JPH021231Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、便器本体と水槽とが一体に形成され
た便器の梱包箱に関し、組立てることにより上記
梱包箱を形成する板材に関するものである。

［従来の技術］ 従来、便器本体と水槽とを略Ｌ字状に一体とし
た洋風水洗便器の梱包箱は、単に直方体形の箱体
が用いられていた。このため、Ｌ字状の便器の内
側に空きスペースが発生した。このため梱包箱の
空きスペースに緩衝材を入れ便器を固定してい
た。この梱包作業は煩雑で多大な工数を要し、梱
包箱が大形化しかつ重心が一見してわからないの
で取扱いは悪く、また無駄な梱包資材を要するた
め、高価となる等の欠点があつた。

これを解決するものとして、実公昭57−59514
号公報に示されている考案は、便器本体のみ外部
へ突出させた梱包箱を採用している。

［考案が解決しようとする問題点］ この梱包箱は便器本体が外部へ突出しているた
め、運搬中に傷のつくおそれがあつた。

本考案は上記梱包箱の長所を生かしつつ、上記
問題点を解決することを目的としたものである。

［問題点を解決するための手段］ 即ち、本考案は、 便器本体の背面上部に水洗用の水槽を一体に設
けた略Ｌ字状の水洗便器の梱包箱用板材におい
て、 便器本体及び水槽の背面を覆う長方形板状の後
壁面材と、 略Ｌ字平板状をなし、便器本体及び水槽の背面
側の辺にて上記後壁面材の相対する２つの辺に
各々折線を介して連設されて、便器本体及び水槽
の側面を覆う２つの側壁面材と、 上記側壁面材の一方の側壁面材の水槽前面側の
辺にて折線を介して連設され、上記水槽の前面を
覆う長方形板状の前壁面材と、 上記前壁面材が連設される側壁面材とは異なる
方の側壁面材の便器本体上面側の辺にて折線を介
して連設され、上記便器本体の上面を覆う長方形
板状の上面材と、 いずれか一方の上記側壁面材の便器本体前面側
の辺にて折線を介して連設され便器本体の前面を
覆う長方形板状の前端面材と、 上記後壁面の水槽上部側の辺にて折線を介して
連設される上記水槽上面の押え片と、 上記前壁面材の辺の内、上記水槽上部側の辺に
て折線を介して連設される上記水槽上面の押え片
と、 上記各側壁面材の上記水槽上部側の辺にて折線
を介して連設され、上記押え片と係合する２つの
天板と、 を備えたことを特徴とする水洗便器の梱包箱用板
材を要旨とする。

［作用］ 便器本体と水槽との一体型便器は、略Ｌ字形状
をなしているが、後壁面材は便器本体背面及び便
器本体上部にある水槽の背面を覆い、２つの側壁
面材は便器本体の左右側面及び水槽左右側面を覆
い、前壁面材は水槽の前面を覆い、上面材は便器
本体の上面を覆い、前端面材は便器本体の前面を
覆い、２つの押え片と２つの天板とが、水槽の上
面を覆い、かつ上記２つの押え片が水槽上面を押
え固定する。このことにより、各構成を一枚の板
から形成することができ、組み立て後の梱包箱は
便器の上方から、便器全体を無駄なく覆うことが
できる。このまま帯紐で全体を縛つてもよいし、
便器を底蓋に積載した状態で縛つてもよい。

次に本考案の実施例を説明する。本考案はこれ
に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない限
り、種々の態様のものが含まれる。

［実施例］ 第１図に本考案の水洗便器の梱包箱用板材の一
実施例について説明する。

後壁面材１は長方形状をなし、その中央部に内
部の便器を観察できるのぞき穴１ａが開口してい
る。この後壁面材１の一方の短辺には、床面滑動
時に床面との擦れを防止するための切取部１ｂが
設けられ、他方の短辺には水槽の上面を押える押
え片２が折線１ｃを介して一体に設けられてい
る。押え片２は後壁面材１と連なる折線１ｃ側と
は反対の側の辺で、水槽の上面の縁部を嵌合する
切欠部２ａ，２ｂを有し、中央部に上記折線１ｃ
と平行な折線２ｃが設けられている。

上記後壁面材１の一方の長辺には折線１ｄを介
して左側壁面材３が一体に設けられている。左側
壁面材３は略Ｌ字状の板材であり、その一方の端
辺には折線３ａを介して長方形状の天板４が一体
に設けられている。天板４には更に中央部付近ま
で、上記折線３ａに垂直に２本の切込４ａ，４ｂ
が設けられて係止片５が形成されている。係止片
５は折線４ｃによつて屈曲可能とされている。
又、左側壁面材３の他方の端辺には折線３ｂを介
して接合片６が設けられている。更に、左側壁面
材３の中央付近には、折線１ｄとは垂直方向に配
列されて、長円状の手掛穴３ｃ，３ｄが設けられ
ている。又、Ｌ字の内側に、長方形状の前壁面材
７が折線１ｄと平行な折線３ｅを介して設けらて
いる。該前面壁面材７の一方の辺には、前記押え
片２と同方向に突出した押え片８が折線７ａを介
して、切欠部８ａ，８ｂ、折線８ｃを全く同形状
に有して、設けられている。更に、前壁面材７に
は、上記押え片８が設けられている辺の隣接辺に
て折線７ｂを介して接合片９が設けらている。該
接合片９の中央部には係合穴９ａが開口してい
る。

次に前記後壁面材１のもう一方の長辺には、前
記左側壁面材３とは対象の右側壁面材１０が、折
線１ｅを介して設けられている。他の付属する構
成である天板１１及び係止片１２も、同形でかつ
同様に折線１０ａを介して設けられており、手掛
穴１０ｂ，１０ｃも全く同形で、同様に設けられ
ている。前記左側壁面材３と異なるのは、前記接
合片９の係合穴９ａと図示しない係合具にて係合
する係合穴１０ｄが開口している点である。更
に、右側壁面材１０は、そのＬ字の内側の辺の
内、折線１ｅとは垂直な辺で、折線１０ｅを介し
て長方形状の上面材１３を設けている。該上面材
１３は上記折線１０ｅに対向した辺で折線１３ａ
を介して固定片１４が設けられている。該固定片
１４には前記左側壁面材３の手掛穴３ｄの閉塞を
防止するための切欠１４ａが設けられている。

更に、右側壁面材１０の内、上記折線１０ａと
は反対側の端辺にて折線１０ｆを介して長方形状
の前端面材１５が設けられている。折線１０ｆと
垂直な該前端面材１５の辺の内、上記上面材１３
と同方向の辺にて、折線１５ａを介して長方形状
の上覆片１６が設けられている。更に、上記折線
１５ａに対向する辺には、床面滑動時に床面との
擦れを防止するための切取部１５ｂが設けられて
いる。

このように構成された梱包箱用板材は、第２図
に示すごとく各折線にて折り曲げられ、左側壁面
材３の接合片６を前端面材１５の折線１０ｆに対
向した辺にステツプルにて接合し、前壁面材７の
接合片９を右側壁面材１０の内側の辺の内、上面
材１３が設けられていない方の辺に、係合穴９ａ
及び係合穴１０ｄを利用し、内外から接合片９と
右側壁面材１０とを圧着する公知のジヨイントを
用いて接合し、更に押え片２，８を内側に曲折し
て水槽上端の押えとし、天板４，１１をその上か
ら重ね、係止片５，１２を押え片２，８の間隙へ
折り曲げて押え片２，８及び天板４，１１を固定
する。更に上覆片１６を左側壁面材３と右側壁面
材１０との間に折り倒し、その上に上面材１３を
重ね、固定片１４を上覆片１６と左側壁面材３と
の間に挿入し固定する。このようにして梱包箱の
組立が完成する。

実際に便器を上記梱包箱へ収納するには、第３
図に示した底蓋２０の所定箇所に便器の底部を嵌
め込み、次に接合片６のみで四角筒状に形成され
た梱包箱を便器及び底蓋２０に被せる。次に接合
片９と右側壁面材１０とをジヨイントにて結合し
て水槽前面を覆い、更に上覆片１６及び上面材１
３を便器本体上に重ね合せ、押え片２，８及び天
板４，１１を水槽上端部に重ね合せることによ
り、収納する。

このようにして、第４図に示すごとく、略Ｌ字
形の便器２１の便器本体２１ａ及び水槽２１ｂが
無駄な空間なく、梱包箱内に納まる。この後、プ
ラスチツクバンドにて適当な箇所で緊めれば梱包
は完了する。

上記押え片２，８にて水槽２１ｂ上端部を押え
る前に、第５図イに示す、天パツト２３の開口部
２３ａに水槽２１ｂ上端部を押し込み、固定具と
して用いることもできる。この天パツト２３は、
第５図ロに示す一枚の板材に、内部に舌状部２３
ｂを有する開口部２３ａを設け、折線２３ｃにて
舌状部２３ｂを折り曲げ、更に折線２３ｄ，２３
ｅにて折り曲げることにより完成される。折線２
３ｅは設けられないこともあり、この場合、先端
は相互に平行にかつ真つ直ぐに伸びた状態のまま
となる。使用時には、第５図イで示した状態の天
パツト２３を裏返して水槽２１ｂ上端部へはめこ
む。

本実施例では折線部分を残して、各構成部分間
に切り込みを設ければ、一枚のダンボールにて構
成することができる。又、一枚でできる大版のダ
ンボールが存在しない場合は、第１図で、例えば
右側壁面材１０と後壁面材１との間で分割した状
態で別々に作成してもよい。この場合、梱包箱組
立に際し、右側壁面材１０と後壁面材１とを接合
する。

本実施例の板材は、上述の如く構成されている
ので、一枚のダンボールから形成でき、かつ無駄
なくＬ字状の便器を梱包できる。そのため保管ス
ペースが減少する。しかも、後壁面材１にのぞき
穴１ａが存在することにより、梱包後、運搬中の
破損状況が梱包状態のままで確認でき、不良品を
発送して返品されるという事態を防止できる。
又、のぞき穴１ａは手掛穴３ｃ，３ｄ，１０ｂ，
１０ｃとともに手掛用として便器２１の運搬を容
易なものとする。更に全体の重量バランスと外観
から直感できる重量バランスとがほぼ同一のもの
とすることができるので、安全に持ち上げ作業が
できる。更に梱包時ジヨイントにより接合片９が
右側壁面材１０に、簡単に結合可能である。

［考案の効果］ 本考案の水洗便器の梱包箱用板材は、略Ｌ字状
の便器に沿わせた形状の梱包箱とすることができ
るので、重量バランスが一見してわかり、持ち上
げ作業が安全であり、保管スペースも節約でき
る。又、一枚の板材から全構成部分を切り込み、
折線のみで作成できるので、本梱包箱用板材が容
易に迅速に作成でき、又梱包箱に組み立てる作業
も容易であり、梱包作業効率を高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案第１実施例の水洗便器の梱包箱
用板材の正面図、第２図はその組み立て状態を示
す斜視図、第３図は底台の斜視図、第４図は第１
実施例の梱包箱用板材を組み立てた梱包箱に便器
が収納された状態を示す斜視図、第５図イは天パ
ツトの斜視図、ロはその展開図を表わす。 １……後壁面材、３，１０……側壁面材、７…
…前壁面材、１３……上面材、１５……前端面
材、２，８……押え片、４，１１……天板、１
ｃ，１ｄ，１ｅ，３ａ，３ｅ，７ａ，７ｂ，１０
ａ，１０ｅ，１０ｆ，１３ａ……折線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 便器本体の背面上部に水洗用の水槽を一体に設
   けた略Ｌ字状の水洗便器の梱包箱用板材におい
   て、 便器本体及び水槽の背面を覆う長方形板状の後
   壁面材と、 略Ｌ字平板状をなし、便器本体及び水槽の背面
   側の辺にて上記後壁面材の相対する２つの辺に
   各々折線を介して連設されて、便器本体及び水槽
   の側面を覆う２つの側壁面材と、 上記側壁面材の一方の側壁面材の水槽前面側の
   辺にて折線を介して連設され、上記水槽の前面を
   覆う長方形板状の前壁面材と、 上記前壁面材が連設される側壁面材とは異なる
   方の側壁面材の便器本体上面側の辺にて折線を介
   して連設され、上記便器本体の上面を覆う長方形
   板状の上面材と、 いずれか一方の上記側壁面材の便器本体前面側
   の辺にて折線を介して連設され便器本体の前面を
   覆う長方形板状の前端面材と、 上記後壁面材の水槽上部側の辺にて折線を介し
   て連設される上記水槽上面の押え片と、 上記前壁面材の辺の内、上記水槽上部側の辺に
   て折線を介して連設される上記水槽上面の押え片
   と、 上記各側壁面材の上記水槽上部側の辺にて折線
   を介して連設され、上記押え片と係合する２つの
   天板と、 を備えたことを特徴とする水洗便器の梱包箱用板
   材。