JPS605499B2 - 巻取機におけるタツチロ−ラ制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は中心巻取方式巻取機のタッチローラ制御装置に
関し、特に、巻取ロール状物のシート巻成層間に適当な
空気層を抱き込ませて、所謂柔巻（やわまき）ロールを
得るためのタッチローラ制御装置を提供することを目的
とするものである。

タッチローラ装置はシート巻き締め力を調整し、かつ巻
さじわ、巻きづれを防止する上に中心巻取方式の巻取機
に欠かせないものであるが、タッチローラを一定の接圧
力で巻取ロール状物に添接したのでは巻き蓬の増大につ
れて、シートに加わる張力が巻取ロール状物の中心層に
強く作用し、硬巻き状態を呈してシート状物が滑りやす
い面を有している場合には巻きづれが起り、また合成樹
脂フィルムなど柔軟な薄状シートの場合には巻さじわ、
品質の低下を招くなどの問題が生じやすい。従って殊に
後者の薄状シートの場合には柔巻きを行うことが要望さ
れてきているが、柔巻ロール状物を得るためにはタッチ
ローラを巻き取りロール状物に接しないように、その表
面との間に一定の隙間を保たせておくことが必要であっ
て、これはシート巻成層間に適度の空気層を抱き込ませ
なければ柔巻きロールが得られないことから当然と云え
る。

しかし乍ら、巻取り進行に伴って巻き径が漸増するのに
対してタッチローラを一定空隙を保たせながら移動する
のは非常に難かしく、現状ではかかる要求に応え得る装
置が提供されていないために、竪嬢圧力でタッチローラ
をロール状物に接触するしかなく、所期の目的は達成さ
れるに至らなかつた。

このような実状に対処して、本発明は従来懸案とされて
いたタッチローラ制御装置を簡単な構造でしかもすぐれ
た制御性能が発揮される如き実用性に富むものとして、
ここに発明するに至ったものである。

以下に、本発明の具体的内容について、添付図面ととも
に詳しく説明すれば、図において「 １はフィルム又は
シートのシート状物であり、前工程から回転ロール２と
の間に滑りが全然生じない状態で繰り出される。

このシート状物１は所定位置で積極回転される巻取軸４
に巻取られて巻成中の巻取ロール状物３に形成される。

５はタッチローラで回動アーム６の先端に回転自在に構
架され、巻取ロール状物３の巻接点近傍位置において巻
取軸４に暖離し得る如く流体圧シリンダ７により揺動的
に支持されており、その位置が規制されて巻成中の巻取
ロール状物３の表面とタッチローラ５との間に所定の値
小空隙Ｃを保持する如く前記流体圧シリンダ７が後述の
制御系により制御されるようになっている。この制御系
は巻取回転数検出器１１と、ロール回転数検出器１２と
変位検出器１３と、電気制御回路ならびに流体圧シリン
ダ７に関連する流体圧ラインとから構成される。

巻取回転数検出器１１およびロール回転数検出器１２は
回転発電機などが用いられ、前者１ １は巻取軸４の回
転数を電気量（電圧）に換算して検出し、後者１２はシ
ート状物１に無滑動下で接触して等表面速度下で回転す
るローラ２の回転数を電気量（電圧）に換算して検出す
るように夫々設けられる。

一方、変位検出器１３は周知の差動トランス等を使用し
て、前記回動アーム６の揺動角を電気量（電位）に変換
して検出可能な如く設けられており、タッチローラ５が
巻取軸４を基準とした位置、すなわち両者間の間隔を電
気量に換算することができる。

電気制御系は前記両回転数検出器１１，１２の検出量を
入力要素とする割算器８と、該割算器８の出力と変位検
出器１３の検出量とを樋性的に比較して正逆の出力を発
する変換器９とからなり、一方、流体圧ラインは前記変
換器９からの出力を操作部に受けると流体圧シリンダ７
に圧流体を正逆反転的に供給するサーボバルブ１０を要
素としている。

ここでシート状物１の走行速度をＶ、ロール２の直径を
ｄＬ、その回転数をｎＬと定め、また巻成中の巻取ロー
ル状物３の時々刻々変動する直径をｄｗ、そのときの回
転数をｎｗとすると、Ｖ＝汀ｎＬｄＬ＝竹ｎｗｄｗとな
り、 ｄＷ＝ｄし器ｄＬ：定数 の式により、巻取ロール状物３の直径が求められる。

従って、割算器８によって巻取ロール状物３の直径（ｄ
ｗ）を計算せしめる。

一方、変位検出器１３により、タッチローラ５が巻取軸
４に対する距離の２倍の値としてその変位を検出せしめ
る。

そして巻取ロール状物３の直径（ｄｗ）に対応する計算
値と変位検出器１３の検出値とを突き合わせて変換器９
を介してサーボバルブ１０を制御することにより、流体
圧シリング７を操作し、タッチローラ５の位置を前記種
小空隙Ｃを保持した状態で規制することができる。

上述例は回転発電機、差動トランスならびに流体圧サー
ボ系による制御手段を示したものであるが、本発明はこ
れに限定されることなく、アクチュヱータとして電動機
を用い電気的に制御する形態等同効を奏し得る制御手段
は本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の変型は当然可能
である。

本発明は以上説明したことから明らかなように繰り出さ
れるシート状物１を巻取軸４の周りに巻取らせる中心巻
取方式巻取機において、巻成中の巻取ロール状物３の巻
接点近傍位置で前記巻取軸４に援離し得る揺動可能に配
設したタッチローフ５と、巻成中の巻取ロール状物３の
実効径を非接触下で検出する検出手段と、タッチローラ
５の巻取軸４を基準とした位置を検出する検出手段と、
前記両検出手段の検出値が等価となる如く、タッチロー
ラ５の揺動量を制御する制御手段とからなり、タッチロ
ーラ５と者成中の巻取ロール状物３の表面との間に所定
の値小空隙を保持し得る如くしたから、巻成中に適量の
空気層が巻き接点部において巻成層間に抱き込まれるこ
ととなり、従来自動的な処理が不可能とされていた柔巻
きが可能となり、中心層に至る程巻き締め力が増大して
製品に種々の悪影響をもたらしていた従来の問題点はこ
こに解消される。しかも、本発明は従来の自動巻取機に
おいて検出要素として用いられていた巻取回転数検出器
１１と、シート状物の走行速度を検出するロール回転数
検出器１２とを、そのまま使用して、若干の制御系統上
の改変を付加するのみで、既設の自動巻取機にも適用可
能であるので、汎用性に富むばかりでなく装置コストは
至って低廉であり、さらにタッチローラ５の正確な移動
が可能であるので制御精度は極めて高く、誠にすぐれた
発明である。

【図面の簡単な説明】

図は本発明装置の１実施例の構造を示す概念図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 繰り出されるシート状物１を巻取軸４の周りに巻取
   らせる中心巻取方式巻取機において、巻成中の巻取ロー
   ル状物３の巻接点近傍位置で前記巻取軸４に接離し得る
   揺動可能に配設したタツチローラ５と、巻成中の巻取ロ
   ール状物３の実効径を非接触下で検出する検出手段と、
   タツチローラ５の巻取軸４を基準とした位置を両者の間
   隔として検出する検出手段と、前記両検出値が等価とな
   る如く、タツチローラ５の揺動量を制御する制御手段と
   からなり、タツチローラ５と巻成中の巻取ロール状物３
   の表面との間に、適量の空気が巻き接点部において巻成
   層間に抱き込まれるに足る微小空隙を保持し得る如くし
   たことを特徴とするタツチローラ制御装置。 ２ 巻成中の巻取ロール状物３の実効径を非接触下で検
   出する検知手段が、繰り出し側のシート状物１に接して
   等表面速度で回転するロール２の回転数を電気量に換算
   し検出するロール回転数検出器１２と、前記巻取軸４の
   回転数を電気量に換算して検出する巻取回転数検出器１
   １と、前記実効径をロール回転数検出器１２の検出電気
   量が巻取回転数検出器１１の検出電気量に対する比の変
   数として計算する割算器８とを備えている特許請求の範
   囲第１項記載のタツチローラ制御装置。