JPH0141751Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車椅子用エスカレータにおけるステツ
プの改良に関するものである。

［従来の技術］ 通常のエスカレータのステツプの奥行寸法は大
体400mm前後であり、この寸法は一般の乗客が利
用するには十分な寸法であるが、車椅子を使用す
る身体障害者などが利用する場合には、車椅子が
大きすぎてエスカレータを利用できない欠点があ
つた。

このため、任意のステツプの踏板を奥行き方向
（前後方向）に移動自在に構成し、身障者がエス
カレータを利用する場合のみ、踏板を後輪側に引
き出して踏板の奥行きを実質的に広くするエスカ
レータを特願昭58−114635（特開昭60−6583）、特
願昭58−120493（特開昭60−12487）及び特願昭58
−198057（特開昭60−93089）にて最近出願人は提
案した。

ところで、単に踏板を引き出すだけであれば、
乗客が乗り降りする位置において第２図に示すよ
うに、身障者用ステツプ１とそれと隣接する下方
の通常のステツプ２とに段差が生じることから、
上記の提案では第３図に示すように、踏板４の後
端には軸３ａを介して踏板の移動駆動機構と連動
して回動自在に動く傾斜板３を設けている。

即ち、本考案と直接関連のない部分について説
明を省略するが、身障者用ステツプ１の踏板４の
裏面中央部にはラツク５を設け、踏板４の下方に
はラツク５と噛み合うピニオン６を設けてラツク
ピニオン機構を構成するとともに、軸３ａの一端
には鎖歯車７、踏板４の前端片側、つまり鎖歯車
７と同じ側には回動自在に鎖歯車８とそれぞれ設
け、この鎖歯車７と鎖歯車８とにはピニオン９と
噛み合つてラツクピニオン機構を構成しているラ
ツク１０が固定されたチエーン１１を巻き掛け
て、ピニオン６が反時計方向に回転されると、踏
板４ａが後方に送り出される動作に応じて、この
送り出し移動動作がラツク１０とピニオン９とが
噛み合つた状態で行なわれるために、チエーン１
１は第３図ａの矢印方向に移動し、傾斜の付いた
傾斜板３を軸３ａを中心に時計方向に略180゜回転
させ第３図ｂ及び第４図に示す状態にするように
なつている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、傾斜板３を設けることによつて、身障
者用ステツプ１への車椅子の乗込みは確かに楽に
なるものの、この傾斜板３を回転させる回転機構
が踏板の端部に位置しているため、踏板の駆動機
構部と掛け離れていて一つのギアボツクスに収納
するのが困難である。又、踏板を支持する支持部
に傾斜板の回転機構を設けねばならず、構造も複
雑となつてしまう。

本考案は上記の点に鑑みなされたもので、構造
の簡単な車椅子用エスカレータのステツプを提供
することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 以下、本考案の一実施例を図面を用いて説明す
る。

第１図ａ，ｂは本考案による身障者用ステツプ
４０の第３図ａ，ｂ対応図で、第２図、第３図と
同一符号のものは同一のものを示すが、図中２１
は本考案による身障者用ステツプ４０の踏板で、
たとえばＥ字形状に切欠けられている。２２はこ
の踏板２１の下方に前後方向に引き出し自在に構
成された補助踏板、２３は補助踏板２２の裏面中
央部に設けられたラツク（従来装置のラツク５に
相当）でピニオン６と噛み合つてラツクピニオン
機構を構成している。２４は本考案による２枚の
傾斜板で補助踏板２２の後端に回動自在に設けら
れた軸２４ａの左右に固定されている。２５は軸
２４ａの中央部に固定された鎖歯車、２６は補助
踏板２２の前端中央に回動自在に設けられた鎖歯
車で、鎖歯車２５との間にはチエーン２７が巻き
掛けられている。２８は身障者用ステツプ４０の
内部に回動自在に設けられた軸２９の一端に固定
された鎖歯車で、前述のチエーン２７と噛み合つ
ている。３０は軸２９の他端に固定された傘歯
車、３１は傘歯車３０と噛み合つている傘歯車
（従来装置のピニオン９に相当）。３２は身障者用
ステツプ４０の内部左右両側面に固定され補助踏
板２２を支持案内する支持案内部材、３３は踏板
２１の裏面に固定された安全板で、補助踏板２２
がたとえ引き出されすぎたとしても踏板に穴があ
かないようになつている。

［考案の効果］ このように傾斜板２４を二つに分けて、その中
間に傾斜板を回転させる回転機構をもつてくれ
ば、補助踏板の駆動機構と同じ位置に集中させら
れるため、一つのギアボツクスにまとめて収納で
き構成上簡素なものとなる。又、補助踏板を支持
する支持案内部材と回転機構とが干渉することも
なくなる。

以上の説明では、傾斜板を二つに分割した例に
ついて述べたが、これは中央部を切欠いた一つの
傾斜板であつてもよく、要するに両側部の支持案
内以外の箇所に回転機構を設けられる形状であれ
ばよい。

以上述べたように本考案によれば、傾斜板を回
転させる回転機構を補助踏板の駆動機構と同じ位
置に集中配置できるため、構成上極めて簡素なも
のにできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による車椅子用エスカレータス
テツプの斜視図、第２図及び第４図は乗降位置に
おける従来の車椅子用エスカレータステツプの全
体斜視図、第３図は従来の車椅子用エスカレータ
ステツプの斜視図である。 １，４０……身障者用ステツプ、２……通常の
ステツプ、４，２１……踏板、２２……補助踏
板、３，２４……傾斜板、３ａ，２４ａ……軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) エスカレータを構成する複数のステツプのう
   ち少なくとも一つのステツプの踏板の下方には
   左右両側部が該ステツプに支持された補助踏板
   を設け、該補助踏板は駆動機構により前後方向
   に移動自在に構成され、前記補助踏板の後端に
   は回転機構により回転駆動される回動自在な傾
   斜板が設けられた車椅子用エスカレータのステ
   ツプにおいて、 前記駆動機構及び前記回転機構は前記補助踏
   板の左右両側部の支持部以外の中央部に集中配
   置されていることを特徴とする車椅子用エスカ
   レータのステツプ。 (2) 前記駆動機構は、前記補助踏板の裏面中央部
   にラツク、前記ステツプ内に該ラツクと噛合す
   るピニオンを備えたラツクピニオン機構である
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の車椅子用エスカレータのステツプ。 (3) 前記回転駆動機構は、前記傾斜板が前記補助
   踏板の後端に回動自在に設けられた軸に固定さ
   れ、該軸の中央部には鎖歯車が設けられ、該鎖
   歯車にはチエーンが巻き掛けられた駆動機構で
   あることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の車椅子用エスカレータのステツ
   プ。 (4) 前記補助踏板の移動動作と前記傾斜板の回転
   動作は連動する如くに構成したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の車椅子
   用エスカレータのステツプ。 (5) 前記傾斜板は、前記軸に前記鎖歯車を間にお
   いて左右に１枚づつ設けられたことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第３項記載の車椅子
   用エスカレータのステツプ。 (6) 前記傾斜板は車椅子乗降時には踏込板、車椅
   子乗客使用中には車止めをそれぞれ兼用するこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の車椅子用エスカレータのステツプ。