JPH0155178B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本発明はフイルムの巻取方法に関し、詳しくは
等速で供給される複数条のフイルムを同時に巻上
げる方法の改良に関する。

ｂ 従来技術と問題点 複数条のフイルムを同時に個別のロールに巻上
げる工程として、例えば、一つの原反フイルムを
複数条のフイルムにスリツトして個別のフイルム
ロールに巻上げる工程がある。

従来、このフイルムのスリツト工程における巻
取方式としては、いわゆるセンタードライブ方式
が一般に使用されている。

このセンタードライブ方式は、第１図に模式的
に示す如くコア１が直接駆動され、、接圧を付与
するタツチローラ２は自由回転でフイルムロール
３に接して従動回転するものである。

第２図に示す如く、引取ローラ４はライン駆動
モータM_Lにて各フイルム条を同時に等速で巻取
部に供給する。一方、各コア１は巻取アーム５に
取付けられたホルダ６により回転自在に支持さ
れ、コア駆動モータM_Rからドライブシヤフト７
を経て各ギヤリング８、各パウダークラツチ９を
介し、各巻取アーム５に内蔵されたベルト機構１
０によりホルダ６を駆動することにより回転せし
められる。

各コアに回転力を与えるドライブシヤフト７の
回転は、駆動される各コアの速度が常に引取ロー
ラ４の速度より若干大きくなるように設定され
る。この速度のギヤツプは各パウダークラツチ９
のスリツプにより吸収され、各フイルム条にはク
ラツチ９のすべりに相応する張力が生ずることと
なり、フイルムの巻取張力はクラツチ９のすべり
を変化させることにより調節することができる。
このような巻取方式をとることによつて、各巻取
ポジシヨンの機械抵抗の差やフイルムの物性差に
起因する巻取トルクの差異は全てクラツチ９で吸
収されることとなり、結局各フイルムの張力が変
わることにより各巻取速度の揃速性が保持される
こととなる。従つて、フイルムの張力水準を高く
取れる場合、あるいは張力変動幅が大きくとれる
場合は多少各ポジシヨンに差があつたとしても各
巻取ポジシヨンの揃速性が保たれるが、張力を低
い水準に保つ必要のある薄いフイルムや特殊な表
面（易滑、難滑）を有するフイルムの場合は、張
力変動許容幅が小さくこの方式によつてはクラツ
チ自身の性能差も影響して各巻取ポジシヨン一斉
に良好に巻取ることが困難となつている。

かかる点に関し、たとえば第３図に示す如くコ
ア１及びフイルムロール３を駆動モータM_LAで引
取ローラ４と同速で駆動される表面駆動ローラ２
Ａで摩擦駆動し、コア１は個別の補助モータmA
で駆動して、各コアの速度差を補助モータmAで
調節するものも提案されているが、このようない
わゆるサーフエスドライブ方式においては、巻取
速度を大きく取れない上、表面駆動ローラ２Ａと
フイルムの摩擦係数がフイルムの巻取張力に微妙
に影響するといつた問題もあり、個別モータmA
を駆動ローラ２との速度調整がむずかしく、結果
として巻取張力の設定が非常にむずかしいという
問題がある。

一方、良好なフイルムロールを巻上げるために
は、フイルムの巻取りに際して接圧が重要な因子
である。この接圧はタツチローラあるいは表面駆
動ローラをコアあるいはフイルムロールに押圧す
ることにより与えられ、フイルムロールのフイル
ム間の空気層を調節する機能を有し、従つてフイ
ルムロールの形状に関係しているが、従来この接
圧は、タツチローラに加えられる空気圧あるいは
油圧により設定されているが、かかる方式では場
合によつては各巻取ポジシヨンの接圧機能が変動
し、良好なフイルムロールを得られないという問
題がある。

ｃ 発明の目的 本発明は、叙上の各問題に鑑みなされたもの
で、巻取張力の制御を行ないつつ巻取ることによ
り、巻取りが困難なフイルムにおいても良好なフ
イルムロールを形成することができる巻取方式を
提供するものである。

ｄ 発明の構成、作用および効果 本発明は、等速で供給される複数条のフイルム
を、接圧を付与しつつコアの上に個別ロールとし
て同時に巻上げるに際し、各コアに対応して各タ
ツチロールを設け、かつ各コアを独立駆動し、コ
アの巻取速度をフイルム供給速度に追従する如く
制御するとともに、フイルムの巻取張力と接圧を
タツチローラ部で検出し、該検出張力に応じて前
記巻取速度を微調節し、更に該検出接圧に応じて
前記接圧を所定値に制御しつつ巻取ることを特徴
とするフイルムの巻取方法である。

以下、詳細に説明する。

第４図は、本発明方法を実施する巻取装置の一
例を示す模式的側面図であり、このものの全体構
成は第２図の従来のものとほぼ同一であり、各部
分のうち同一のものは同一番号で示す。

第４図において、各コア１は個別の駆動モータ
ｍによりポジシヨン毎に独立に駆動される。タツ
チローラ２は、バネ等の弾性支持体１１により回
転自在に支持され、この支持体１１の変位はフイ
ルムの巻取張力に比例するので、この変位検出器
を張力検出器１２とする。弾性支持体１１は、タ
ツチローラのアーム１３に取付けられており、ま
た、アーム１３は支点１４を介してエアーシリン
ダ１５により引張られることによりタツチローラ
２とフイルムロール３の間に接圧を付与する。ア
ーム１３にはエアーシリンダ１５の出力を測定
し、結果として生ずる接圧を検出するための接圧
検出器１６が取付けられる。前述の張力検出器１
２、接圧検出器１６としては、差動トランス、ロ
ードセルあるいは圧電素子による圧力測定など任
意の変位、若しくは力の検出手段を用いることが
できる。また、張力検出、接圧検出方式として
は、タツチローラ２の変位、アーム１３への応力
の測定に変えて直接フイルムの張力を検出する手
段、あるいは直接、接圧を測定する手段を用いる
ことも可能であるが、現在かかる方式における実
用手段を見出すことは困難である。

さて、かかる装置による本発明方法について述
べる。まず引取ローラ４は、従来方法と同じくラ
イン駆動モータM_Lにて等速で駆動され、各フイ
ルム条を等速で各巻取装置（各ポジシヨン）に供
給する。

一方、各巻取ポジシヨンのコアの回転速度すな
わち各駆動モータｍの速度は、フイルムの供給速
度、換言すれば引取ローラ速度と同期するべく制
御されるが、この制御に際しては逐時検出される
巻径あるいは予め設定された巻径変化に応じてコ
アの回転数を減じてゆき、ライン駆動速度すなわ
ち引取ローラ速度と比較制御しつつ、これり同
調、追従させる。一方、巻取張力制御に関して
は、設定した巻取張力に相当する出力と張力検出
器１２の出力とを比較し、この差により駆動モー
タｍの速度を微調整する。張力が設定張力より高
い場合は減速し、逆に低い場合は増速するように
調節するのである。また、図示した例にあつては
各巻取ポジシヨンで接圧を検出し、この検出値と
設定値とを比較して接圧付与装置のエアーシリン
ダ１５に加えられる空気圧を調整し、常に接圧を
所定の設定値に維持する。このことにより、各ポ
ジシヨン個別に実際の接圧を制御することがで
き、各ポジシヨンのフイルムロールの層間空気層
がコントロールされ、均斉な形状のロールを巻取
ることができる。

本発明は以上の如く、各コアを独立に駆動する
如くなし、各コアの速度をライン駆動速度に同調
せしめつつ、フイルムの巻取張力を検出し、この
検出張力に応じてコアの速度を微調整して常に巻
取張力をコントロールしつつ巻取る如くなしたの
で、低張力水準においても各巻取ポジシヨンが揃
つて良好なフイルムロールを形成することができ
る工業上の価値は大きい。

なお、以上の説明では主として、合成樹脂フイ
ルムのスリツト工程における本発明の適用につい
て述べたが、本発明はかかる例に限らず等速で供
給される複数のフイルム条を同時に個別にロール
に巻上げる全ての工程に適用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフイルム巻取方式を示す模式的
側面図、第２図はその簡略化した模式的平面図、
第３図は他の従来方式を示す模式的側面図、第４
図は本発明方式を示す模式的側面図である。 １はコア、２はタツチローラ、３はフイルムロ
ール、４は引取ローラ、１２は張力検出器、１６
は接圧検出器、M_Lはライン駆動モータ、ｍは個
別（コア）駆動モータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 等速で供給される複数条のフイルムを、接圧
   付与しつつコアの上に個別ロールとして同時に巻
   上げるに際し、各コアに対応して各タツチローラ
   を設け、かつ各コアを独立駆動し、コアの巻取速
   度をフイルム供給速度に追従する如く制御すると
   ともに、フイルムの巻取張力と接圧をタツチロー
   ラ部で検出し、該検出張力に応じて前記巻取速度
   を微調節し、更に該検出接圧に応じて前記接圧を
   所定値に制御しつつ巻取ることを特徴とするフイ
   ルムの巻取方法。 ２ タツチローラは弾性支持体によつて支持され
   この支持体の変位で巻取張力を検出し、同時に該
   弾性支持体はアームに取付けられこのアームに付
   与する力によつて接圧を検出することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載のフイルムの巻取方
   法。