JPH0144849Y2 - - Google Patents

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JPH0144849Y2
JPH0144849Y2 JP1984063589U JP6358984U JPH0144849Y2 JP H0144849 Y2 JPH0144849 Y2 JP H0144849Y2 JP 1984063589 U JP1984063589 U JP 1984063589U JP 6358984 U JP6358984 U JP 6358984U JP H0144849 Y2 JPH0144849 Y2 JP H0144849Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本考案は自動車用の自動変速機、特に電子制御
式自動変速機における油圧制御装置に関する。 (従来技術) エンジン出力軸にトルクコンバータを介して変
速歯車機構を連結して、該変速歯車機構の動力伝
達経路を切換えることにより、自動車の運転状態
及び手動操作に応じて最適の変速段を得るように
した自動変速機、特に電子制御式の自動変速機に
は、変速制御手段として、上記変速歯車機構の動
力伝達経路を切換える複数の摩擦要素と、これら
の摩擦要素を作動させる油圧アクチユエータと、
該アクチユエータに対して油圧を給排する複数の
シフトバルブを含む油圧制御回路と、上記各シフ
トバルブを作動させて油圧の供給通路を切換える
複数の電磁手段とが備えられる。そして、この電
磁手段により運転状態に応じて上記シフトバルブ
が切換え操作されることにより、各油圧アクチユ
エータへの油圧供給状態ないし各摩擦要素の作動
状態が切換り、これに伴つて変速歯車機構の動力
伝達経路、即ち変速段が切換わるようになつてい
る。 然して従来においては、上記油圧制御回路にお
けるシフトバルブとして、例えば前進4段の場
合、1−2シフトバルブ、2−3シフトバルブ、
3−4シフトバルブが備えられると共に、これら
の各シフトバルブを夫々操作する電磁手段として
3個のソレノイドが備えられ、第1〜第3ソレノ
イドが全て非作動の場合は1速、第1ソレノイド
が作動すれば2速、第1、第2ソレノイドが作動
すれば3速、第1〜第3ソレノイドが全て作動す
れば4速、というような変速制御が行われてい
た。しかし、このような制御方法によると、前進
4段の場合に3個のシフトバルブと3個のソレノ
イドとが必要となる。 これに対して、例えば特公昭52−46590号公報
によれば、2個のシフトバルブと該シフトバルブ
に夫々備えられた2個のソレノイドとによつて4
つの前進変速段が得られるようにした自動変速機
が示されている。これは、2個のソレノイドの合
計4通りの作動、非作動の組合せに応じて、上記
シフトバルブの状態ないし油圧供給通路の状態を
4通りに切換えるようにしたもので、これによれ
ばシフトバルブ及びソレノイドの個数が従来より
少なくなり、構成が簡素化される。 一方、上記油圧制御回路には、シフトバルブと
は別に手動操作されるマニユアルバルブが備えら
れ、該バルブによつて、例えば“D”レンジ、
“2”レンジ、“1”レンジ等の前進レンジ、或い
は“P”(駐車)レンジ、“R”(後退)レンジ、
“N”(ニユートラル)レンジ等を選択できるよう
になつている。そして、各前進レンジについて
は、例えば“D”レンジでは1〜4速の全変速範
囲で変速が行われ、“2”レンジでは1〜3速の
範囲で変速が行われ、“1”レンジでは1〜2速
の範囲で変速が行われるように設定されている。
このような各レンジに応じた変速範囲の設定は、
この例の場合、“2”レンジでは4速に変速され
ることを制限し、また“1”レンジでは3,4速
に変速されることを制限することにより行われる
が、従来においては、この変速範囲の制限は各ソ
レノイドに対する電気的制御により行つていた。
しかし、ソレノイドの作動を電気的に制限するこ
とによつて各レンジ毎の変速範囲を設定する方法
では、特に前述の2個のソレノイドで4つの前進
変速段を得るような構成の場合に、該ソレノイド
のシヨートや断線等の故障、或いは電気制御回路
の異常等によつて変速範囲が乱れることになり、
例えば“2”レンジや“1”レンジにシフト操作
しても4速に変速されてしまつて、1速や2速が
得られなくなる等の場合が生じ、当該自動車の走
行が困難或いは不能となる。 (考案の目的) 本考案は自動変速機、特に2個の電磁手段ない
し2個のシフトバルブの作動の組合せによつて4
つの前進変速段を得ることができ、且つこの4つ
の変速段を全て使用する“D”レンジと、最高使
用変速段を順次低変速段へ制限した“2”レン
ジ、“1”レンジとを有する自動変速機において、
上記“2”レンジ及び“1”レンジに対応する変
速範囲の制限を電磁手段に対する制御によらず、
レンジを選択するマニユアルバルブの操作によつ
て機械的或いは油圧的に行うようにすると共に、
故障として最も発生頻度の多い上記電磁手段の断
線による非作動時に、マニユアルバルブの“D”
レンジから“2”レンジ、“1”レンジへの操作
に従つて変速段が順次低変速段に移行して、各レ
ンジで夫々固定されるようにする。これにより、
上記のような故障発生時に、マニユアルバルブを
例えば“D”レンジにシフトすれば4速、“2”
レンジにシフトすれば3速、“1”レンジにシフ
トすれば1速が固定的に得られるようにして、手
動変速機と同様にマニユアルシフトレバーの操作
によつて変速段を選択できるようにし、もつて油
圧制御回路の簡素化を図りながら、各レンジにお
ける使用変速範囲の制限の確実化を図り、且つ電
磁手段の故障発生時にも当該自動車の通常の走行
を可能とすることを目的とする。 (考案の構成) 本考案に係る自動変速機の油圧制御装置は、上
記目的達成のため次のように構成したことを特徴
とする。 即ち、変速範囲の異なる複数のレンジとして、
1速から4速までの4つの前進変速段を使用する
“D”レンジ及び最高使用変速段を順次低変速段
側へ制限した“2”レンジ、“1”レンジを有す
る自動変速機において、上記各レンジを手動操作
によつて選択するマニユアルバルブと、複数の摩
擦要素を夫々操作して変速歯車機構の動力伝達経
路を切換える複数の油圧アクチユエータと、これ
らのアクチユエータへの油圧供給通路を4通りに
切換えて上記1速から4速までの4つの変速段を
得るために、ストロークエンドに対応した2つの
切換え位置を有する2個のシフトバルブと、この
2個のシフトバルブに夫々設けられて作動、非作
動の組合せによりこれらのシフトバルブの切換え
位置の組合せを上記1速ないし4速に対応した4
通りの状態に切換え、且つDレンジにおいて共に
非作動の時に4速が達成される状態にシフトバル
ブの切換え位置を制御する2個の電磁手段とを備
える一方、上記マニユアルバルブに、“2”レン
ジ、“1”レンジへの変換操作に対応して開閉さ
れる第1、第2のポートを設ける。そして、第1
のポートは、マニユアルバルブを“2”レンジに
変換操作した時に開いて、上記2個のシフトバル
ブが4速配置となつた時に4速解除油路に連通す
べく該2個のシフトバルブに直列状態で接続され
るフエールセーフ油路に連通され、また第2のポ
ートは、マニユアルバルブを“1”レンジに変換
操作した時に排圧ポートに連通すべく切換えら
れ、且つ他のレンジでは3,4速構成用の油圧ア
クチユエータに作動圧を供給するための油路に連
通されるように構成することにより、該マニユア
ルバルブの操作によるこれらのポートの開閉制御
によつて“D”レンジから“2”レンジ、“1”
レンジへの操作に応じて順次高変速段用油圧アク
チユエータの使用を不可能とし、且つ上記2個の
シフトバルブの配置を、夫々の電磁手段が非作動
の時に、“D”レンジ、“2”レンジ、“1”レン
ジの順に順次低変速段に固定されるように配置す
る。 このような構成によれば、“2”レンジ及び
“1”レンジにおける最高使用変速段がマニユア
ルバルブの操作による第1、第2ポートの開閉制
御によつて油圧により機械的に順次低変速段側へ
制限されることになり、“2”、“1”レンジにお
ける高変速段側への誤つた変速が確実に禁止され
ると共に、特に2個の電磁手段が断線によつて作
動しなくなつた時に、マニユアルバルブの操作に
よつて“D”レンジ、“2”レンジ、“1”レンジ
の順に順次低変速段側に移行する変速段が固定的
に得られることになる。 (実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。 第1図に示すように、自動変速機1は、トルク
コンバータ10と、多段変速歯車機構20と、そ
の両者の間に配設されたオーバードライブ用変速
歯車機構40とを有する。 トルクコンバータ10は、ドライブプレート1
1及びケース12を介してエンジン2の出力軸3
に直結されたポンプ13と、上記ケース12内に
おいてポンプ13に対向状に配置されたタービン
14と、該ポンプ13とタービン14との間に配
置されたステータ15とを有し、上記タービン1
4には出力軸16が結合されている。また、該出
力軸16と上記ケース12との間にはロツクアツ
プクラツチ17が設けられている。このロツクア
ツプクラツチ17は、トルクコンバータ10内を
循環する作動油の圧力で常時締結方向に押圧さ
れ、外部から解放用油圧が供給された際に解放さ
れる。 多段変速歯車機構20は、フロント遊星歯車機
構21と、リヤ遊星歯車機構22とを有し、両機
構21,22におけるサンギア23,24が連結
軸25により連結されている。この多段変速歯車
機構20への入力軸26は、フロントクラツチ2
7を介して上記連結軸25に、またリヤクラツチ
28を介してフロント遊星歯車機構21のリング
ギヤ29に夫々連結されるように構成され、且つ
上記連結軸25、即ち両遊星歯車機構21,22
におけるサンギア23,24と変速機ケース30
との間にはセカンドブレーキ31が設けられてい
る。また、フロント遊星歯車機構21のピニオン
キヤリア32と、リヤ遊星歯車機構22のリング
ギア33とは出力軸34に連結され、更に、リヤ
遊星歯車機構22のピニオンキヤリア35と変速
機ケース30との間には、ローリバースブレーキ
36及びワンウエイクラツチ37が夫々介設され
ている。 一方、オーバードライブ用変速歯車機構40に
おいては、ピニオンキヤリア41が上記トルクコ
ンバータ10の出力軸16に連結され、サンギア
42とリングギア43とが直結クラツチ44によ
つて結合される構成とされている。また、上記サ
ンギア42と変速機ケース30との間にはオーバ
ードライブブレーキ45が設けられ、且つ上記リ
ングギア43が多段変速歯車機構20への入力軸
26に連結されている。これにより、該オーバー
ドライブ用変速歯車機構40は、クラツチ44が
締結され且つブレーキ45が解放された時にトル
クコンバータ10の出力軸16と多段変速歯車機
構20への入力軸26とを直結し、上記クラツチ
44が解放され且つブレーキ45が締結された時
に上記軸16,26をオーバードライブ結合す
る。 以上のような変速歯車機構20,40により、
この自動変速機1は、上記フロントクラツチ2
7、リヤクラツチ28、セカンドブレーキ31、
ローリバースブレーキ36、ワンウエイクラツチ
37、直結クラツチ44及びオーバードライブブ
レーキ45の選択的作動に応じて前進4段、後進
1段の変速段が得られる。ここで、上記各クラツ
チ及びブレーキの作動状態と変速段との関係をま
とめると、第1表のようになる。尚、1速につい
ては、ローリバースブレーキ36が締結されるエ
ンジンブレーキの効く1速と、ワンウエイクラツ
チ37が作動するエンジンブレーキの効かない1
速とがある。
【表】 次に、この自動変速機1における油圧制御回路
について説明する。 この油圧制御回路には、主たる構成要素とし
て、上記エンジン2の出力軸3により常時駆動さ
れるオイルポンプ50と、該ポンプ50によりメ
インライン100に発生される油圧を所定値に調
整するレギユレータバルブ60と、手動操作によ
つてレンジが選択されるマニユアルバルブ70
と、第1、第2シフトバルブ80,90とが備え
られている。また、該第1、第2シフトバルブ8
0,90には夫々第1、第2ソレノイド81,9
1が備えられ、これらのソレノイド81,91が
図に示すONの状態で第1、第2制御ライン10
1,102がドレンされることにより、第1、第
2シフトバルブ80,90が図示のようにスプリ
ング82,92により右側に位置され、またソレ
ノイド81,91がOFFになれば第1、第2制
御ライン101,102のドレン部が閉鎖される
ことにより、第1、第2シフトバルブ80,90
が夫々スプリング82,92に抗して図面上左方
に移動するようになつている。 一方、上記マニユアルバルブ70は、その操作
位置に応じて“P”,“R”,“N”,“D”,“2”

“1”の各レンジを有すると共に、上記メインラ
イン100が接続された入力ポート76と、該バ
ルブ70のレンジに応じて選択的にメインライン
100に連通される第1〜第5出力ポート71〜
75とが設けられている。 これらの出力ポート71〜75のうち、第1出
力ポート71は、マニユアルバルブ70が“D”,
“2”,“1”の各前進レンジにある時にメインラ
イン100に連通し、ライン103を介して上記
リヤクラツチ28のアクチユエータ28aに作動
圧を供給する。従つて、“D”,“2”,“1”レン
ジにおいては常にリヤクラツチ28が締結された
状態にある。また、上記ライン103からは上記
第1、第2シフトバルブ80,90を作動させる
第1、第2制御ライン101,102が分岐され
ており、従つて、“D”,“2”,“1”のレンジに
おいては、第1、第2シフトバルブ80,90が
第1、第2ソレノイド81,91のON,OFFに
応じて作動されることになる。更に、第1出力ポ
ート71に接続されたライン103からは第1シ
フトバルブ80に至るライン104が分岐されて
いると共に、このライン104は第1シフトバル
ブ80が図示の位置にある時にライン105に通
じ、更に第2シフトバルブ90が左方に移動した
時にライン106に通じて、上記セカンドブレー
キ31のアクチユエータ31aに作動圧を供給す
る。従つて、“D”,“2”,“1”の各レンジにお
いて、第1、第2シフトバルブ80,90が夫々
図面上、右、左側に位置する時(第1、第2ソレ
ノイド81,91が夫々ON,OFFの時)にセカ
ンドブレーキ31が締結される。 次に、上記マニユアルバルブ70の第2出力ポ
ート72は、該バルブ70が“D”,“2”レンジ
にある時にメインライン100に通じて該ライン
100と第1シフトバルブ80に至るライン10
7とを連通させる。このライン107は第1シフ
トバルブ80が左方に移動した時にライン108
に連通して上記フロントクラツチ27のアクチユ
エータ27aに作動圧を供給する。従つて、
“D”,“2”レンジにおいて、第1シフトバルブ
80が左側に位置した時(第1ソレノイド81が
OFFの時)にフロントクラツチ27が締結され
る。この場合において、上記第2出力ポート72
ないしライン107は、“1”レンジではマニユ
アルバルブ70によつてメインライン100から
遮断されるので、“1”レンジでフロントクラツ
チ27が締結されることはない。 また、マニユアルバルブ70の第3出力ポート
73は、該バルブ70が“P”,“R”,“2”,
“1”レンジにある時にメインライン100に連
通し、該ライン100と第1シフトバルブ80に
至るライン109とを連通させる。このライン1
09は、第1シフトバルブ80が左方に移動した
時にライン110に通じると共に、更に第2シフ
トバルブ90が左方に移動した時にライン111
に通じる。そして、ライン112,113に分岐
して上記直結クラツチ44のアクチユエータ44
aと、オーバードライブブレーキ45のアクチユ
エータ45aにおける解放側ポート45a′に作動
圧を供給する。このアクチユエータ45aの締結
側ポート45a″にはメインライン100から分岐
されたライン114によつて常時作動圧が導入さ
れ、解放側ポート45a′に作動圧が導入されてい
ない時にオーバードライブブレーキ45を締結さ
せるが、上記のようにライン111,113から
解放側ポート45a′にも作動圧が供給されるとオ
ーバードライブブレーキ45を解放させる。従つ
て、“2”,“1”レンジにおいて第1、第2シフ
トバルブ80,90が共に左側に位置した時
(“P”,“R”レンジではシフトバルブ80,90
は左側に移動しない)には、オーバードライブブ
レーキ45が解放され、また、この時、直結クラ
ツチ44が締結される。 ところで、直結クラツチ44のアクチユエータ
44aとオーバードライブブレーキ用アクチユエ
ータ45aの解放側ポート45a′にライン11
2,113を介して作動圧を供給するライン11
1は、第2シフトバルブ90が図示のように右側
に位置する時にライン115を介してメインライ
ン100に連通し、また、該第2シフトバルブ9
0が左側に位置しても、第1シフトバルブ80が
右側に位置している時は上記ライン110及びラ
イン116を介してメインライン100に連通す
る。従つて、第1、第2シフトバルブ80,90
が共に左側に位置する時以外はライン111に作
動圧が導入されて直結クラツチ44が締結され、
且つオーバードライブブレーキ45が解放され
る。そして、両シフトバルブ80,90が共に左
側に位置した時にライン111への作動圧の導入
が遮断されて、直結クラツチ44が解放され且つ
オーバードライブブレーキ45が締結される。し
かし、これは“D”レンジの場合だけであつて、
“2”,“1”レンジにおいては、上記のようにマ
ニユアルバルブ70の第3出力ポート73からラ
イン109に作動圧が導入されているので、第
1、第2シフトバルブ80,90が共に左側に位
置しても、該ライン109から上記ライン11
0,111を介して作動圧が導入されて、直結ク
ラツチ44が締結され且つオーバードライブブレ
ーキ45が解放される。 また、上記マニユアルバルブ70の第4出力ポ
ート74は、該バルブ70が“P”,“R”,“1”
レンジにある時にメインライン100に連通し、
該ライン100と第2シフトバルブ90に至るラ
イン117とを連通させる。このライン117
は、シフトバルブ90が図示のように右側に位置
する時に、更にライン118に通じて作動圧をロ
ーリバースブレーキ36のアクチユエータ36a
に供給する。これにより、“P”,“R”,“1”レ
ンジで該ローリバースブレーキ36が締結され
る。 更に、マニユアルバルブ70の第5出力ポート
75は、該バルブ70が“R”レンジにある時に
メインライン100に連通して該ライン100と
ライン119とを連通させる。このライン119
はライン120,121に分岐されて、夫々第
1、第2シフトバルブ80,90におけるスプリ
ング82,92が備えられた端部に作動圧を供給
し、該スプリング82,92と同方向に第1、第
2シフトバルブ80,90を付勢して、これらを
図に示す右側の位置に固定する。そして、この状
態で上記ライン119から分岐されて第1シフト
バルブ80に至るライン122が上記フロントク
ラツチ27のアクチユエータ27aに至るライン
108に通じる。従つて、“R”レンジでフロン
トクラツチ27が締結されることになる。 以上のようにして、マニユアルバルブ70のレ
ンジに応じて、また“D”,“2”,“1”レンジに
おいては第1、第2ソレノイド81,91の
ON,OFFに伴う第1、第2シフトバルブ80,
90の位置に応じて、上記フロントクラツチ2
7、リヤクラツチ28、セカンドブレーキ31、
ローリバースブレーキ36、直結クラツチ44及
びオーバードライブブレーキ45が選択的に作動
され、これに伴つて所定の変速段が得られるので
あるが、これをまとめると第2表に示すようにな
る。ここで、オーバードライブブレーキ(ODブ
レーキ)45については、“D”レンジ4速の場
合(表中の☆印)にのみ締結されるようになつて
いるが、これは、この場合のみアクチユエータ4
5aの締結側ポート45a″だけに作動圧が供給さ
れ、他の場合は締結側及び解放側の両ポート45
a″,45a′に作動圧が供給されることによる。ま
た、“1”レンジ1速(表中の*印)においては、
ローリバースブレーキ36が締結されるのでエン
ジンブレーキが効く1速となり、他の1速はロー
リバースブレーキ36の代わりにワンウエイクラ
ツチ37が作動するのでエンジンブレーキが効か
ない1速となる。
【表】
【表】 然して、この自動変速機1においては、第2表
に示すように、1速から4速までの全変速範囲が
利用されるのは“D”レンジの場合だけであつ
て、“2”レンジでは1〜3速、“1”レンジでは
1〜2速の範囲内でのみ変速が行われるようにな
つている。つまり、“2”レンジでは4速に変速
することが禁止され、“1”レンジでは3,4速
に変速することが禁止されているのである。この
ような“2”レンジ、“1”レンジでの変速範囲
の制限はマニユアルバルブ70の操作による第
2、第3出力ポート72,73の開閉制御によつ
て行われる。 この作用を改めて説明すると、“2”レンジ及
び“1”レンジにおいては、第3出力ポート73
が開かれてライン109に作動圧が導入されるこ
とにより、第1、第2シフトバルブ80,90が
共に左側に位置して“D”レンジでは4速になる
状態になつても、上記ライン109からライン1
10を介してライン111に作動圧が導入される
ことになる。このライン111は直結クラツチ4
4を締結し且つオーバードライブブレーキ45を
解放する4速解除用のラインであつて、これによ
り“2”レンジ、“1”レンジでの4速への変速
が阻止される。また、“1”レンジでは上記第2
出力ポート72がマニユアルバルブ70によりメ
インライン100ないし入力ポート76に対して
遮断されて、該マニユアルバルブ70の排圧ポー
ト77に連通されるため(第4図参照)、第1シ
フトバルブ80が左側に位置した時、即ち“D”
レンジ及び“2”レンジでは上記第2出力ポート
72からライン107,108を介してフロント
クラツチ27のアクチユエータ27aに作動圧が
導入される時に、該アクチユエータ27a内が排
出される。このフロントクラツチ27は3速(及
び4速)を得るためのものであるから、“1”レ
ンジでは3速への変速が阻止されることになる。 ところで、上記の構成によれば、第1、第2ソ
レノイド81,91の故障時、特に発生頻度が最
も多い断線による非作動(OFF)時に、第1、
第2シフトバルブ80,90が図面上、共に左側
に位置して、変速段が“D”レンジでは4速、
“2”レンジでは3速、“1”レンジでは1速に固
定される。次に、このような第1、第2ソレノイ
ド81,91のOFF,OFF時の作用を第2図以
降の図面を用いて説明する。 先ず、“D”レンジにおいて、第1、第2ソレ
ノイド81,91がOFF,OFFとなつた時(第
1、第2シフトバルブ80,90が共に左側に位
置した時、以下同様)は、第2図に示すように第
3出力ポート73が閉じられているので、該ポー
ト73からライン109,110を介しての4速
解除用のライン111への作動圧の供給が遮断さ
れると共に、メインライン100からライン11
5を介してのライン111への作動圧の導入及び
同じくメインライン100からライン116、ラ
イン110を介してのライン111への作動圧の
導入が夫々第2、第1シフトバルブ90,80に
よつて遮断されるため、直結クラツチ44のアク
チユエータ44a及びオーバードライブブレーキ
45のアクチユエータ45aの解放側ポート45
a′への作動圧の供給が停止され、従つて直結クラ
ツチ44が解放され且つオーバードライブブレー
キ45が締結される。この時、第2出力ポート7
2からライン107、第1シフトバルブ80及び
ライン108を介してフロントクラツチ27のア
クチユエータ27aに作動圧が供給されて該フロ
ントクラツチ27が締結される。これにより、変
速段は4速となる。尚、この場合は第1、第2ソ
レノイド81,91が正常時においてOFF,
OFFとなつた時と同じである。但し、故障によ
つてOFF,OFFとなつた時は他の変速段への変
速が行われず、4速に固定されることになる。 次に、第1、第2ソレノイド81,91が
OFF,OFFの状態で、マニユアルバルブ70が
“2”レンジにシフトされた時は、第3図に示す
ように第3出力ポート73が開いて、該ポート7
3から第1、第2シフトバルブ80,90に直列
状に接続されるフエールセーフ油路としてのライ
ン109,110を介して4速解除用のライン1
11に作動圧が導入され、これにより4速への変
速が阻止される。そして、“D”レンジの場合と
同様に、第2出力ポート72からライン107、
第1シフトバルブ80及びライン108を介して
フロントクラツチ27のアクチユエータ27aに
作動圧が導入されることにより変速段は3速とな
り、上記ソレノイド81,91がOFF,OFFで
ある限り、この変速段に固定される。 更に、第1、第2ソレノイド81,91が
OFF,OFFの状態で、マニユアルバルブ70が
“1”レンジにシフトされた時は、第4図に示す
ように、上記“2”レンジの場合と同様に、第2
出力ポート73からライン109,110を介し
て4速解除用のライン111に作動圧が導入され
ると共に、この場合は第2出力ポート72がメイ
ンライン100ないし入力ポート76に対して遮
断され且つ排圧ポート77に連通されるため、ラ
イン107,108を介して3,4速構成用のフ
ロントクラツチ27の油圧アクチユエータ27a
内が排圧される。そして、第1出力ポート71に
連通したライン104とセカンドブレーキ31の
アクチユエータ31aに至るライン105とが第
1シフトバルブ80により遮断され、また第4出
力ポート74に連通したライン117とローリバ
ースブレーキ36のアクチユエータ36aに至る
ライン118とが第2シフトバルブ90により遮
断されるため、変速段は直結クラツチ44と、リ
ヤクラツチ28と、ワンウエイクラツチ37の作
動によるエンジンブレーキの効かない1速とな
る。 このようにして、第1、第2ソレノイド81,
91の断線時(OFF,OFF時)に、変速段は第
3表にまとめて示すように“D”レンジでは4
速、“2”レンジでは3速、“1”レンジでは1速
に夫々固定されることになり、換言すればマニユ
アルシフトレバーの操作によるマニユアルバルブ
70の動作によつて4速、3速、1速を自由に選
択できるようになる。
【表】 尚、この実施例においては、“R”レンジでマ
ニユアルバルブ70の第5出力ポート75が開く
ことにより、ライン119,120,121を介
して第1、第2シフトバルブ80,90の一端に
作動圧が供給されて、該バルブ80,90を夫々
スプリング82,92と共に右側の位置に押圧固
定するようになつている。そのため、これらのバ
ルブ80,90がステツクし或いはスプリング8
2,92の押圧力が低下する等の不具合が生じて
も、マニユアルバルブ70を“R”レンジにシフ
トした時に両シフトバルブ80,90が確実に右
側の位置に固定されることになる。これにより、
上記のような不具合発生時にも後退変速段が確実
に得られることになる。 また、この実施例においては、第1図に示すよ
うに以上の構成に加えて、ロツクアツプバルブ1
30と該バルブ130を制御する第3ソレノイド
131とが備えられている。このロツクアツプバ
ルブ130は、第3ソレノイド131が図に示す
ONの状態で第3制御ライン132をドレン部に
連通させることにより、スプリング133によつ
て図示のように下方に位置され、メインライン1
00からレギユレータバルブ60を経て導かれた
ライン134と上記ロツクアツプクラツチ17に
至るライン135とを遮断している。従つて、こ
の状態では、ロツクアツプクラツチ17はトルク
コンバータ10内の作動油の圧力によつて締結さ
れる。そして、該バルブ130は、上記第3ソレ
ノイド131がOFFになつた時に第3制御ライ
ン132内の圧力が高まることにより上方に移動
され、上記ライン134,135を連通させる。
これにより、ロツクアツプクラツチ17が解放さ
れることになる。 (考案の効果) 以上のように本考案によれば、2個のシフトバ
ルブと、これらのシフトバルブの位置を夫々切換
えて油圧供給通路を1速から4速までの4通りの
状態に切換える2個の電磁手段とが備えられ、且
つマニユアルバルブによつて4つの前進変速段が
全て使用される“D”レンジと、最高使用変速段
が順次低変速段側に制限される“2”レンジ及び
“1”レンジとが選択される電子制御式自動変速
機において、各レンジにおける変速範囲の制限
を、電磁手段に対する制御によることなく、上記
マニユアルバルブの操作によつて機械的或いは油
圧的に順次高変速段側から使用を不能とすること
により行い、且つ上記電磁手段の非作動時には、
“D”,“2”,“1”レンジの順に順次低変速段に
固定されるようにしたから、上記電磁手段の故障
発生時にも各レンジについて設定された変速範囲
が乱れることが防止されると共に、特に最も発生
頻度が多い電磁手段が作動しなくなる断線時に、
例えば“D”レンジでは4速に、“2”レンジで
は3速に、“1”レンジでは1速に夫々変速段が
固定されることになる。これにより、電磁手段及
びシフトバルブの個数を削減して油圧制御回路の
簡素化を図りながら、各レンジでの使用変速範囲
の制限が確実化されると共に、電磁手段の故障発
生時に、マニユアルシフトレバーの操作によつて
手動変速機と同様に変速段を自由に選択できるよ
うになり、当該自動車の通常の走行が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示すもので、第1図は
自動変速機の機械的構成及び油圧制御回路を示す
システム図、第2〜4図は夫々作用状態を示す油
圧制御回路の要部拡大図である。 1……自動変速機、3……エンジン出力軸、2
0,40……変速歯車機構、27,28,31,
36,44,45……摩擦要素、27a,28
a,31a,36a,44a,45a……油圧ア
クチユエータ、70……マニユアルバルブ、72
……第2のポート、73……第1のポート、77
……排圧ポート、80,90……シフトバルブ、
81,91……電磁手段。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 変速範囲の異なる複数のレンジとして、1速か
    ら4速までの4つの前進変速段を有するDレンジ
    及び最高使用変速段を順次低変速段側へ制限した
    2レンジ、1レンジを有する自動変速機におい
    て、上記各レンジンを手動操作により選択するマ
    ニユアルバルブと、複数の摩擦要素を夫々操作し
    てエンジンの出力軸に連結された変速歯車機構の
    動力伝達経路を切換える複数の油圧アクチユエー
    タと、これらのアクチユエータへの油圧供給通路
    を4通りに切換えて上記1速から4速までの4つ
    の前進変速段を得るために、ストロークエンドに
    対応した2つの切換え位置を有する2個のシフト
    バルブと、この2個のシフトバルブの夫々に設け
    られて作動、非作動の組合せによりこれらのシフ
    トバルブの切換え位置の組合せを上記1速ないし
    4速に対応した4通りの状態に切換え、Dレンジ
    において共に非作動の時に4速が達成される状態
    に制御する2個の電磁手段とを備えると共に、上
    記マニユアルバルブに上記2レンジ、1レンジへ
    の変換操作に対応して開閉制御され、該マニユア
    ルバルブを2レンジに変換操作した時に開いて上
    記2個のシフトバルブが4速配置となつた時に4
    速解除油路に連通すべく該2個のシフトバルブに
    直列状態で接続されるフエールセーフ油路に連通
    される第1のポートと、マニユアルバルブを1レ
    ンジに変換操作した時に排圧ポートに連通すべく
    切換えられると共に他のレンジで3,4速構成用
    の油圧アクチユエータに作動圧を供給するための
    油路に連通される第2のポートを形成して、該マ
    ニユアルバルブの操作によるこれらのポートの開
    閉制御によつてDレンジから2レンジ、1レンジ
    への操作に応じて順次高変速段用油圧アクチユエ
    ータの使用を不可能とし、且つ上記2個のシフト
    バルブの配置を、夫々の電磁手段が非作動の時に
    Dレンジ、2レンジ、1レンジの順に順次低変速
    段に固定されるように配置したことを特徴とする
    自動変速機の油圧制御装置。
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