JPH0156696B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、検温結果をデイジタル表示する電子
体温計に係り、特に、感温素子が被測定個所に挿
入されてからの経過時間を表示器の消灯期間に対
する点灯期間の割合の変化で報知する電子体温計
に関するものである。

従来の電子体温計として、検温が正しく実施さ
れたことを確認するように、検温結果の温度変化
をある一定期間、監視し、温度変化がなくなつた
とき連続点灯し、それまでは点滅する方式を採用
しているものがある。この場合、使用者は表示が
連続点灯していることをもつて測定が終つたこと
を確認できるわけであるが、一般にこれらの温度
変化監視期間は１分以内の期間とすることが多
い。ところが、生体腋下の温度検温では、測定開
始から５分経過時点でも0.1℃／分程度の上昇を
続けており、正確な測定には10分間は必要とさ
れ、１〜２分程度温度変化がなくなつたというこ
とで、表示を固定して以後の測定を中止すること
は、正確な検温を行なうという点で問題があつ
た。また、他の従来方式として、ブザーによる時
間経過報知機能を備えるものがあるが、しかし、
このブザー方式では、ブザー及びその発振回路が
必要となり、ブザー駆動による電池消耗が甚だし
いという問題があつた。

本発明の目的は、従来技術での上記した問題点
を解決し、構成簡易で安価な、計測時間経過報知
機能付きの電子体温計を提供するにある。

本発明の特徴は、上記目的を達成するために、
スイツチ信号で計時開始して設定された複数の時
間経過時点に順次信号を出力するタイマと、感温
素子で検知したアナログ温度信号をデイジタル信
号に交換して出力する計数回路と、この計数回路
出力を表示する液晶表示器の消灯期間に対する点
灯期間の割合を上記タイマ出力信号に応じて変化
させる点灯周期制御回路とを備えたことにある。

以下、第１図〜第３図により本発明の一実施例
を説明する。第１図は本発明の電子体温計の実施
例斜視図、第２図は回路ブロツク図、第３図は第
２図中の各信号タイマチヤートである。図面にお
いて、１は感温素子としてのサーミスタであり、
熱伝達率の良いアルミキヤツプで保護してある。
２は体温計本体で、サーミスタ１を内包するアル
ミキヤツプ部と一体成形してある。体温計本体２
は、その外装はプラスチツクケースであり、この
ケース内に、電池と、後述する集積回路及び周辺
回路部品とが収納され、ケース上面に液晶表示器
３及びスイツチ４が装着されている。液晶表示器
３は検温結果をデイジタル数値で表示する。スイ
ツチ４は検温操作用のオン、オフ切替えスイツチ
である。第２図の５は電池で、酸化銀電池を使用
しており、スイツチ４がオン操作されることによ
り、サーミスタ１及び集積回路に直流3Vを供給
する。６は計数回路であり、Ａ／Ｄ変換回路及び
最高値ホールド回路を含んでおり、サーミスタ１
で検知したアナログ温度信号を受けてこれをデイ
ジタル信号に変換して出力する。７はスイツチ４
のオン操作により計時開始するカウンタ式のタイ
マで、この実施例では、３分、５分、10分の経過
時点にそれぞれ一発ずつのパルス信号を出力す
る。８はタイマ７の出力信号によつて制御されて
液晶表示器３を制御する信号を出力する点灯周期
制御回路である。上記したタイマ７、計数回路６
及び点灯周期制御回路８は一つの集積回路に組込
まれていて体温計本体２内に配置される。

以上の構成を備えた本実施例の動作を、第３図
のタイムチヤートに従つて説明する。Ａは第２図
スイツチ４のスイツチ信号である。Ｂ，Ｃ，Ｄは
それぞれタイマ７の出力信号で、スイツチ信号Ａ
がオンとなつた時点から、それぞれ３分、５分、
10分の経過時点に一発のパルス信号として出力さ
れる。Ｅは点灯周期制御回路８の出力で、スイツ
チ信号ＡがオンとなつてからＢ信号発生までの３
分間は信号ａを出力し、Ｂ信号発生からＣ信号発
生までの期間は信号ｂを出力し、Ｃ信号発生から
Ｄ信号発生までの期間は信号ｃを出力し、Ｄ信号
から後は、即ちスイツチ信号Ａがオンとなつてか
ら10分経過後は、連続したオン信号を出力する。

使用者は検温に先だつてスイツチ４をオン操作
する。体温計を被測定個所に挿入してからスイツ
チ４のオン操作をする方が検温時間をより正確に
測定できるが、あくまでも参考に時間経過を報知
するのであり、操作性から考えて、挿入直前にス
イツチ操作するとして差支えない。信号Ａがオン
になつた時点から信号Ｂ発生時点までの３分間
は、信号ａを拡大して示すように、１秒オン、３
秒オフの周期で検温結果が表示される。使用者
は、表示器の点灯期間より消灯期間の方が長いこ
とから、測定時間が充分でないことを知らされ
る。３〜５分間は信号ｂとして拡大して示すよう
に、１秒オン、１秒オフの周期の点滅となり、こ
れから、一般的な計測時間であることを知ること
ができる。さらに検温時間を長くし、スイツチ操
作後５〜10分の間に電子体温計を被測定個所から
引き出し、これを読み取るときは信号ｃとして示
すように、1.5秒オン、0.5秒オフの周期で表示さ
れることから、比較的長い計測時間が経過したこ
とを、時計などを見なくても知ることができる。
また、スイツチ４操作後10分が経過した以後は、
連続的に表示されるので、計測時間が充分であつ
たことを知ることができる。

なお、上記実施例では、タイマの出力発生時点
を３分、５分、10分としたが、欧米で一般化され
ている舌下検温に対応すべく、30秒、45秒、１分
の時点で出力を発生させるとしても、同様の効果
が得られ、本発明はタイマ出力発生時点に限定さ
れることはなく、また、点灯周期についても、実
施例では３〜５分間の信号ｂは１秒オン、１秒オ
フの周期としたが、これも例えば、0.5秒オン、
0.5秒オフの周期、あるいは２秒オン、２秒オフ
の周期であつても差支えない。

以上説明したように、本発明によれば、表示器
の点灯周期から測定経過時間を知ることができる
ので、経過時間不足による不正確な測定を防止で
きるようになり、また、測定値を表示する表示器
で同時に経過時間の情報を提供することから、タ
イマ用表示器を別に設ける必要がなく、さらに、
一つの表示器で検温結果と経過時間とを交互に点
灯表示する場合の読みづらさがなくなるという利
点があり、従来のブザーによる時間経過報知機能
つきの体温計と比べて、ブザー及びその発振回路
が不要となり、ブザー駆動による電池の消耗がな
いことから、構成要素を最小限とし、安価な体温
計とすることができ、また、所定時間までは消灯
期間が長いことから使用者に対し一定時間の検温
を強制する結果となり、正しい検温を行なわせる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例斜視図、第２図は本
発明の実施例ブロツク回路図、第３図は第２図中
の各信号のタイムチヤートである。 １……サーミスタ、２……体温計本体、３……
液晶表示器、４……切替えスイツチ、５……電
池、６……計数回路、７……タイマ、８……点灯
周期制御回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スイツチ信号で計時開始して設定された複数
   の時間経過時点に順次信号を出力するタイマと、
   感温素子で検知したアナログ温度信号をデイジタ
   ル信号に交換して出力する計数回路と、この計数
   回路出力を表示する液晶表示器の消灯期間に対す
   る点灯期間の割合を上記タイマ出力信号に応じて
   変化させる点灯周期制御回路とを備えたことを特
   徴とする電子体温計。 ２ 前記点灯周期制御回路は、前記タイマ出力信
   号の発生順序に従つて後の出力信号になるに応じ
   て、前記液晶表示器の消灯期間に対する点灯期間
   の割合を増加させる点灯周期制御回路であること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電子体
   温計。