JPH0151845B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、固定接触子と、回転軸の周りに回転
可能に配置された接触子と、初張力を与えられた
ばね機構とを備え、電磁反発力で開極する接触子
装置に関する。

〔従来の技術〕

固定の接触子と、回転軸の周りに回転可能に配
置された接触子と、初張力を与えられたばね機構
とを備え、ばね機構の一端は固定保持され、他端
は回転可能な接触子に係合され、閉極状態ではば
ね機構が接触圧力を生じ、開極状態ではばね機構
が接触子を開極状態に保持する回転力を生じ、電
磁反発力で開極する接触子装置は既に提案されて
いる。ドイツ連邦共和国特許第1079176号明細書
により公知のかかる電磁反発力により開極する接
触子装置は、平行に配置され初張力を与えられた
二つの引張りばねを有するばね機構を備えてい
る。これらのばねはそれぞれその一端を固定保持
され、それぞれその他端を回転可能な接触子を直
角に貫くピンに掛けられている。接触子が閉じて
いるときには、両引張りばねは回転可能な接触子
を介して接触力を発生する。過電流が閉じた接触
子装置を流れるや否や、回転可能な接触子は、電
磁反発力の作用により、ばね機構により加えられ
た接触力に逆らつて固定接触子から急激に引き離
される。固定接触子と回転可能な接触子との間の
開極角度がからかじめ定められた値に達すると、
ばね機構により回転可能な接触子に与えられた回
転力の方向が逆転するので、ばね機構は接触子が
更に開くのを加速する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明が解決しようとする問題点は、閉極状態
においては比較的高い接触力を有し、過電流が発
生したときは特に敏速且つ確実に開極するよう
な、電磁反発力により開極する接触子装置を提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この問題点は本発明によれば、冒頭に記載した
接触子装置において、回転可能な接触子がその回
転軸に直角に走る案内を有し、ばね機構は閉極状
態においてばね機構の作用線が案内にほぼ直角に
走るように調整されており、ばね機構の他端が案
内に沿つて移動可能に支持されていることにより
解決される。

案内は、ばね機構から可動接触子に与えられる
回転力が開極時に開極角度に関係してより高い開
極速度における最適値をとるような、輪郭を有す
ることができる。

本発明に基づく接触子装置の有利な実施態様に
おいては、ばね機構はその一端に案内に沿つて走
るローラを備えている。それにより、ばね機構の
他端が開極時に特に低摩擦で、回転可能な接触子
の案内に沿つて動くので、開極過程が特に敏速か
つ確実に進む。

本発明に基づく接触子装置の別の有利な実施態
様においては、案内がばね機構の他端の終端位置
のための二つのストツパを有する。このストツパ
の設置により、開極時にも閉極時にもばね機構の
他端は案内の中でそれぞれそのストツパに向かつ
て動かされるので、回転可能な接触子は開極過程
又は閉極過程の終了後に振動運動を生じない。こ
うして接触子装置の作動の際にチヤタリングの発
生が防止される。

本発明に基づく接触子装置の特に簡単な構造
は、案内が回転可能な接触子の凹所により構成さ
れ、凹所の端が案内のストツパの役を果たすこと
により達成される。

本発明に基づく接触子装置の特にコンパクトな
構成は、ばね機構が回転可能な接触子の両側に配
置された二つの引張りばねから成ることにより達
成される。

〔作用〕

本発明による接触子装置は、接触子の閉極状態
においては、回転可能な接触子に備える案内にほ
ぼ直角に走る作用線を有するばね機構によつて、
回転可能な接触子は固定接触子上に確実に押圧接
触しており、過電流が流れたときは、電磁反発力
により回転可能な接触子が開極するとともにばね
機構の他端が案内に沿つて移動することにより開
極を加速させるものである。

〔実施例〕

次に本発明に基づく接触子装置の二つの実施例
を示す図面を参照しながら、本発明を更に詳細に
説明する。

第１図ないし第３図に示す接点装置の実施例１
は、Ｕ字形に折り曲げられた固定接触子１と回転
可能な接触子２を備え、回転可能な接触子はケー
シング部分３又は自己作動遮断器の操作軸部分の
中において回転軸４の周りに支持されている。接
点装置は更に初張力を与えられた二つの引つ張り
ばね６及び７から成るばね機構５を備え、これら
のばね６，７は相互に平行に回転可能な接触子２
の両側に配置されている。両引張りばね６及び７
はそれぞれその一端６ａでもつてケーシング３を
垂直に貫くピン８に掛けて固定されている。また
本引張りばね６及び７はそれぞれの他端６ｂない
しは７ｂをローラ９の軸に掛けられ、このローラ
９は回転可能な接触子２の案内１０の中をその回
軸軸４に直角に走る。案内１０は回転可能な接触
子２の凹所により形成され、その際凹所の端はロ
ーラ９を有するばね機構５の他端６ｂないしは７
ｂの終端位置のための二つのストツパ１１及び１
２を形成する。

閉極状態ではローラ９は案内１０の中でストツ
パ１１に接しており、ばね機構のばね力を回転可
能な接触子２に伝達し、回転可能に接触子２はあ
らかじめ定められた接触力で固定接触子１に押し
付けられる。その際回転可能な接触子２とＵ字形
の固定接触子１の脚は相互に平行しており、電流
環路を形成する。この電流環路における電流があ
らかじめ与えられた値を超えるや否や、回転可能
な接触子２に接触力すなわちばね機構５の力に抗
して働く電磁反発力が作用し、この電磁反発力が
回転可能な接触子２を固定接触子１から持ち上げ
て引き離す。その際ローラ９は案内１０の中にお
いてストツパ１１に接する位置からストツパ１２
の方向に向かつて動く。ローラ９のその時々の位
置は、固定接触子１と回転可能な接触子２との間
の開極角度に関係して次のように決まる。すなわ
ちばね機構５はその時々にできる限り小さなばね
力を発生しようとするので、ばね機構５から発生
するばね力の作用線は常に案内１０の中のローラ
９の運動自由の方向に直角に走る。接触子１と２
との間の開極角度があらかじめ定められた値にな
ると、ばね力の作用線は回転可能な接触子２の回
転軸４を横切つて移動し、その際ばね機構５から
回転可能な接触子２に与えられる回転力はその方
向を逆転する。従つて次にはばね機構５のばね力
は接触子を更に開かせ、ついに可動な接触子２が
ストツパ装置１３に突き当たる。第２図に示した
接触子１及び２のこのような位置においては、ロ
ーラ９は案内１０の第２のストツパ１２に接して
おり、その際ばね機構５はローラ９を介して回転
可能な接触子２に開極状態を維持する回転力を与
える。回転可能な接触子が第１図に示す位置に戻
つたときには、ローラ９は案内１０に沿つて再び
ストツパ１１に接する初期位置に戻る。

第４図及び第５図に示す本発明に基づく接触子
装置の実施例２は上記の実施例１と同様に、固定
接触子２０と、ケーシング部分２１又は操作軸の
中で回転軸２２の周りに回転可能な接触子２３と
を有する。回転可能な接触子２３は凹所を備え、
この凹所は案内２４の役を果たし且つその端に案
内２４の二つのストツパ２５及び２６を形成す
る。図示の接触子装置は更に初張力を与えられた
ばね機構２７を有し、このばね機構はテレスコー
プ状に相対的に動き得る筒２８と２９とを備え、
両筒の間に圧縮ばね３０が配置されている。ばね
機構２７はその一端でもつてケーシング部分２１
を直角に貫く軸３１の周りに回転可能に支持さ
れ、その他端はローラ３２に掛けられており、こ
のローラは回転可能な接触子２３の案内２４の中
で接触子２３の回転軸２２に直角に転がる。

閉極状態ではローラ３２は第１のストツパ２５
に接しており、その際ばね機構２７の力の作用線
３３と案内２４は90゜よりわずかに小さい角３４
を成す。その際ローラ３２はばね機構２４のばね
力を回転可能な接触子２３に伝達し、この接触子
２３をあらかじめ定められた接触力で固定の接触
子２０に押し付ける。過電流が流れると回転可能
な接触子２３はその際生じる電磁反発力により固
定の接触子２０から引き離され、その際ばね機構
２７から与えられる力の方向と案内２４との間の
角度が増す。この角度が90゜より大きくなるや否
や、ばね機構２７の圧縮ばね３０は突然開放さ
れ、その際ローラ３２は案内２４に沿つて第２の
ストツパ２６まで動かされる。ローラ３２が第２
のストツパ２６に到達するや否や、ばね機構２７
によつて発生されたばね力は再びローラ３２を介
して回転可能な接触子２３に伝達される。その際
回転可能な接触子２３に加えられた回転力はスト
ツパ２６に接するローラ３２の位置に基づいて接
触子を更に開く方向に作用し、ついに回転可能な
接触子２３がストツパ装置３５に突き当たる（第
５図）。

〔発明の効果〕

本発明によれば、接触子が閉じている場合に、
ばね力が回転可能な接触子の案内にほぼ垂直に作
用しているために、接触圧力を発生させるために
有効なばね機構の分力、従つて接触力が特に大き
いものが得られる。また回転可能な接触子に対す
るばね機構の作用点が移動可能であるため、過電
流が流れた場合に電磁反発力により接触子が僅か
に開いた後に、早くもばね機構が接触子の開極を
加速する。すなわち過電流が閉じた接触子を流
れ、電磁反発力の作用のために回転可能な接触子
が固定の接触子から持ち上げられて離れるや否
や、回転可能な接触子と固定接触子との間の開極
角度に絶えず関係しながら、ばね機構により与え
られる力がその時々に可能な最も小さい値を取る
ような新しい位置に、ばね機構の他端が案内に沿
つて移動する。従つて開極角度が小さいときにも
既に、回転可能な接触子に作用する回転力がその
方向を逆転し接触子を更に開くような位置にばね
機構が到達する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明による接触子装置
の一実施例のそれぞれ閉極状態および開極状態に
おける一部切欠側面図、第３図は第１図の実施例
の平面図、第４図および第５図は本発明による接
触子装置の別の実施例のそれぞれ閉極状態および
開極状態における一部切欠側面図である。 １，２０……固定接触子、２，２３……回転可
能な接触子、４，２２……回転軸、５，２７……
ばね機構、６，７，３０……ばね、６ａ……ばね
機構の一端、６ｂ，７ｂ……ばね機構の他端、
９，３２……ローラ、１０，２４……案内、１
１，１２，２５，２６……ストツパ、３３……ば
ね機構の作用線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定接触子と、回転軸の周りに回転可能に配
   置された接触子と、初張力を与えられたばね機構
   とを備え、ばね機構の一端は固定保持され、他端
   は回転可能な接触子に係合され、閉極状態ではば
   ね機構が接触圧力を生じ、開極状態ではばね機構
   が接触子を開極状態に保持する回転力を生じ、電
   磁反発力で開極する接触子装置において、回転可
   能な接触子がその回転軸に直角に走る案内を有
   し、ばね機構は閉極状態においてばね機構の作用
   線が案内にほぼ直角に走るように調整されてお
   り、ばね機構の前記他端が案内に沿つて移動可能
   に支持されていることを特徴とする接触子装置。 ２ ばね機構がその他端にローラを有し、このロ
   ーラが案内に沿つて走ることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の接触子装置。 ３ 案内がばね機構の他端の終端位置のための二
   つのストツパを有することを特徴とする特許請求
   の範囲第１項又は第２項記載の接触子装置。 ４ 案内が回転可能な接触子の凹所により形成さ
   れ、凹所の端がストツパの役を果たすことを特徴
   とする特許請求の範囲第３項記載の接触子装置。 ５ ばね機構が二つの引張りばねから成り、これ
   らのばねが回転可能な接触子の両側に配置されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第４項のいずれかに記載の接触子装置。