JPH0145336Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建物から室外側に張出して設置され
た出窓の出窓枠に取付けた面格子を非常時に取外
しできるようにした面格子付出窓に関する。

（従来技術及びその問題点） 出窓枠の室外側に取付けた面格子を、常時は旋
錠装置により取外し不可能に固定し、非常時に旋
錠装置を室内側から解錠して面格子を取外すこと
ができるようにした出窓は従来知られている。

従来この種の出窓においては、旋錠装置の操作
部が出窓枠の室内側面部等のように室外から手の
届く位置に設けられているため、出窓自体が建物
２〜３階以上の高所に設置されておればそれ程問
題はないが、それが建物の１階といつたような低
所に設けてある場合には出窓室内側の障子が開放
されている状態では室外から容易に解錠される危
険性があつて、防犯上はなはだ不都合であつた。

本考案は、出窓に特有の構造を利用して上記の
問題点を簡便な方法で解決できる面格子付出窓を
提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案の面格子
付出窓においては、出窓枠の下枠から室内側に配
設される地板の室内寄りの部分に可動地板部を形
成して、該可動地板部の室外側端部に設けた蝶番
によつて該可動地板部を上方へ回動可能に構成
し、出窓枠の下枠、または該下枠の下部に設けた
中空枠部には前記地板よりも下位において前記面
格子を取外し不可能なように固定するための旋錠
装置を室内側からのみ解錠可能に取付けてなるこ
とを特徴とする。

（実施例） 以下この考案の一実施例を図面によつて説明す
ると、第１図は家屋１から室外側に張出して取付
けた出窓２に、取外し可能な面格子３を取付けた
ものである。２ａは出窓２の屋根材、２ｂは底
板、２ｃは側板で、この出窓２の前面部に出窓枠
４が取付けられる。４ａは出窓枠４の上枠、４ｂ
は下枠である。この上枠４ａと下枠４ｂとの各室
外側に面格子取付用上下枠５ａ，５ｂを一体また
はビス止めなどで一体的に設けられ、この上下枠
５ａ，５ｂ間に面格子３が倹鈍式に取外し可能に
嵌め込まれている。

下枠４ｂの上端部からはこれにビス６止めされ
た地板７が室内側に向かつて配設され、この地板
７のうち室内寄りの部分を可動地板部７ａと成し
て、この可動地板部７ａの室外側端部に設けた蝶
番８によつてこの可動地板部７ａを、蝶番８を中
心に一点鎖線で示すように上向きに回動できるよ
うになつている。

また下枠４ｂの下方に該下枠４ｂと一体ににま
たはビス９止めなどで一体的に中空枠部１０を設
け、この中空枠部１０内に、面格子３に係合して
これを定位置に固定するための旋錠装置１１が取
付けられる。

この旋錠装置１１は、第２図に示すように、中
空枠部１０にビス１２によつて一対のブラケツト
１３ａ，１３ｂを取付け、このうち室内側のブラ
ケツト１３ａに、板ばね１４によつて弾力的に支
持されながら水平方向に摺動自在な操作レバー１
５を取付け、室外側のブラケツト１３ｂに枢軸１
６を中心に水平面を左右に揺動自在な鎌錠１７を
枢着し、該鎌錠１７は、中空枠部１０に穿設した
切欠孔１８から室外側に突出し、面格子３に設け
た錠孔１９に係嵌して面格子３を定位置に固定
（旋錠）するようになつている。また、操作レバ
ー１５の先端部１５ａは２又状になつておりこの
２又状先端部１５ａが鎌錠１７に突設したピン２
０に係合するようになつており、したがつて室内
側から操作レバー１５の操作部１５ｂを水平方向
に摺動操作することによつて鎌錠１７が面格子３
の錠孔１９に対し旋錠または解錠できるようにな
つている。

なお第１図に示すように地板７と底板２ｂとの
間に適当な空所部２１が形成されるため、これに
非常脱出用のロープなどの収納室として利用する
ことができる。図中２２は天板、２３は障子であ
る。

したがつて非常時にあつては、可動地板部７ａ
を図中一点鎖線で示すように上方に回動させて地
板７を開放し、室内側から手を空所部２１に入
れ、旋錠装置１１の操作部１５ｂを水平方向に摺
動させることによつて面格子３に対する旋錠状態
を解除することができ、これによつて面格子３を
倹鈍式に取外し非常脱出することができる。

したがつて面格子３の隙間から室内側に手を自
由に挿入することができても、第１図に示すよう
に面格子３から地板７の先端部７ｂまでの距離ｌ
が非常に長く、たとえ可動地板部７ｂを一点鎖線
に示すように室外側から開放することができても
手がそれぞれの先端部７ｂを経由して旋錠装置１
１に届くことは不可能であるからこれを解錠操作
することができない。

（考案の効果） 出窓の下枠から室内側に配設される地板を利用
し、地板の室内寄りの部分に可動地板部を形成し
て、該可動地板部の室外側端部に設けた蝶番によ
つて該可動地板部を上方へ回動可能に構成し、出
窓枠の下枠、または該下枠の下部に設けた中空枠
部には前記地板よりも下位において前記面格子を
取外し不可能なように固定するための旋錠装置を
室内側からのみ解錠可能に取付けてなるため、出
窓枠室内側の障子が開放されている状態において
も地板が障害となつて室外側から旋錠装置の操作
部のある位置までは室外側からのばし入れた手が
届かず、また仮に可動地板部が上方へ回動操作さ
れたとしてもその可動地板部の室内側端部を経由
して上記操作部に手を届かせることは尚一層不可
能であり、防犯上極めて有効である。

また非常時にあつては室内側から旋錠装置を解
錠操作して面格子を簡単に開放することができ実
用的である。

さらにはこれら旋錠装置は地板または下枠に隠
蔽されて外部より見えないため、防犯上より有効
であり、また外観上の体裁も良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す縦断側面
図、第２図は、第１図における−線断面図で
ある。 ３……面格子、４……出窓枠、４ｂ……下枠、
７……地板、７ａ……可動地板部、８，２６……
蝶番、１１……旋錠装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 出枠枠室外側に取外し可能な面格子を取付け、
   出窓枠室内側に開閉自在な障子を設けてなる面格
   子付出窓において、出窓枠の下枠から室内側に配
   設される地板の室内寄りの部分に可動地板部を形
   成して、該可動地板部の室外側端部に設けた蝶番
   によつて該可動地板部を上方へ回動可能に構成
   し、出窓枠の下枠、または該下枠の下部に設けた
   中空枠部には前記地板よりも下位において前記面
   格子を取外し不可能なように固定するための旋錠
   装置を室内側からのみ解錠可能に取付けてなるこ
   とを特徴とする面格子付出窓。