JPH021412Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は木製のドア枠においてドアの戸当りと
なる戸当り框内へ、ドアの旋錠と解錠とを電気駆
動によつて行なう電気錠が内蔵された木製のドア
枠に関するものである。

〔背景技術〕

一般にドア枠に電気錠を取り付けるには、電気
錠への配線を設ける必要があるが、ドア枠が木製
である場合には、その配線が露出して木製ドア枠
の高級な外観を損なうものである。しかるに、本
考案においては戸当り框に配線を収める凹溝を形
成し、この凹溝を戸当り框に取着されるカバープ
レートで覆い、それによつて配線を隠す構造が開
示されている。ところで、このカバープレートは
室内側面に取着されるものであつて、第１図に示
すようにコンクリートによつて形成される床面８
は通常ドア枠１の室内側で室外側より一段高くな
つているものであるから、カバープレートを戸当
り框の下端まで覆うように設けるとカバープレー
トが床面８の段１７に引掛かつて取り外しができ
ず、その結果、電気錠の補修点検が困難になると
いう問題がある。一方、カバープレート下端を床
上面の位置とすると、床面の仕上がりに応じてカ
バープレートの長さを調節する必要があり、切断
寸法が一定しないものであるから、工場での生産
に適合しないという問題がある。

〔考案の目的〕

本考案は上述の点に鑑みて為されたものであつ
て、その主な目的とするところは、カバープレー
トが戸当り框に取着された木製のドア枠におい
て、床面に段差のある場合でもカバープレートが
容易に着脱できるようにするとともに、床面の仕
上がりに関係なくカバープレートの切断寸法を一
定できるようにすることにある。

〔考案の開示〕

本考案にあつては、戸当り框に電気錠が内蔵さ
れた木製のドア枠において、電気錠により引き出
される配線を収める凹溝が戸当り框に形成され、
この凹溝を覆うカバープレート戸当り框に着脱自
在に取着され、戸当り框の下端部に袴が配設され
るとともに、この袴上にカバープレートの下端が
載置される形でカバープレートが戸当り框に取着
されることにより、カバープレートが容易に着脱
可能となつた構造が開示される。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。本考案に係る電気錠を備えた木製のドア枠は
基本的に、第２図に示すように、木製のドア枠１
におけるドアの戸当りとなる戸当り框２内に、ド
アの施錠と解錠とを電気駆動によつて行なう電気
錠３が内蔵され、戸当り框２の室内側面にこの電
気錠３への配線４を収める凹溝５が形成されると
ともに、凹溝５が戸当り框２の室内側表面へ着脱
自在に取着される木製のカバープレート６により
覆われ、上記戸当り框２の下端部には金属製の袴
７が室内側に一部を突出させる形で配設され、上
記カバープレート６が下端をこの袴７上に載置す
る形で戸当り框２に装着されたものである。本実
施例にあつては、戸当り框２が方立である例を示
す。

ドア枠１は木製であつて、一方の縦框（図示せ
ず）にドア（図示せず）が枢着されるとともに、
ドアの戸当り側には方立２が設けられる。方立２
の上端はドア枠１の両縦框１１間に架設された中
框１２に至る。また、方立２と一方の縦框１１と
の間には上桟１３、中桟１４、下桟１５が介装さ
れる。図中１６は上框である。方立２には電気駆
動によつてドアの施解錠を行なう電気錠３が内蔵
され、この電気錠３に対応した位置で方立２の室
内側面には電気錠３の施解錠を機械的に行なうサ
ムターン２０が装着される。電気錠３はサムター
ン２０で機械的に施解錠される以外は電気的に駆
動操作が行なわれるものであつて、電気錠３の電
源や制御信号を送る配線４が引き出される。配線
４は方立２の室内側面に上下方向に走るように形
成された凹溝５内に収められ、電気錠３から上方
に引き出される。方立２の室内側表面にはその略
全面を覆う木製カバープレート６が複数の木ねじ
２１によつて着脱自在に取着される。また、カバ
ープレート６にはサムターン２０に対応して透孔
１９が形成される。カバープレート６には電気錠
３よりも上方位置で押釦取付孔２２が穿設され、
ここに電気錠３の施解錠をする操作押釦２３が装
着される。操作押釦２３から引き出される配線４
も凹溝５内に収められる。凹溝５に収められた配
線４は方立２の上端部にまで至り、上桟１３内に
収納された端子台２４に接続される。端子部２４
では、第３図に示すように、電気錠３や操作押釦
２３の接続をし、またこれらと電源線２５との接
続を行なう。すなわち、ドア枠１に装着された電
気錠３に関連する機器の配線４は全て一旦端子台
２４に集められ、ここで互いに接続されるように
している。図中１８はコネクタである。端子台２
４は上桟１３の室内側面に設けた凹所２９内に収
められているものであつて、上桟１３の室内側表
面にはその略全面を覆うカバープレート２６が着
脱自在に木ねじ２７で取着される。これにより、
端子台２４が露出せず、また全ての配線４が端子
台２４に集中することになつて補修点検が容易に
なるのである。ドア枠１から引き出される電源線
２５には電気錠３施解錠のための制御信号が重畳
された商用電源が供給され、電気錠３の開閉がド
ア枠１から離れた場所でも行なえるようになつて
いる。ドア枠１の下端縁にはステンレス製の袴７
が装着され、袴７のうち方立２に対応する部分で
は袴７が室内側に突出して袴７上端面と方立２と
による段部９が形成される。段部９上にはカバー
プレート６の下端が載置され、その状態でカバー
プレート６が方立２に取着される。したがつて、
第４図に示すようにコンクリート製の床面８が室
内側で高くなつていても、その分だけカバープレ
ート６が上方に浮いた形で取り付けられ、カバー
プレート６の着脱時に床面８の段差が邪魔になら
ないという利点を有する。また、袴７はステンレ
ス製であるから腐食されることがなく、湿気を吸
い易いコンクリート製の床面８と木製のドア枠１
とが直接接触することを遮断し、木製のドア枠１
が湿気によつて腐食されることを防止する。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように、戸当り框の室内側表面
に木製のカバープレートが着脱自在に取着される
木製のドア枠に、戸当り框の下端部に対応して金
属製の袴が室内側に突出する形で配設され、カバ
ープレートが下端をこの袴上に載置する形で戸当
り框に取着されているので、床面に段差があつて
ドア枠の室内側で室外側より高くなつていても、
カバープレート下端を室内側床面より高い位置に
配置することができ、床面の段差が邪魔にならず
にカバープレートの着脱が容易にできるようにな
るものであり、その結果、戸当り框に内蔵された
電気錠の補修や点検が容易になるという利点を有
する。また、カバープレート下端を戸当り框の下
端部に設けた袴上載置することによつてカバープ
レート下端を浮かせているので、カバープレート
の長さは、床面の仕上がり状態によつて変わる段
差の大きさに関係なく一定の長さとすることがで
き、その結果、工場での切断寸法が一定にでき、
工場生産に適合させることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の問題点を示す断面図、第２図
は本考案の一実施例を示す部分分解斜視図、第３
図は同上に用いる電気錠に関連する部品の接続関
係を示す斜視図、第４図は同上の戸当り框下端部
の断面図である。 １はドア枠、２は戸当り框、３は電気錠、４は
配線、５は凹溝、６はカバープレート、７は袴で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 木製のドア枠におけるドアの戸当りとなる戸当
   り框内に、ドアの旋錠と解錠とを電気駆動によつ
   て行なう電気錠が内蔵され、戸当り框の室内側面
   にこの電気錠への配線を収める凹溝が形成される
   とともに、凹溝が戸当り框の室内側表面へ着脱自
   在に取着される木製のカバープレートにより覆わ
   れ、上記戸当り框の下端部には金属製の袴が室内
   側に一部を突出させる形で配設され、上記カバー
   プレートが下端をこの袴上に載置する形で戸当り
   框に装着された電気錠を備えた木製のドア枠。