JPH0210167Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は建屋等の柱となる縦枠部材あるいは
下枠部材などをコンクリート等の床に対し固定す
るためのアンカーに関し、その目的は建屋枠材へ
の止着が容易であるとともに、床に対し極めて安
定した状態で固定することのできるアンカーを提
供することにあり、その要旨は埋込みボルトとコ
字形連結具とからなるアンカーであつて、前記コ
字形連結具の下方には一方に開口して前記埋込み
ボルトを挿通可能な長溝状の固着部を設けるとと
もに、同連結具の上片は前記下片よりも大きく張
出し形成して建屋枠材を止着可能な前記長溝状の
固着部に直交状あるいは平行状な複数の長溝孔か
らなる止着部を設けてなるアンカーに存する。

次に、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明すると、図中１は建屋の全体であつて、その正
面Ａ１側および背面２側にはそれぞれ複数本の柱
部材２，２′が後述のアンカー１４を介して立設
され、また、左右の側面Ｂ１，Ｂ２側の柱部材２
間には同様にアンカー１４を介して柱部材３が立
設されるとともに、これら柱部材２，３間の上端
部間には梁部材４が横架され、また、下端部間に
は下枠部材５が設けられて連結され、また、これ
ら柱部材２，２′，３の上部側には閉蓋状に屋根
部６，７が取付けられている。これら柱部材２，
２′，３および梁部４と下枠部材５間にはそれぞ
れガラスあるいは合成樹脂等からなる透過性を有
するパネル８が嵌着されて壁部を構成している。
なお、９は片開き可能に取付けられたドアーであ
る。

次に、アンカー１４を介して立設される柱部材
２、本例では建屋１の角部に立設された柱部材に
ついて説明すると、この柱部材２は主縦枠材１０
と補助枠材１１，１１とより構成され、この主縦
枠材１０の断面形状は外側片１０ａ，１０ｂと内
側片１０ｃ，１０ｄとにより中空部１０ｅを有す
る断面略密封箱形状に形成され、両外側片１０
ａ，１０ｂは側方へ延設されて係止片１０ｆ，１
０ｇが形成され、また、内側片１０ｃ，１０ｄの
角部には係止片１０ｈが斜状（ほぼ45度方向）に
延設されている。なお、１０ｊは主縦枠材１０の
長手方向に沿つて形成されたビス受けである。ま
た、補助枠材１１の断面形状はそのウエブ１１ａ
のほぼ中央部に凹部溝１１ｂが形成されるととも
に、同溝１１ｂの対向面にはあり溝１１ｃが形成
されている。なお、１１ｄは補助枠材１１の長手
方向に沿つて形成されたビス受けである。

かくして形成された主縦枠材１０と補助枠材１
１，１１とは主縦枠材１０の係止片１０ｆ，１０
ｈおよび係止片１０ｈ，１０ｇ間に補助枠材１１
がそれぞれ係着されるとともに、ねじ１２ａによ
り止着されて柱部材２が形成され、この柱部材２
の下端部にはアンカー１４を構成するコ字形連結
具１６が取付けられている。

１４はアンカーであつて、このアンカー１４は
埋込みボルト１５とコ字形連結具１６との二部材
より構成されている。この埋込みボルト１５は基
礎コンクリート２１に埋設され所定の径を有して
その取付部１５ａはねじが螺設されて、同取付部
１５ａは基礎面より所定の長さ突出して埋設され
る。１６はコ字形連結具であつて、下片１６ａと
立上り片１６ｂと上片１６ｃとにより略コ字形状
に形成され、この下片１６ａにはそのコ字形状の
開口側の縁１６ｄ側に開口する長溝状の固着部１
６ｅが形成され、同固着部１６ｅの幅は埋込みボ
ルト１５を挿通可能に形成されている。また、上
片１６ｃは立上り片１６ｂを介して所定の間隔ｔ
を隔てて下片１６ａと平行に設けられるととも
に、この上片１６ｂは下片１６ａよりも開口側お
よび左右両側へ所定の長さ張出し形成されて柱部
材２，３の端面のほぼ全体を載置位置な大きさに
形成されている。また、上片１６ｃの左右の張出
部および開口側の張出部には下片１６ａの長溝状
の固着部１６ｅに直交しかつ柱部材２のビス受け
１０ｊ，１１ｄに整合する長溝孔１６ｆ，１６
ｇ，１６ｈがそれぞれ形成されている。なお、下
片１６ａと上片１６ｃとの間隔ｔは埋込みボルト
１５の取付部１５ａにナツト２１を螺合可能な間
隔ｔに形成されている。

かくして形成されたコ字形連結具１６は柱部材
２，３の下端面に対しその上片１６ｃが当接され
るとともにその長溝孔１６ｆ，１６ｈがビス受け
１１ｄにそれぞれ整合されてねじ１２ｂにより止
着されている。また、このアンカー１４のコ字形
連結具１６は柱部材２，３の下端のみならず、例
えば第２図に示すように下枠部材５が長尺に設け
られた部位の下面にも止着されている。

５は上記した下枠部材であつて、その断面形状
は屋内側に凸部５ｂを有する上縁５ａと下縁５ｃ
および屋内外縁５ｄ，５ｅとにより中空部５ｆを
有する断面略密封箱形状に形成され、屋内外縁５
ｄ，５ｅは下方へ対応して延設されて脚片５ｇ，
５ｈが設けられるとともに、両脚片５ｇ，５ｈの
下端には対向して取付片５ｊ，５ｋが形成されて
いる。また、１７は抑え枠であつて、下枠部材５
の上縁５ａに係着されて凸部５ｂとによりパネル
８の嵌着部を構成している。かくして形成された
下枠部材５の所定の位置にはコ字形連結具１６の
上片１６ｃが当接され、その長溝孔１６ｆ，１６
ｇを介してねじ１２ｃにより取付片５ｊ，５ｋに
螺着されている。

このコ字形連結具１６を予め取付けた柱部材
２，３および下枠部材５からなる枠体は基礎コン
クリート２１に埋設した埋込みボルト１５に対し
その下片１５ａに設けた長溝状の固着部１６ｅを
取付部１５ａと挿通してナツト２１により締付固
定される。

なお、図中１８はコ字形連結具１６と基礎コン
クリート２１との間に介装されたスペーサー、１
９は無目、２０はモルタル施工部である。

次に、上記のように構成された本実施例の作用
および効果について説明する。

さて、本例アンカー１４は埋込みボルト１５と
コ字形連結具１６とからなるもので、コ字形連結
具１６の下片１６ａには一方に開口して埋込みボ
ルト１５を挿通係合する長溝状の固着部１６ｅを
設けるとともに、同連結具１６の上片１６ｃは下
片１６ａよりも大きく張出し形成して柱部材２，
３および下枠部材５等の建屋部材を止着可能な長
孔状の止着部１６ｆ，１６ｇ，１６ｈを設けたも
のである。したがつて、コ字形連結具１６は下片
１６ａと上片１６ｃとを立上り片１６ｂを介して
間隔ｔで設け、上片１６ｃは建屋部材２，３，５
を止着可能な長溝状の止着部１６ｆ，１６ｇ，１
６ｈを設けたものであるから、建屋部材２，３，
５に対し予め取付可能であり、かつ埋込みボルト
１５に対する締結はその下片１６ａに設けた長溝
状の固着部１６ｅをボルト１５の取付部１５ａと
挿通係合してナツト２１を螺合することで締結作
業を極めて容易に行なうことができ、また、連結
具１６と建屋部材２，３，５との止着は止着部１
６ｆ，１６ｇ，１６ｈを長溝状に設けたので止着
位置の調整が可能であり、また、埋込みボルト１
５に対する固着位置の調整も長溝状の固着部１６
ｅを介して容易に行なうことができる。また、埋
込みボルト１５と連結具１６との連結は長溝状の
固着部１６ｅを挿通係合することで容易に行なう
ことができ、締結のための埋込みボルト１５の取
付部１５ａおよびナツト２１はコ字形連結具１６
内に納めることができ施工等の支障とならない等
多くの特長がある。

なお、上記実施例においてはコ字形連結具１６
に設けた固着部１６ｅを開口側の縁１６ｄ側に開
口して設け、上片１６ｃ側の止着部１６ｆ，１６
ｇ，１６ｈを固着部１６ｅに直交状に設けて例示
したが、固着部１６ｅ、止着部１６ｆ，１６ｇ，
１６ｈの方向は建築モジユールに応じて適宜選択
的に設けてもよい。

さて、本考案は埋込みボルトとコ字形連結具と
からなるアンカーであつて、前記コ字形連結具の
下片には一方に開口して前記埋込みボルトを挿通
可能な長溝状の固着部を設けるとともに、同連結
具の上片は前記下片よりも大きく張出し形成して
建屋枠材を止着可能な前記長溝状の固着部に直交
状あるいは平行状な複数の長溝孔からなる止着部
を設けたことにより、コ字形連結具を予め建屋部
材に止着することができるとともに、埋込みボル
トに対し極めて容易に締結することができ、ま
た、この締結部位はコ字形連結具内に納めること
ができて施工等の支障とならないので、アンカー
として極めて実用性に優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は建屋
の平面図、第２図は同じく斜視図、第３図は側面
図、第４図は柱部材とアンカーとの連結を示す縦
断面図、第５図は柱部材の断面図、第６図は柱部
材の断面とコ字形連結具との関連を示す平面図、
第７図は下枠部材とアンカーとの連結を示す断面
図である。 ２，２′，３……柱部材、５……下枠部材、１
０……主縦枠材、１１……補助枠材、１４……ア
ンカー、１５……埋込みボルト、１６……コ字形
連結具、１６ａ……下片、１６ｃ……上片、１６
ｅ……固着部、１６ｆ，１６ｇ，１６ｈ……止着
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 埋込みボルトとコ字形連結具とからなるアンカ
   ーであつて、前記コ字形連結具の下片には一方に
   開口して前記埋込みボルトを挿通可能な長溝状の
   固着部を設けるとともに、同連結具の上片は前記
   下片よりも大きく張出し形成して建屋枠材を止着
   可能な前記長溝状の固着部に直交状あるいは平行
   状な複数の長溝孔からなる止着部を設けてなるア
   ンカー。