JPH0213590Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はボウル部の前端を前方へ幅細状に突出
して尿受皿を形成し、この尿受皿の上面を開口さ
せた水洗式便器に関する。

〈従来の技術〉 従来、この種の水洗式便器として例えば実開昭
52−156247号公報や実開昭56−68086号公報に開
示される如く、使用者が両脚を大きく開かなくと
も尿受皿が使用者の股下まで入り込み、排尿を確
実に捕集して便器外の床上に落下するのを防止し
たものがある。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし乍ら、このような従来の水洗式便器で
は、ボウル部の上周縁に形成される通水路と連続
して尿受皿の周縁にも通水路を設け、この通水路
の下面に開穿した射水孔より洗浄水を吐出して尿
受皿の内面が洗浄されるようにすると、該通水路
が尿受皿の内方へ突出するためにその分尿受皿の
上面開口面積が狭くなつてしまい、排尿が通水路
上面に落ちることが多く、しかもこの部分は洗浄
水により洗い流されない部分であるから、該通水
路上面は黄色く汚れ毛髪等も付着して嫌悪感のた
め使用者は便器から離れて立ち易くなると共に、
通水路上面に落ちた排尿が飛散して衣服を汚す恐
れがあるため、使用者は更に便器から離れて立つ
ことになり、その結果床を汚すという問題があ
る。

本考案は斯る従来事情に鑑み、尿受皿の上面開
口面積を広くしながら尿受皿の内面を洗浄可能に
することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決するために本考案が講ずる技術
的手段は、ボウル部の上周縁に形成される通水路
を尿受皿の直前まで設けて尿受皿の周縁に通水路
を形成しないと共に、該通水路の先端面に噴水孔
を尿受皿の内面に向けて開穿したことを特徴とす
るものである。

〈作用〉 本考案は上記技術的手段によれば、尿受皿の周
縁に通水路を設けない分尿受皿の周縁が必要最小
限の肉厚に形成されると共に、通水路先端面の噴
水孔から尿受皿の内面に向けて洗浄水が吐水され
るものである。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

この実施例は第１図に示す如く便器本体Ａが壁
面Ｂに取付けて固定する所謂壁掛け型の小便器
で、この便器本体Ａは後壁１の上下周縁を延長し
て給水室ｃとトラツプ２を有するボウル部ａとを
同一体に形成している。

ボウル部ａは前側半部を前方に突出して立上げ
た鉢状に形成され、その前端部分を更に前方へ例
えば従来の同型のものより50〜100mm突出すると
共に該部分を幅細状に形成して尿受皿ｂを一体に
形成する。

そして、ボウル部ａの上周縁には通水路３を形
成し、この通水路３の下面に適宜数開穿した射水
孔４…より洗浄水をボウル部ａ内面へ吐水して洗
浄させると共に、この通水路３を上記尿受皿ｂの
直前まで設けて尿受皿ｂの周縁には通水路３を形
成せず、該通水路３の先端面には噴水孔５を尿受
皿ｂの内面、詳しくは突出端内面に向けて開穿す
る。

また、尿受皿ｂはその周縁１４の肉厚を必要最
低限に薄く形成してその上面開口面積を広くす
る。

一方、給水室ｃは上記後壁１上部、上壁６及び
散水壁７により区画形成され、内部に仕切壁８を
設けて下部に散水室９を一体に区画形成し、該仕
切壁８に連絡孔１０を開穿して両者を連通させる
と共に、散水室９の下面に相当する上記散水壁７
には後壁１側に小径の散水孔１１を適宜数開穿す
る。

更に、給水室ｃは上壁６に給水口１２を開穿
し、この給水口１２にフラツシユバルブ等を介し
て給水源（図示せず）に連絡する給水管１３を接
続することにより、給水口１２から給水室ｃ内に
流入せる洗浄水を連絡孔１０を介して散水室９に
供給し散水孔１１…から後壁１内面に沿つて吐水
すると共に上記ボウル部ａの上周縁に形成した通
水路３に供給するようにする。

而して斯る水洗式便器は通水路３に洗浄水が供
給されると、射水孔４…からボウル部ａの内面に
吐水すると共に噴水孔５，５から尿受皿ｂの内面
に吐水して両者を洗浄する。

従つて、ボウル部ａの内面及び尿受皿ｂの内面
を清潔に保て、尿受皿ｂ内に排尿が落ちたとして
も周縁１４に囲まれた洗浄される面に落下する。

次に、第４図に示すものは本考案の他の実施例
で、このものは便器本体Ａが床Ｃに載置して固定
する所謂床据え付型の小便器である点において前
示実施例と相違している。

尚、前示両実施例においては便器本体Ａ内にト
ラツプ２を一体に形成しているものを示したが、
これに限定されず、トラツプ２のないものであつ
ても良く、又便器本体Ａの構造は図示した型式に
限定されず、他の型式のものであつても良いこと
は言うまでもない。

〈考案の効果〉 本考案は上記の構成であるから、以下の利点を
有する。

尿受皿の周縁に通水路を設けない分尿受皿の
周縁が必要最小限の肉厚に形成されると共に、
通水路先端面の噴水孔から尿受皿の内面に向け
て洗浄水が吐水されるので、尿受皿の上面開口
面積を広くしながら尿受皿の内面を洗浄可能に
することができる。

従つて、尿受皿の内面を洗浄可能にすると尿受
皿の上面開口面積の狭くなる従来のものに比べ、
尿受皿内面を常に清潔に保つことができると共
に、使用者が便器に近づいて立つても排尿が飛散
して衣服を汚すことがないから、安心して尿受皿
を跨ぐように近づいて使用することができ、その
結果排尿を確実に捕集できて床を汚すことがな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す水洗式便器の
縦断側面図、第２図は同平面図、第３図は同正面
図、第４図は本考案の他の実施例を示す水洗式便
器の縦断面図である。 ａ……ボウル部、ｂ……尿受皿、３……通水
路、５……噴水孔、１４……尿受皿の周縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボウル部の前端を前方へ幅細状に突出して尿受
   皿を形成し、この尿受皿の上面を開口させた水洗
   式便器において、前記ボウル部の上周縁に形成さ
   れる通水路を尿受皿の直前まで設けて尿受皿の周
   縁に通水路を形成しないと共に、該通水路の先端
   面に噴水孔を尿受皿の内面に向けて開穿したこと
   を特徴とする水洗式便器。