JPH0211293Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえばコーヒーや紅茶のように湿
気を嫌う食品を封入するためのプラスチツク缶に
関する。

一般にコーヒーや紅茶のように湿気を嫌う食品
は、金属缶に封入されているが、金属缶に封入し
た場合には、内容物を外部から目視することがで
きず、購入者は、金属缶の外面に表示されている
商標に頼らなければならず、内容物の状態は開缶
するまで判断できない。

そこで金属缶の胴部を透明なプラスチツク材料
で構成し、内容物を目視し得るプラスチツク缶が
開発されたが、プラスチツク材料は、防湿性やガ
ス遮断性が悪いため、紅茶等の湿気を嫌う食品を
封入する缶としては不適である。しかもプラスチ
ツク製の胴部の開口端に金属製端板（蓋体）を接
合する場合には異種材料を接合するため不良品が
多発し、歩留りが悪く、その上金属製端板をプル
トツプ式にすると、価格が高くなつてしまうとい
う難点がある。

本考案は上記した点に鑑みてなされたもので、
胴部を、内容物を目視し得る窓部を形成するよう
に金属を蒸着したフイルムに透明なフイルムをラ
ミネートしたフイルム体で構成し、金属缶として
の外観を呈しかつ防湿性およびガス遮断性に富む
ようにするとともに、端板を内方に押されて取出
口を形成する開口片を一体に設けかつ内面にアル
ミ箔を有するフイルムを貼着したプラスチツク製
とし、さらに端板をホツトメルト接着剤を介して
胴部に接合したプラスチツク缶を提供することを
目的とする。

以下本考案の一実施例を図面につき説明する。

第１図において符号１はプラスチツク缶の胴部
であつて、その胴部１の開口端にはプラスチツク
製端板２，３が嵌着されている。

上記胴部１は、第２図に示すように、窓部分４
を残して一面に金属材料５を蒸着した透明フイル
ム６に、透明フイルム７をラミネートして構成さ
れるフイルム体で作られており透明フイルム７の
透明フイルム６側の面には適当な印刷８が施され
ている。

上記透明フイルム６は、好ましくは、塩化ビニ
リデンまたはポリビニールアルコールのような防
湿性、ガス遮断性に富むプラスチツク材料で作ら
れていて、蒸着された金属材料と協働して防湿
性、ガス遮断性をより向上させるようになつてい
る。

一方上記透明フイルム７に施した印刷面８は、
表面側に位置しないから、印刷面に内容物などが
直接触れず、印刷面が汚れたり、傷ついたりする
ことがない。

他方上記端板２，３は第３図に示すように、ポ
リエチレン、ポリプロピレンのような射出成形で
きるプラスチツク材料により作られており、裏側
すなわち内面には７ないし50ミクロン程度のアル
ミ箔、またはこのアルミ箔に紙やフイルムを貼合
わせた複合フイルム９がヒートシール処理により
貼着されている。また上記端板の内面周辺には上
記胴部１の開口端を嵌合するための環状溝１０が
形成されている。そして上記端板２，３と胴部１
はホツトメルト接着剤１１を介して一体的に接合
されている。この場合複合フイルム９が環状溝１
０に胴部１の嵌入と同時に入り込むから、ホツト
メルト接着剤１１は複合フイルム９により内容物
に直接接触することはない。

さらに上記端板２，３のうちの一方の端板、た
とえば胴部１の上端開口部に設けられる端板２に
は、内容物取出口を形成するための開口片１２が
設けられている。上記開口片１２は、内方に押す
ことにより端板本体より離脱するように構成され
ている。

しかしてプラスチツク缶内部に紅茶等の湿気を
嫌う食品を封入した場合には、胴部が防湿性、ガ
ス遮断性に富むから、内部に湿気等が侵入するこ
とがなく、また胴部には内部を目視するための窓
４が形成されているので陳列した場合にも内容物
の状態を判断し得る。さらに胴部に設けた印刷面
が表面に露呈しないから印刷面がこすれて汚れた
りすることがない。

そして封入した食品を取り出す場合には、まず
開口片１２を指や別個の器具を用いて押し下げる
と、開口片１２が端板２より離脱し、同時に端板
２の内面に貼着された複合フイルム９が破れ、こ
れにより食品の取り出しが可能になる。

なお上記実施例では開口片を指で押して離脱し
得る程度の形状にしたが、これを端板のほぼ全体
が離脱するような形状にしてもよいのはもちろん
である。

以上述べたように本考案によれば、缶全体は、
金属缶のような外観を呈しながら、一部分から内
容物が目射し得、胴部の防湿性、ガス遮断性が良
いため、ガス充填包装や、防湿包装が可能とな
り、しかもフイルムを端板の内面に施すから接着
剤が直接内容物に触れることがなく衛生的であ
り、その上製造価格が安価になりかつ生産性が向
上するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるプラスチツク缶の全体斜
視図、第２図は胴部の一部を示す拡大断面図、第
３図は端板と胴部の接合状態を示す説明図であ
る。 １……胴部、４……窓部分、５……金属材料、
６，７……透明フイルム、９……複合フイルム、
１０……環状溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 両端開口の胴部を、内部を透視し得る窓部を
   形成するように金属材料を蒸着したフイルムに
   透明フイルムをラミネートしたフイルム体で形
   成するとともに、内方に押されて取出口を形成
   する開口片を一体に設けかつ内面にアルミ箔を
   有するフイルムを貼着したプラスチツク製端板
   を、ホツトメルト接着剤を介して胴部の開口端
   に接合したことを特徴とするプラスチツク缶。 ２ 透明フイルムの蒸着フイルム側の面に印刷を
   施したことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のプラスチツク缶。