JP2523049Y2

JP2523049Y2 - 洗面器

Info

Publication number: JP2523049Y2
Application number: JP1990004774U
Authority: JP
Inventors: 栢原　　利明; 義雄甲斐
Original assignee: 東陶機器株式会社
Priority date: 1990-01-23
Filing date: 1990-01-23
Publication date: 1997-01-22
Anticipated expiration: 2005-01-23
Also published as: JPH0396783U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は洗面器、更に詳しくは水，湯を受け、溜める
ボール部と、このボール部が受け、溜めた水，湯を排水
する排水口を備え、カウンターや壁面に設置し、排水口
を排水管に接続して使用する洗面器に関する。

（従来の技術）従来、この種の洗面器と称されるものには、主として
洗面に使用するものは勿論、手洗い（指洗い）に使用す
る小型のものから洗髪や洗濯ができる多目的用途のある
大型のものまで様々な用途，大きさのものがあるが、ボ
ール面を洗浄する機能を備えたものは存在しなかった。

そこで、本願出願人は先に、ボール部上縁に沿ってリ
ム通水路を形成し、該リム通水路には供給される水をボ
ール面に向けて吐出せしめるボール洗浄部を設けた洗面
器を出願（実願平1-102609号）し、ボール洗浄部として
リム通水路下面に周方向適宜間隔毎に孔を開設した構
造、リム通水路下面に周方向全長にわたって連続するス
リットを形成した構造等を開示した。

（考案が解決しようとする課題）しかし、上記せる如きボール洗浄部を備えた洗面器で
は、吐水される水が少流量であると、単に孔若しくはス
リット等を介して水を落下せしめる程度であったため、
ボール部表面に流れ落ちる水の広がりが小さくボール部
表面全体を良好に洗浄することはできなかった。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑み
なされたものであり、その目的とするところは、通孔を
介して通水路から落下する水を一旦拡散せしめた後ボー
ル部表面に向けて広く吐水せしめるものとし、吐水され
る水の流量にかかわらずボール部表面に広く水を流し、
ボール部表面の有効な洗浄を図らしめることである。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するために本考案がなした技術的手段
はボール部上縁に沿ってリム通水路を周設すると共に、
このリム通水路には該通水路に供給される水を落下せし
める通孔を形成し、該通孔下方に通孔から落下する水を
拡散せしめる拡散面をボール部上縁リムの前垂壁に連続
してボール面に対向させて形成するものである。

また、ボール部上縁に沿ってリム通水路を周設すると
共に、このリム通水路には該通水路に供給される水を落
下せしめる通孔を形成し、該通孔の下方には通孔から落
下する水を拡散せしめる拡散面を形成し、この拡散面に
はボール部表面に向けて下り勾配を有し、かつそのボー
ル部の表面上端と連絡される凹部を通孔直下に設けるよ
うにしてもよい。

（作用）上記せる技術的手段により、ボール部上縁全周に設け
られた通水路に供給される水は、その通水路を流通しな
がら通孔を介して落下し、そしてその下位の拡散面に衝
突して拡散される。

そして拡散された水は、ボール面に当たってボール部
表面を広く洗浄しながら流下する。

また、通孔直下の拡散面に、ボール部表面に向けて下
り勾配を有し、かつそのボール部の表面上端と連絡され
る凹部を設けた場合、通孔を介して落下する水は前記凹
部表面に衝突して拡散され、拡散された水は凹部にそっ
てその凹部前端からボール部表面を広く洗浄しながら流
下する。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
図中ａは洗面器本体、１はボール部、２は排水口、３は
溢水口であり、上記溢水口３と排水口２とはボール部１
外側において溢水流路４により連絡している。

そして、ボール部１の上縁には、該上縁の全周に沿っ
て上縁リム５が周設されており、その上面部により洗面
器本体ａの上縁面６を構成している。

上縁リム５は、洗面器内方に向けてボール部１の表面
1aからフランジ状に突設せしめた隔壁７の先端を、ボー
ル部１の表面1aよりも内方に位置させた前垂壁８の内周
面に当着させて全周にわたり中空袋状に形成され、この
中空部分により通水路９を構成する。

また、前記隔壁７はその先端面が凹凸状に形成されて
おり、その凸部分…を前記前垂壁８の内周面に当着させ
て凹部分…と前垂壁８とで複数の通孔10…が形成され
る。

そして、前記前垂壁８は、その先端面をボール部１の
表面1a側に向けて、該ボール部１の表面1aとの間にスリ
ット状の隙間11を設けるように折曲せしめて拡散面12を
形成する。

この拡散面12は、ボール部１の表面1a側に向けて傾斜
状（下り勾配状）とした方が好ましい。

そして、前記ボール部１のボールバック面1a′上方の
通水路９に給水パイプ13が連結される。

尚、前記給水パイプ13は吐水部（スパウト等）へ供給
せしめる給水源に連通せしめて切換バルブにより吐水部
と通水路９とのどちらか一方のみに給水せしめるものと
してもよく、又分岐管により吐水部使用の際に同時機能
させるものとするも可能である。

従って、給水パイプ13からの水はボール部１の上縁全
周に設けられた通水路９に供給され、該通水路９を流通
しながら通孔10…を介して下方に落下し、そしてその下
位の拡散面12に衝突して拡散され、その拡散された水は
隙間11を介してボール部１の表面1aを広く洗浄しながら
流下する。

然るに、切換式としておけば洗髪等使用時の前にあら
かじめボール部１の表面1aを濡らしておき、シャンプー
の泡や髪の毛等の付着度を少なくすることができ、また
吐水部等との同時吐水を図るものとしておけば洗髪時に
吐水部からの吐水を行っている時には常にボール部１の
表面1aには水が流水するものとなり、シャンプーの泡等
は付着する間も無く排水口２へと流されてしまうため、
後の洗浄作業も不要となる。

尚、本実施例にあっては上縁リム５が水返し面として
の効果をも備えもつ。

更に、前記ボール部１の表面1aへの流水作動を感知セ
ンサー（図示せず）を介して使用後のボール表面の洗浄
を確実に行うものとしてもよい。

次に、第５図について説明すると、上縁リム５′の中
空袋状に形成されたその内部を上下に二分割するよう
に、リム後壁５′ａと前垂壁８′との間で隔壁７′を全
周にわたって周設せしめ、その上方を通水路９′とし、
該通水路９′の内底面に通孔10′…を複数穿孔すると共
に、前記隔壁７′で分割された下方の室14の内底面を拡
散面14′とし、その拡散面14′の前記通孔10′…に対向
する夫々の直下位置に、先端12′ａをボール部１の表面
1aの上端1a′と連絡せしめる末広がり状に下り勾配を持
つ凹部12′を一定間隔をあけて所望数あるいはその先端
12′ａの端部同志を隣接せしめて所望数凹設せしめたも
のであり、前記通水路９′を流通しつつ通孔10′から落
下した水は、その直下位置の凹部12′に衝突し、末広が
り状に拡散されながら流れ、ボール部１の表面1a上端1
a′から該表面1aへと広く流下し、末広がり状の下り勾
配を持つ凹部12′により拡散効果が向上するため、小量
流水時であっても拡散され有効にボール部１の表面1aが
洗浄される。

尚、他の構成及び作用は前記例と同様であるため同一
箇所に同一符号を付してその説明を省略する。

（考案の効果）本考案は、上記せる如き構成を有するため下記の効果
を奏する。

請求項１及び請求項２の洗面器はいずれも、通水路に
供給された水を該通水路の内底面に形成された通孔から
その通孔巾で直接ボール部表面へと単に流下せしめるも
のとせず、通孔を介して落下した水をその下位の拡散面
で一旦受けて拡散せしめた後、その拡散状態でボール部
表面へと広く流下せしめるものとしたため、吐水される
水の流量にかかわらずボール部表面が広く洗浄でき洗い
残しの虞れも少ないものである。

また、単に通水路に設けた通孔のみを介してボール部
表面へと水を広く流下せしめるものとするには、通孔を
大きくするか、あるいは狭い間隔で多数設けるものとし
なければならないが、上記いずれのタイプにあっても通
水路内の流水勢いは、それらの孔によって途中で衰えて
しまい、ボールフロント面上方の通水路まで水が行き届
かなくなる場合もあり、別途給水パイプをボールフロン
ト面側の通水路へと接続する必要も生じ得るが、本願洗
面器にあっては水を拡散面で拡散せしめて流下せしめる
ものとしたため、通水路内に設ける通孔は小さくてもよ
く、結果として通水路内の流水勢いを妨げる虞れもな
く、単一の給水パイプからの給水で十分であり大変効率
が良い。

また、ボール面に付着した付着物を押し流して洗浄す
る場合、ある程度吐水の勢いが必要となるが、請求項１
の発明では、拡散面をボール部上縁リムの前垂壁に連続
してボール面に対向させて形成しているので、拡散面に
当たった水が吐水の勢いによって飛び跳ねても、この飛
び跳ねた水が使用者にかかったり、ボール部壁面に沿っ
て流下せずに拡散面からジャンプして直接ボール部底部
に落下してしまいボール部壁面を洗浄する役目を果たさ
ない等の不都合な現象が発生することがない。

さらに、請求項２の洗面器は、通孔直下の拡散面に、
ボール部表面に向けて下り勾配を有し、かつそのボール
部の表面上端と連絡される凹部を設けたので、通孔から
落下した水は凹部に衝突して拡散され、そしてその凹部
にそって広く流下するため、流量が少ない時でも有効確
実にボール部表面を洗浄できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案洗面器の一実施例を一部切欠いて示す平
面図、第２図はその側面図、第３図は第２図のIII-III
線断面図、第４図は第２図のIV-IV線断面図、第５図は
拡散面に凹部を設けた例の要部を示す一部切欠断面図で
ある。尚、図中 1:ボール部、1a:表面 5,5′：上縁リム、7,7′：隔壁 8,8′：前垂壁、9,9′：通水路 10,10′：通孔、11:隙間 12,14′：拡散面、13:給水パイプ 12′：凹部、12′a:先端

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ボール部上縁に沿ってリム通水路を周設す
ると共に、このリム通水路には該通水路に供給される水
を落下せしめる通孔を形成し、該通孔下方に通孔から落
下する水を拡散せしめる拡散面をボール部上縁リムの前
垂壁に連続してボール面に対向させて形成したことを特
徴とする洗面器。
【請求項２】ボール部上縁に沿ってリム通水路を周設す
ると共に、このリム通水路には該通水路に供給される水
を落下せしめる通孔を形成し、該通孔の下方には通孔か
ら落下する水を拡散せしめる拡散面を形成し、この拡散
面にはボール部表面に向けて下り勾配を有し、かつその
ボール部の表面上端と連絡される凹部を通孔直下に設け
たことを特徴とする洗面器。