JPH0214249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主に、発電所や変電所等で使用され
る電気ケーブルを損傷させることなく所定位置に
確実且つ容易に固定支持できるようにした電気ケ
ーブル用固定支持具に関する。

（従来の技術） 従来、電気ケーブルを所定位置に固定支持させ
るには、適宜Ｕ溝を有する一対の木片で電気ケー
ブルを上下から挟むようにして固定支持してい
た。

また、実公昭54−15183号公報に記載されてい
るような橋梁添架ケーブルの振動障害防止装置が
提案されている。これは、橋梁の主桁に取付ける
Ｌ形鋼の一辺に嵌装し止ネジにより固定される断
面コ字状の底板と、上記底板のその一端にねじ部
を有する二個のボルトが固着され、上記二個のボ
ルトに嵌装され、その中央部に橋梁添架管を載置
するための断面半円弧状の嵌合部を形成する受板
と、前記二個のボルトにおいて前記受板と前記底
板との間にそれぞれ介装されるばねとからなるも
のである。

（考案が解決しようとする課題） ところが、前述の如く、一対の木片で電気ケー
ブルを上下から挟むようにしたものは、木片のＵ
溝の角部等で電気ケーブルが擦られて、電気ケー
ブルが損傷したりする虞れがあつた。しかも、電
気ケーブルの固定支持作業が非常に面倒でつた
り、電気ケーブルをカーブさせた状態にて支持し
なければならないような場合、これが非常に面倒
であつた。

また、前述の如き橋梁添架ケーブルの振動障害
防止装置にあつては、電気ケーブルをカーブさせ
た状態にて支持しなければならないような場合、
これがこれを安定的に支持できない難点があつ
た。

（課題を解決するための手段） そこで、本考案は、従来存した前述の如き難点
等を解消し、電気ケーブルの損傷を防止できるよ
うにすると共に、電気ケーブルの装着が確実且つ
容易に行えるようにし、更に、電気ケーブルをカ
ーブさせた状態でも確実に支持できるような電気
ケーブル用固定支持具の提供を目的とし、具体的
には、複数の取付孔５が適宜穿設されている底板
２の両側縁に一対の平行な側板３を適宜立設して
なる基体１と、この基体１の両端部分における一
対の側板３間に、基体１に対して夫々揺動可能で
且つ基体１に対して任意の位置で固定可能となる
よう止ボルト１５及び止ナツト１６を介して架設
される一対の可動片１０とを備えてなり、可動片
１０は、電気ケーブル３０が載置可能となるよう
適宜帯板を全体略Ｕ字状に折曲げて構成されると
共に、結束バンド２０が挿通可能となるバンド挿
通孔１２が穿設され、結束バンド２０を介して電
気ケーブル３０を夫々の可動片１０に緊締可能と
なるよう構成する手段を採用した。

（実施例） 以下、本考案を図示例について説明する。

図中Ｋは、本考案の固定支持具を示し、この固
定支持具Ｋは、複数の取付孔５が適宜穿設されて
いる底板２の両側縁に一対の平行な側板３を適宜
立設してなる基体１と、この基体１の両端部分に
おける一対の側板３間に、止ボルト１５及び止ナ
ツト１６等を介して基体１に対して揺動可能とな
るよう架設される略Ｕ字状の可動片１０とからな
る。

第１図に示す基体１は、矩形状底板２と、底板
２両側縁に夫々立設される正両略Ｔ字状の一対の
側板３とが一体的に形成されており、また、第４
図に示す基体１は、矩形状底板２と、この底板２
両側縁に夫々立設される正面略Ｔ字状の側板３と
を一体的に形成し、更に、底板２に適宜間隔で複
数の側板３を適宜立設して、複数の電気ケーブル
３０を固定支持できるように形成されている。
尚、側板３の数及びその間隔等は図示例に限定さ
れることなく適宜自由に設定できる。

前述した基体１の底板２には、アンカーボルト
４０が挿通可能な取付孔５が適宜穿設されてお
り、一対の側板３には、止ボルト１５が挿通可能
な可動片装着孔４や、アース端子を接続するため
のアース取付孔６や、適宜肉抜孔等が適宜が穿設
されている。

可動片１０は、適宜帯板を略Ｕ字状に折曲げて
構成され、その両上端部には角孔状の止ボルト挿
通孔１１が夫々穿設されており、この止ボルト挿
通孔１１の下方には結束バンド２０が挿通可能な
バンド挿通孔１２が夫々穿設されている。また、
可動片１０中央下部両側端縁部分は、若干下方に
向つて湾曲するように折り曲げられており（第２
図参照）、電気ケーブル３０にこの側端縁部分が
食い込んで電気ケーブル３０が損傷するのを防止
している。更に、可動片１０の止ボルト挿通孔１
１部分は、その内面側を窪ませて、止ボルト１５
の頭が半分程度収容できるように構成されてお
り、（第３図参照）止ボルト１５の丸く形成され
た頭と共に電気ケーブル３０の損傷を防止してい
る。また、止ボルト１５は、その根部が角根状に
形成されており、止ボルト挿通孔１１に嵌合し
て、止ナツト１６での締付け作業が容易に行える
ように構成されている。尚、図中１７は平座金、
１８はバネ座金である。

本考案は、前述の如く構成されており、次にそ
の使用例について説明する。

先ず、所定位置に植設されたアンカーボルト４
０に固定支持具Ｋを装着せしめてナツト４１で固
定する。そして、電気ケーブル３０を一対の可動
片１０に載置すると共に、結束バンド２０で可動
片１０に夫々締着する。尚、電気ケーブル３０を
一直線状に支持するときや若干湾曲させて支持す
るとき等は、これらに応じて基体１に対する可動
片１０の取付角度を調整して、止ボルト１５、止
ナツト１６、平座金１７、及びバネ座金１８を介
して可動片１０を基体１に適宜取付角度にて確実
に固定する。アース取付孔６には、ボルトナツト
等を介してアース端子が接続される。

（考案の効果） 従つて、本考案は、複数の取付孔５が適宜穿設
されている底板２の両側縁に一対の平行な側板３
を適宜立設してなる基体１と、この基体１の両端
部分における一対の側板３間に、基体１に対して
夫々揺動可能で且つ基体１に対して任意の位置で
固定可能となるよう止ボルト１５及び止ナツト１
６を介して架設される一対の可動片１０とを備え
てなり、可動片１０は、電気ケーブル３０が載置
可能となるよう適宜帯板を全体略Ｕ字状に折曲げ
て構成されると共に、結束バンド２０が挿通可能
となるバンド挿通孔１２が穿設され、結束バンド
２０を介して電気ケーブル３０を夫々の可動片１
０に緊締可能となるよう構成したので、基体１に
対して揺動可能な一対の可動片１０によつて電気
ケーブル３０の支持角度を適宜自由に設定でき、
例えば、太い電気ケーブル３０をカーブさせた状
態のまま確実且つ強固に支持できるようになると
共に、電気ケーブル３０を滑らかにカーブさせた
状態で支持でき、電気ケーブル３０を損傷せしめ
ることなく最適な状態で支持できるようになる。

また、基体１の底板２に穿設した取付孔５を利
用することで、固定支持具Ｋ自体の取付け作業が
簡単且つ確実に行えるようになる。

更に、基体１の両端部分における一対の側板３
間に、一対の可動片１０配してあるので、電気ケ
ーブル３０を固定支持具Ｋで極めて安定的に支持
できるようになる。

しかも、可動片１０は、結束バンド２０が挿通
可能となるバンド挿通孔１２が穿設され、結束バ
ンド２０を介して電気ケーブル３０を夫々の可動
片１０に緊締可能となるよう構成したので、電気
ケーブル３０の固定支持具Ｋへの装着作業が非常
に簡単に行えるようになると共に、電気ケーブル
３０を整然と所定位置に配設できるようになる。
また、電気ケーブル３０の上半分がわを覆うよう
になるのは結束バンド２０だけとなり、電気ケー
ブル３０自体に異常（特に、外部的な傷等）等が
生じた場合、これを容易に視認できるようにな
り、電気ケーブル３０の保守点検等も能率良く行
え、電気ケーブル３０自体の交換作業も固定支持
具Ｋを取外すことなく容易に行えるようになる。

尚、第４図に示すような固定支持具Ｋを構成し
た場合は、多数の電気ケーブル３０を整然と固定
支持できるようになる。

以上説明したように本考案によれば、電気ケー
ブルを真直ぐ支持できるのは勿論のこと、電気ケ
ーブルを適宜曲率半径のカーブ状態とした場合で
も、確実且つ安定的に支持でき、更に、電気ケー
ブルを所定位置に確実に固定できるようになると
共に、電気ケーブル自体を損傷する虞れもなく、
電気ケーブルを装着でき、しかも、構成が簡素
で、堅牢性に優れ、その製作が容易となり、安価
に提供できる等の実用上極めて優れた効果を奏す
るものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を例示するもので、第１図は分解
斜視図、第２図は縦断正面図、第３図は縦断側面
図、第４図は他の実施例の一部分解斜視図であ
る。 Ｋ……固定支持具、１……基体、２……底板、
３……側板、４……可動片装着孔、５……取付
孔、６……アース取付孔、１０……可動片、１１
……止ボルト挿通孔、１２……バンド挿通孔、１
５……止ボルト、１６……止ナツト、１７……平
座金、１８……バネ座金、２０……結束バンド、
３０……電気ケーブル、４０……アンカーボル
ト、４１……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の取付孔が適宜穿設されている底板の両側
   縁に一対の平行な側板を適宜立設してなる基体
   と、この基体の両端部分における一対の側板間
   に、基体に対して夫々揺動可能で且つ基体に対し
   て任意の位置で固定可能となるよう止ボルト及び
   止ナツトを介して架設される一対の可動片とを備
   えてなり、可動片は、電気ケーブルが載置可能と
   なるよう適宜帯板を全体略Ｕ字状に折曲げて構成
   されると共に、結束バンドが挿通可能となるバン
   ド挿通孔が穿設され、結束バンドを介して電気ケ
   ーブルを夫々の可動片に緊締可能となるよう構成
   したことを特徴とする電気ケーブル用固定支持
   具。