JPH0145425B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はワイヤードツトプリンタに用いられる
印字ヘツドに係り、特に磁気干渉の影響を低減
し、且つ組立て作業を容易ならしめる印字ヘツド
の製造方法の改良に関す。

印字ワイヤーによつて形成されたドツトの集合
により文字等のパターン形成を行なうプリンタは
文字種類が多く、またコピーを必要とする用途に
極めて好適で経済的である。印字品質の向上のた
めには、ワイヤーを細く、また数を増して、各独
立に作動できることが必要となる。またコンピユ
ータ端末機としての用途が拡大している為、高速
作動することが要請されている。

第１図〜第４図を参照して従来の方法を説明す
ると。第１図は本発明が適用されるワイヤードツ
トプリンタを例示する平面図、第２図は第１図の
印字ヘツドの印字マグネツト部を示す側面図、第
３図は従来方法による印字ヘツドを例示する側面
図、第４図は第３図のコアと磁路部の組立斜視図
である。

図中、１はコア、２はコイル、３はアマチユア
３ａは保持部、４は印字ワイヤー、５はガイドフ
レーム、５ａはピンガイド、５ｂはピン孔、６は
支持ばね、７ａ，７ｂは磁路部、７ｃは側磁路
部、８は永久磁石、９はフレーム、１０はプラテ
ン、１１は印字用紙、１２ａ，１２ｂはスプロケ
ツト、１３はキヤリア、１５はガイドシヤフト、
１６は送りネジ、１７はベルト、１９はモータ、
２０はインクリボンカセツト、２０ａはインクリ
ボン、２１は印字ヘツド、２１ａは印字マグネツ
トを示す。

ワイヤードツトプリンタは第１図に示すよう
に、フレーム９を有しており、フレーム９にはプ
ラテン１０が回転自在に支持されている。プラテ
ン１０には印字用紙１１が巻き掛けられており、
印字用紙１１はスプロケツト１２ａ，１２ｂ等に
より図中矢印Ａ方向に送られる。一方プラテン１
０の前面、即ち図中下方には、キヤリア１３がプ
ラテン１０と平行に設けられたガイドシヤフト１
５に摺動自在に嵌合しており、キヤリア１３は同
様にプラテン１０と平行に設けられた送りネジ１
６と螺合している。送りネジ１６はベルト１７を
介してモータ１９に接続されており、従つて送り
ネジ１６はモータ１９の正逆回転によつて、キヤ
リア１３を図中矢印Ｃ、Ｄ方向に移動させること
ができる。キヤリア１３にはインクリボンカセツ
ト２０が塔載されており、カセツト２０には無端
状のインクリボン２０ａがその一部をプラテン１
０側に露出させた形で内蔵されている。また、キ
ヤリア１３には印字ヘツド２１がインクリボンカ
セツト２０に囲まれた形で設置されており、印字
ヘツド２１にはドツトによつて印字を形成させる
ために複数個の印字マグネツト２１ａが設けられ
ている。

印字マグネツト２１ａは第２図に示すように、
コア１にコイル２が巻かれており、コア１に当接
するようにアマチユア３が配置されている。アマ
チユア３には先端に印字ワイヤー４を固着した保
持部５が取付けられており、またアマチユア３は
支持ばね６によつて弾性的に支持され、支持ばね
６の一端は磁路部７ａに固定されている。磁路部
７ａ，７ｂはその間に磁石８をはさみ、且つ、コ
ア１とアマチユア３をコ字形に囲むように配置さ
れている。また磁路部７ａからアマチユア３の両
側にギヤツプをおいて係合する側磁路部７ｃが張
出している。

従つて印字マグネツト２１ａが作動していない
時は、永久磁石８の磁力によつてアマチユア３は
コア１に吸着している。

このような構成を有するので、いま印字ヘツド
２１の印字マグネツト２１ａのコイル２に永久磁
石８のNS極とコア１の極が反対になるように電
流を流すと、コア１は電磁石となり永久磁石８の
吸引力を打消すように働き、支持バネ６によつて
蓄えられたエネルギによつてアマチユア３は、磁
路部７ａ側、即ち第２図において上方に飛んで行
く。すると印字ワイヤー４も図中矢印Ｅ方向に突
出し、第１図に示すプラテン１０上の印字用紙１
１にインクリボン２０ａを介して衝突し印字が行
なわれる。コイル２への通電を停止すると、コア
１の電磁力も消失し、アマチユア３は磁石８の吸
引力によつて、第２図中矢印Ｆ方向に運動し、コ
ア１に吸引されて、待機位置にもどる。このよう
にして印字ヘツド２１内の複数の印字マグネツト
２１ａを選択的に駆動しつつ、第１図に示すよう
に印字ヘツド２１をキヤリア１３と共に矢印Ｃ、
Ｄ方向に移動させて印字媒体１１への印字動作を
行なう。

かゝる印字ヘツド２１において、印字マグネツ
ト２１ａは第３図に示すように中心部に印字ワイ
ヤー４を集中させており、中央部に突き出したガ
イドフレーム５の先端にあるピンガイド５ａのピ
ン孔５ｂによつて印字ワイヤー４がガイドされて
いる。

印字マグネツト２１ａの電磁石のコア１は第４
図に示すようにセグメント状に分割された磁路部
７ｂに夫々固着され、図に示していない非磁性板
上に放射状に配置して組立てられている。

しかしながら、この方法によると分割した複数
の磁路部７ｂを非磁性板上に精度よく位置決めし
て組立てることが難しいばかりでなく、部材の点
数が増え、また個々の部材の製作上加工面が多く
精度も出しにくく工数が掛り、コストが高くなる
という欠点がある。これに対して、磁路部７ｂの
形状が嵌まるセグメント形の角孔を放射状に設け
た非磁性板に組込む方法がとられているが組立上
の精度及び工数は可なり改善されるが、部材がふ
えるばかりでなく、加工面では改善されていな
い。また、磁路部７ｂを分割しない方法も考えら
れるが、この方法では印字マグネツト２１ａの磁
気特性が低下するという欠点がある。従つてプリ
ンタの高速化、小型化の要請から印字マグネツト
２１ａの磁気特性を一層向上させる必要があり対
策が望まれていた。

本発明の目的は上記の欠点を解決するためのも
ので、磁性部材の組立に適用して効果的な印字ヘ
ツドの製造方法を提供するにある。

本発明は励磁コイルが巻されるコアと、磁路部
よりなる複数のユニツトを少なくとも一個の連結
部で連結して一体形成し、円環状の非磁性部材に
前記各ユニツトの磁路部を固着した後、前記連結
部を切断することによつて、前記各ユニツトを磁
気的に分離せしめ、更に、前記非磁性部材により
各ユニツトを構造的に一体化せしめる。

かくすることにより、各ユニツトは一体的に取
り扱うことができ、各ユニツト間の間隙は正確に
維持することができる。また、各ユニツト間は磁
気的には分離されているので隣接するユニツト間
の磁気干渉がない。

以下本発明の一実施例を第５図ａ〜ｃ及び第６
図を参照して説明する。第５図ａ及びｂは本発明
による組立部材を示す斜視図、第５図ｃは非磁性
リングの斜視図、第６図は第５図の組立工程を示
す側面図である。

図中、１ａ，１ｂはコア部、７ｄ，７ｅはベー
スとなる磁路部、２９は非磁性リング、１４―
１，１４―２は成型品、１４ａ，１４ｂは連結リ
ング、２２ａ，２２ｂ、は孔、２３はねじ、２４
はナツトを示す。なお、一つのコア１ａと、一つ
の磁路部７ｄはユニツトを形成する。

第５図ａ及びｂに示すように磁性材料で、コア
１ａと磁路部７ｄが固着したものを連結リング１
４ａで12個連結した状態に、また、コア１ｂと磁
路部７ｅが固着したものを連結リング１４ｂで12
個連結した状態にそれぞれ鋳造、焼結などの方法
で一体成型して成型品１４―１及び１４―２とな
つている。成型品１４―１と１４―２は360゜／24
＝15゜だけ固着部材をずらせた位置に成型されて
おり、また第６図に示すように、連結リング１４
ａと１４ｂは成型品１４―１と、１４―２を組合
せた時に両リング１４ａ，１４ｂが重なつて接す
るような位置に成型されている。

このような構成を有するので、成型品１４―１
と１４―２を組合せ連結リング１４ａ，１４ｂに
設けられた孔２２ａ，２２ｂを合わせて、ネジ２
３とナツト２４で締めつけた後、例えば黄銅材か
らなる非磁性リング２９を磁路部７ｄ，７ｅのコ
ーナにはめロー付けする。しかる後、連結リング
１４ａ，１４ｂを磁路部７ｄ，７ｅから切断して
分離する。すなわち、連結リング１４ａ，１４ｂ
を分離したことにより、各ユニツトは磁気的に分
離されることになるが、非磁性リング２９により
一体構造となる。このように、コア１ａ，１ｂ及
び磁路部７ｄ，７ｅは非磁性リング２９によつて
放射状等間隔に保持されている状態となり、組立
てが完了し第４図に示した所望の組立品が得られ
る。

上記実施例では一体成型を成型品１４―１及び
１４―２に２個作成して、組合せ締結したが、す
べてを一体成型してもよいことは勿論である。

以上説明したように本発明によれば、一体成型
の長所を生かして部材としては一体で成型し、そ
れを非磁性リングに結合した後成型連結部を切断
することによつて磁気的にコア及び磁路部を分離
できるので、 (1) 分割した磁性部材の組立が簡単であり、磁気
干渉が減少した磁気特性の改善された印字ヘツ
ドが容易に得られる。

(2) 部材の数も少なく、加工部分も僅かであり、
コストが改善される。

(3) 部材の精度が出し易く、従つて組立精度も得
られるので所期の特性が得られ、バラツキが少
ない。

という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明が適用されるワイヤードツトプ
リンタを例示する平面図、第２図は第１図の印字
ヘツドの印字マグネツト部を示す側面図、第３図
は従来方法による印字ヘツドを例示する側面図、
第４図は第３図のコアと磁路部の組立て斜視図、
第５図ａ及びｂは本発明による組立部材を示す斜
視図、第５図ｃは非磁性リングの斜視図、第６図
は第５図の組立工程を示す側面図である。 図において、１，１ａ，１ｂはコア、２はコイ
ル、３はアマチユア、３ａは保持部、４は印字ワ
イヤー、５はガイドフレーム、５ａはピンガイ
ド、５ｂはピン孔、６は支持ばね、７ａ，７ｂ，
７ｄ，７ｅは磁路部、７ｃは側磁路部、８は永久
磁石、１４―１，１４―２は成型品、１４ａ，１
４ｂは連結リング、２９は非磁性リングを示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印字素子を駆動するための励磁コイルが巻装
   されるコアと、このコアと連結され磁路を形成す
   る磁路部とよりなるユニツトを放射状に複数個配
   列してなるベースを有する印字ヘツドの製造方法
   において、 前記各ユニツトを少なくとも一個の連結部をも
   つて一体成型し、 円環状の非磁性部材に前記各ユニツトの磁路部
   を固着した後、 前記連結部を切断することによつて、前記各ユ
   ニツトを磁気的に分離せしめ、 更に、前記非磁性部材により各ユニツトを構造
   的に一体化せしめたことを特徴とする印字ヘツド
   の製造方法。