JPH0158576B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、PCM録音機におけるデジタルダビ
ングを簡便かつ再生時のエラーの発生を抑えて行
なうものである。

従来PCM録音機においてデジダルビングを行
なう場合には、専用に設計されたPCM録音機よ
り再生用VTR及び記録用VTRに同期信号を供給
し、三者の同期を保ちながら行なう方法が用いら
れていたが、このためには専用のPCM録音機を
始め、外部より同期操作の可能なVTR等が必要
である。これらは、いずれも業務用であり、価格
も高く、一般使用者が購入して使用する種類のも
のではなかつた。しかし、家庭用VTRを用いた
PCM録音機の普及を計るためには、音質の劣化
がなく、コピーを行なうことができるデジタルダ
ビング機能は、アナログ式のテープレコーダーと
比較した場合の大きなメリツトであるので、これ
を可能とすることが必要である。そこで、外部よ
り同期操作のできない家庭用VTRを使用するた
めに、PCM録音機の内部に再生ビデオ信号に同
期したクロツクを発生するクロツク発生回路が必
要になる。このためには通常PLL方式の発振回
路を用いるが、このPLLは位相比較時に、第１
図に示すように、電圧制御発振器の周波数制御電
圧１が誤差に比例したパルス状の変動を生じる。
したがつて、この部分ではクロツク周波数が大き
く変化するため、これを基準として生成される記
録信号もその記録周波数が変動する。これは、再
生時にVTRの走行系等の影響で再生周波数が変
動する、いわゆるジツタと同じ現象である。すな
わち、このような状態で記録されたテープは固定
のジツタを含んでいることになる。しかも、この
周波数変動量は通常のジツタ量より大きいので、
再生時にエラーになる確率が高い。結局、このよ
うにしてダビングされたテープは、エラーレート
が悪化し、場合によつては再生不可能になること
もあつた。

本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、録音されるテープのエラーレートを悪化さ
せることのないPCM録音機を堤供するにある。

このため本発明は、PLLの位相比較時に同期
したパルスを発生し、この信号により記録同期信
号を垂直同期部に強制的に設定するようにしたも
のである。以下本発明を実施例により設明する。
第２図が本発明を用いたPCM録音機であり、デ
ジタルダビングを行なう接続となつている。再生
用VTR２より再生されたビデオ信号は、再生回
路２２に入力され、先ずデータ・シンク分離回路
３でデータと同期信号とに分離される。次にデー
タはエラー検出回路４、デ・インターリープ回路
５、訂正回路６を経てデジタル出力がＤ／Ａ変換
器１３出力され、オーデイオ信号に変換される。
このデジタル出力は同時に、記録回路２３にも入
力され、訂正符号生成回路１６、インターリーブ
回路１７、エラー検出符号生成回路１８で処理さ
れ、同期信号生成回路２０で生成された同期信号
２５とビデオ変換回路１９で混合され、記録用
VT２１に記録される。

基準クロツク２６は位相比較器９、ローパスフ
イルタ１０、電圧制御発振器１１、分周回路１２
で構成されPLL回路により発生される。位相比
較器９のリフアレンス信号は、前述のデータ・シ
ンク分離回路３で分離された同期信号より、
VSY−NO抽出回路７で抽出されたVSYNC信号
２７を用いる。この信号はビデオの垂直期間と同
一周期で発生するパルスであり、ビデオ信号のド
ロツプアウトにより抽出できなくなり失われてし
まうことがあるので、これを防ぐためにVSYNC
保護回路８を設けている。

パルス発生回路１４はVSYNO信号２７をトリ
ガにしてパルス幅が基準クロツクの１周期以下で
あるリセツト信号２８を発生させるものである。
ゲート回路１５は再生回路２より出力され、異常
時にオーデイオ出力をしや断するためのミユート
信号２９がON（出力しや断）からOFF（出力中）
になる時点でゲートが開き、リセツト信号28が１
個出力されたことによりゲートが閉じられるもの
である。ゲート回路１５でゲートされたリセツト
信号３１は記録回路２３の同期信号生成回路２０
のリセツト端子に入力され、これをリセツトす
る。これにより同期信号生成回路２０は垂直同期
信号部を出力するようになる。すなわち記録ビデ
オ信号はリセツト以前と以後で不連続となる。以
上の動作を表したタイムチヤートが第３図であ
る。一度リセツトされれば再生ビデオ信号途切れ
る等して基準クロツクが大きく変動しない限りは
再リセツトの必要はない。つまり基準クロツクが
安定した時に一度リセツトを行なえばよい。ミユ
ート信号２９は再生ビデオ信号の有無やエラー検
出数によりON−OFFが行なわれ、OFFになつた
ときには基準クロツクも安定状態に達しているの
で、前に述べたようにこの時点でリセツトを行な
えばよい。

以上の動作が行なわれることにより位相比較時
に生じる周波数変動は、記録ビデオ信号の垂直同
期部に位置することになる。しかしこの部分には
データは記録されていないので、再生時にビデオ
信号の特定位置のデータがエラーになるというよ
うな現象は生じず、テープやVTRの影響によつ
て生じるドロツプアウトによるエラーのみになる
ので、高品質のダビングテープの作成が可能とな
る。

以上述べたように、本発明は、位相比較時に生
じる周波数変動を、記録ビデオ信号の垂直同期部
に位置させることにより、データ部への影響をな
くし、再生時にエラーとなることを防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は周波数制御電圧波形図、第２は本発明
によるPCM録音機の一実施例を示すブロツク図、
第３図は本発明の動作のタイムチヤートである。 １：周波数制御電圧、７：VSYNC抽出回路、
９：位相比較器、１１：電圧制御発振器、１４：
パルス発生器、１５：ゲート回路、２０：同期信
号生成回路、２２：再生回路、２３：記録回路、
２４：デジタル出力、２５：同期信号、２６：基
準クロツク、２８：リセツト信号、２９：ミユー
ト信号、３０：ゲート制御回路、３１：ゲートさ
れたリセツト信号。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ デジタルデータと同期信号とを含む再生信号
   を再生する再生装置と、 上記再生装置によつて再生された同期信号とデ
   ジタルデータとを分離する分離回路と、分離され
   た同期信号に同期した基準クロツク信号を発生す
   る基準クロツク信号発生手段とを備えた再生回路
   と、 基準クロツク信号に同期するとともに上記分離
   された同期信号によりリセツトされ、記録用の同
   期信号を生成する同期信号生成手段と、この記録
   用の同期信号とデジタルデータとを混合する混合
   手段とを備えた記録回路と、 上記記録回路の出力信号を記録する記録装置と
   を備えたPCM録音機において、 上記再生装置によつて再生された再生信号が途
   切れなくなつた際にゲートを開き、上記分離され
   た同期信号を同期信号生成手段に供給し、その後
   ゲートを閉じて、上記分離された同期信号の供給
   を停止するゲート回路とを備えていることを特徴
   とするPCM録音機。