JPH0212957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洋式便器の便座をカバーする使い捨て
の用紙を自動的に必要量供給する装置に関するも
のである。

一般に洋式便器はそれに座した姿勢で使用する
ため、便器の縁に起伏自在にされた卵形乃至は馬
蹄形をなす便座が取付けられている。

この便座は、使用時洗浄水等の飛沫が付着して
不衛生となり易いため、一般家庭ではこれに着脱
自在の布製カバーを装着しこのカバーを取替える
ことにより不衛生とならないようにすることが多
い。

しかし、劇場や各種交通機関、或は、各種スポ
ーツクラブのような公共的場所に設置されて不特
定複数の者が使用する洋式便器では、家庭用にお
けるような取替えて使用する布製カバーの装着は
行なわれないのが通例である。布製カバーの装着
は洗浄用水の飛沫等の付着を看過し易く、却つて
不衛生状態を助長するからである。

ところがカバーを装着しない場合でも、洗浄水
等の飛沫が便座に直接付着する点で不衛生である
のに変りなく、しかも、このような便座を不特定
多数の者が共用することは公衆衛生上好ましくな
いことは明白である。

かかる点に鑑み、使用の度毎便座に使い捨てカ
バーを載せて使用することが一部で行なわれるよ
うになつたが、使用者がカバーストツカからカバ
ー１枚を引出し、それを便座上にきちんと載せる
ことは、単に煩しいのみならず決して容易ではな
いという難点がある。

本考案は上記のような便座の使い捨てカバーの
現状に鑑み、このカバーを自動的且つ正確に便座
上面に供給することのできる装置を提供すること
を目的としてなされたもので、その構成は、便座
の上面を覆うことのできる大きさ、形状に整形さ
れ且つそれがシート状に連続した用紙を巻取り或
は折畳んで収容すると共に該用紙を連続的に繰出
すようにしたシート状用紙ホルダーと、該ホルダ
ーの用紙繰出側にあつて前記用紙を上記便座の上
面近くにおいて前方へ所定長さ分送出する送りロ
ーラを具備した便座用カバー供給装置において、
前記ローラによつて送出される用紙を気体の噴出
により便座の上面に対し浮遊させて支持する浮遊
支持部を設けたことを特徴とするものである。

次に、本考案の実施の一例を図に拠り説明す
る。

第１図は本考案装置の一例を取付けた状態の側
断面図で、１は洋式便器本体、２は本体１の上面
に向う側（図の右側）を枢着２ａして起伏自体に
取付けた便座、３は用紙ホルダーで、使い捨てカ
バーを連続してシート状にした用紙４が軸３ａに
巻取つてあり、この軸３ａがケース３ｂに枢着さ
れてホルダー３の一例に構成されている。

而して、使い捨てカバー４ａは、例えば、第２
図に示す平面形態を有するものが使用される。

即ち、カバー４ａは、便座２を完全に覆う大き
さの縦、横寸法を有する平面矩形のカバー本体
に、便座２の内周縁形状に則した切取り線４ｂを
形成したもので用紙４は該カバー４ａ縦方向に連
続してシート状にされたものである。

５は上記用紙４をそのホルダー３から取出して
便座２の上面側に送出し、所定長さに切断するよ
うにした用紙４の送出切断部で、上記用紙４の横
幅に見合う横方向の長さを有する取付ベース５ａ
上に、該ベース５ａに沿つたガイドロール５ｂ
と、該ロール５ｂの手前側に設けられて間に前記
用紙４を挟持して送出す１組の送出ロール５ｃと
１組の送出ロール５ｃのうち一方のロールに回転
力を与えるためそのロールの外端側に設けた送出
モータ５ｄと、前記送出ロール５ｃの手前側に設
けられ、所定長送出された前記用紙４の後端を切
断する切断刃５ｅ及び受刃５ｆと、前記切断刃５
ｅに切断動作を与える駆動機構とから構成してあ
る。

而して、図の右端を枢着５１ｅした切断刃５ｅ
はその左端上面に作動突起５２ｅを取付け、この
突起５２ｅがモータ５１ｇの軸に取付けたカム５
２ｇに対応させられ、且つ、スプリング５３ｅに
よつて上方へ向け付勢されて取付けられており、
上記カム５２ｇとスプリング５３ｅの作用によつ
て枢着軸５１ｅを心とした上下揺動をするように
されている。

また、用紙４の所定長送り出しは、送出される
用紙の長さ、又は送出ロール５ｃ若しくはモータ
５ｄの回転数を検出し、これらのいずれかを基準
にして予め設定するか、又は、用紙の長手方向に
設けたスリツトやマークを光−電的に読取つてモ
ータ５ｄを制御するものとし、このモータ５ｄの
起動は、図示しないが、手動スイツチ、又は、便
座２の伏倒に連動するように設けるリミツトスイ
ツチによつてなされるようにする。尚、切断刃５
ｅの駆動モータ５１ｇの起動は、上記送出用のモ
ータ５ｄの送出完了に連動させている。このよう
に連動させるかどうかは任意である。

次に、６は上記機構により送り出される用紙４
を便座２の上面全域に円滑かつ確実に案内するた
めの浮遊支持部で、次のように構成する。

即ち、この浮遊支持部６は上記の送出切断部５
の下方に設けた小型のブロワー６ａを設け、この
ブロワー６ａから供給される空気を、例えば、便
座２の内部に形成した空気流路２ｂから便座の上
面に向け噴出させたり、或は、便座２の内周又は
外周に沿つて別に配設した空気流路配管（図示せ
ず）に導き、その配管の上面に設けた噴出孔から
噴出させるよう構成するのである。

ここで、空気の噴出方向は、少なくとも便座の
上面に向ければ足りるが、用紙４の送出を補助す
るため斜前方へ向けてもよく、また噴出圧は、送
出される用紙４が便座２の上面から微小量浮遊で
きる程度の強さとし、仮に便座上面に水滴等の付
着があつても、前記用紙の送出が円滑に行われる
ようにする。

本考案は使い捨て便座カバー用紙の供給装置を
上述のように構成したことにより、使用者はマニ
ユアルスイツチの操作か、又は、便座の伏倒に連
動したリミツトスイツチの自動閉成によつて、何
ら人手を要することなく１回分の使い捨てカバー
を、確実且つ円滑に便座上面に載置させることが
できるので、特に公共的場所で不特定多数の者が
使用する洋式便器に付設すれば、公衆衛生の増進
を図ることができる。

本考案は以上の通りであつて、使い捨て便座カ
バーの供給装置として極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一例の取付状態の概略を
示す側断面図、第２図は本考案装置に使用する使
い捨てカバーの一例の平面図、第３図は本考案装
置における用紙の送出切断部の一例を示す正面
図、第４図は同じく右側面図、第５図は同じく、
平面図である。 １……便器本体、２……便座、３……用紙ホル
ダー、４……用紙、４ａ……使い捨てカバー、５
……送出切断部、６……浮遊支持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便座の上面を覆うことのできる大きさ、形状に
   整形され且つそれがシート状に連続した用紙を巻
   取り或は折畳んで収容すると共に該用紙を連続的
   に繰出すようにしたシート状用紙ホルダーと、該
   ホルダーの用紙繰出側にあつて前記用紙を上記便
   座の上面近くにおいて前方へ所定長さ分送出する
   送りローラを具備した便座用カバー供給装置にお
   いて、前記ローラによつて送出される用紙を気体
   の噴出により便座の上面に対し浮遊させて支持す
   る浮遊支持部を設けたことを特徴とする便座用カ
   バー供給装置。