JPH018039Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、無線機を例えば自動車のダツシユ
ボード付近に取付けるのに好適な取付装置に関す
るものである。

一般に、無線機を車内に設置するに際しては、
まず、マウントと呼ばれるほぼコ字形の枠体を例
えばダツシユボード側に取付け、そのマウントに
無線機を嵌め込んで両側からネジ止めするように
している。しかしながら、この取付構造において
は、ネジ止めに手間がかかる許りでなく、横から
ネジを締めるドライバーのスペースが必要である
ため、マウントを隅部に寄せて取付けることがで
きず、その取付個所が自ずと限定されてしまうと
いう欠点がある。また、一旦ネジ止めした後は無
線機の位置を調整することができず、不便なもの
であつた。

この考案は、上記した事情に鑑みなされたもの
で、その目的は、無線機をマウントに対してその
前面からワンタツチ操作で取付けることができる
とともに、その無線機の前後位置および上下角度
を簡単に調整し得るようにした無線機の取付装置
を提供することにある。

以下、この考案を添付図面に示された実施例を
参照しながら詳細に説明する。

この取付装置は、無線機１と、左右１対の互い
に平行な側板３（第１図においてはその一方のみ
が示されている）を含むコ字形の枠体からなるマ
ウント２との間に設けられるもので、上記側板３
と対向する無線機１の側面部４に例えばネジ等に
より固定されるガイドレール５を備えている。こ
の実施例においては、ガイドレール５は断面Ｃ字
形に形成されており、その底壁部には、複数の位
置決め用の凹部６が等しい間隔で穿設されてい
る。

一方、マウント２の側板３には、上記ガイドレ
ール５を摺動可能に保持する受け部材としてのホ
ルダー７が取付けられる。このホルダー７は、例
えば断面コ字形であつて、その両端に上記ガイド
レール５の溝内に係合するフランジ部を有する帯
板からなり、その背面にはこのホルダー７を側板
３に取付けるための２つのピン９ａ，９ｂが立設
されている。この場合、ホルダー７には、上記ガ
イドレール５に対してストツパとして作用する板
バネ１０が取付けられるとともに、この板バネ１
０に関連する開口部１１が穿設される。板バネ１
０は、その一端部１２がガイドレール５の凹部６
に弾性的に係合するように形成され、かつ、他端
部１３は上記開口部１１内に嵌合しその背面側に
突出するように折曲げられてなり、この他端部１
３側にはホルダー７に対する取付基部１４が連設
されている。

また、ホルダー７とマウント２の側板３との間
には、ロツクレバー１５が配設される。このロツ
クレバー１５は、上記ピン９ａ，９ｂに嵌合する
１対の長孔１６，１６を有し、これらの長孔１
６，１６を介して摺動自在に保持される。さら
に、このロツクレバー１５には、その特定の摺動
位置において上記開口部１１に合致する窓１７が
設けられている。

さらに、この取付装置においては、無線機１を
俯仰自在に保持することができる。すなわち、側
板３には、ホルダー７の後方に配置されている一
方のピン９ａを横方向に摺動可能に受入れる大き
さの軸受孔２０と、他方のピン９ｂと嵌合し、そ
のピン９ｂを一方のピン９ａを中心として所定の
角度範囲内で回動し得るように形成された弓形の
ガイド溝２１とが設けられており、この場合、ガ
イド溝２１の前縁側には、ピン９ｂと係合して上
記無線機１を所定の俯仰位置もしくは水平位置に
保持する複数、この実施例では３つの係合溝２１
ａ，２１ｂ，２１ｃが連設されている。また、側
板３とホルダー７との間には、ホルダー７を前
方、すなわち第１図手前側に向けて付勢し、上記
ピン９ｂを係合溝２１ａ〜２１ｃのいずれか１つ
に押込んだ状態に保持するスプリング２２が設け
られる。この実施例においては、上記スプリング
２２の一端は、側板３に穿設された透孔２４の後
縁に突設されている爪片２５に嵌合保持され、ス
プリング２２の他端は、ホルダー７から切起さ
れ、ロツクレバー１５の開口２６を通つて側板３
側に延び、その先端が上記透孔２４内において爪
片２５と対向するようにＬ字形に折曲げられてな
る鉤片２７に取付けられている。なお、無線機１
とマウント２の図示されていない反対側にも上記
と同様な取付装置が設けられている。

上記した構成から明らかなように、この取付装
置においては、ガイドレール５をホルダー７に嵌
合させることにより、無線機１をマウント２に対
してその前面から取付けることができる。その場
合、この実施例においては、ロツクレバー１５を
第１図手前側に引くと、ロツクレバー１５の窓１
７が第２図に示すようにホルダー７の開口部１１
に合致し、板バネ１０の他端部１３がフリーとな
る。これにより、板バネ１０の適度に撓み得るの
で、その一端部１２はガイドレール５の凹部６に
位置の確認ができるような軽いクリツク音を伴な
う程度に係合することになり、無線機１の前後位
置を整調することができる。これに対して、ロツ
クレバー１５を第１図において後方に押込むと、
ホルダー７の開口部１１はロツクレバー１５の側
面にて塞がれるとともに、その側面が板バネ１０
の他端部１３に当接して、その板バネ１０をガイ
ドレール５に向けて強く押付けることになる。こ
れにより、板バネ１０の一端部１２がガイドレー
ル５の凹部６にしつかりと喰込むため、無線機１
はその位置に固定される。

また、無線機１の上下角度を変えるには、ロツ
クレバー１５を強く押込んで、ホルダー７をスプ
リング２２に抗して後方にスライドさせてピン９
ｂを現在係合している係合溝からガイド溝２１内
に移す。これにより、無線機１を後方のピン９ａ
を中心として上下方向に動かして、俯角位置、水
平位置、もしくは仰角位置のいずれかを選択する
ことができる。そして、選択された位置において
ロツクレバー１５の押込み力を解除すると、スプ
リング２２の付勢力によつてホルダー７が前方に
動かされ、ピン９ｂが対応する上記係合溝２１ａ
〜２１ｃのいずれか１つに係合し、無線機１の姿
勢が選択された位置に保持される。

なお、上記実施例では、ロツクレバー１５の窓
１７はホルダー７の開口部１１とほぼ同じ大きさ
に形成されているが、要するに、窓１７はロツク
レバー１５を特定の位置にスライドさせたときに
上記開口部１１を開放し、板バネ１０の他端部１
３をフリーにするような大きさであればよい。ま
た、無線機１の上下角を設定するための係合溝
は、上記の３つのものに限定されるものではな
く、必要に応じてより多く設けてもよいことは勿
論である。

以上、説明したように、この考案によれば、無
線機をマウントに対してその前面からワンタツチ
操作で取付けることができるので、従来のように
制限されることなくマウントを種々の位置に取付
けることができる。また、無線機の前後位置およ
び上下角をも簡単に調整することができる等、そ
の効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による無線機の取付装置の一
実施例を示す分解斜視図、第２図は同装置の横断
面図、第３図は同装置の側面図である。 図中、１は無線機、２はマウント、３は側板、
５はガイドレール、６は凹部、７はホルダー、９
はピン、１０は板バネ、１１は開口部、１５はロ
ツクレバー、２０は軸受孔、２１はガイド溝、２
２はスプリングである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) １対の平行な側板を含むマウントに対して無
   線機を取付ける無線機の取付装置であつて、 複数の位置決め用凹部を有し前記側板と対向
   する無線機の側面部に取付けられるガイドレー
   ルと、該ガイドレールを介して前記無線機を前
   後方向に摺動可能に保持するように前記側板に
   取付けられるホルダーと、該ホルダーに取付け
   られていて前記凹部に係合可能な板バネ部材
   と、前記ホルダーと前記側板との間に摺動可能
   に配設され前記板バネ部材を介して前記無線機
   を固定するロツクレバーとを備え、前記板バネ
   部材は、前記凹部に係合する一端部と、前記ロ
   ツクレバーにより押圧される他端部とを含み、
   かつ、前記ホルダーには、前記板バネ部材の他
   端部を前記ロツクレバーに当接させるための開
   口部が形成されているとともに、同ホルダー
   は、その背面側に立設された２本のピンを有
   し、前記側板には前記ピンの一方と嵌合する軸
   受孔と、他方のピンを前記一方のピンを中心と
   して回動させるための弓形ガイド溝とが設けら
   れ、前記無線機の前後位置および上下角度が調
   整可能であることを特徴とする無線機の取付装
   置。 (2) 実用新案登録請求の範囲(1)において、前記側
   板の軸受孔は前記一方のピンをその軸線と直交
   する方向にスライドさせ得る長孔状に形成され
   ており、前記弓形ガイド溝には前記他方のピン
   と係合して前記無線機を所定の角度位置に保持
   する複数の係合溝が連設されていることを特徴
   とする無線機の取付装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲(2)において、前記側
   板には、前記ホルダーを介して前記他方のピン
   を前記係合溝内に向けて押圧するためのスプリ
   ングが取付けられていることを特徴とする無線
   機の取付装置。