JPH0160513B2 - - Google Patents

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JPH0160513B2
JPH0160513B2 JP57000048A JP4882A JPH0160513B2 JP H0160513 B2 JPH0160513 B2 JP H0160513B2 JP 57000048 A JP57000048 A JP 57000048A JP 4882 A JP4882 A JP 4882A JP H0160513 B2 JPH0160513 B2 JP H0160513B2
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quinone
phenol
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coating
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JP57000048A
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Masayasu Koyama
Masao Tanigawa
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は耐硫化黒変性に優れた塗装罐に関する
もので、より詳細には、塗装罐内面の樹脂保護塗
膜が硫化水素と反応することにより罐の金属素材
の硫化黒変を防止する塗装罐に関する。 従来、種々の農産物、蓄産物、海産物或いはこ
れらの加工品を、錫メツキ鋼板(ブリキ)から成
る罐体内に充填した食品罐詰においては、罐内面
が黒変する所謂硫化黒変と呼ばれる腐食が生ずる
ことが知られている。この硫化黒変は前述した食
品のタン白質等に含有される含硫黄アミノ酸の一
部が分解して微量の硫化水素やメルカプタンを発
生し、これが金属錫と反応して硫化錫を生ずるた
めであると言われている。 ブリキ罐の硫化黒変を防止するために、ブリキ
の表面を有機樹脂塗料で塗装し、所謂内面塗装ブ
リキ罐とすることが一般に行われているが、この
内面塗装ブリキ罐においても、硫化黒変の防止は
完全ではなく、特に加工を受けた部分では未だか
なりの硫化黒変を生ずることが認められる。 内面塗装ブリキ罐のこの硫化黒変性を解消しよ
うとする試みも既にいくつか知られている。その
一つの試みは、酸化亜鉛を塗料中に配合して、発
生する硫化水素を硫化亜鉛の形で吸収させようと
するものであり、他の一つはアルミニウム・フレ
ークを塗料中に配合し、錫メツキ層を完全に隠蔽
しようとするものである。しかしながら、製罐用
金属素材の保護塗膜中にこのような顔料を混入さ
せると、素材そのものの加工性が極端に悪くな
り、未だ所期の目的を達成するに至つていない。 本発明者等は、罐用の内面保護塗料の塗膜形成
成分の少なくとも一部として、キノン・アルデヒ
ド樹脂或いはキノン・フエノール・アルデヒド樹
脂を使用すると、該樹脂中のキノン骨格が硫化水
素乃至はメルカプタンと反応し、罐内容物のフレ
ーバー(香味)特性を低下させることなく、硫化
黒変を効果的に防止し得ることを見出した。 即ち、本発明によれば、内面に保護樹脂塗膜を
備えた塗装罐において、該保護樹脂塗膜はキノ
ン・アルデヒド樹脂或いはキノン・フエノール・
アルデヒド樹脂を塗膜形成成分の少なくとも一部
として含有し、該保護塗膜はキノン性カルボニル
基を10ミリイクイバレント/100g樹脂以上の濃
度で含有することを特徴とする耐硫化黒変性に優
れた塗装罐が提供される。 本発明は、既に前述した如く、樹脂の分子鎖中
に組込まれたキノン骨格は、硫化水素或いはメル
カプタンを効果的に吸収してこれと反応するとい
う知見に基づくものである。 添付図面第1図は、種々の樹脂の粒状物を一定
容積の容器内に一定濃度となるように硫化水素を
発生させ、その濃度の経時変化を示したものであ
る。また第2図は硫化水素の代りにメチルメルカ
プタンを発生し、同様の試験を行つた場合の結果
を示している。これらの結果によると、公知のエ
ポキシ系樹脂や、レゾール型フエノール・アルデ
ヒド樹脂を用いた場合にも、硫化水素やメチルメ
ルカプタンの吸収は若干生ずるが、本発明による
キノン・アルデヒド樹脂或いはキノン・フエノー
ル・アルデヒド樹脂を用いた場合には硫化水素や
メチルメルカプタンの吸収が顕著に生じているこ
とが明らかである。 本発明の樹脂を塗装し、硫化水素を吸収させた
塗膜を螢光X線分折したところ通常使用されてい
るフエノール・エポキシ樹脂に較べて多量のイオ
ウ元素が含まれていることが判かつた。この塗膜
を高温真空下に保存した後、同様に螢光X線分折
を行なつたところ、やはり通常の塗料に較べて10
倍以上のイオウ元素を含んでいることがわかり単
なる物理吸着だけでなく、一部反応していること
が予想される。 本発明の塗装罐において、樹脂中に組込まれた
キノン骨格と硫化水素或いはメルカプタンとの反
応機構は未だ十分に解明されるには至つていない
が、モデル物質を用いても核磁気共鳴装置による
分折の結果では、硫化水素等と反応した後には数
種類のキノン性カルボニル基が生じていること、
又、赤外線吸収スペクトルの分折によると水酸基
の生成も見られることから、本発明者等は、この
反応を下記式 のようなものと推定している。 本発明によれば、罐内面に存在する保護樹脂塗
膜自体が、罐内容物から発生する硫化水素或いは
メルカプタン類を迅速に吸収して、これと反応す
るため、ブリキ等の罐金属素材の硫化黒変を顕著
に抑制できる。しかも、硫化水素やメルカプタン
との反応によつて、水素や炭化水素が副生するに
すぎないため、内容物のフレーバー保持性も良好
であることも顕著な利点であり、また塗料樹脂中
に格別の顔料を配合しないため、この塗装金属素
材は罐体への加工性に優れていることも付加的な
利点である。 従来、当業界においては、耐硫化黒変性に優れ
た塗料を開発すべく多くの研究がなされてきた。
しかしながら、このような研究の多くは、塗膜自
体のバリヤー性(遮断性)を向上させることによ
り金属素材の硫化黒変を防止しようとするもので
あり、この場合には硫化水素等が消費されること
なく内容物中に混入するため、その量が著しく微
少な量であつても、特有の臭気によつて内容物の
フレーバーを低下させるという新たな問題を解決
しなければならないことになるのである。これに
対して、本発明においては、罐内容物から発生す
る硫化水素等を保護塗膜中に迅速に吸収させ且つ
該塗膜中に反応により固定させることによつて、
硫化黒変を防止すると共に、内容物のフレーバー
低下の問題をも解消したものである。 本発明において、罐内面の保護塗膜は、キノン
性カルボニル基を、10ミリイクイバレント/100
g樹脂以上、特に50乃至950ミリイクイバレン
ト/100g樹脂の濃度で含有することも重要な特
徴である。従来、レゾール型フエノール・アルデ
ヒド樹脂を含有する塗膜が、特有の黄金色の着色
を示すのは、この塗膜樹脂中のフエノール骨格の
一部がキノン骨格に変化しているためであると言
われている。しかしながら、従来使用されている
レゾール型フエノールアルデヒド樹脂中における
キノン性カルボニル基の濃度は、5ミリイクイバ
レント/100g樹脂程度の低いものであり、しか
もこれらの樹脂は第1及び2図に示す通り、硫化
水素等との反応性も低いものである。本発明にお
いては、キノン性カルボニル基の濃度を、前述し
た範囲とすることにより、内容物から発生する硫
化水素等を迅速に塗膜中に捕捉することが可能と
なる。 尚、本明細書において、キノン性カルボニル基
の濃度は、下記式 で示される単環多価フエノールの酸化性を利用し
て、酸化還元滴定により求められる。また、別法
として赤外吸収スペクトルにおけるキノン性カル
ボニル基の特性吸収からその濃度を求めることも
できる。 本発明の塗装罐における保護樹脂塗膜は、キノ
ン・アルデヒド樹脂或いはキノン・フエノール・
アルデヒド樹脂を、最終保護塗膜としたときのキ
ノン性カルボニル基の濃度が前述した範囲となる
ように、塗膜形成性成分として用いることにより
得られる。 このキノン・アルデヒド樹脂は、単環多価フエ
ノールとアルデヒドとをそれ自体公知の条件下で
縮重合させ、必要に応じこれを酸化することによ
り得られる。この際、多価フエノールと1価フエ
ノール及び/又はビスフエノール類との組合せを
使用すれば、キノン・フエノール・アルデヒド樹
脂が得られる。 単環多価フエノールとしては、下記式 式中、Rは水素原子、カルボキシル基、水酸
基、アルキル基、アミノ基、ニトロ基、スルフオ
ニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす、 で表わされる多価フエノールが好適であり、上記
一般式(3)において2個のフエノール性水酸基は、
パラ位にあることが樹脂の製造上特に望ましい。
上記一般式(3)のフエノール類の適当な例は、ハイ
ドロキノン、カテコール、メチルハイドロキノ
ン、ピロガロール等であり、ハイドロキノン、メ
チルハイドロキノンが特に好適である。尚、用い
る多価フエノールは、アルデヒドに対して二官能
性以上の多官能性であることが好ましいが、一官
能性のものでも重合体鎖末端の形で重合体鎖中に
組み込むことができる。 キノン・アルデヒド樹脂の製造に際して、上記
一般式(3)の多価フエノールは、単独でも使用する
ことができ、或いはそれ以外のフエノールとの組
み合わせでも使用することができる。組み合わせ
て使用し得るフエノール類としては、単環一価フ
エノール及び1個の環に1個のフエノール性水酸
基が結合した多核フエノール類を挙げることがで
きる。単環一価フエノールとしては、三官能性フ
エノール類、例えば式 式中、R1は水素原子または一価の炭化水素基
もしくはアルコキシ基である、 で表わされるフエノール類、特に石炭酸、m―ク
レゾール、m―エチルフエノール、3,5―キシ
レノール、m―メトキシフエノール等;二官能性
フエノール類、例えば 式中、R1は前述した意味を有し、R2は水素原
子、1価の炭化水素基もしくはアルコキシ基であ
つて、3個の基R2の内2個は水素原子であり、
1個は炭化水素またはアルコキシ基であるものと
する、 で表わされる二官能性フエノール類、特にo―ク
レゾール、p―クレゾール、p―tert―ブチルフ
エノール、p―エチルフエノール、2,3―キシ
レノール、2,5―キシレノール、p―tert―ア
ミルフエノール、p―シクロヘキシルフエノー
ル、p―フエニルフエノール等;一官能性フエノ
ール類、例えば前記一般式(5)において、3個の基
R2の内1個が水素原子であり、2個が炭化水素
基又はアルコキシであるようなフエノール類、特
に2,4―キシレノール、2,6―キシレノール
等を挙げることができる。一方、多環フエノール
としては、四官能性フエノール、例えば式 式中、R3は直接結合或いは二価の橋絡基、特
に炭素数10以下のアルキリデン基、―O―、―S
―、―SO―、を表わす、 で表わされるフエノール類、特に 2,2―ビス(4―ヒドロキシフエニル)プロ
パン〔ビスフエノールA〕、 2,2―ビス(4―ヒドロキシフエニル)ブタ
ン〔ビスフエノールB〕、 1,1―ビス(4―ヒドロキシフエニル)エタ
ン、 ビス(4―ヒドロキシフエニル)メタン〔ビス
フエノールF〕、 4,4′―ジヒドロキシジフエニル、 4,4′―ジヒドロキシジフエニルエーテル、 を挙げることができる。 アルデヒドとしては、ホルムアルデヒドが好適
であるが、他のアルデヒド、例えばアセトアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒド等を用い得ることは
勿論である。 樹脂の製造に際して、前述したフエノール類と
アルデヒドとの縮合は、アルカリ触媒、例えばア
ンモニア、カセイソーダ、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム等の存在下に行うのが有利であ
る。即ち、アルカリ触媒の存在下での縮重合によ
り、塗膜形成の上で好都合なレゾール型樹脂が得
られるばかりではなく、アルカリ性条件下では、
下記式 で示される酸化反応が空気雰囲気中でも容易に進
行するため、格別の酸化処理を行わなくても、レ
ゾール型キノン・アルデヒド樹脂、或いはレゾー
ル型キノン・フエノール・アルデヒド樹脂が容易
に得られるという利点がある。尚、樹脂中に組込
まれた単環多価フエノールは、これらの全てがキ
ノンに変換されている必要はない。というのは、
これらの単環フエノールは塗膜の焼付硬化条件に
おいても、キノンに変換されるからである。 また、前述したフエノール類とアルデヒドとを
酸性触媒、例えばシユウ酸、塩酸、リン酸等の存
在下に縮重合してノボラツク型樹脂として用いる
こともできる。 また、樹脂の製造に際して、アルデヒド類は、
フエノール類の環当り0.7乃至3.0モルの量で用い
るのが望ましく、また樹脂の分子量は、300乃至
1500の範囲にあることが望ましい。更に、全フエ
ノール類の0.1乃至100モル%、特に5乃至95モル
%を単環多価フエノールが占めるようにするのが
望ましい。即ち、単環多価フエノールのみから誘
導された樹脂は、性質において若干脆い傾向があ
り、また塗装性、加工性に劣る欠点があるが、こ
れにビスフエノール類等の他のフエノール類を組
合せて用いることにより、塗装性や加工性を改善
することができる。 上述したキノン・アルデヒド樹脂或いはキノ
ン・フエノール・アルデヒド樹脂は、その本質が
失われない範囲でそれ自体公知の変性剤、例えば
脂肪酸、重合脂肪酸、樹脂酸乃至はロジン、乾性
油、アルキド樹脂等の1種或いは2種以上で変性
して用いることができる。 本発明において、キノン・アルデヒド樹脂、或
いはキノン・フエノール・アルデヒド樹脂は単独
で罐内面塗料として用いることもできるが、罐用
金属素材への密着性、耐腐食性等の見地からは、
他の塗膜形成成分と組合せて使用することが多く
の場合望ましい。このような樹脂としては、レゾ
ール型フエノール樹脂、エポキシ樹脂、ビニルア
セタール(ブチラール)樹脂、フエノキシ樹脂、
アクリル樹脂、キシレン樹脂等の1種または2種
以上の組合せを挙げることができる。特にエポキ
シ樹脂が好ましく、キノン・アルデヒド樹脂或い
はキノン・フエノール・アルデヒド樹脂とエポキ
シ樹脂とを、5:95乃至95:5、特に20:80乃至
80:20の重量比で組合せて使用するのがよい。 また、ノボラツク型キノン・アルデヒド樹脂、
キノン・フエノール・アルデヒド樹脂は自己硬化
性もある程度有するがレゾール型に較べると劣る
ためノボラツク型の使用に際しては通常のレゾー
ル型フエノール・アルデヒド樹脂を硬化助剤とし
て組合せて使用することも可能である。 これらの樹脂は有機溶媒に溶解した溶液の形で
罐用金属素材上に施こす。溶媒としては、キシレ
ン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン等の各種ケトン類;メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の各種セ
ロソルブ類;ダイアセトンアルコール、イソホロ
ン等を挙げることができるが、前述した樹脂を溶
解し得るものであれば、上述したものに限定され
ず、任意の有機溶媒を使用することができる。こ
れらの有機溶媒は一般に固形分(不揮発分)が20
乃至50%となるような量で使用するのがよい。 本発明のプレコート層の形成に使用する塗料組
成物には、それ自体公知の処方に従い、触媒、ド
ライヤー、滑剤、可塑剤、ピンホール防止剤或い
はその他の周知の配合剤を配合することができ
る。 触媒としては、酸硬化型の樹脂に対しては通常
の酸触媒、例えばリン酸、リン酸アミン塩、p―
トルエンスルホン酸等の酸の外に所謂ルイス酸を
用いることもでき、これらの酸触媒は樹脂成分当
り0.2乃至3%の量で用いることができる。 また、塗膜に乾燥性を与えるために、鉛、コバ
ルト、亜鉛、マンガン等の高級脂肪酸塩、樹脂酸
塩やナフテン酸塩を乾燥剤として使用することも
できる。 更に被覆金属素材の加工の際に、潤滑性を与え
るために、それ自体公知の滑剤、例えば流動パラ
フイン、合成パラフイン、石油系ワツクス、ペト
ロラタム等の脂肪族炭化水素系滑剤;オルガノポ
リシロキサンの如きシリコーン類;ステアリン酸
の如き高級脂肪酸;高級脂肪酸アマイド、エチレ
ンビス脂肪酸アミド、脂肪酸ジエタノールアミド
等のアミド類;ステアリン酸n―ブチル、水添ロ
ジンメチルエステル等の脂肪酸エステル類;水添
食用油脂、モンタンワツクス、カルナウバワツク
ス、蜜ロウ、木ロウ、ラノリン等の天然ワツク
ス;プロピレングリコールアルギネート等を配合
することができ、これら滑剤は樹脂当り30%以
下、特に20%以下の量で配合することができる。 可塑剤としては、フタル酸ジエステル、二塩基
性脂肪酸ジエステル、エポキシ化油等のそれ自体
公知の可塑剤を所望によつて用いてもよい。 ピンホール防止剤としては、シリコーン樹脂、
界面活性剤、ビニルブチラール樹脂等を用いるこ
とができる。 勿論、この塗料には、酸化亜鉛、酸化マグネシ
ウム、二酸化チタン、アルミフレーク顔料、錫粉
末等の顔料乃至は充填剤を配合することもでき
る。 上述した塗料組成物は、錫メツキ鋼板や表面処
理鋼板等の罐用金属素材の表面に対して、浸漬塗
装、噴霧塗装、静電塗装、電気泳動塗装、ハケ
塗、ローラ塗、各種コーター等の塗装方式で施こ
すことができる。この塗料の塗工量は、最適の耐
腐食性と加工性との組合せが達成されるように、
乾燥物基準で2乃至100g/m2、特に3乃至20
g/m2の範囲とするのが望ましい。 塗膜の焼付は、一般に150乃至250℃の温度で1
乃至20分間の条件で行うことができる。 被覆金属素材をそれ自体公知の種々の加工、例
えば側面継目形成加工、絞り加工、深絞り加工、
しごき加工、フランジ加工、折り曲げ加工、ネツ
クイン加工、ビード加工、カール加工、クリンプ
加工、スタンプ加工、打抜き成形、プレス加工等
の種々の加工に賦して、罐胴、罐蓋或いは罐体の
形に形成する。勿論、この被覆金属素材は種類の
異なる複数種の加工に賦して、所望の罐胴等に成
形することができる。 勿論、成形前の金属素材に塗装を行う代りに、
絞り加工或いは絞り―しごき加工で形成された罐
胴の内面にスプレー等によつて塗装を行うことも
できる。 本発明による内面塗装罐は、各種野菜、果実、
果汁、水産製品、蓄産製品等を保存するための罐
詰としての用途に有用である。 本発明を次の例で説明する。 実施例 1 キノン性カルボニル基を480ミリイクイバレン
ト/100g樹脂有するキノン・アルデヒド樹脂と
エポキシ樹脂(エピコート#1009)の50:50より
なる塗料を電気メツキブリキに塗装し、200℃−
7分間焼付けし塗膜厚み5μmになるようにした。
このものを用い内径83mm、罐高45mmの3ピース罐
を作成し、内容品としてシステインの0.5g/
液を充填し115℃―90分間レトルト処理したのち
耐硫化黒変性を調べた。 対照品としてビスフエノールAとホルムアルデ
ヒドよりなるレゾール型フエノール樹脂:エポキ
シ樹脂=50:50を電気メツキブリキに厚さが5μ
mになるように塗装し製罐したものを用い、同様
にシステイン溶液を充填して試験した。本発明品
は硫化黒変性において優れていることが判かつ
た。 実施例 2 キノン性カルボニル基を440ミリイクイバレン
ト/100g樹脂有するキノン・フエノール・アル
デヒド樹脂とエポキシ樹脂の50:50よりなる塗料
を電気メツキブリキに塗装し、200℃―7分間焼
付けし塗膜厚み5μmの塗装板を作成した。実施
例1と同様に製罐後モデル液を充填し耐硫化黒変
性を調べた。 対照品として原料のフエノール成分がビスフエ
ノールAとp―クレゾールの80:20よりなるレゾ
ール型フエノール樹脂とエポキシ樹脂(エピコー
ト#1009)の50:50よりなる塗料を電気メツキブ
リキに塗装し、製罐後、モデル液を充填して比較
試験を行なつた。 本発明品は耐硫化黒変性において優れているこ
とが判かつた。 実施例1及び2の結果を下記の表に記す。
【表】 表中の数字は各試験結果の評価を下記規準によ
つて示すものである。 5…硫化黒変 無 4… 〃 僅かに出現 3… 〃 少し 〃 2… 〃 明確 1… 〃 全面に出現 実施例 3 実施例2で使用したキノン・フエノール・アル
デヒド樹脂とエポキシ樹脂が50:50である塗料を
電気メツキブリキ(ET)及びテインフリースチ
ール(TFS)に塗装し、塗膜厚さ5μmとなるよ
うにした。この塗装板を用いて罐高45mm、内径83
mmの罐を製作し内容品として、タラ水煮、カニ水
煮のリパツク試験を行なつた。加熱殺菌条件は
各々110℃―60分、110℃―90分。対照品としては
フエノール成分がビスフエノールAとp―クレゾ
ールの80:20よりなるレゾール型フエノール樹脂
とエポキシ樹脂が各々80:20、50:50よりなる塗
料を塗布したものを使用した。耐硫化黒変性、フ
レーバー保護性など綜合的に評価した。 表2に試験結果を示した。本発明品は対照品に
較べて綜合的に優れていた。
【表】 表中の数字は耐硫化黒変性・フレーバー保護性
を綜合的に示したもので最優秀なものを5とし数
字が小さいものほど性能が悪いことを意味する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、塗料用樹脂を容器中に入れて一定量
の硫化水素を発生させ、その硫化水素濃度の経時
的変化を見た線図である。第2図は同様にメチル
メルカプタンの経時変化を調べた線図である。図
中A〜Dの曲線は下記の通りである。 A:コントロールとして使用、硫化水素を発生
させただけのもの。B:塗料用樹脂としてエポキ
シ樹脂(エピコート#1009)を入れたもの。C:
レゾール型フエノール樹脂を入れたもの。D:キ
ノン・アルデヒド樹脂を入れたもの。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 内面に保護樹脂塗膜を備えた塗装罐におい
    て、該保護樹脂塗膜はキノン・アルデヒド樹脂或
    いはキノン・フエノール・アルデヒド樹脂を塗膜
    形成成分の少なくとも一部として含有し、該保護
    塗膜はキノン性カルボニル基を10ミリイクイバレ
    ント/100g樹脂以上の濃度で含有することを特
    徴とする耐硫化黒変性に優れた塗装罐。 2 前記キノン・アルデヒド樹脂或いはキノン・
    フエノール・アルデヒド樹脂が下記式 式中Rは水素原子、カルボキシル基、水酸基、
    アルキル基、アミノ基、ニトロ基、スルフオニル
    基、シアノ基、ハロゲン原子を表わす。 で表わされる多価フエノールを含有するフエノー
    ル類とアルデヒド成分の縮重合と、それに続く酸
    化で得られたものであるところの特許請求の範囲
    第1項記載の塗装罐。 3 前記保護樹脂塗膜がキノン・アルデヒド樹脂
    或いはキノン・フエノール・アルデヒド樹脂当り
    5乃至900重量%の他の塗膜形成性樹脂を含有す
    るところの特許請求の範囲第1項記載の塗装罐。
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JP2517191B2 (ja) * 1992-06-10 1996-07-24 本田技研工業株式会社 草刈機
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