JPH0149246B2 - - Google Patents

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JPH0149246B2
JPH0149246B2 JP57128699A JP12869982A JPH0149246B2 JP H0149246 B2 JPH0149246 B2 JP H0149246B2 JP 57128699 A JP57128699 A JP 57128699A JP 12869982 A JP12869982 A JP 12869982A JP H0149246 B2 JPH0149246 B2 JP H0149246B2
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JP
Japan
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wound
casei
skin
bacteria
lactobacillus
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JP57128699A
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JPS5920220A (ja
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Hajime Saito
Yoshinari Horikawa
Takashi Watanabe
Masahiko Mutai
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Yakult Honsha Co Ltd
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Yakult Honsha Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、損傷皮膚創面治療剤に関する。さら
に詳しく言えば、本発明は、肉芽形成促進作用を
有するラクトバチルス属菌の菌体を有効成分とし
て含有する損傷皮膚創面の治療剤に関する。 乳酸菌に関する研究は古くから行なわれて来た
が、主に腸内菌叢構成菌の1つとして人体との関
係に関するものであつた。 本発明者らは乳酸桿菌を直接体内に投与するこ
とによる作用に関する研究の結果、乳酸桿菌を静
脈内、腹腔内あるいは皮下投与することにより緑
膿菌や病原性大腸菌などによる感染に対する抵抗
性が増強されることをこれまでに見出してきた
(医学と生物学100(5)、285他)。そしてさらに研
究を進めた結果、この感染抵抗性の増強効果は体
内感染のみならず損傷皮膚においても認められる
ことを見出すとともに、皮膚損傷創面において肉
芽形成の促進作用があることを新たに見出した。 人体の皮膚及び皮膚下組織が破壊された場合
に、該患部を覆う皮膚の形成がみられない症状は
多く、かつ治療期間が長びき、難治となる場合も
あり、より有効な治療剤の出現が切望されてい
る。 従来使用されている方法としては、生きている
皮膚を患部に移殖する方法、または皮膚代用物で
覆う方法が外科的には用いられ、抗菌剤で創傷感
染を防ぎ、肉芽組織の新生を待つ方法がこうじら
れている。また、肉芽形成促進作用により創傷治
癒を促進する方法もこうじられる。この作用を有
するものとして粉末ゼラチンや細菌性皮膚疾患治
療剤(「エキザルベ」)があるが粉末ゼラチンは浸
出液で軟化膨潤し、細菌繁殖の絶好の場になりや
すく、患部への悪影響をおよぼし時には抗生剤投
与を要する。また大腸菌死菌、ブドウ球菌死菌、
レンサ球菌死菌、緑膿菌死菌を含有する細菌性皮
膚疾患治療剤「エキザルベ」は、局所感染防御作
用、肉芽形成促進作用を有しているがヒドロコル
チゾンをも配合されており真菌性、ウイルス性お
よび細菌性感染症があらわれることがあり、火傷
のように創面への浸出液がある場合や患部を覆う
皮膚形成がみられない場合には慎重に用いなけれ
ばならない。 本発明者らは損傷皮膚創面にラクトバチルス属
菌、特にラクトバチルス・カゼイ
(Lactobacillus casei、以下L.カゼイという)菌
の生菌あるいは加熱死菌を火傷直後創面皮下に投
与し、創面での肉芽形成促進効果が著明であるこ
とを知り、本発明を完成した。 本発明による効果は、市販の細菌性皮膚疾患治
療剤「エキザルベ」に比して、肉芽形成作用が強
く、皮膚創面治癒期間が短かく(試験1(4)、表4
参照)、毒性も著しく低い(試験3(1)参照)。以下
試験例を示して本発明を説明する。なお、試験に
用いた菌体試料は以下のとおり調製したものであ
り、また皮膚創面治癒程度は、創面面積を画像解
析装置により測定し、その面積の減少あるいは創
面完全治癒所要日数で示した。 〔菌体試料の調製〕 菌の培養は通常乳酸桿菌の培養に使用されてい
る下記の培地を121℃で15分間滅菌後、あらかじ
め同一培地で前培養したスターターを接種する。
37℃で20〜40時間培養したのち、培養液から菌体
を遠心分離により集め、得られた菌体を蒸留水で
洗浄後、凍結乾燥して粉末化する。 水1リツトル中(単位:g) トリプチケース 10 酵母エキス 5 トリプトース 3 K2HPO4 3 KH2PO4 3 クエン酸アンモニウム 2 酢酸ナトリウム 1 ツイーン80 80 グルコース 20 システイン 0.2 MgSO4・7H2O 0.5 FeSO4・7H2O 0.04 MnSO4・2H2O 0.12 PH 6.8 試験 1 火傷創面治癒作用 (1) 全身麻酔したddY系雌マウス(1群10頭)の
背部中央部に焼ゴテ(2×3cm)を3秒間あて
て2度の火傷をおこし(体表面積の10%、600
mm2)、その直後、乳酸桿菌の80℃30分加熱死菌
の凍結乾燥粉末を含む懸濁液(生理食塩水1ml
中に、菌体5mg(約2×109個)を含む)0.1ml
を、創面皮下に投与した。対照群は生理食塩水
0.1mlを創面皮下に投与した。投与後7日毎に、
画像解析装置を用いて創面面積を測定した。そ
の結果を表1に示す。14日目および21日目に著
しい創面治癒促進効果が認められた。
【表】 (2) (1)と同様にして火傷をおこした後、L.カゼイ
YIT0003(培養後蒸留水で洗浄して得た生菌
体)を含む懸濁液(生理食塩水1ml中に菌体
1010個を含む)0.1mlを創面皮下に投与し、(1)
と同様に創面面積を測定した。結果を表2に示
す。生菌投与の場合も、加熱死菌投与の場合と
同様に創面治癒促進効果がみられた。
【表】 (3) (1)と同様にして火傷をおこしたマウスに、乳
酸桿菌(L.カゼイYIT0003またはL.カゼイ
YIT9018)の(1)と同様に処理した懸濁液0.1ml
を創面皮下に1回または2回投与した(2回投
与の場合の投与量は1.0mgとなる)。対照群には
生理食塩水0.1mlを創面皮下に投与した。その
後の創面の完全治癒までの所要日数を求めた。
L.カゼイYIT0003と同YIT9018とはほぼ同じ結
果を示したので両群はまとめた。結果は表3に
示す。L.カゼイ投与により、1.0mg投与で平均
5日、0.5mg投与で平均約3日はやく完全治癒
した。
【表】 (4) (1)と同様にして火傷をおこしたマウスに、乳
酸桿菌L.カゼイYIT0003の80℃30分間加熱死菌
を水溶性軟膏基剤「ソルベース」0.5g中に109
個含有する軟膏0.5gを創面に塗布し、24時間後
に、108個の緑膿菌(Pseudomonas
aeruginosa PAO3047)を、同部位に塗布感染
させ、創面の完全治癒までの所要日数を求め
た。なお、対照群として、市販細菌性皮膚疾患
治療剤「エキザルベ」治療群(0.5gを創面に塗
布)、無処理群、軟膏基剤「ソルベース」単独
塗布群を設けた。結果を表4に示す。
【表】 創傷面への直接塗布でも創面治癒効果がみら
れ、しかも市販細菌性皮膚疾患治療剤「エキザル
ベ」より短期間で完全治癒が得られた。 試験 2 病理組織学的検討 (1) 試験1と同様に火傷をおこしたマウスにL.カ
ゼイYIT0003の80℃30分加熱死菌凍結乾燥粉
末を試験1(1)と同様に投与し、創傷面皮下組織
の病理組織学的変化をMasson染色により青色
に染まつた膠原線維を28日後の標本における染
色度で示した。(対照群における染色度を1と
して表わした)結果を表5に示す。
【表】 L.カゼイYIT0003投与により、創傷組織中で増
殖した線維芽細胞から産出された膠原線維の形成
は対照群と比較して約4倍と著明にみられ創傷組
織修復が進展していることが明らかであつた。 試験 3 L.カゼイの毒性試験 (1) LD50 体重25g前後のSlc:ICR系マウスさらに250g
前後のCrj:CD(SD)系ラツトを用いて
Litchfield−Wilcoxon法に従つてL.カゼイの急
性毒性(LD50)を調べた。第6表はその結果
である。 ちなみに市販細菌性皮膚疾患治療剤「エキザ
ルベ」の有効成分の急性毒性LDmin.はラツト
皮下投与にて混合死菌は1540×108個/Kg(約
300mg/Kg)であり、これに比較してL.カゼイの
毒性は極めて低いものである。
【表】 (2) 抗原性試験 L.カゼイYIT9018の生理食塩水懸濁液を1群
5匹の白色モルモツトの臂部皮下に3日間融で
3回、L.カゼイYIT9018が総量50mg/Kgになる
ように投与し、対照には、卵アルブミンを同様
に総量6mg/Kg投与した。最終投与日から10日
目に全身アナフイラキシー反応の有無を調べ12
日目には別のモルモツトから血清を分離し、凝
集反応によつて血清中の抗体価を調べた。その
結果、全身性アナフイラキシー反応ではL.カゼ
イYIT9018を投与したモルモツトは全て陰性
であつたが、対照群の卵アルブミン投与群では
アナフイラキシー惹起によつて死亡した例(3
匹)、高度の呼吸困難、運動障害、けいれん発
作を起こした例(2匹)がみられた。また、擬
集反応では、L.カゼイYIT9018を投与したいず
れのモルモツトの血清でも陰性であつた。 本発明は以上のようなラクトバチルス属菌、特
にL.カゼイに関する新規な知見に基づき完成され
たものであつて、該乳酸桿菌の菌体そのものを有
効成分として含有する損傷皮膚創面治療剤の発明
である。なお試験に用いたL.カゼイYIT9018は微
工研条寄第665号として工業技術院微生物工業技
術研究所に寄託されている。上記菌体は生菌体、
死菌体のいずれであつてもよく、投与方法も皮下
投与および創傷面局所への直接投与でもよい。 本発明の損傷皮膚創面治療剤を製造するには乳
酸桿菌の培養にふつう用いられている方法で培養
することが出来る。例えば、ラクトース、グルコ
ース、ペプトン、イーストエキス、リン酸一カリ
ウム、リン酸二カリウム、硫酸マグネシウム等を
含有する合成培地を用い、約37℃で静置培養す
る。培養後18−24時間目に生菌数は最高値に達す
るからその時点で培養を打ち切り、後培養液を遠
心分離機にかけ集菌する。集められた菌体は、蒸
留水に懸濁して撹拌した後、遠心分離機にかけて
洗浄し、乾燥粉末化する。損傷皮膚創面治癒作用
や急性毒性等の副作用は、凍結乾燥した生菌体で
あつても高温乾燥した死菌体であつても別段差が
ないから、菌体の乾燥条件は特に制限されない。
また、菌を生かしておくための乾燥時特別な処理
を要しない。乾燥して粉末化した菌体は通常はそ
のままで損傷皮膚創面治療剤として利用すること
ができるが必要に応じて、保存性向上剤や他の薬
剤と配合して製剤化してよい。アンプルやカプセ
ルあるいは密栓容器に封入するなど外気と遮断し
た状態におくならば製剤化後の保存には特別の条
件を必要としない。 本発明による損傷皮膚創面治療剤を治療に用い
るには、生理食塩水等に懸濁して皮下投与、もし
くはそのままあるいは軟膏基剤等に混入して創面
局所へ直接投与してもよい。 有効投与量は皮膚損傷の程度に応じて皮下投与
で0.04mg/cm2以上もしくは2×107/cm2以上、創傷
面への直接投与では0.1mg/cm2以上もしくは5×
107/cm2が望ましい。これを治療期間中1回ない
し数回投与すればよい。本発明による損傷皮膚創
面治療剤は損傷皮膚治癒作用の点ですぐれている
ばかりでなく本来病原性のない腸内細菌である乳
酸桿菌を利用するものであるので安全性も高い。
以下実施例をあげて、本発明を説明する。 実施例 1 L.カゼイYIT9018を前記試験と同様の組成の培
地1に菌数が107/ml程度になるように接種し、
37℃で20時間静置培養した。生菌数は20時間目で
ほぼ最高(2.5×109/ml)に達した。培養後培養
液から冷却遠心分離機にて菌体を分離し、蒸留水
にて洗浄して生菌体20g(乾燥菌体として5g)を
得た。得られた菌体を蒸留水に懸濁して10mlのア
ンプルに1010個ずつ分注し、凍結乾燥後アンプル
を溶封し5℃で保存した。1ケ月後この菌体粉末
を用いて試験1(3)と同様の方法で創傷面治癒所要
日数を調べたところ平均24.4日であつた。 実施例 2 実施例1と同じ条件でL.カゼイYIT9018を培養
し、分離し、洗浄して菌体17g(湿重量)を得た。
この菌体を121℃20分間加熱殺菌してから80℃で
熱風乾燥して粉末とした。得られた乾燥菌体をア
ンプルに分封(内容量100mg)し5℃で2ケ月保
存した。この菌について試験1(3)および試験3と
同様に治癒平均日数とLD50を調べたところ治癒
平均日数は25.8日LD50は皮下投与で雄マウスで
2500mg/Kg以上、雌マウスで2500mg/Kg以上であつ
た。 実施例 3 実施例1のL.カゼイYIT9018をL.カゼイ
YIT0003にかえ同様に処理した。この時の創傷
面治癒所要日数は、平均24.2日であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 肉芽形成促進作用を有するラクトバチルス属
    菌の菌体を有効成分として含有する損傷皮膚創面
    治療剤。 2 ラクトバチルス属菌がラクトバチルス・カゼ
    イである特許請求の範囲第1項記載の損傷皮膚創
    面治療剤。
JP57128699A 1982-07-23 1982-07-23 損傷皮膚創面治療剤 Granted JPS5920220A (ja)

Priority Applications (1)

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JP57128699A JPS5920220A (ja) 1982-07-23 1982-07-23 損傷皮膚創面治療剤

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JP57128699A JPS5920220A (ja) 1982-07-23 1982-07-23 損傷皮膚創面治療剤

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JPS5920220A JPS5920220A (ja) 1984-02-01
JPH0149246B2 true JPH0149246B2 (ja) 1989-10-24

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Families Citing this family (6)

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JPS5920220A (ja) 1984-02-01

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