤として、
第４級アンモニウム塩（米国特許第2271623号、
同第2944898号明細書、特開昭48―59827号、同49
―123022号公報、特公昭46―21186号、同47―
11116号公報に記載）例えば、１―フエニル―２
―メルカプトテトラゾール、２―メルカプトベン
ツオキサゾール、２―メルカプトベンツチアゾー
ル、２―メルカプトベンツイミダゾール、２―メ
ルカプト―５―ニトロベンツイミダゾール、２―
フエニル―ベンツイミダゾール、ベンツトリアゾ
ール、４―メルカプトピリミジン、２，３―ジヒ
ドロキシ―５―メルカプトピリミジン、５―ニト
ロベンツイミダゾール等を用いることもできる。 またリス用ハロゲン化銀写真感光材料には網点
品質を向上させるために感光層にポリエチレンオ
キサイド系化合物を添加することができる。 また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料に
は、エチレンジアミンテトラ酢酸および米国特許
第3236652号明細書、西独国特許第1170777号、同
第1187132号明細書、特開昭50―3620号、同50―
25218号公報に記載の金属イオン封鎖剤を用いて
もよい。 以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、こ
れらに限定されるものではない。 実施例 １ 臭化銀98.5モル％、沃化銀1.5モル％から成る、
平均粒径1.2μの高感度ハロゲン化銀粒子を含むハ
ロゲン化銀乳剤を調製した。ポリ〔β―メチレン
―ナフタレンスルホン酸ナトリウム〕を用いてフ
ロキユレーシヨン法により充分に脱塩を行つた。
金増感剤と硫黄増感剤を用いて化学熟成し、ハロ
ゲン化銀１モル当たり次の写真用添加剤を添加し
た。 ４―ヒドロキシ―６―メチル―１，３，3a，
７―テトラザインデン 1.2ｇ ジエチレングリコール 11.0ｇ グリオキザール 1.2ｇ ジエチルヘキシルサクシネートスルホン酸ナト
リウム 1.5ｇ パラニトロフエニル―トリフエニルフオスフア
イドクロライド 0.2ｇ このようにして調製した塗布液を銀４ｇ／m²、
ゼラチン1.7ｇ／m²になるように、ポリエチレン
テレフタレート支持体上に塗布し、更に下記の組
成の上層をゼラチン量が1.2ｇ／m²になるように
塗布して試料とした。但し、上層の塗布液中に表
―１に示す帯電防止剤及びマツト剤を乾燥後の上
層の帯電防止剤の含有量が表―１に示す量になる
ように含有させた。なおマツト剤としては平均粒
径3μのポリメチルメタクリレートを用いた。 ゼラチン 100ｇ ジエチルヘキシルサクシネートスルホン酸ナト
リウム １ｇ ムコクロル酸 １ｇ

【表】

〔現像液組成１〕

Ｎ―メチル―ｐ―アミノフエノール硫酸ナトリ
ウム ６ｇ ハイドロキノン 10ｇ 無水亜硫酸ナトリウム 60ｇ 炭水ナトリウム一水塩 54ｇ 臭化カリウム ３ｇ エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 １ｇ 水を加えて１とし、PH10.00に調整する。 結果を表１に示す。 表―１に示されるように、マツト剤は単独では
実質上帯電防止効果がない。また塩化ナトリウム
又は塩化カリウムを単独で増量していくと、帯電
防止性能は向上するが同時に耐接着性が著しく悪
化し、帯電防止性と耐接着性とを同時に充たす領
域はない。しかるにこれにマツト剤を併用するこ
とにより、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを単
独で同一添加量添加したときより帯電防止性能が
向上し、同時に耐接着性も向上する。従つて、本
発明は高速搬送を要する高感度写真感光材料とし
て、特にすぐれた特性を有することがわかる。 実施例 ２ 臭化銀25モル％、沃化銀0.5モル％を含む塩臭
化銀乳剤を調製した。平均粒径は0.25μで、全粒
子の50％が平均粒径の0.6〜1.4倍の範囲にあり、
且、全粒子の50％が実質的に立方体をなしてい
る。この乳剤を、金増感剤と硫黄増感剤を用いて
化学熟成し、ハロゲン化銀１モル当り、次の写真
用添加剤を添加した。

【表】 斯く調製された塗布液を、銀4.7ｇ／m²、ゼラ
チン２ｇ／m²になるように、ポリエチレンテレフ
タレート、ポルカボネート及びセルローストリア
セテート支持体に塗布し、更に下記の組成の最上
層を、ゼラチン1.5ｇ／m²になるように塗布して、
試料とした。 ゼラチン 100ｇ 帯電防止剤 表―２に記載のとおり ポリメチルメタクリレート（平均粒径4μ）
３ｇ ムコクロル酸 １ｇ ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム ２ｇ これらの試料について実施例１の方法により、
スタチツクマークの発生度合、塗布特性及び耐接
着性を測定した。その結果を表―２に示す。 ここで塗布特性の評価方法は、塗布乾燥した試
料の単位面積中に表われた縞、コメツト、筋を総
合的に勘案し、１〜５まで累進的評価を行つた。
即ち５は全く発生がないこと、１は、ほぼ全面に
故障が認められることを示す。

【表】

〔現像液組成２〕

ハイドロキノン 15ｇ ホルムアルデヒド酸性亜硫酸ナトリウム 50ｇ 無水亜硫酸ナトリウム 2.5ｇ 炭酸ナトリウム 74ｇ 臭化カリウム 2.5ｇ トリエタノールアミン ８ｇ ５―ニトロインダゾール 10mg 水を加えて１とし、PH9.80に調整する。 次に、ポリエチレン支持体上に下記の組成のバ
ツキング層をラチン３ｇ／m²になるように塗布し
た。この試料についても実施例１の方法により表
面比抵抗を測定しその結果を表―３に示す。 〔バツキング層組成１〕 ゼラチン 100ｇ ジエチレングリコール ２ｇ 酸性フクシン ２ｇ 二酸化ケイ素（平均粒径4μ） 1.5ｇ ジエチルヘキシルサクシネートスルホン酸ナト
リウム 1.5ｇ 酢酸ビニル／塩化ビニル共重合体ラテツクス
５ｇ ホルマリン 0.5ｇ 帯電防止剤 ２ｇ 〔バツキング層組成２〕 ゼラチン 100ｇ トリメチロールプロパン ２ｇ タートラジン ３ｇ サポニン ２ｇ ポリメチルメタクリレート（平均粒径5μ）
1.5ｇ ムコクロル酸 1.1ｇ 帯電防止剤 ２ｇ

【表】 表―３に示されるように、マツト剤と塩化ナト
リウム又は塩化カリウムの併用により著しく導電
性が向上していることがわかる。 実施例 ３ 塩化銀65モル％、臭化銀35モル％から成る塩臭
化銀乳剤を調製した。平均粒径は0.3μである。こ
の乳剤を硫黄増感剤を用いて化学熟成し、ハロゲ
ン化銀１モル当たり、次の写真用添加剤を添加し
た。 ４―ヒドロキシ―６―メチル―１，３，3a，
７―テトラデインデン 1.1ｇ ５―〔（３―γ―スルホプロピル―２―ベンゾ
オキサゾリニリデン）―エチリデン〕―１（β
―ヒドロキシエチル）―３―フエニルチオヒダ
ントイン 100mg ３―アリル―５―〔１―メチル―２―（1H）
―ピリジリデン〕―ローダニン 35mg ポリエチレングリコール（分子量2000）オレエ
ート 0.5ｇ サポニン 1.2ｇ ムコクロル酸 0.5ｇ こうして調製した塗布液を、銀4.5ｇ／m²、ゼ
ラチン1.7ｇ／m²になるように実施例２の試料番
号34、35、36の試料裏面に塗布し、更に下記の組
成の保護層をゼラチン1.5ｇ／m²になるように塗
布して試料とした。 ゼラチン 100ｇ ホルマリン 1.7ｇ 帯電防止剤 ５ｇ サポニン ３ｇ ポリメチルメタクリレート（平均粒径5μ）
7.5ｇ 各試料についてハロゲン化銀乳剤を含む面の表
面比抵抗を実施例２の方法で測定した。次に耐接
着性をみるために、各試料を２部づつ用意し、23
℃、80％RHで20時間調湿し、互にバツキング層
とハロゲン化銀乳剤層を接触させた後、実施例１
と同様にアルミ箔／ポリエチレンでラミネートさ
れた袋中にヒートシールし、１Kgの荷重をかけて
55℃で６時間保つた後接着面積率を求めた。試料
内訳と結果を表―４に示す。

〔発色現像液組成〕

４―アミノ―３―メチル―Ｎ―エチル―Ｎ―
（β―ヒドロキシエチル）―アニリン硫酸塩
4.75ｇ 無水亜硫酸ソーダ 4.25ｇ ヒドロキシルアミン1/2硫酸塩 2.0ｇ 無水炭酸カリウム 37.5ｇ 臭化ナトリウム 1.3ｇ ニトリロトリ酢酸３ナトリウム塩（１水塩）
2.5ｇ 水酸化カリウム 1.0ｇ 水を加えて１とし、PHを10.0に調整する。 〔漂白液組成〕 エチレンジアミンテトラ酢酸鉄アンモニウム塩
100.0ｇ エチレンジアミンテトラ酢酸２アンモニウム塩
10.0ｇ 臭化アンモニウム 150.0ｇ 氷 酢 酸 10.0ml 水を加えて１とし、PHを6.0に調整する。 〔定着液組成〕 チオ硫酸アンモニウム50％水溶液 162ml 無水亜硫酸ナトリウム 12.4ｇ 水を加えて１とし、PHを6.5に調整する。 〔安定浴組成〕 ホルマリン37％水溶液 5.0ml コニダツクス（小西六写真工業株式会社製）
7.5ml 水を加えて１とする。 現像処理した試料について青光でセンシトメト
リーを行つた。これらの結果を表―５に示す。 但し、感度は、試料番号40の即日処理試料の感
度を100とした相対感度で表わした。

【表】 表―５から、本発明に係る試料は導電性が優
れ、かつ保存性についても悪影響のないことがわ
かる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 支持体、および支持体上に少なくとも一層の
   写真層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
   て、該支持体が実質的にポリエチレンテレフタレ
   ートであり、前記写真層の最上層の少なくとも一
   層中に水溶性無機塩化物を８〜70mg／m²およびマ
   ツト剤を含有せしめ、かつ前記水溶性無機塩化物
   及びマツト剤を含有する層には非イオン性ポリオ
   キシエチレン界面活性剤を含有させないことを特
   徴とするハロゲン化銀写真感光材料。