JPH0546720Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は洋式便器に装着して使用する便座装置
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、不特定多数の者が使用するホテル、
病院、列車、飛行機等における洋式便器の便座に
於て、そのカバーを自動的に取替えることができ
るようにした装置が種々提案されている。

例えば、特開昭58−163327号、実開昭58−
12400号、或は、実公昭56−48240号等がそれであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかし乍ら、提案されている装置において実用
化されているものは殆んどない。これはカバーと
して使用する紙製シート材料の裁断形態が便器の
形状に合せた特殊な形態であるため、コスト高と
なつたり、上記シート材料の給排が円滑になし得
ないため実用性に問題があること、或は、このよ
うな装置の付設が便器の使用性を阻害するという
難点があること等に起因している。特に、上記の
実開昭58−12400号公報に記載されている装置は、
便座に掛け回されたタオル（カバー）を、収納部
内の送り出しロールで引張つて一定量ずつ送り、
収納部内に使用済みタオルを収容する構造のもの
であるが、上記ロールによるタオルの送りに問題
があり、また、便器の両側に近接し便座より高い
位置に立設配置されるため、便器の使用性が悪い
という問題もあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記のような従来品の問題点に鑑み、
カバー材料は市販されている長尺な布又は紙を使
用でき、また、これにカバーされる便座も前記カ
バーの自動給排を容易且つ円滑ならしめる形状と
して高い実用性を発揮し得る便座装置を提供する
ことを目的としてなされたもので、その構成は、
洋式便器の上面に載架される平面逆馬蹄型の便座
の両翼部を平面からみて略縦長矩形で対向した内
外側の辺が略直線をなすように形成する一方、前
記両翼部の外側縁であつて各翼部の下方に、これ
らの翼部の縦幅と略同等の長さのスリツト状開口
部を有する筐体を、そのスリツト状開口部を前記
各翼部に外側面から当てがつて配設すると共に、
この筐体の内部には、便座カバーとなる布製又は
紙製の長尺シートを、このシートの供給ロールか
ら繰出して上記各翼部の上下面においてターンさ
せ、駆動モータで回転される巻取ロールに巻取る
ようにした便座カバー供給機構を設けたことを特
徴とするものである。

〔作用〕

便座の両翼部は、便器の略円形開口縁に対し、
縦長矩形であるから、その一側がわから供給され
他側がわにおいてターンして巻取られる便座シー
トの給排を円滑になし得、また、便器内からの飛
沫のはね上りを防ぐ。

便座カバーとなる長尺シートとこれを便座の
左、右の翼部に供給する機構を収装した筐体は、
便座カバーの上面より突出しないので、使用時に
支障を来さない。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図に拠り説明する。

第１図は本考案装置の一例の平面図、第２図は
要部を断面とした正面図である。

図に於て、１は一般的な洋式便器、１ａはその
開口部である。このような洋式便器においては、
その開口部１ａの平面形状に即した円環状乃至は
逆馬蹄形状をなす便座が装着されているが、本考
案装置ではこのうち逆馬蹄形状の便座の平面形状
を第１図に示すように形成する。

即ち、本考案においては、便座２の両翼部２
ａ，２ｂを図に示すような縦長の矩形に形成し、
後述する便座カバー５の給排を円滑にさせると共
に、便器内からの飛沫のはね上りを防止するよう
にした。

尚、本考案においては、上記両翼部２ａ，２ｂ
の下面側に、当該両翼部２ａ，２ｂの下面との間
に間隙を保つてアンダーカバー２１を設けてい
る。アンダーカバー２１は両翼部２ａ，２ｂの下
面がはね上る飛沫により汚れるのを防ぐ役割をも
つ。２２は上記便座２の取付ヒンジ部で、この部
において便座２は起立、伏倒させることができ
る。

３は上記便座２における両翼部２ａ，２ｂの外
面下面がわに取付けた筐体で、後述する便座カバ
ーの給排機構が内装されている。

この実施例に於ては、この筐体３と便座２と
は、筐体３における上部の両端３ａ，３ｂ（第１
図の上、下端部）において便座２と一体形成され
ている。尚、筐体３は便座２と別体としてもよ
い。

また、この筐体３は、第２図に示すように、そ
の内側３１と外側３２において分割され、外側３
２がいわば蓋体として機能する。３３は両部材３
１，３２をつなくヒンジである。尚、筐体３の分
割態様及びヒンジの取付部は、上記例に限られな
い。即ち、蓋体は着脱タイプとしてもよい。

上記筐体３の上部において、上下両端部３ａ，
３ｂに挟まれて便座２の各翼部２ａ，２ｂを臨む
部分は、この翼部２ａ，２ｂの厚みに見合い、且
つ、当該翼部２ａ，２ｂの縦長に盛合う大きさの
開口部３ｃに形成されている。

４は上記筐体３に収装された便座カバー５の供
給装置で、次の構成から成る。

而して、４１は上記筐体３内の上部に配設した
供給ロール、４２は筐体３内において上記供給ロ
ール４１の下方に配設した巻取ロール、４３，４
４は便座カバー５を挟持し供給ロール４１から巻
取ロール４２側へ送り出す駆動ローラと従動ロー
ラ、４５は上記駆動ローラ４３及び巻取ロール４
２に回転力を与える駆動モータで、上記ローラ４
３及びロール４２にベルト４５ａ等を介してその
回転力が伝達される。

而して、便座カバー５は、上記ロール４１，４
２に巻取ることができる程度の幅を有する長尺の
紙製又は布製或はその他の適宜材料により形成さ
れていて、供給ロール４１に予め巻取られてお
り、その先端側が便座２の翼部２ａの上面を通つ
て下面にターンし、中継ローラ４５ｂを経由した
あと駆動、従動両ローラ４３，４４の間を通され
て巻取ロール４２に巻取られている。

上記説明は、第２図における左側の筐体３につ
いて述べたものであるが、右側の筐体についても
供給機構は同様であるから省略する。

以上により本考案機構の一例を構成するので、
次に、その作動例について説明する。

ここで、モータ４５は、それが１回作動させら
れるごとに、便座カバー５を便座２の翼部２ａ，
２ｂの横幅に見合つた長さだけ巻取ロール４２に
巻取るように、当該モータ４５の回転数（角）が
予め設定されており、また、このモータ４５の作
動は、水洗のための水の流出、ペダルの足踏操
作、コインの投入、或は、使用者が便器の前に立
つたとき作動する光電スイツチ等の起動等による
自動操作によつてなされるようにする。

従つて、いま、モータ４５が作動させられる
と、当該モータ４５は図の矢印方向に所定角（回
転数）回転し、巻取ロール４２、駆動ローラ４３
を図の矢印方向に回転させ、これまで便座２の翼
部２ａ，２ｂの上面に位置していた便座カバー５
の部分を、前記翼部２ａ，２ｂの下面側に移動さ
せ、この部分より先端側にあるカバー５の部分を
巻取ロール４２に巻取る。

このようにして繰返しカバー５を移動させるこ
とにより、供給ロール４１から便座カバー５が全
部繰出されてしまつたら、筐体３を開けて、ロー
ル４１を新しい供給ロール４１に取替え、このロ
ール４１に巻取られている新しいカバー５を手で
引出し、便座２の翼部２ａ，２ｂ、中継ローラ４
５ｂ、駆動、従動ローラ４３，４４を経て巻取ロ
ール４２に掛回し、新しい便座カバー５のセツト
を完了する。

〔考案の効果〕

本考案は以上の通りであつて、便座の両翼部を
平面からみて縦長矩形に形成し、この両翼部の上
面にカバーとなるシート材を側方から自動供給す
ると共に、このシート材の使用済部分を上記両翼
部の下面から巻取ロールに巻取るようにして便座
装置を構成したから、１回分ごとの便座カバーを
自動的に取替え乍ら使用できるのできわめて衛生
的である。

また、便座カバーの供給機構を収装した筐体
は、便座の上面より下方に位置付けられているの
で、これが使用時邪魔になることはない。

更に、便座の両翼部は縦長矩形としたので、カ
バーとなる長尺シート材の掛回し、及び、その摺
動を円滑ならしめ、且つ、便器側からの飛沫のは
ね上りを防ぐ効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一例の平面図、第２図は
要部を断面とした正面図である。 １……洋式便器、２……便座、２ａ，２ｂ……
便座の両翼部、３……筐体、４……便座カバー供
給機構、４１……供給ロール、４２……巻取ロー
ル、４３……駆動ローラ、４４……従動ローラ、
４５……駆動モータ、４５ｂ……中継ローラ、５
……便座カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洋式便器の上面に載架される平面逆馬蹄型の便
   座の両翼部を平面からみて略縦長矩形で対向した
   内外側の辺が略直線をなすように形成する一方、
   前記両翼部の外側縁であつて各翼部の下方に、こ
   れらの翼部の縦幅と略同等の長さのスリツト状開
   口部を有する筐体を、そのスリツト状開口部を前
   記各翼部に外側面から当てがつて配設すると共
   に、この筐体の内部には、便座カバーとなる布製
   又は紙製の長尺シートを、このシートの供給ロー
   ルから繰出して上記各翼部の上下面においてター
   ンさせ、駆動モータで回転される巻取ロールに巻
   取るようにした便座カバー供給機構を設けたこと
   を特徴とする便座装置。