JPH0210533Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ネガシートに装填したネガフイルム
を切断することのないネガシート切断装置に関す
るものである。

焼付け、現像処理済みの長尺状のネガフイルム
を数コマ毎に短尺状に切断してネガシートに挿入
する装置、所謂フイルムエンベロツパーは、第１
図に示すように、ネガシート装着用軸１に回転自
在に遊挿したネガシート巻芯２にロール状に巻回
されたネガシート３をネガシート送り出し用ロー
ラ４によつて１ピツチ宛定寸にて送り出し、この
送り出されたネガシート３にフイルム後端挿入用
レバー６の操作によりフイルムガイド５の溝７よ
り突出するフイルム後端挿入板にてネガフイルム
を挿入する。フイルムが挿入されたネガシートは
ネガシート切断装置８をネガシートカツトレバー
Ａにて作動せしめて切断するが、従来のネガシー
ト切断装置８は、第２図に示すように円形状に形
成した回転上刃４１を下刃４０に対し圧着しなが
ら、ネガシートの搬送方向と直交する方向に手動
やモーター等を用いて移動せしめることにより切
断していた。そのため、ネガシートの停止位置の
ずれが生じた場合には、ネガシート内にネガフイ
ルムが挿入されているにもかかわらず、ネガフイ
ルムともども切断してしまうことがあつた。この
ようなミスカツトを防止するために、ネガフイル
ムの検出用センサーを用いたものが提案された
が、構造が複雑になるばかりでなく、高価なもの
とならざるを得なかつた。

本考案は、上記したような点に鑑み、ネガフイ
ルムの装填されないネガシートとネガフイルムが
装填されたネガシートに対する切断力に差がある
ことに着目してネガフイルムが装填されないネガ
シートを切断するには十分ではあるが、ネガフイ
ルムが装填されたネガシートを切断するには至ら
ない弱い力をカツターに駆動力を伝達することに
より、ネガフイルムの切断を防止するようにした
もので、その要部構成に主をおいて図示した第３
図以降の図面によつて、本考案の実施例を詳細に
説明することとする。

１０はロータリーカツター装置のカバーであ
り、前記ロータリーカツター装置は、第４図に示
したように、ネガシート搬送用台１１（第１図参
照）に沿つて矢印ａ方向に搬送されるネガシート
３の搬送方向と直交する方向に下刃１２および上
刃となるロータリーカツター１３を設けて構成さ
れる。第３図に戻つて、１４は前記ロータリーカ
ツター１３の軸１５に固定された歯車である。１
６は軸１８に回動自在に装着せられたプレートで
あり、該プレート１６には前記歯車１４と噛合す
る歯車１７を固定してある。１８は前記歯車１７
を遊嵌した軸であり、該軸１８にネガシートカツ
トレバーＡを固定してある。１９は前記ネガシー
トカツトレバーＡに植設したばね張架用ピンであ
り、２０はプレート１６に立設したばね張架用ピ
ンであり、ピン１９とピン２０間には弱い張力の
ばね２１を張架してある。２２は前記歯車１７に
立設したストツパーである。

上記した実施例において、ネガシート３がネガ
シート搬送台１１上を搬送されて切断位置に搬送
されたとき、駆動側のネガシートカツトレバーＡ
を押し下げ回動せしめると、ネガシートカツトレ
バーＡに植設された駆動側のピン１９と駆動力伝
達部材としてのプレート１６に立設されたピン２
０との間にばね２１が張架されているので、前記
のレバーＡの回動に伴いプレート１６もばね２１
の介在により回動し、同時にプレート１６に固設
された駆動力伝達部材としての歯車１７も回動
し、この歯車１７の回動によりこれと噛合するロ
ータリーカツター１３回動用の従動側の歯車１４
を回動せしめ、ロータリーカツター１３の回動に
よりネガシート３を切断する（第５図参照）。

ネガフイルムが装填されたネガシート３が誤つ
てネガシート切断位置に搬送されてきたとき、ネ
ガシートカツトレバーＡを押し下げ、回動させて
切断せんとしても、ネガフイルムが装填されない
ネガシートとネガフイルムが装填されたネガシー
トとの切断力に差があるので、ネガシートカツト
レバーＡに植設されたピン１９とプレート１６に
立設されたピン２０の間に張架されたばね２１
を、ネガフイルムが装填されないネガシート３を
切断するには十分ではあるが、ネガフイルムが装
填されたネガシートを切断するには不十分である
ような弱い張力としたので、ネガシートカツトレ
バーＡを押し下げ、回動させてもロータリーカツ
ター１３には力を伝達することができず、プレー
ト１６はその位置にとどまり、ばね２１のみが伸
張し、フイルムの切断は防止される（第６図参
照）。

第７図に示す本考案の他の実施例は、第１の実
施例と同様にロータリーカツター装置によつてネ
ガシート３を切断するものであり、駆動側のイン
ダクシヨンモーター３０の回転を駆動力伝達部材
としての低トルククラツチ３１を介して歯車３２
を回転させ、該歯車３２と噛合する従動側のロー
タリーカツター回転用歯車３３を回転せしめて、
ロータリーカツター１３を回転させてネガシート
３を切断するものであるが、ネガフイルムが装填
されたネガシート３が切断位置に搬送されても、
前記低トルククラツチ３１を第１実施例のばね２
１と同様に、ネガシート３を切断するには充分で
あるが、ネガフイルムを切断するには不十分であ
るような低トルクのクラツチ３１としたもので、
ネガフイルムが装填されたネガシート３を切断し
ようとしたときは、クラツチ３１が切れてインダ
クシヨンモーター３０の回転が歯車３２に伝達さ
れなくなり、ネガフイルムの切断を不可能にする
ものである。

本考案はかかるフイルム切断防止付ネガシート
切断装置は、ネガフイルムが装填されないネガシ
ートとネガフイルムが装填されたネガシートとの
切断力に差があることに着目して、ネガシート切
断用駆動側とネガシート切断用従動側であるカツ
ターとの間に、ネガフイルムが装填されないネガ
シートを切断するには十分であるが、ネガフイル
ムが装填されたネガシートを切断するには不十分
な力を伝達する駆動力伝達部材で連結したので、
ネガフイルムを切断せんとしてもカツターにはネ
ガフイルムを切断する駆動力が伝達されることが
なく、ネガフイルムの切断が防止できるものであ
り、簡単な構成でありながら初期の目的を充分に
達することができる優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図はフイルムエンベロツパーの斜視図、第
２図イ，ロは従来のネガシート切断装置の概略
図、第３図は本考案のフイルム切断防止付ネガシ
ート切断装置の実施例の斜視図、第４図はロータ
リーカツターの説明図、第５図、第６図はそれぞ
れネガフイルムが装填されていない場合のシート
切断の説明図およびネガシートにフイルムが装填
されていた場合のシート切断の説明図、第７図は
他の実施例のネガシート切断装置の概略斜視図で
ある。 Ａ……ネガシートカツトレバー、１２……下
刃、１３……ロータリーカツター、１４，１７，
３２，３３……歯車、１６……プレート、２１…
…ばね、３０……インダクシヨンモーター、３１
……低トルククラツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 焼付け、現像処理済みで短尺状に切断されたネ
   ガフイルムが装填された長尺のネガシートを切断
   する装置において、ネガシート切断用駆動側とネ
   ガシート切断用カツターを有する従動側とをネガ
   フイルムが装填されないネガシートを切断するに
   は十分であるが、ネガフイルムが装填されたネガ
   シートを切断するには不十分な力を伝達する駆動
   力伝達部材にて連結したことを特徴とするフイル
   ム切断防止付ネガシート切断装置。