JPH0214600Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は一側足場用ブラケツトに係り、布板
一側足場の布板を建地に取付ける場合に用いる改
良された一側足場用ブラケツトに関する。

一般に、一側足場は本足場や枠組足場などと比
較して手軽に組立てることができるものである。
故に、足場の組立作業が行い難い場所へ設置され
ることも少なくない。このようなことから一側足
場のブラケツト類は、より簡単で作業し易いもの
が望まれている。第４図に示す如く、従来の布板
一側足場における布板Ｂの装着は、クランプ金具
１６を使用したブラケツトを建地Ａの適位置に固
定する構造になつている。ところが、クランプ金
具１６によつてブラケツトを固定する場合に、ク
ランプ金具１６を緊結するボルト１７類を締めな
ければならないものであつた。したがつて締付作
業によるブラケツトの装着は手間が掛り、能率が
悪い上に、作業し難い位置ではボルト１７類の締
付トルクが不足して安全な状態に取付けられない
場合も生じていた。

そこでこの考案は上述の欠点を解消すべく案出
されたもので、建地の側面周囲に固着した環体状
の支着体と、支着体の側面に嵌合せしめる平面略
コ字状の側板を有し、該側板の上端から支着体の
上面部に係止する係止片を側板内側に向けて水平
に延長した嵌着部を設け、布板を懸架させる架体
を一側板の外側に水平に設けると共に、架体の下
側面から斜め下方に支持体を延長して建地側面に
当接せしめる足場受体と、該足場受体の嵌着部の
対向する両側板に挿脱自在で前記支着体に足場受
体を固定する楔具とから成ることを要旨とするも
のである。

以下、第１図乃至第３図を参照してこの考案の
実施例を詳細に説明する。

図に示す１はパイプ製建地Ａの側面周囲に固着
する環体状の支着体であり、また２は支着体１に
装着せしめる足場受体を示し、更に５は支着体１
に足場受体２を固定する楔具である。

支着体１は建地Ａの適位置にあらかじめ溶接手
段等にて固着しておくものであり、図示例ではス
ポツト溶接によつて固着してある。更に支着体１
は後述する平面略コ字状の側板６を有する嵌着部
４を装着することから、支着体１の形状を平面矩
形状に形成することで足場受体２の方向を定めて
装着できると共に、足場受体２の回転防止にもな
る。また、図示していないが平面六角形状や楕円
形状等でも同様の効果を得られる。

次に足場受体２は、支着体１に嵌合する嵌着部
４と布板Ｂを懸架させる架体３と架体３を支持す
る支持体８とから成る。嵌着部４は、支着体１の
側面に嵌合せしめる平面略コ字形状を成した側板
６を有し、該側板６の上端から支着体１の上面部
に係止する係止片７を側板６内側に向けて水平に
延長してある。

更に、架体３は嵌着部４の側板６の外側に水平
に設ける。図における架体３は、パイプ材の一端
部を嵌着部４の中央の側板６に溶接して水平に固
着したものを示している。更にこのパイプ材の他
端部にも前述した嵌着部４を設けることで二側足
場としても用いることができる。また、図示例に
限らず板面が鉛直方向に沿つている帯状鋼板を用
いた架体３であつても良い。

支持体８は、架体３の下側面から斜め下方に延
長した建地Ａ側面に当接せしめるものである。図
においてはパイプ材を使用して一端部を架体３に
溶接し、建地Ａに当接する他端部に平面略Ｕ字形
状を成した保持部９を設けて支持体８と建地Ａと
の当接面がずれないようにしてある。

次に、楔具５は足場受体２の嵌着部４の対向す
る側板６に着脱自在に挿通して嵌着部４の開放さ
れた前側部に横架するものである。図においての
楔具５は断面の縦横の長さが等しい略Ｌ字形状を
成しており、嵌着部４の側板６に同じ大きさの挿
通孔１０を一対穿設することで側板６の左右いず
れからでも楔具５を挿入できるように形成してあ
る。また、嵌着部４を支着体１に嵌合したとき
に、この楔具５が前記支着体１の側面に当接する
位置に横架した支着体１と嵌着部４とを緊定する
ならば足場受体２の固定を確実なものにできる。
また、図示していないがＬ字状楔具５の一方の側
面内側を支着体１の側面に当接し、且つ他方の側
面内側を支着体１の下面部に当接するようにして
接着するならば、より効果的な固定が可能であ
る。

次にこの考案の使用例を説明する。まず、建地
Ａに固定した支着体１に嵌着部４を嵌合すると共
に、支持体８を建地Ａに当接させ、更に嵌着部４
の解放した前側部に楔具５を横架して嵌着部４を
固定することで足場受体２を支着体１に連結す
る。そして布板Ｂの端部に設けられた取付金具Ｃ
を架体３に懸架して装着するものである。

このとき布板Ｂの取付金具Ｃを第１図及び第２
図に示す如く、足場受体２を介して連続する布板
Ｂ同士が互いに掛合し合う構造の取付金具Ｃに形
成するならば、布板Ｂの装着を極めて確実に行な
うことができる。すなわち、布板Ｂの一端部両側
に断面略Ｌ字形状を成し、且つ中央部に布板Ｂ側
面に突出する係止ピン１１を設けた係止体受部１
２を突設すると共に、この布板Ｂ他端部の取付金
具Ｃを布板Ｂ側面から延長して形成し、前記架体
３を懸架せしめるフツク部１３に落下錠１４を装
備し、且つこのフツク部１３の先端を更に延長し
て係止ピン１１に係止せしめる係止部１５を形成
するものである。布板Ｂの取付金具Ｃをこのよう
に形成することによつて、足場受体２を介して連
続する布板Ｂ同士を互いに係合させることが可能
になり、一側足場における布板Ｂの装着をより確
実に行なうことができる。

この考案は上述の如く構成したことによつて、
一側足場の組立や解体を極めて容易に行なえる。
すなわち、環体状の支着体１は建地Ａの側面周囲
に固着してあるので、足場の組立現場において装
着する必要がなくなり、作業工程が簡略化する。
更に、支着体１をあらかじめ固着することで各建
地Ａに固着する支着体１夫々の高さを正確に揃え
られる。このことから、安全基準に適つた規定通
りの位置へ布板Ｂを懸架できる。

また、足場受体２は、支着体１の上面部に係止
する係止片７を有し、且つ支着体１の側面に嵌合
せしめる平面略コ字状の嵌着部４を設けてあるの
で、建地Ａに固着された支着体１に容易に嵌合し
て係止できる。更に、足場受体２は布板Ｂを懸架
させる架体３を嵌着部４の一側板６の外側に水平
に設けてあるので、布板Ｂに装着された取付金具
Ｃに着脱自在に懸架させることができる。また、
支持体８を架体３の下側面から斜め後方に延長し
て建地Ａ側面に当接せしめてあるので、架体３を
水平に保持できる。

そして楔具５は、足場受体２の嵌着部４の両側
板６に挿脱自在に設けてあるので、楔具５の挿脱
のみで支着体１と足場受体２とを容易に着脱でき
る。従つて、従来のようにボルト類の締付作業を
必要とせず簡単で確実な装着ができるので、一側
足場の布板Ｂを取付ける支持金具として最適なも
のとなる。

このようにこの考案によれば、一側足場の組立
工程を簡略化し、しかも極めて簡単な作業で確実
に装着できる上に、規定通りの安全な足場を組立
てられる等と実用上有益な種々の効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は分解斜視図、第２図は装着状態を示す平面
図、第３図は第２図における−線断面図、第
４図は従来例を示す斜視図である。 １……支着体、２……足場受体、３……架体、
４……嵌着部、５……楔具、６……側板、７……
係止片、８……支持体、９……保持部、１０……
挿通孔、１１……係止ピン、１２……係止体受
部、１３……フツク部、１４……落下錠、１５…
…係止部、１６……クランプ金具、１７……ボ
ル、Ａ……建地、Ｂ……布板、Ｃ……取付金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建地の側面周囲に固着した環体状の支着体と、
   支着体の側面に嵌合せしめる平面略コ字状の側板
   を有し、該側板の上端から支着体の上面部に係止
   する係止片を側板内側に向けて水平に延長した嵌
   着部を設け、布板を懸架させる架体を一側板の外
   側に水平に設けると共に、架体の下側面から斜め
   下方に支持体を延長して建地側面に当接せしめる
   足場受体と、該足場受体の嵌着部の対向する両側
   板に挿脱自在で前記支着体に足場受体を固定する
   楔具とから成ることを特徴とする一側足場用ブラ
   ケツト。