JP2995364B2 - 巻取機における製品ガイド揺動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、スチールテープをプ
レス機で成型加工し、プレス加工の終った連鎖状の製品
テープを紙テープと重合して巻取リールに巻取る巻取機
における製品ガイドの揺動装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の巻取機の製品ガイドは、例えば特
開昭６１−１２３４１６号公報に開示されているよう
に、製品ガイドを垂下状態に機枠に軸支し、製品テープ
の巻取り開始時に製品ガイドを略９０°回動して水平状
態にし、繰出ロールで送られてきた製品テープの始端を
巻芯に巻かれている紙テープ上に案内して紙テープと重
合して巻き取っており、製品テープの始端部の巻き付け
が終った後は製品ガイドを垂下状態の待機位置に戻して
製品テープを巻取リールに巻取っている。

【０００３】従って従来の製品ガイドは、巻取り開始時
における製品テープの垂れ下がりを防止して製品テープ
の始端を巻取リールの巻芯に口付けするだけに用いられ
ていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】巻取リールは、既知の
ように側板がダンボールのダンボールリールや、プラス
チックのプラスチックリールが多用されており、大直径
のものが使用されている。プラスチックの側板には軽量
化のために大きな４個の孔が設けてあり、高速で製品テ
ープを巻取ると、製品テープが上下、左右に脈動して製
品が側板の孔に接触して不良品になることがある。又ダ
ンボールリールは乾燥するとそりがでて側板が変形して
巻取られている製品テープの製品が側板の内側端面にひ
っかかって不良品になるという問題が起こる。

【０００５】通常、巻取リールに巻取られた製品テープ
は、終端部を切り取り、切り取ったサンプルを検査して
おり、巻取リール内に紙テープと重合して巻取られてい
る製品テープは検査することができないので、巻取中に
不良品が発生すると、不良品が混入した満リールがその
まま出荷されて、品質保証上大問題となる。

【０００６】この発明は、斯かる問題を解決し、巻取中
に製品テープが巻取リールの側板に接触しない製品ガイ
ドの揺動装置を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明の製品ガイド揺
動装置は、巻取リールに巻き取られる製品テープの巻径
に応じて製品ガイドを外方へ揺動させて行く製品ガイド
揺動装置であって、基台上に同一方向に同期回動する２
個の駆動軸が立設され、一方の駆動軸に長リンクが、他
方の駆動軸に短リンクが取着され、前記長リンクの他端
が先端に製品ガイドを突設したガイド台の下面に軸支さ
れているガイド台支持軸に連結され、前記短リンクの他
端がガイド台の下面に固着したスライドレールを摺動す
るスライドブロックに軸支されているガイド台支持軸に
連結され、前記２個の駆動軸を支点にしてガイド台に突
設した製品ガイドが揺動することを特徴とするものであ
る。

【０００８】

【発明の作用・効果】巻取開始時には、巻取リールの側
板の間に挿入した製品ガイドが巻芯の切線方向に指向し
ていて、繰出しロールの回動で繰出される製品テープの
始端を製品ガイドで案内して送給し、送給された製品テ
ープは紙テープと重合して巻取リールに巻取られる。

【０００９】製品テープと紙テープを重合して巻取ら
れ、巻径が大きくなるにつれて２本の駆動軸が同期回動
して製品ガイドを突設したガイド台が揺動し、製品ガイ
ドは、巻径に応じて巻径と繰出ロールを結ぶ接線方向を
指向した状態で外方へ揺動して行く。このとき長リンク
側のガイド台支持軸は一方の駆動軸を支点に円弧運動
し、短リンク側のガイド台支持軸は他方の駆動軸を支点
にスライドレールに摺動しながら円弧運動するので、製
品ガイドは巻取りレールの巻芯から遠ざかる方向へ後退
しながら外方へ揺動して行く。

【００１０】従って、製品ガイドは、製品テープの始端
を案内して巻芯に始端部を巻取った後は、製品テープに
接触することなく、満巻きになるまで後退しながら外方
へ揺動し、製品ガイドの先端が巻取リールの巻取接点の
近くを揺動する。

【００１１】このように製品ガイドの先端を巻取リール
の巻取接点の近くに臨ませて製品テープを巻取るので、
巻取リールの側板が変形していても製品ガイドが側板に
接触して、巻取中の製品テープが側板に接触したり、ひ
っかかることがない。従って、巻取中に発生する製品テ
ープの側板接触事故を完全に防止でき、巻取機の高速化
が図られる上に、ダンボールリール、プラスチックリー
ル等の各種リールを安心して使用できる。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基いて説
明する。機台１上に製品ガイド揺動装置２と巻取リール
３と紙テープリール４が図１のように配設され、巻取リ
ール３は機台１に回動自在に支承されている巻取軸５に
取付けたＶプーリ８に懸回したＶベルト９によって正逆
に回動するようになっている。

【００１３】図１〜図３に示す製品ガイド揺動装置２に
ついて説明する。２個の軸受部１１を立設した支持台１
２を機台１に固着し、軸受部１１に回動自在に支承され
ている２個の駆動軸１３には同じ直径の歯車１４が取着
されている。一方の軸受部１１に取付けた減速機付揺動
開モータ１５に楔着した駆動歯車１６が駆動軸の歯車１
４、１４に噛合して２個の駆動軸１３、１３が同一方向
に同期回動するようになっている。

【００１４】一方の駆動軸１３に長リンク１７の一端を
取着し、その他端はガイド台１８の前方側下面に固着し
た軸受ブロック１９に軸支されているガイド台支持軸２
０に取着されている。他方の駆動軸１３に短リンク２１
を取着し、その他端はガイド台支持軸２２に取着されて
いる。ガイド台支持軸２２は、ガイド台１８の下面に固
着したスライドレール２３を摺動するガイドブロック２
４に回動自在に支持されている。駆動軸１３、１３とガ
イド台支持軸２０、２２を連結した長リンク１７と短リ
ンク２１は平行リンクを形成して図３に二点鎖線で図示
したように扇動する。

【００１５】ガイド台１８の後部（図２の左側）には、
製品テープＷの始端を巻取リール３に送給する繰出装置
２５が装設されている。ガイド台１８の下面に固着した
ブラケット２６に減速機付繰出用モータ２７を取付け、
ガイド台１８に固着した軸受ブロック２８に軸支されて
いる繰出軸２９が、繰出用モータ２７の出力軸とトルク
リミッター（カップリング）３０を介して連結されてい
る。繰出軸２９には、製品テープＷのピン孔Ｈ〜Ｈと噛
合うピン３１を外周に等間隔に植設した繰出しロール３
２が、ワンウエイクラッチ（図示せず）を介して装着さ
れている。

【００１６】従って繰出ロール３２は、繰出用モータ２
７の作動によって製品テープＷを巻取リール３へ繰出
し、繰出用モータ２７が停止すると自由状態となり、巻
取りに係る製品テープＷの走行に追従して回転される。

【００１７】繰出ロール３２の下方の外周にはピン３１
と同数の孔３３が穿設されていて、ガイド台１８の上面
に取付けた反射式光電センサー３４で孔３３を検知し
て、巻取リール３に巻取られる製品テープの長さを検出
する。３５は製品テープＷのテープの部分に圧接して繰
出ロール３２に追従して回転する挟持ロールである。

【００１８】ガイド台１８の前端の上面には、ガイド台
１８から突出するように製品ガイド４０がブラケット４
１を介して固着されている。この製品ガイド４０は、製
品テープＷと紙テープＶを案内するコ字状の案内面４２
に形成し、下壁４３が巻取リールの左右の側板３６の間
に挿入し易いようにＶ字状に面取りされており、巻取リ
ールの側板３６が変形しているときには、左右の側端面
４４が接触するように平滑な平面になっている（図
４）。上壁４５の片側端部を切欠いてガイドローラ４６
を設け、上壁４５の先端部を切欠いた切欠溝３８に走行
中の紙テープＶの表面を検出する反射式光電センサー４
７が埋設されている。図４の３９は取付孔である。尚、
ガイドローラ４６は、製品ガイド４０の入口のガイド台
１８上に設けても良い。

【００１９】製品ガイド４０と繰出ロール３２の中間の
ガイド台１８上にカッター取付板４８を固着し、カッタ
ー取付板４８に固定した下刃４９と、カッター取付板４
８の上３に固着した作動手段（例えばソレノイド）５０
により下刃４９に対して進退動する上刃５１から成る切
断カッタ５２が、製品テープＷの送り出し方向の前後
（図１の左右方向）に、採取するサンプル長の間隔で一
対設けてある。５３、５４は製品テープＷを案内する製
品ガイドで、ガイド台１８の上面に固着されている。

【００２０】５６は、転写テープ５７を備えた既知の糊
付器で、エヤンリンダー（図示せず）で前後動（図１の
左右動）し、ガイドローラ５８に転写ロール５９を押し
付けて紙テープＶの裏面に糊付けするようになってい
る。紙テープリール４は機台１に立設した軸６０に嵌着
され、紙テープＶがガイドローラ６１、６２、５８、４
６を経て、その始端が巻取リール３の巻芯３７に接着さ
れている。

【００２１】斯かる構成の製品ガイドの揺動装置２によ
って図５に示す製品テープＷと紙テープＶを重合して巻
取リール３に巻取る作用を説明する。

【００２２】繰出用モータ２７を作動して切断カッタ５
２で切断されている製品テープＷの始端を繰出すと、始
端部は製品ガイド５４に導かれて製品ガイド４０に入
り、製品ガイド４０内では走行中の紙テープＶと下壁４
３の内壁面に案内されて送給され、製品テープＷと紙テ
ープＶが同時に重合して巻芯３７に巻き取られる。

【００２３】製品テープＷの始端部が巻芯３７に巻き取
られると繰出用モータ２７を停止し、繰出ロール３２は
巻取リール３の巻取りによる製品テープＷの走行に追従
して回動する（図３）。巻取られた製品テープＷの巻径
が大きくなり、走行中の紙テープＶを反射式光電センサ
ー４７が検知すると、検知してしている間中揺動用モー
タ１５が作動して製品ガイド４０が上方へ揺動する。セ
ンサー４７の検知と揺動モータ１５のON、OFFを繰返して
製品テープＷが巻取られて行く。このときガイド台１８
に突設した製品ガイド４０は、２本の駆動軸１３を支点
にして長短の平行リンク１７、２１で揺動するので、製
品ガイド４０の先端は図３の一点鎖線で示したＳの軌跡
を画いて揺動し、製品ガイド４０は巻径に応じて巻径と
繰出ロール３２を結ぶ接線方向を指向した状態で揺動す
るので、製品テープＷの巻径Ｄと製品ガイド４０の下側
先端４０ａは接触することなく巻取り、更に走行中の製
品テープＷは製品ガイド４０の内壁面に接触しないで巻
取りができる。

【００２４】巻取リール３が満巻きになると反射式光電
センサー３４で検知されて、巻取用モータ７を停止す
る。切断カッター５２で製品テープＷの終端を切断した
後、再度巻取用モータ７の作動して切断カッター５３に
連なる製品テープＷの終端部を巻取る。このとき糊付器
５６で紙テープＶの終端部に糊を付けて接着する。切断
カッタ５２で切断されたサンプルはガイド台１８上に落
下しているので満巻リールに接着テープで貼着しておく
と、満巻リールの製品が目視で解るので至便である。

【００２５】上記実施例では、紙テープＶを製品ガイド
４０内に導いて、紙テープＶと製品テープＷを重合して
巻取っているが、紙テープＶに直接巻取リールの巻芯３
７に巻付け、製品ガイド４０には製品テープＷのみを案
内して巻取るようにしても良い。又揺動用モータ１５の
ON,OFF制御を反射式光電センサ３４によって予め設定し
た巻取り長さ毎に行うようにしても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す製品ガイド揺動装置
の正面図である。

【図２】図１のII−II断面図である。

【図３】製品ガイド揺動装置の作動説明図である。

【図４】製品ガイドの正面図である。

【図５】図４のＶ−Ｖ断面図である。

【図６】製品テープの一実施例の斜視図である。 １−基台 ２−製品ガイド揺動装置 ３−巻取リール ４−紙テープリール １３−駆動軸 １７−長リンク １８−ガイド台 ２０−ガイド台支持軸 ２１−短リンク ２２−ガイド台支持軸 ２３−スライドレール ２４−スライドブロック ４０−製品ガイド Ｗ−製品テープ Ｖ−紙テープ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B21C 47/26 B21C 47/34 B65H 23/035

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻取リールに巻き取られる製品テープの
   巻径に応じて製品ガイドを外方へ揺動させて行く製品ガ
   イド揺動装置であって、基台上に同一方向に同期回動す
   る２個の駆動軸が立設され、一方の駆動軸に長リンク
   が、他方の駆動軸に短リンクが取着され、前記長リンク
   の他端が先端に製品ガイドを突設したガイド台の下面に
   軸支されているガイド台支持軸に連結され、前記短リン
   クの他端がガイド台の下面に固着したスライドレールを
   摺動するスライドブロックに軸支されているガイド台支
   持軸に連結され、前記２個の駆動軸を支点にしてガイド
   台に突設した製品ガイドが揺動することを特徴とする巻
   取機における製品ガイド揺動装置。