JPH0158087B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、衝き当て装置の背後に堆積されてい
る、厚紙、ボール紙又は段ボールを切断して作成
した多数の切断片を一片づつ別々に分離するた
め、該切断片の堆積部の下側に設けられその都度
一番下側にある切断片を引き出す様に操作される
運搬ベルトとベルト案内とを有する引き出し運搬
装置と該引き出し運搬装置に直接接続され、引き
出し運搬装置と同期して駆動され、別々に分離さ
れた切断片を更に運搬するための運搬装置とを有
する装置に関する。

上記した如き装置は例えばドイツ連邦共和国特
許第1139513号明細書により公知になつている。
この装置は、その都度一番下側にある切断片を引
き出すためのスリツトを有する衝き当て装置を所
有しており、該スリツトは上下に移動する衝き当
てにより開閉される。この際引き出し運搬装置は
一番下側に位置する切断片に何時も接触して走行
する。

引き出し運搬装置の運搬ベルトと切断片との間
の相対速度並びに場合によつては、引き出し運搬
装置上を移動している切断片と別々に分離された
切断片を更に運搬するための運搬装置との間の相
対速度のため必然的にベルトと切断片との間に相
対運動が生ずる。この様な相対運動はラツカーを
塗られ又は白粉を付けられている多数の切断片を
扱う場合には、短時間の運転後すでに引き出し運
搬装置の運搬ベルトが塗りつぶされそして滑り易
くなり、その結果別々に分離された切断片が不規
則な間隔になるためストツパーが作動し作動量が
減少する。更に切断片と運搬ベルトとの間の相対
運動は、望ましくない、比較的大なるベルトの摩
耗を惹起する。

本発明の目的は、冒頭に述べた種類の装置を創
成することであり、該装置は上記した如き公知の
装置の欠点を避け、構造簡単でありそして切断片
の堆積部から、切断片が傾斜することなくそして
別々に分離された切断片を一様な間隔で引き出
し、その際引き出し運搬装置の運搬ベルトと切断
片との接触を最小にしたものである。

上記の目的は本発明により次の様にして達成さ
れる。即ち引き出し運搬装置の運搬ベルトは切断
片の堆積部の下側で、衝き当て装置の範囲から、
運搬ベルトに並設されたベルト案内に対して鋭角
をなして下方に通じていることおよび衝き当て装
置の範囲には偏心的に支承されているローラーが
運搬ベルトの下側に配置されており、該ローラー
の偏心軸が引き出し運搬装置の運搬ベルトの伝動
装置に同期して作動する伝動装置によつて駆動さ
れていることにより達成される。この装置により
引き出し運搬装置の運搬ベルトは衝き当て装置の
範囲において一定時間毎に持ち上げられそして運
搬ベルトと切断片との間の接触圧力、従つてまた
切断片を別々に分離するための力がローラーの偏
心軸の回転速度が増大するに従つて増加する。即
ち、ローラーは一回転で一個の切断片を引き出す
ので、その回転速度は単位時間当りに堆積部から
引き出され、個々に後続の運搬装置に送給される
切断片の数を決定する。回転速度の増大に伴なう
個別分離力の増加は、ローラーの回転速度が増す
と、最下位の切断片と運搬ベルトとの間の摩擦力
が強くなるという効果に基づく。この摩擦力は最
下位の切断片に負荷され、上昇運動に反作用する
対抗力に比例する。ローラーの回転速度が増大す
ると、重力に加えて上昇加速に対する堆積された
切断片の慣性が強まり、運搬ベルトと最下位の切
断片との間の摩擦力が非常に増大する。従つて、
最下位の切断片を切断片の堆積から分離するため
の力がローラーの偏心軸の回転速度の増大につれ
て増加するのである。切断片の堆積部の一番下側
の切断片が引き出されてしまつた時、引き出し運
搬装置の運搬ベルトが再び次の切断片に接触し、
この切断片が前同様に引き出される。

偏心軸は引き出し運搬装置の伝動装置によつて
駆動されるのが有利である。他の方法として該軸
は、光電スイツチにより制御される急加速が可能
な円板状の回転子をもつた円板モーターによつて
直接駆動することも可能である。

切断片の種々異なる長さに適合しそして別々に
分離された切断片の間の間隔を設定することを可
能にするため、偏心軸の伝動装置は変速比又は回
転数が調節し得る伝動装置である。

更に引き出し運搬装置の運搬ベルトはほぼ切断
片の長さだけ衝き当て装置を越えて前方に導かれ
ている。

引き出し運搬装置と別々に分離された切断片を
更に運搬するための運搬装置とは一体の運搬装置
として形成されることも可能である。

衝き当て装置は、高さが調節可能な少くとも２
箇の位置決め舌片から成り立つことが有利であ
る。このことは、切断片が、折り畳み箱を形成す
る場合の如く変則的な輪郭を持つている場合に特
に有利である。位置決め舌片は切断片の前方の線
に適合する様に運搬方向に対して直角に同列に配
置される。

切断片の堆積部の下側のベルト案内は運搬ベル
トの両側に配置されている滑動レールから成り立
つており、該レールは切断片が、鋭角をなして下
方に通じている運搬ベルトの範囲で運搬ベルトに
接触するのを避けている。

最後に衝き当て装置の前方の範囲の引き出し運
搬装置の前方には運搬ベルトの走行方向に弾性旋
回変位可能になつているレバーを有するローラー
が設けられている。この処置により切断片の方向
が、引出し運搬装置の運搬ベルト上で、別々に引
き出される間及び更に運搬するための装置に引き
渡される間完全に維持される。

本発明の実施例が添附図に示されそして次の記
述において詳細に説明される。

添附図に示されている、特に折り畳み箱をのり
付けする機械の挿入装置からの切断片を別々に分
離するために使用される装置では、切断片の堆積
部１は２箇の位置決め舌片２の背後に配置され、
該位置決め舌片は切断片の堆積を保持すると同時
にまた切断片を整列させる。位置決め舌片２は高
さが調節可能になつている。切断片の堆積の後方
の部分は切断片の長さに対して調節可能な切断片
支え３によつて保持されている。

切断片の堆積部１の下側には２つの運搬ベルト
４と運搬ベルト４の両側に配置されている位置固
定したベルト案内５とが配置されている。運搬ベ
ルト４は位置決め舌片２の前方に処理すべき切断
片のほぼ最大の長さに等しい長さだけ延長されて
いる。別々に分離された切断片１４がこの部分に
載つている状態が図に明示されている。

ベルト案内５は引き出し運搬装置の全長に亘つ
て一つの平面上に延びており、位置決め舌片２の
前方に位置する運搬ベルト４はベルト案内５に平
行になつている。位置決め舌片２の下方の範囲か
ら運搬ベルト４はベルト案内５に対し鋭角をなし
て下方に通じており、かくして切断片の堆積部１
の一番下の切断片は主としてベルト案内５に載つ
ている。位置決め舌片２のほぼ下側には運搬ベル
ト４の下側に偏心的に支承されているローラー６
が設けられており、該ローラーの機能は後述にて
詳細に記述される。第３乃至６図には偏心的に支
承されたローラー６の位置が詳細に示されてお
り、また第７図は、運搬ベルト４乃至ベルト案内
５上に載つている代表的な切断片を示す。

引き出し運搬装置には、該装置と同期して駆動
され、別々に分離された切断片１４を更に運搬す
るための上部運搬ベルト８および下部運搬ベルト
９を有する運搬装置が接続されている。引き出し
運搬装置上の別々に引き出された切断片上にも、
別々に分離された切断片１４を更に運搬するため
の運搬装置の上部運搬ベルト８の上にも、運搬ベ
ルト４又は８の走行方向に弾性旋回変位可能にな
つているレバーを有するローラー７が接触してい
る。

引き出し運搬装置の運搬ベルト４も、別々に分
離された切断片１４を更に運搬するための運搬装
置の下部の運搬ベルトも直角傘歯車伝動装置１０
を介して自在継手１１により同期的に駆動され
る。従つて別々に分離された切断片１４を引き出
し運搬装置の運搬ベルト４から更に運搬するため
の運搬装置の運搬ベルト９に移すのは、滑りが発
生することなく、従つてまた別々になつた切断片
１４が傾斜することなく行われる。

直角傘歯車伝動装置１０と引き出し運搬装置の
運搬ベルト４との間の駆動結合は、特に狭いベル
ト駆動１２によつて行われる。

偏心的に支承されたローラー６の偏心軸は変速
比が調節可能な、伝動装置１３により駆動されて
いる。この伝動装置１３を介して偏心的に支承さ
れたローラー６は一定時間毎に運搬ベルト４の伝
動装置と同期してローラーの最高位置（第３およ
び５図）に持ち上げられ、またローラーの最低位
置（第４および６図）に下げられる。最低位置に
下げられた場合には切断片の堆積部１の一番下側
の切断片はベルト案内５の上に載つているだけで
ある。偏心的に支承されたローラー６は、切断片
の堆積部１の一番下にある切断片が位置決め舌片
２の範囲で運搬ベルト４と接触し、かくして位置
決め舌片２の下から引き出されるまでの時間の間
持ち上げられている。ローラー６は最高位置から
更び下げられ、その間に別々に分離された切断片
１４は運搬ベルト４上を更に走行しそして運搬ベ
ルト８および９の間に相対速度なしで引き渡され
る。別々に分離された切断片１４の走行方向は添
附図においては矢印Ｌで示されている。

別々に分離された切断片１４の間の区間はロー
ラー６の偏心軸の伝動装置１３の変速比を変化さ
せることによつて正確にその都度の切断片の長さ
及び形状に合わせて調節可能である。

運搬ベルト４が一定時間毎に位置決め舌片２の
範囲で持ち上げられることにより、運搬ベルト４
と引き出される切断片との間の接触圧力はローラ
ーの偏心軸の回転速度の増加と共に増加しそして
そのそとによつて別々に分離するための力も増大
する。引き出し運搬装置の位置決め舌片２の前方
に位置する部分では別々に分離された切断片１４
がすでに引き渡し速度で更に運搬するための運搬
装置に向つて運搬されており、一方切断片は別々
に分離される前では主としてベルト案内５上に載
つており、運搬ベルト４とは接触していない。こ
の様にして運搬ベルト４を圧縮空気や雑布で絶え
ず清掃する必要がなくなり装置全体が停止してい
る時間が著るしく短縮される。

第７図は切断片の堆積部１の一番下側にある代
表的な切断片が位置決め舌片２に接触して停止し
ている状態を示しており、特に位置決め舌片は運
搬方向Ｌに対して直角に同列に配置されている。

本発明は、以上のように堆積された多数の切断
片から最下位の切断片を引き出し、分離するの
に、偏心的に支承された一本のローラーを回転さ
せるだけでよく、その回転に基づく運搬ベルトの
上下動のストロークもきわめて僅かで済み、運動
を必要とする部分の質量も非常に小さいので、き
わめて早い作業速度の実現を可能にすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は切断片の堆積部から切断片を別々に分
離するための装置の側面略図、第２図は第１図に
示した装置から上部運搬ベルト及びローラーを取
除いた装置の平面図、第３図は切断片の堆積部の
一番下側にある切断片を引き出す際の第１図の部
分図、第４図は第３図と同様な表現で、運搬ベル
トが切断片の堆積部の一番下側にある切断片と接
触していない状態を示し、第５図は偏心的に支承
されているローラーの第３図に示した状態の時の
軸断面図、第６図は偏心的に支承されているロー
ラーの第４図に示した状態の時の軸断面図、第７
図は運搬ベルトの上方にあつて２つの位置決め舌
片によつて支えられている代表的な切断片および
ベルト案内の平面図である。 図において、１……切断片の堆積部、２……衝
き当て装置（位置決め舌片）、４……運搬ベルト、
５……ベルト案内、６……ローラー、７……ロー
ラー、１０……伝動装置、１３……伝動装置、１
４……切断片である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 衝き当て装置の背後に堆積されている厚紙、
   ボール紙又は段ボールの多数の切断片を別々に分
   離するため、該切断片の堆積部の下側に設けられ
   その都度一番下側にある切断片を引き出す様に操
   作される運搬ベルトとベルト案内とを有する引き
   出し運搬装置と該引き出し運搬装置に直接接続さ
   れ、引き出し運搬装置と同期して駆動され、別々
   に分離された切断片を更に運搬するための運搬装
   置とを有する切断片を別々に分離するための装置
   において、引き出し運搬装置の運搬ベルト４は切
   断片の堆積部１の下側で、衝き当て装置２の範囲
   から、運搬ベルト４に並設されたベルト案内５に
   対して鋭角をなして下方に通じていることおよび
   衝き当て装置２の範囲には偏心的に支承されてい
   るローラー６が運搬ベルト４の下側に配置されて
   おり、該ローラーの偏心軸が引き出し運搬装置の
   運搬ベルト４の伝動装置に同期して作動する伝動
   装置１３によつて駆動されていることを特徴とす
   る堆積されている厚紙等の切断片を別々に分離す
   るための装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の装置において、
   偏心軸は引き出し運搬装置の伝動装置１０により
   駆動されていることを特徴とする切断片を別々に
   分離するための装置。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の装置において、
   偏心軸はモーターにより直接駆動されていること
   を特徴とする切断片を別々に分離するための装
   置。 ４ 特許請求の範囲第１項から第３項までのうち
   のいずれか一つに記載の装置において、偏心軸の
   伝動装置１３は変速比又は回転数が調節し得る伝
   動装置であることを特徴とする切断片を別々に分
   離するための装置。 ５ 特許請求の範囲第１項から第４項までのうち
   のいずれか一つに記載の装置において、引き出し
   運搬装置の運搬ベルト４はほぼ切断片１４の長さ
   だけ衝き当て装置２を越えて前方に導かれている
   ことを特徴とする切断片を別々に分離するための
   装置。 ６ 特許請求の範囲第１項から第５項までのうち
   のいずれか一つに記載の装置において、引き出し
   運搬装置と別々に分離された切断片１４を更に運
   搬するための運搬装置とは一体の運搬装置として
   形成されていることを特徴とする切断片を別々に
   分離するための装置。 ７ 特許請求の範囲第１項から第６項までのうち
   のいずれか一つに記載の装置において、衝き当て
   装置２は高さが調節可能な少くとも２箇の位置決
   め舌片２から成り立つていることを特徴とする切
   断片を別々に分離するための装置。 ８ 特許請求の範囲第７項記載の装置において、
   位置決め舌片２は運搬方向に対して直角に同列に
   配置されていることを特徴とする切断片を別々に
   分離するための装置。 ９ 特許請求の範囲第１項から第８項までのうち
   のいずれか一つに記載の装置において、切断片の
   堆積部１の下側のベルト案内５は運搬ベルト４の
   両側に配置されている滑動レール又は支えローラ
   ーから成り立つていることを特徴とする切断片を
   別々に分離するための装置。 １０ 特許請求の範囲第１項から第９項までのう
   ちのいずれか一つに記載の装置において、衝き当
   て装置２の前方の範囲の引き出し運搬装置の上部
   には運搬ベルト４の走行方向に弾性旋回変位可能
   なレバーを有するローラー７が設けられているこ
   とを特徴とする切断片を別々に分離するための装
   置。