JPH0214300Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内部に永久磁石の界磁をもつ偏平回転
電機をブラケツトに取付ける構造に関するもので
ある。

従来は、偏平モータの２分割されたハウジング
をリベツトやビスで組付け、モータ単体として完
全に組付けられたものを、ブラケツトに取付けて
いた。従つて、ハウジング相互を組付ける手段と
なるビス等の他に、ブラケツトに取付ける手段と
なるビス等も必要であり、価格がその分高くなる
と共に、取付け工数も増加する。

本考案は上記の問題点に鑑み、回転電機の組付
およびその取付が簡単であり、コストおよび工数
を削減できる偏平回転電機の取付構造を提供する
ことを目的とする。

以下、本考案取付構造の一実施例を図面に示し
て説明する。

第１図および第２図において、アーマチヤ１に
ついて説明すると、外周部に段付部２ａ，２ｂを
有したアルミニウムのダイカストおよび冷鍜加工
等からなるセンタピース２の段付部２ａに偏平状
のアーマチヤプレート３をガラスクロス等からな
るインシユレータ４，５によつて絶縁して当接さ
せ、次にアルミニウム、鉄板等からなるセンタリ
ング６を前記インシユレータ４の左側に当接さ
せ、最後に前記センターピース２の段付部２ｂを
かしめて前記アーマチヤプレート３をセンターピ
ース２に固定している。

なお、アーマチヤプレート３の固定力を強くす
るためインシユレータ５の両面に接着剤を塗布し
て固着させてもよい。又、センターピース２の内
周部に位置する段付部２ｄに、ツバ部７ａを有す
る含油軸受７の円筒部７ｂを圧入し、段付部２ｄ
にツバ７ａを当接している。

又、反対側の段付部２ｅにボールベアリング８
の外輪８ａを当接している。この外輪８ａはセン
ターピース３の内周部２ｆに圧入され段付部２ｅ
に当接している。又、センターピース２の端面２
ｆに負荷（フアン）９を固定するためのビス１０
取付用のネジ部２ｇを数個所設けている。

次に、一方のハウジング１１について説明す
る。

これは冷間圧延鋼板を２段に絞り、内周部の絞
り部１１ａの中央にバーリング１１ｂを内側方向
に向けて設けている。又、ハウジング１１にはブ
ラシホルダ１２を挿入できる角穴１１ｃを１個設
けている。

１３は軸でありツバ１３ａと段付部１３ｂと円
柱部１３ｃとを有し、含油軸受７とボールベアリ
ング８の内側に位置する。この軸１３は全体が炭
素鋼よりなり前記バーリング１１ｂの内周部に圧
入されている。

そして、軸１３のツバ１３ａは防水のためにハ
ウジング１１の端面にリング状に溶接（溶接部は
１３ａ１）して固定される。

又、軸１３のツバ１３ａとは反対側の部所には
溝１３ｄが設けられており、この溝１３ｄにＥリ
ング２２が嵌め込まれている。

又、ハウジング１１の外周部にはバーリング１
１ｂと同様に内側を向いた絞り部１１ｄを設けて
いる。１１ｅは電動フアン取付用孔である。

ブラシホルダ１２はフエノール樹脂等で成形さ
れており、角穴１２ａを内部に持ち、この角穴１
２ａの中にブラシ１４とブラシ１４の押え用スプ
リング１５を挿入しておりブラシ１４が図中右側
に摺動するようにスプリング１５で付勢されてい
る。ブラシ１４のピクテール１４ａはターミナル
１６の内側端に溶接して接続されている。

又、ターミナル１６にはストツパ用爪部１６
ａ，１６ｂを設けており、ブラシホルダ１２の角
穴状スリツト１２ｂに挿入されて爪部１６ａ，１
６ｂの作用により抜けなくなつている。又、ター
ミナル１６の先端部に穴１６ｃを設け、穴１６ｃ
には第２図に示すリードワイヤ１９の心線部１９
ａを挿入し半田付して、接続している。

又、ハウジング１１の平坦部１１ｆにはリング
状の磁石２０を接着剤にて固着している。ハウジ
ング１１の外周部には他方のハウジング１７の外
径部をおおうように軸方向に曲がつた絞り部１１
ｄを設けている。

次に他方のハウジング１７は冷間圧延鋼板から
なり、その内周部に円筒部１７ａを設けている。
円筒部１７ａの内周部は前記アーマチヤ１のセン
ターピース２の段付部２ａの外径より大きくす
る。又、円筒部１７ａの先端部を防水、防じんの
ため内側に折り曲げている。

円筒部１７ａの外周部には防水用の冷間圧延鋼
板からなるキヤツプ１８の円筒部１８ａを圧入す
る。キヤツプ１８には円筒部１８ａと直角方向に
延びた水切り部１８ｂを設けている。

１７ｂはモータハウジング１７の絞り深さであ
り、アーマチヤプレート３がハウジング１７に接
触しない寸法に選定される。このハウジング１７
の外周部には平坦部１７ｃを設け、ハウジング１
７の外周部はハウジング１１の外周部１１ｄより
小さくされている。

又、平坦部１７ｃに位置決め用およびモータ固
定用のバーリング１７ｄを設けており、このバー
リング１７ｄの内周部にネジ１７ｅを設けてい
る。

次に上記実施例の組付順序について説明する。

先ず、ハウジング１１に固定された軸１３を含
油軸受７とボールベアリング８との内径部に挿入
する。

挿入前、アーマチヤプレート３の表面と磁石２
０の表面との間の〓間寸法を確保するため、含油
軸受７の端面と軸１３の段付部１３ｂとの間に〓
間調整用のスラストワツシヤ２１を必要に応じ挿
入して組付ける。

挿入後ボールベアリング８の端面に必要スラス
ト量を確保するため、必要に応じ調整用スラスト
ワツシヤ２１ａを挿入し、軸１３の溝１３ｄにＥ
リング２２を圧入しスラスト止めを行う。

アーマチヤ１組付後、ハウジング１７の外周平
坦部１７ｃに全周に防水用のシール剤を塗布し、
ハウジング１１とハウジング１７とを合せて組付
ける。この時、ハウジング１７は、ハウジング１
１の磁石２０の吸引力により固定される。

次にフアン２３の組付法について説明する。ア
ーマチヤセンターピース２の端面にフアン２３の
金属製インサー１部２３ａを当ててビス２４で締
付固定しビス２４の頭部に防水のためシール剤を
塗布する。

次に、この回転電機の取付構造について説明す
ると、取付ブラケツトとなるシユラウド２５の端
面にハウジング１１を当接させ、ハウジング１７
のバーリング１７ｄ部のネジ１７ｅ部にビス２６
を挿入し、締付固定する。

次に、その他の実施例について説明する。

センターピース２とアーマチヤプレート３とを
樹脂にて一体成形してもよい。その場合、インシ
ユレータ４，５、センタリング６を廃止できる。

又、スラスト止め方式として、Ｅリング２２を
軸１３の溝１３ｄに圧入するかわりに、内側に複
数の爪を有する歯付ワツシヤを軸方向から、必要
スラスト量に応じ圧入してもよい。その場合、ス
ラストワツシヤを必要に応じ挿入する。

又、アーマチヤプレート３の両側のエヤーギヤ
ツプ調整法として、スラストワツシヤ２１，２１
ａを挿入するかわりに、ボールベアリング８の内
輪と軸１３の円柱部１３ｃとを圧入固定できる寸
法にし、アーマチヤプレート３の両側の必要エア
ーギヤツプが確保できるように軸１３にベアリン
グ８を圧入してもよい。このようにすればスラス
トワツシヤ２１，２１ａの使用が不要になり、組
付が容易になる。

又、フアン２３取付用ビス２４からの水浸入対
策として、シール剤をビス２４の頭部に塗布して
いるが、他の実施例として、アーマチヤセンター
ピース２の右端面に防水用のシール剤および発水
剤等の塗布を行つても良い。又、シール板（パツ
キン）やＯリング等を介してフアン２３をセンタ
ーピース２に組付けてもよい。

又、アーマチヤプレート３の外周両面に絶縁性
塗料を塗布するか又は、あるいはそれと共に薄い
絶縁シートを貼付し、振動等によるアーマチヤプ
レート３のたわみを防止しアーマチヤプレート３
がハウジング１７に接触してアースすることを防
止しても良い。

なお、アーマチヤプレート３に対向するハウジ
ング１７の内周および磁石２２の表面に前記絶縁
性塗料に塗布又は薄い絶縁シートを貼付してもよ
い。

又、アーマチヤプレート３固定用のアーマチヤ
センタリング６は、インシユレータ５の両面に接
着剤を塗布し固定力を増すことにより廃止するこ
とができる。

又、キヤツプ１８をハウジング１７に圧入して
いるが、ハウジング１７の先端部１７ａを絞るこ
とによりキヤツプ部を一体に成形してもよい。

又、フアン２３の取付けはネジ２４にて締付け
固定しているが、アーマチヤセンターピース２の
端面部に凸部を設け、フアン２３のインサート部
２３ａの穴に凸部を貫通させ、貫通した凸部の内
側に複数の爪を有する歯付ワツシヤを圧入して固
定してもよい。

なお、ハウジング１１，１７は鋼鉄等の強磁性
体から成り永久磁石２０の磁力で仮固定できるも
のでなければならない。又、本考案でバーリング
１７ｄと称する部分はプレス成形で金属板から切
り起こされた円筒状の突起である。また、取付具
２６はビスの他、リベツトやボルトでも良い。

又、ブラケツト２５はシユラウドの他、アーム
状ブラケツト等でも良い。

以上述べたように本考案においては、永久磁石
２０の軸方向に作用する磁力により、軸方向にハ
ウジング１１，１７が抜けたり相対的に回転する
こともなく、充分な仮固定ができ、かつこの偏平
回転電機をブラケツト２５に取付ける時に、同時
にハウジング１１，１７相互も強固に固定でき、
取付具２６は回転電機の組立てを完了させる部材
であると同時に回転電機をブラケツトに取付ける
部材でもあるので、共用が可能であり、工数も削
減できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案取付構造の一実施例を示す一部
断面図、第２図は第１図図示のモータ本体部の左
側面図である。 １１，１７……ハウジング、２０……永久磁
石、１７ｄ……バーリング、１１ｅ……孔、１７
ｅ……ねじ、２５……ブラケツト、２６……取付
具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ２分割された強磁性体のハウジング１１，１７
   を有する偏平回転電機のブラケツト２５への取付
   構造において、 前記ハウジングの一方１７の外周部に突出形成
   されたバーリング１７ｄと、 前記ハウジングの他方１１の外周部で前記バー
   リング１７ｄと対応する位置に設けられた孔１１
   ｅと、 前記両ハウジング１１，１７内部に固定され、
   軸方向空〓に界磁磁束を作用させると共に、磁力
   により前記両ハウジング１１，１７を吸引結合す
   る永久磁石２０と、 前記磁力のみにより吸引結合された前記両ハウ
   ジング１１，１７を、前記ブラケツト２５と、前
   記一方のハウジング１７の孔１１ｅと、前記他方
   のハウジング１７のバーリング１７ｄとを貫通し
   て、前記ブラケツト２５へ結合固定する共通の取
   付具２６とを、 備えることを特徴とする偏平回転電機の取付構
   造。