JPH04145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、ボウル部の前端を前方へ幅細状に突
出して尿受皿を形成し、この尿受皿の上面を開口
させた水洗式便器に関する。

〈従来の技術〉 従来、この種の水洗式便器として例えば実開昭
52−156247号公報や実開昭56−68086号公報に開
示される如く、使用者が両脚を大きく開かなくと
も尿受皿が使用者の股下まで入り込み、排尿を確
実に捕集して便器外の床上に落下するのを防止し
たものがある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし乍ら、従来の水洗式便器では、第８図及
び第９図に示すようにボウル部a′及びそれに連続
する尿受皿b′の上周縁に形成される通水路３′を
該ボウル部a′及び尿受皿b′の内面側に突出させて
形成し、この通水路３′の下面に開穿した射水孔
４′より洗浄水を吐水してボウル部a′及び尿受皿
b′内面を洗浄するようにしているため、上記通水
路３′が内面側に突出する分ボウル部a′及び尿受
皿b′の上面開口面積が狭くなつてしまい、排尿が
該通水路３′の上面に落ちることが多く、しかも、
この部分は洗浄水により洗い流されない部分であ
るから、黄色く汚れ、毛髪等も付着して嫌悪感の
ため使用者は便器から離れて立ち易くなると共
に、通水路３′上面に落ちた排尿が飛散して衣服
を汚す恐れがあるため、使用者は更に便器から離
れて立つことになり、その結果床を汚すという問
題がある。

本考案は斯る従来事情に鑑み、ボウル部及び尿
受皿の上面開口面積を狭めることなく、ボウル部
及び尿受皿の内面全体を洗浄可能にすることを目
的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 上記問題点を解決するために本考案が講ずる技
術的手段は、ボウル部及び尿受皿の上周縁に形成
される通水路を該ボウル部及び尿受皿の外面側に
上端を鋭角状に尖らせて形成し、この通水路の上
端部からボウル部及び尿受皿の内面に向けて斜め
下方へ射水孔を適宜数開穿したことを特徴とする
ものである。

〈作用〉 上記技術的手段によれば、尿受皿の周縁沿いに
通水路の上端が鋭角状に尖つて、該尿受皿周縁の
肉厚寸法が最小となると共に、上記通水路がボウ
ル部及び尿受皿の内面側に突出することがなく、
該ボウル部及び尿受皿の上面開口面積が通水路に
よつて狭められることがない。そして、各射水孔
から吐水される洗浄水がボウル部及び尿受皿の内
面に沿つて夫々拡散し、該内面全体に隈なく供給
されるものである。

〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

この実施例は第１図に示す如く便器本体Ａを壁
面Ｂに取付けて固定する所謂壁掛け型の小便器
で、この便器本体Ａは後壁１の上下周縁を延長し
て給水室ｃとトラツプ２を有するボウル部ａとを
同一体に形成している。

ボウル部ａは前側半部を前方に突出して立上げ
た鉢状に形成され、この前端部分を更に前方へ例
えば従来の同型のものより50〜100mm突出すると
共に、該突出部分を幅細状に形成して尿受皿ｂを
一体に形成する。

そして、ボウル部ａ及び尿受皿ｂの上周縁には
そのボウル部ａ及び尿受皿ｂの外面側に上端を鋭
角状に尖らせて通水路３を一体に形成し、該通水
路３がボウル部ａ及び尿受皿ｂの内面側に突出す
ることがないようにし、これによつてボウル部ａ
及び尿受皿ｂの上面開口面積が通水路３によつて
狭められないようにする。

また、尿受皿ｂはその周縁上端を断面鋭角状に
尖らせることによつて該周縁上端の肉厚寸法が必
要最低限に薄くなるようにする。

これら通水路３の上端部にはボウル部ａの内面
及び尿受皿ｂの内面に向けて斜め下方へ射水孔４
を適宜数開穿して、これら射水孔４……から吐水
された洗浄水がボウル部ａの内面及び尿受皿ｂの
内面に沿つて夫々拡散することにより、該内面全
面に隈なく供給されるようにする。

一方、給水室ｃは上記後壁１上部、上壁７及び
散水壁８により区画形成され、内部に仕切壁９を
設けて下部に散水室１０を一体に区画形成し、該
仕切壁９に連絡孔１１を開穿して両者を連通させ
ると共に、散水室１０の下面に相当する上記散水
壁８には後壁１側に小径の散水孔１２を適宜数開
穿する。

更に、給水室ｃは上壁７に給水口１３を開穿
し、この給水口１３にフラツシユバルブ等を介し
て給水源（図示せず）に連絡する給水管１４を接
続することにより、給水口１３から給水室ｃ内に
流入せる洗浄水を連絡孔１１を介して散水室１０
に供給し、散水孔１２……から後壁１内面に沿つ
て吐水すると共に、上記ボウル部ａ及び尿受皿ｂ
の外面側に沿つて形成した通水路３に供給するよ
うにする。

而して、斯る水洗式便器は、通水路３に洗浄水
が供給されると、射水孔４……からボウル部ａの
内面及び尿受皿ｂの内面に吐水して両者を洗浄す
る。

次に、第７図に示すものは本考案の他の実施例
で、このものは便器本体Ａが床Ｃに載置して固定
する所謂床据え付け型の小便器である点において
前示実施例と相違している。

尚、前示実施例においては便器本体Ａ内にトラ
ツプ２を一体に形成しているものを示したが、こ
れに限定されず、トラツプ２のないものであつて
も良く、また、便器本体Ａの構造は図示した型式
に限定されず、他の型式のものであつても良いこ
とは言うまでもない。

〈考案の効果〉 本考案は上記の構成であるから、以下の利点を
有する。

ボウル部及び尿受皿の内面側に通水路が突出す
ることなく且つ尿受皿の周縁沿いに通水路の上端
が鋭角状に尖つて該尿受皿周縁の肉厚寸法が最小
となるので、使用者が便器に近づいて立つても、
従来の通水路上面に落ちた排尿が飛散して衣服を
汚すといつた事態が生じないため、安心して尿受
皿を跨ぐように近づいて使用することができ、そ
の結果排尿を確実に捕集できて床を汚すことがな
いと共に、上記通水路の上端部からボウル部及び
尿受皿の内面に向けて斜め下方へ開穿した射水孔
から吐水される洗浄水によつてボウル部及び尿受
皿の内面全体を隈なく洗浄することができるの
で、ボウル部及び尿受皿の内面全体を常に清潔に
保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す水洗式便器の
縦断側面図、第２図は同平面図、第３図は同正面
図、第４図は要部を拡大して示す平面図、第５図
及び第６図は第４図の−線及び−線に沿
える断面図、第７図は本考案の他の実施例を示す
水洗式便器の縦断面図、第８図は従来の水洗式便
器のボウル部及び尿受皿を示す平面図、第９図は
第８図の−線に沿える断面図である。 ａ……ボウル部、ｂ……尿受皿、３……通水
路、４……射水孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボウル部の前端を前方へ幅細状に突出して尿受
   皿を形成し、この尿受皿の上面を開口させた水洗
   式便器において、前記ボウル部及び尿受皿の上周
   縁に形成される通水路を該ボウル部及び尿受皿の
   外面側に上端を鋭角状に尖らせて形成し、この通
   水路の上端部からボウル部及び尿受皿の内面に向
   けて斜め下方へ射水孔を適宜数開穿したことを特
   徴とする水洗式便器。